JPH0435187Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はカーボン紙を用いて型板の凸型図形
等を印刷用紙に転写する型取り転写印刷器に関す
るものである。

〔従来の技術〕

従来、型板の上に印刷用紙を載せ、その上から
クレヨン等の固形絵具で擦ることにより、前記型
板の凸型図形等を印刷用紙に転写させるようにし
た実公昭57−1989号公報に開示の透写玩具（以
下、型取り転写印刷器という）が知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前記従来の型取り転写印刷器は、型板装着用の
凹部を設けた基台と、この基台の一側に開閉自在
に装着した押え板と、この押え板の円形穴に回動
自在に装着した外周に歯車を有する透明円板と、
この円板外周歯車に噛合する歯車を有した把手付
きの駆動円板とからなり、前記透明円板を回転さ
せて、該円板に装着したクレヨン等の固形絵具で
型板上の用紙を擦り、型板の凸型図形等を前記用
紙に転写するように構成されているので、印刷器
全体の構造が複雑でコスト高になること、クレヨ
ン等の固形絵具が擦り減ると転写印刷ができなく
なること、従つてその都度固形絵具を転写印刷可
能な状態に装着し直さなければならない面倒があ
ること、クレヨン等の固形絵具は粉状の擦りカス
が出るので、用紙印刷面が汚れる欠点もあること
等の問題がある。

〔問題点を解決するための手段〕

前記従来の問題点を解決するために、この考案
の型取り転写印刷器は、円形穴を有し該円形穴の
下面開口部沿いに圧縮変形可能な複数個の弾性足
を取付けた型板設置面に手で押付けて固定される
本体盤と、この本体盤の裏面部に被着され前記円
形穴の下面開口部を閉塞する可撓性のある転圧フ
イルムと、前記本体盤の円形穴に回転可能に嵌合
保持された回転操作摘みを有する円形状の回転体
と、この回転体の下面部に半径方向に向けて突設
した前記転圧フイルム面を擦るための回転擦り突
条とを具備し、前記本体盤を型板設置面に押付け
た状態で回転体を手回し操作することにより、型
板の凸型図形等を印刷用紙にカーボン紙で転写す
るようにしたことを特徴とするものである。

〔作用〕

机上等の型板設置面に型板を置き、その上にカ
ーボン紙と印刷用紙を載せ、この印刷用紙を転写
フイルムで押圧するように、本体盤を型板設置面
に手で押付け固定させ、この状態で本体盤に装着
した回転体を手回し操作する。そうすると、回転
体下側面部の突条が転圧フイルム面に接触した擦
れ状態で回転し、この突条の回転擦り力が転圧フ
イルムを介して型板上の印刷用紙に加えられ、そ
れによつて型板の凸型図形等がカーボン紙の転写
作用で印刷用紙に型取り印刷されるようになる。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例による型取り転写印
刷器の構造を図面に従い具体的に説明すると、図
中１は適宜の形状（例えば兎形状）に成形された
合成樹脂製の本体盤で、この本体盤１は直径８cm
位の大径な円形穴２を有し、この円形穴２の下面
開口部沿いに圧縮変形可能なウレタンゴム等の弾
性足３を複数個例えば４個取付けて、型板設置面
４に上方から手で押付けて固定されるようになつ
ている。

５は前記円形穴２の下面開口部を閉塞するよう
に、前記本体盤１の裏面部に接着等の固定手段に
より被着された可撓性のある転圧フイルム、６は
前記本体盤１の円形穴２に回転可能に嵌合保持さ
れた円形状の回転体で、この回転体６は上壁部か
ら凹設した偏心凹所７と、この凹所内底ボス部７
ａに回転自在に止着された回転操作摘み８を有
し、前記偏心凹所７の底壁７ｂ下面部には転圧フ
イルム５の上面を擦るための回転擦り突条９が第
２図の如く半径方向に向けて一体的に突設されて
いる。

而して、前記のように構成された本考案の型取
り転写印刷器は、次のようにして使用される。即
ち、机上等の型板設置面４に印刷版である型板１
０を置き、その上にカーボン紙Ｃと印刷用紙Ｐを
第４図の如く載せ、この印刷用紙Ｐを転圧フイル
ム５で押圧するように、本体盤１を型板設置面４
に上方から手で押付け固定させ（この時、本体盤
１の弾性足３は前記用紙Ｐに適当な転写圧力を加
えられるように圧縮変形される）、この状態で本
体盤１に装着した回転体６を摘み８により手回し
操作する。そうすると、回転体６の下側面突条９
が転圧フイルム５の上面に接触した擦れ状態で回
転し、この突条９の回転擦り力が転圧フイルム５
を介して型板１０上の印刷用紙Ｐに加えられ、そ
れによつて型板１０の凸型図形１１等（凸型反転
文字であつてもよい）がカーボン紙Ｃの転写作用
で印刷用紙Ｐに型取り印刷されることになる。

なお、前記実施例における回転体６は平面形の
円板であつてもよく、叉この円板形回転体６の下
面部に設けられる回転擦り突条９についても、図
示した１本突条に限定されるものではなく、半径
方向に向かう複数本の放射状リブ等として形成す
ることも可能である。

〔考案の効果〕

この考案の型取り転写印刷器は、前記のような
構成のものであるから、以下の如き効果を奏す
る。

印刷器全体の構造が従来のものに比べて非常
に簡単で安価に提供することができる。

回転体下面突条９は固形絵具のように擦り減
ることがないので、固形絵具の如き面倒な装着
修正を行なう必要がなく、便利に使用すること
ができる。

型板図形１１等をカーボン紙Ｃで転写するの
で、固形絵具のような粉状の擦りカスが出る問
題もなく、きれいな型取り印刷を行なうことが
できる。

前記回転体６の突条９は転圧フイルム５を介
して印刷用紙Ｐに転写圧力を加えるようになつ
ているので、印刷用紙Ｐに擦り傷が付かない利
点がある。

本体盤１に圧縮変形可能な複数個の弾性足３
が取付けられていることにより、型板設置面４
に対する押付け固定をしつかりと行なうことが
できると共に、前記本体盤１の押し具合によつ
て型板１０上の印刷用紙Ｐに適当な転写圧力を
加えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の型取り転写印刷器を型板設置
面に置いた状態で示す中央縦断面図、第２図は同
印刷器の一部切欠した裏面図、第３図は型板の一
例を示す平面図、第４図は前記印刷器による型取
り転写方法を説明するための作用説明図である。 １……本体盤、２……円形穴、３……弾性足、
４……型板設置面、５……転圧フイルム、６……
回転体、８……回転操作摘み、９……回転擦り突
条、１０……型板、１１……凸型図形等、Ｃ……
カーボン紙、Ｐ……印刷用紙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円形穴を有し該円形穴の下面開口部沿いに圧縮
   変形可能な複数個の弾性足を取付けた型板設置面
   に手で押付けて固定される本体盤と、この本体盤
   の裏面部に被着され前記円形穴の下面開口部を閉
   塞する可撓性のある転圧フイルムと、前記本体盤
   の円形穴に回転可能に嵌合保持された回転操作摘
   みを有する円形状の回転体と、この回転体の下面
   部に半径方向に向けて突設した前記転圧フイルム
   面を擦るための回転擦り突条とを具備し、前記本
   体盤を型板設置面に押付けた状態で回転体を手回
   し操作することにより、型板の凸型図形等を印刷
   用紙にカーボン紙で転写するようにしたことを特
   徴とする型取り転写印刷器。