JPH0435081Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は工具マガジンに収納された工具を立形
工作機械の主軸に挿着する自動工具交換装置に関
するものである。

〈従来の技術〉 従来の立形工作機械の工具交換装置において
は、工具マガジン収納状態における工具軸線が主
軸軸線と平行になるように鉛直平面内で回動させ
姿勢変化する必要がある。このためマガジンの周
囲にソケツトを回動可能に枢着し、ソケツトを倒
すことで工具の姿勢変換が行われていた。このよ
うなソケツト回動式のマガジンにおいては、ソケ
ツトを倒した状態ではマガジンを割出すことがで
きないため、このソケツトと主軸間で工具交換す
ると、新たに主軸に挿着される工具の収納位置に
主軸から戻された工具が入るため、工具番号（番
地）を書き替える必要があつた。かかる方式に
は、工具交換を繰り返すことによりマガジンに収
納された工具の配列順序が変化いていくことにな
り、工具のメインテナンス上問題があつた。

又、工具をソケツトごとマガジンから取出す取
出し装置を設け、この工具取出し装置にて主軸軸
線と平行となる状態に工具を姿勢変更し、工具交
換アームにて工具変換するものがある。このもの
においては、ソケツトごとマガジンから工具を取
出すために、マガジン円板に対し各ソケツトは円
周方向には係合面を有しているが、半径方向には
着脱可能になつている。よつてマガジン円板の周
囲にはソケツトの半径方向飛び出しを防止する固
定ガイドが設けられ、この固定ガイドは工具取出
し位置のみ切欠かれている。この固定ガイドの切
欠かれた部分には工具取出し位置に設けられたガ
イド体が整合するようになつている。しかしなが
ら工具保持部がソケツトを保持してマガジンを回
転すると固定ガイドの切欠き部におけるソケツト
の拘束作用がないため、ソケツトが飛び出す恐れ
がある。このためソケツト取出し状態でのマガジ
ン割出しができないこととなり、前述のものと同
様工具番号の書き替えが必要となる。

〈考案が解決しようとする問題点〉 従来装置においては、ソケツトごとマガジンか
ら工具を取出した状態では、マガジン割出しがで
きなかつたため、工具交換する度に工具番号の書
換えが必要であり、工具の配列順序が時間と共に
変化するため、段取り替時のマガジン工具の交換
時の作業がやりにくかつた。工具のメインテナン
ス上は、工具の配列順序が変化しない固定番地方
式が有利であり、本考案はこれを可能にせんとす
るものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、マガジンベースに主軸軸線と平行に
固定された支持軸の軸線回りに回転可能に軸承さ
れたマガジン円板を備え、このマガジン円板の円
周上等ピツチに工具を保持する複数のソケツトを
マガジン円板の半径方向に着脱可能に保持するソ
ケツト収納部を設け、前記支持軸に固定された支
持体に前記ソケツトと共に工具をマガジン円板の
半径方向に取出す工具取出し装置を設け、この工
具取出し装置に保持された工具と主軸に挿着され
た工具を交換する工具交換アームを設け、前記マ
ガジン円板に保持されたソケツトの割出し回転軌
跡円に沿い、かつ前記工具取出し装置を除く全て
の領域でソケツトを係合案内してソケツトの外方
への飛出しを阻止する円弧レールを前記支持体に
固設し、前記工具取出し装置は、アクチユエータ
により前記マガジン円板の半径方向に進退移動可
能であり、後退端で前記円弧レールと整合しソケ
ツトに係合する係合溝および前進端で工具マガジ
ンに保持されているソケツトの外方への飛出しを
阻止する規制部を設けた搬送ブロツクと、この搬
送ブロツクにて取出したソケツトを前記マガジン
円板の半径方向に案内保持するガイドレールとに
よつて構成されているものである。

〈作用〉 本考案は、搬送ブロツクの半径方向の直動によ
りソケツトごとマガジンから工具を取り出しこの
取出し状態で搬送ブロツクに設けた規制部が円弧
レールの切欠き部におけるソケツトの外方への飛
出しの拘束作用を行い、マガジンの回転割出しを
可能としたものである。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図及び第２図において、１はマガジンベ
ース、２は前記マガジンベースに固定された支持
軸である。この支持軸２は図略の立形マシニング
センタの主軸軸線と平行な軸線である。３は前記
支持軸２に、その軸線回りに回転可能に軸承され
たマガジン円板である。このマガジン円板３の円
周上には工具を保持する複数のソケツト５を着脱
可能に保持するためのソケツト収納部４が等ピツ
チで設けられている。

６は前記マガジン円板３に保持されているソケ
ツト５を工具と共に半径方向に取出し、また取出
したソケツト５をマガジン円板３に収納させる工
具取出し装置であり、前記支持軸２端に固定され
た支持体８に固設されている。この工具取出し装
置６の構成は後述する。

７は前記工具取出し装置６により取出し保持さ
れた工具と主軸に挿着された工具を交換する工具
交換アームである。

１９はマガジン円板３を割出し回転するギヤで
あり、図略の割出し駆動モータに連結されてい
る。

９は前記支持体８に固定された円弧レーレであ
る。この円弧レール９はマガジン円板３に保持さ
れたソケツト５の割出し回転軌跡に沿つてソケツ
ト５が係合案内され、ソケツトの外方への飛出し
を阻止するものである。ソケツト５の円弧レール
９への係合案内手段は、ソケツト５の端部にロー
ラ１０を設け、このローラ１０を円弧レール９に
係合する。この円弧レール９は前記工具取出し装
置６が設置された工具取出し位置でソケツト５を
半径方向に取出し、収納を許容させるために切欠
き部１１が設けられている。

次に前記工具取出し装置６の構成を説明する。
前記支持体８に半径方向に延在するガイドプレー
ト１２が固定され、このガイドプレート１２には
半径方向にガイド穴１３が設けられている。ま
た、前記支持体８にシリンダ１８が前記半径方向
に軸線を向けて固設され、そのピストンロツド１
８ａ端に前記ガイドプレート１２のガイド穴１３
に案内される搬送ブロツク１４が固着されてい
る。

この搬送ブロツク１４には、後退端で前記切欠
き部１１にて円弧レール９と整合し、ソケツト５
のローラ１０が係合する係合溝１５と、前進端で
前記切欠き部１１におけるマガジン円板３に保持
されたソケツト５の外方への飛出しを阻止する規
制部１６が設けられている。

さらに、前記搬送ブロツク１４でマガジン円板
３より取出したソケツト５を案内保持するガイド
レール１７を備えている。このガイドレール１７
は第３図で示すように前記ガイドプレート１２と
一体的に設けられ、前記マガジン円板３と同一面
をなしている。

次に上記構成の動作について説明する。必要と
する工具を取出す場合は、搬送ブロツク１４を後
退端に位置し、マガジン円板３を割出し回転す
る。このマガジン円板３の割出し回転で、マガジ
ン円板３に保持されているソケツト５は円弧レー
ル９によつて外方への飛出しを阻止し、かつ切欠
き部１１においては搬送ブロツク１４に設けられ
ている係合溝１５にて外方への飛出しを阻止す
る。工具取出し装置に割出された工具のソケツト
５は搬送ブロツク１４の係合溝１５に係合する。
従つて、シリンダ１８を作動し、搬送ブロツク１
４を前進端へ移動することにより搬送ブロツク１
４に係合したソケツト５は工具と共にマガジン円
板３のソケツト収納部４から半径方向に取出され
てガイドレール１７に係合され、工具交換アーム
７により交換位置に位置決めされる。この搬送ブ
ロツク１４の前進端状態では、搬送ブロツク１４
に設けた規制部１６が円弧レール９の切欠き部１
１におけるマガジン円板３に保持されたソケツト
５の外方への飛出しを阻止するよう位置される。
従つて、マガジン円板３を割出し回転してもマガ
ジン円板３に保持されているソケツト５が円弧レ
ール９の切欠き部１１の位置で外方への飛出しを
拘束するのである。

〈考案の効果〉 このように本考案によると、工具取出し装置の
搬送ブロツクに、後退端では円弧レールと整合
し、マガジン円板に保持されたソケツトの通過を
許容し、かつ係合する係合溝と、前進端ではマガ
ジン円板に保持されたソケツトを円弧レールの切
欠部において外方への飛出しを阻止する規制部と
を設けたものであるから、搬送ブロツクの前進端
並びに後退端の何れにおいてもソケツトを外方へ
飛出すことなくマガジン円板の割出しを可能と
し、主軸から戻される工具の収納位置を割出して
からマガジン円板に工具を戻すようにすれば工具
番号（番地）の書替えが不要となる。また工具の
取出し並びに収納は搬送ブロツクの直動動作のみ
で行われ、従来のように主軸軸線と平行に、また
マガジンの回転軸線と平行に姿勢を回動すること
がないので制御が簡素化される効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は断面平
面図、第２図は第１図矢視図、第３図は第１図
−線断面図である。 １……マガジンベース、２……支持軸、３……
マガジン円板、５……ソケツト、６……工具取出
し装置、７……工具交換アーム、９……円弧レー
ル、１１……切欠部、１２……ガイドプレート、
１４……搬送ブロツク、１５……係合溝、１６…
…規制部、１７……ガイドレール、１８……シリ
ンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. マガジンベースに主軸軸線と平行に固定された
   支持軸の軸線回りに回転可能に軸承されたマガジ
   ン円板を備え、このマガジン円板の円周上等ピツ
   チに工具を保持する複数のソケツトをマガジン円
   板の半径方向に着脱可能に保持するソケツト収納
   部を設け、前記支持軸に固定された支持体に前記
   ソケツトと共に工具をマガジン円板の半径方向に
   取出す工具取出し装置を設け、この工具取出し装
   置に保持された工具と主軸に挿着された工具を交
   換する工具交換アームを設け、前記マガジン円板
   に保持されたソケツトの割出し回転軌跡円に沿
   い、かつ前記工具取出し装置を除く全ての領域で
   ソケツトを係合案内してソケツトの外方への飛出
   しを阻止する円弧レールを前記支持体に固設し、
   前記工具取出し装置は、アクチユエータにより前
   記マガジン円板の半径方向に進退移動可能であ
   り、後退端で前記円弧レールと整合しソケツトに
   係合する係合溝および前進端で工具マガジンに保
   持されているソケツトの外方への飛出しを阻止す
   る規制部を設けた搬送ブロツクと、この搬送ブロ
   ツクにて取出したソケツトを前記マガジン円板の
   半径方向に案内保持するガイドレールとによつて
   構成されていることを特徴とする自動工具交換装
   置。