JPH04349855A - 馬用飼料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は馬用飼料、更に詳細には
オリゴ糖を混入してなる馬用飼料に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、馬用飼料はアルファルファ、ヘイ
キューブ、チモシー、イタリアンライグラスなどの乾草
を粗飼料源とした固形飼料とするため、その他原料とし
て小麦粉、とうもろこし、マイロ、大麦、小麦、コーン
グルテンミール、酵母、小麦胚芽、米糠油粕、米糠、大
豆油粕および微量栄養成分としてのビタミン、ミネラル
類等が配合された飼料が使用され、それなりの成長効果
を上げてきた。

【０００３】しかしながら、馬を繁殖、育成、維持させ
ていると、飼育管理上でいわゆる疝痛と称する馬特有の
疾病が発生することが多い。この原因としては例えば、
さく癖（グイッポ）による慢性的な消化管の機能停滞、
腸捻転、過度の不消化物の摂取、便秘などが挙げられて
いる。この中では便秘による、いわゆる便秘疝が最も多
いと言われているが、必ずしも明確とはなってはいない
。

【０００４】しかし、一度この疾病が発生すると極めて
死亡率が高い。また快復しても習慣性になり易いなど、
馬の飼育管理者の負担は決して少なくなく、飼育関係者
の間ではこの改善が強く望まれている状況にある。ここ
でいう疝痛は、馬の成長のステージ、雌雄を問わず突然
発症することが多く、大部分の場合食欲の突然の不振、
元気消失、運動や気温などの条件なしでの不自然な発汗
などによって発見されることが多い。その特徴ある症状
としては、腸の蠕動運動の著しい停滞状態を示すもので
あるが、激しい痛みを伴っており、発症馬は酷い苦悶状
態を示すことが多い。

【０００５】治療法としては、腸の蠕動運動促進剤の使
用と共に物理的に蠕動運動促進のために腹部のマッサー
ジ、引き運動、浣腸程度しかないのが現状である。更に
対症療法的な治療効果が現れないときには、数時間後乃
至一日以内程度で死亡することになることが多い。その
発症率、死亡率は必ずしも明らかではないが、米国での
報告例では、閉塞症の発症率が３５％、死亡率が２５％
、捻転症ではそれぞれ２１％、７６％となっており、控
えめに見ても３０〜４０％の発症率と１０％近くの死亡
率には達するものと見られている。何故この疾病が発症
するかについては、本症が一種の症候群的な傾向を示す
だけに、現在までのところこのように死亡するかその因
果関係は全く明らかにはなっていない。

【０００６】一方、鶏、牛、豚などの家畜およびモルモ
ットなどにフラクトオリゴ糖を下痢防止、成長促進の目
的で含有させ飼料で飼育することが知られているが（特
開昭６０−３４１３４号公報、特開昭６３−８４４５２
号公報）、馬用飼料に使用することは知られていない。

【０００７】馬用飼料においては一般にアルファルファ
ミールやヘイキューブなどの繊維源を多量に含有する原
料を配合することが知られている。しかし、これら繊維
を含む原料は一定量以上使用するとコスト高になり、ま
た製造技術上固形化するのが困難になることが多い。更
には、繁殖や成長期の成績をあげるために高カロリー食
としようとする場合、穀類等に比して相対的に低カロリ
ーのこれら繊維質原料の使い込みは事実上難しいという
問題があるとされていた。また、安易に含有エネルギー
を高める、即ち穀類を多く配合した飼料を馬に与えると
、比較的高頻度で疝痛の発症が起こりやすいと言われて
いる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】このような状況下から
、馬の疝痛症を未然に防止できる飼料の開発が望まれて
いるのが現状であり、本発明はこれらの効果を有する馬
用飼料を提供するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は上述のような馬
用飼料を開発すべく飼料原料の繊維分につき種々研究し
た結果、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、キシ
ロオリゴ糖、イヌロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ラクチュ
ロースなどのオリゴ糖を添加すれば馬の疝痛症の防止あ
るいはその発症率の低減ができることを見出し本発明を
完成した。

【００１０】すなわち、本発明はオリゴ糖を混入してな
ることを特徴とする馬用飼料であって、その目的とする
ところは馬に特有の疝痛症の発症を防止または発症率の
低下を図ることができる馬用飼料を提供することにある
。

【００１１】本発明で使用するオリゴ糖とはフラクトオ
リゴ糖、マルトオリゴ糖、サイクロデキストリン、せろ
オリゴ糖、キシロオリゴ糖、イヌロオリゴ糖、マルトシ
ルシュクロース、ラクチュロース、ガラクトオリゴ糖、
イソマルチュロース及びラフイノースなどが挙げられる
。これらオリゴ糖は酵素の作用により製造したもの、あ
るいは化学反応により異性化したものなどを使用すれば
よく、含水率が高いペースト状のものでもよく、またデ
キストリン、珪酸などを用いて粉末化したものでも良い
。

【００１２】これらオリゴ糖はそれぞれ単独で混入させ
てもよく、また選択される２種以上のオリゴ糖を併用す
ることもできる。また、飼料原料に混入するオリゴ糖の
混入割合量としては、少なくては混入の効果がでず、ま
た多すぎると飼料全体の栄養バランスが崩れるので、飼
料全体に対し０．２〜１０％の範囲の混入が望ましく、
特に好ましくは０．５〜５％の範囲である。

【００１３】オリゴ糖を混入するための馬用飼料原料と
しては、例えばとうもろこし、マイロ、大麦、小麦、ラ
イ麦、エン麦等の穀類；魚粉、肉粉等の動物性原料；脱
脂大豆、酵母、脱脂米糠、コーングルテンミール、アル
ファルファミール、イタリアンライグラス、小麦粉、小
麦胚芽、ふすま等の植物原料；ビタミン類；ミネラル類
；その他等が挙げられ、適宜選択して用いることができ
る。

【００１４】オリゴ糖を飼料原料に混入する手段として
は、馬用飼料の製造工程中、適当な工程で混入すればよ
く、例えば上記飼料原料と同時に配合して混合すること
により混入させればよい。また、これら糖類は通常液体
で流通するため液体添加装置を用いて飼料混合物に混入
させることもでき、予め粉末化基材に吸着させてから混
入することもできる。

【００１５】本発明の馬用飼料は例えば粉末状、粒状、
ペレット、クランブルその他適宜の形状のものであるこ
とができるが、ペレット状あるいはクランブル状にする
のが望ましい。

【００１６】

【実施例】表１に示す飼料組成の原料を粉砕、混合した
後、ペレットマシンにて１０ｍｍのダイを用いペレット
化し馬用飼料Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆ、Ｇと対照の飼料
を得た。なお、フラクトオリゴ糖は水分が約２５％、固
形分が７５％で、かつ固形分中のフラクトオリゴ糖が４
５％のものを使用した。また、ラクチュロースは水分が
約３０％、固形分が７０％で、かつ固形分中のラクチュ
ロースが７５％のものを使用した。

【００１７】

【表１】

【００１８】次に、大学の馬術部、牧場および乗馬クラ
ブに繋留されている常習疝痛馬４０頭を選びだし、対照
区およびＡ〜Ｇ区の計８区に各区５頭ずつ割りつけた。 この割りつけに際しては、年齢、運動量、疝痛の程度等
を勘案し、バランスを取るよう配慮した。この各区に上
述の馬用飼料を濃厚飼料として給与し、他に慣用的に使
用しているチモシー、ヘイキューブ、イタリアンライグ
ラス、野草などの乾草や生草を切り草あるいは投げ草と
して与えた。試験飼料および粗飼料は、それぞれの飼育
者のやり方に任せたが、給与量は概ね濃厚飼料が、体重
の０．５〜１％程度、粗飼料が乾草相当量として１．５
〜２％程度であった。

【００１９】試験期間は１年間とし、その期間中の疝痛
発症の再発の頻度を比較した。その試験期間中の疝痛の
再発率は表２に示した通りの結果である。

【００２０】

【表２】

【００２１】本発明の馬用飼料は馬の疝痛症の発症防止
あるいは減少に効果が認められた。また、本発明の馬用
飼料を給与された区の馬は対照区の馬に比し、馬の健康
状態を推し量る被毛に現れる、いわゆる連銭が明らかに
多く見られ、良好な健康・毛艶状態と判断された。

【００２２】

【発明の効果】本発明の馬用飼料はペレットなどの固形
飼料とした場合、適度な硬度を有する飼料となるなどの
効果がある他、馬に常習的に発症する疝痛症を防止する
かまたは発症してもその発症率を極めて著しく抑えるな
どの効果がある。また、馬の健康状態や毛艶向上にも効
果があり、その飼育成績は極めて良好なものとなるなど
の効果も見られ、このような効果は従来の飼料原料だけ
の配合では得られなかったものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　オリゴ糖を混入してなることを特徴と
   する馬用飼料。