JPS5918025B2 - 豚餌付用固型飼料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、豚餌付用固型飼料に関する。

その目的とするところは、豚の餌付時に嗜好性の良い形
態の飼料を用い、餌付をスムースに行なうと共に以降の
発育を良好ならしめ、併せて飼料の給与の簡便化および
飼料のこぼしなどの損失や、こぼしによる設備の汚れを
防ぐことにある。

通常、哨乳豚の餌付用飼料は生後５〜２０日令から離乳
後１〜２週間まで給与されるが、その際用いられる餌付
用飼料としては、従来は液状または粉末状あるいは練り
状（粉末のものを湯などにより練る）形態のものが常識
となっており、哺乳期の豚の胃を刺激せず消化がよいと
認識されており、餌付用飼料は全てこれらのいずれかの
形態になっている。

しかし、液状あるいは練り状で給与する方法は、少なく
とも１日数回にわたって温度を調整して給与しなければ
スムースな餌付を行なうことができず、労力的に問題が
ある。

また、粉末状態のものは餌付時の嗜好性が劣り、かつ飼
料のこぼしが多く、経済的にも衛生的にも問題がある。

また、それらの問題のない固型飼料については、未発達
な胃腸をもつ哺乳期の仔豚が消化吸収することは不可能
であり、消化不良等の支障が当然起ると予想され、この
ようなことは到底考えられないことであった。

なお、この時期の豚は飼料貴下量が多ければ発育も比例
して良く、以降の成績も良好になり、給与する飼料の嗜
好性は、豚飼養上非常に大きなウェイトを占めている。

上記の事情に鑑み、本発明者は種々検討の結果、驚くべ
きことに粉末飼料を固型化することにより、逆に嗜好性
が向上し、増俸のうえにもきわめて良好な結果を与える
新しい形態の餌付用飼料を発明するに至ったものである
。

本発明は、豚餌付用飼料粉末を硬度０．５〜７ Ｋｐ／
ｄのベレット状、クランプル状または顆粒状などの固型
状態にした豚餌付用固型飼料に関する。

本発明の豚餌付用固型飼料の組成・＋ｉ、通常の粉末状
餌付用飼料と同様な配合組成であればよく、粗蛋白質含
量は１８〜２５係、望ましくは２１〜２４係であるが、
特に限定はない。

一例を挙げれば、脱脂粉乳３０係、小麦粉４０係、魚粉
８係、グルコース１５％、油脂３係、ビタミン、ミネラ
ル等添加類４係である。

固型の形態は特に限定しないが、離乳期以前の仔豚が特
にかみくだかずに支障なく貴下できるものであればよい
。

ペレットの場合の大きさは直径０．５〜５朋で、好まし
くは１〜３ｍｍであり、長さは直径の１〜５倍、好まし
くは１．５〜３倍である。

クランプルの場合の大きさは長径ｌｏｍｒｎ以下で、好
ましくはフルイＪＩＳ８８０１開き目５．６６％通過で
同２％不通過の粒度である。

顆粒の場合は直径０．５〜５ｍｍの粒状で、好ましくは
直径１〜３羽の粒状である。

また、本発明の固型飼料の硬度は、０．５〜７Ｋｐ／−
程度の硬度であれば餌付時の豚の発育には支障がない。

これより硬度が低い場合には、輸送その他の取扱い中に
粉末となり、豚に給与した場合もこぼしの原因となり好
ましくない。

また、逆に７Ｋｙ／ｃｙａより高くした場合は、消化か
や５低下する傾向にあり、好ましくない。

これらの製造法としては、一般的な固型飼料の製造方法
によればよく、たとえばペレットを製造する場合は、ペ
レットミルを用い、粉末飼料に好ましくは１０％前後の
蒸気または水を加えると５もに、必要により加熱しなが
らペレットとなし、必要により乾燥する。

また、クランプルの場合は、たとえば直径２〜１０關程
度のペレットとしたのち、ロールまたはハンマーミルで
前記の大きさ程度に割砕する。

さらに顆粒とする場合は、押出し造粒、オシレーター造
粒、転勤造粒あるいは解砕造粒等いずれの方法であって
もよい。

以下、本発明の効果について豚餌付用固型飼料の嗜好性
および発育などに関する実、験例を挙げて説明する。

？・実験例 １ 粉末、ペレット（直径２關、長さ４羽）、クランプル（
フルイ Ｊ ｌ５８８０１開目３．３６％通過、同１．
４１％不通過）、顆粒（フルイ ＪＩＳ８８０１開目２
．８３％通過、同１．１９％不通過）および粉末を湯で
４倍量に溶かした液状、同じくほぼ同等量の湯で練った
練り状の６形態の餌付用飼料を同−豚房内に並置し、Ｌ
ＷＤ種の同腹補乳豚１２頭を供試し、生後７日令に餌付
を開始して子豚が任意に貴下する量を比較し、嗜好性を
判定すると同時に各形態の飼料のこほしの量を測定し、
第１表にその結果を示した。

なお、供試した飼料の配合組成は、脱脂粉乳３０％、小
麦粉４０係、魚粉８係、グルコース１５係、油脂３係、
ビタミン、ミネラル等添加剤類４％、粗蛋白質含量２１
％で６形態の飼料全て同一である。

実験例 ２ 実験例１で用いたものと同組成の６形態の餌付用飼料を
供試し、ＬＷＤ種の同腹咄乳豚１０頭を用い、生後７日
令より同２８日令まで実験例１と同様の実験を反復した
結果を第２表に示した。

実験例 ３ 配合組成が脱脂粉乳３５係、小麦粉４０％、魚粉６係、
グルコース１２係、油脂３係、ビタミン、ミネラル等添
加剤類４φで粗蛋白質含量２２係、餌付用飼料を粉末、
ペレット（直径２ｍＩｎ、長さ３羽）、クランプル（フ
ルイ ＪＩＳ ８８０１開目３．３６〜通過、同１．
４１〜不通過）、顆粒（フルイＪＩＳ８８０１開目２．
８３％通過、同１．１９〜不通過）および粉末を４倍量
の湯に溶いた液状〈ン同じくはゾ同等量の湯で練った練
り状の６形態に調整し、ＬＷＤ種の哨乳豚６腹分計６１
頭を供試し、生後７日令より生後２１日令までの１４日
間、子豚の発育試験を実施し、餌付用飼料の形態が子豚
の発育に及ぼす影響を観察した結果を第３表に示した。

なお、液状および練り状飼料区は、生後１５日令より粉
末状飼料に切替え給与した。

また、液状および練り状飼料は１日６回給餌とし、その
他の形態の飼料は不断給餌とした。

実験例 ４ ＬＷＤ種の補乳豚５腹分計３６頭を各区とも６頭として
供試し、実験例３で用いたと同組成の餌付用飼料６形態
を供試し、生後１０日令で飼付離乳し、生後２８日令ま
での１８日間母乳と併用しないで餌付用飼料のみで発育
試験を実施して、餌付用飼料の形態が子豚の発育に及ぼ
す影響を観察１した結果を第４表に示した。

なお、飼料給与方法等その他は実施例３と同様の方法で
ある。

実験例 ５ 実験例１で用いたものと同一組成の、硬度の異なる２種
類のペレットを供試し、ＬＷＤ種の同腹［相］や哨乳豚
ｌＯ頭を用い生後７日令より、同２８日令まで実験例１
と同様の実験を反復した結果を第５表に示した。

以上の実験例でも明らかなように、本発明の豚餌付用固
型飼料は、従来の形態の餌付用飼料よりも嗜好性におい
て非常にすぐれ、餌付をスムースに遂行せしめ、かつ発
育もきわめて良好な成績を得られると５もに給餌の際の
飼料のこぼれなども非常に少なく、したがって、衛生面
でも経済面でも有利な飼料である。

実施例１（ペレットの製法） 脱脂粉乳 ３０係 小麦粉 ４０〃 魚 粉 ８〃グルコース
１５．／油 脂
３〃ビタミン、ミネラル等
４〃以上の組成（粗蛋白質含量２１％）の粉末をカ
リフォルニア・ペレットミル社製ペレットミル（ラボラ
トリイ・ペレットミルＡ２０８３４８）により、ダイス
を２龍としてスチームをかけながら加水量が２０係とな
るよう調整し、約３１１ｍの長さにカットしてペレット
とし、風乾して製品とした。

実施例２（顆粒の製造） 実施例１と同じ組成の粉末に水を３３係加水となるよう
調整しながらシュギーミキサー（東京製粉機製作所ＴＹ
Ｐ： ５０Ｍ−１００）に供給し、粗顆粒を得る。

これをロールミルで粉砕したのち、ＪＩＳ８８０１開目
２，８３％通過、同１．１９％不通過のものに揃え製品
とした。

実施例３（クランプルの製法） 実施例１と同組成の粉末を用い、実施例１と同様にして
６ｍｍのダイスにより、長さを約ｌＯｍｒｎとしてペレ
ットをつくり、風乾したのち、ハンマーミルにより粉砕
し、ＪＩＳ８８０１開目５．６６へ通過、同２％を通過
しない粒度に揃えて製品とした０

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 豚餌付用飼料粉末を硬度０．５〜７ Ｋ９／（ｉの
   ベレット状、クランプル状または顆粒状などの固型状態
   にして成る豚餌付用固型飼料。