JPH0434638Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は、エツジを固定するため好適なスピ
ーカ構造に関するものである。

(ロ) 従来技術 従来のドーム型スピーカでは、第６図断面図で
示すように、振動板１、ボイスコイルボビン１１
および、エツジ８を一体成型により設け、略Ｌ字
状のガイドリング２内にパツキン１０を介してエ
ツジ８を挟持すると共に、ヨーク７に前記ガイド
リング２をポール部７ａに嵌合し、トツププレー
ト５に設けられているトツププレートガイド部５
ｂにガイドリング２を嵌合することにより、一体
成型されている振動板１等を支えるように構成さ
れている。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 しかし、上記した従来のものにおいては、低周
波成分をより多く含んだソース源を再生する場
合、パツキン１０によりエツジ８を挟持するだけ
で支持しているため、エツジ外周部８ａとエツジ
ガイド部２ｃ双方へ振動が伝わり接触によつて異
常音が発生する虞れがあつた。

また、我々は第５図に断面図として示すような
ドーム型スピーカを別に提案した。

このドーム型スピーカは、ドーム型の振動板１
とボイスコイルボビン１１および、その下端に水
平方向に延出形成されるエツジ８が一体成形され
た振動系Ａを磁気回路Ｂに組み込んだものであ
り、トツププレート５の下端内周縁に形成された
エツジ配置用のガイド段部１３に配置された柔軟
部材等からなるエツジ押え部材１０，１０でエツ
ジ８を挟持し、上記ガイド段部１３の下端内周縁
にポール１２の上部外周縁に設けられた係合部１
４を嵌合させることにより、ヨーク７を含む磁気
回路Ｂの組立てと振動系Ａの所定位置への配置と
を同時に行なわせるようにしたものである。

上記提案に係るドーム型のスピーカ構造は、第
６図に示す従来のものに比して著しく簡素化され
た利点があるが、トツププレート５とポール部１
２に設けられた係合部１４とが接する構造のため
磁気シヨートを起し性能が低下する欠点があつ
た。

この考案は上記した点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、エツジ８のエツ
ジ外周部８ａを固定するため、エツジガイド部２
ｃに帯状のフイルム３または、バネ材４を挿入ま
たは、エツジガイド部２ｃと段部２ｂとの接合部
に形成されたエツジガイド部スリツトに挿着可能
な構造を提供することにある。

(ニ) 問題を解決するための手段 この考案に係るスピーカ構造は、エツジを固定
するため、ガイドリングへ段部２ｂまたは段部２
ｂとエツジガイド部２ｃとの接合部にエツジガイ
ド部スリツト２ｅを設け、エツジガイド部に帯状
フイルムまたは、線状バネ材をリング状に成型
し、挿入または、挿着するようになつている。

(ホ) 作用 エツジ８のエツジ外周部８ａを段部２ｂ又はエ
ツジガイド部スリツト２ｅに挿着し、エツジガイ
ド部２ｃに沿つてリング状に成型した帯状フイル
ム３又はバネ材４を段部２ｂ又はエツジガイド部
スリツト２ｅに挿入又は挿着することによりエツ
ジ外周部とエツジガイド部相互間の接触から発生
する異常音を防止することができる。

また、エツジ固定方法は帯状フイルム又はバネ
材の寸法を選ぶことにより、エツジ外周部をクラ
ンプすることができるため省スペース化が可能で
あり、マグネツト外径も小さくすることができ
る。

さらに、帯状フイルムまたは、バネ材のコスト
も安いため、実施が容易である。

(ヘ) 実施例 この考案に係るスピーカ構造の実施例を第１図
乃至第４図に基づいて説明する。

第１図はドーム型スピーカの全体断面図、第２
図［Ａ］および［Ｂ］は要部の立体図である。第
３図［Ａ］，［Ｂ］および［Ｃ］，第４図［Ａ］お
よび［Ｂ］は他の実施例を示した要部立体図であ
る。

第１図、第２図［Ａ］および［Ｂ］は第１の実
施例であり振動板１、ボイスコイルボビン１１お
よび、エツジ８等を一体成型し、ガイドリング２
にはポールガイド部２ａ、エツジガイド部２ｃお
よび、プレートガイド部２ｄを所定寸法で形成
し、かつエツジガイド部２ｃには段部２ｂを設け
ている。

さらに、エツジ８のエツジ外周部８ａは段部２
ｂとエツジガイド部２ｃへ接するように取付けら
れ、そのエツジ外周部８ａ上部には帯状フイルム
３を必要寸法に切断し挿入または、挿着するとフ
イルム３が外側方向に対する反発力でエツジガイ
ド部２ｃへ圧接することができ、しかも、エツジ
外周部８ａは段部２ｂと帯状フイルム３及びプレ
ート５に設けられているトツププレート下面部５
ａによつて挟持されている。

従つて、フイルム３によりエツジ８のエツジ外
周部８ａを固定する場合は、トツププレート下面
部５ａがストツパーの役割を果すので上下方向に
ずれることもなくなり安定したクランプ状態が得
られる。

第３図［Ａ］，［Ｂ］および［Ｃ］はバネ材４に
よりエツジ８のエツジ外周部８ａを固定した第２
の実施例である。前述と同様にエツジ８のエツジ
外周部８ａを段部２ｂとエツジガイド部２ｃへ接
するように取り付け、エツジ外周部８ａの上部へ
バネ材４を必要寸法に切断し、挿入または、挿着
するとバネ材４が外側方向に対する反発力で圧接
されるためエツジ８が固定される。

第４図［Ａ］および［Ｂ］はガイドリング２の
段部２ｂとエツジガイド部２ｃとの接合部にエツ
ジガイド部スリツト２ｅを設けることによりエツ
ジ８のエツジ外周部８ａを固定した第３の実施例
である。

ガイドリング２に設けられている段部２ｂとエ
ツジガイド部２ｃとの接合部にエツジガイド部ス
リツト２ｅを形成エツジ８のエツジ外周部８ａを
段部２ｂとエツジガイド部スリツト２ｅへ接する
ように取り付け、エツジガイド部２ｃに沿つてリ
ング状に成型したバネ材４をエツジガイド部スリ
ツト２ｅに挿着することによつてエツジ８が固定
される。

(ト) 考案の効果 この考案に係るスピーカ構造によれば、エツジ
８の外周部８ａをガイドリング２に形成した段部
２ｂ又はエツジガイド部スリツト２ｅ及びリング
状に成型した帯状フイルム３又はバネ材とで挟持
させるようにしたので、例え多くの低周波成分を
含んだソース源の再生を行つても、エツジ外周部
とガイド部の接触によつて異常音が発生しないた
めより広帯域周波数の再生に好適なスピーカを提
供することができる。

また、磁気回路にエツジ部を設ける場合、限ら
れたスペースの中へ形成しなければならぬため、
この考案のように、帯状フイルムまたは、バネ材
等の寸法を選定することにより、エツジ外周部が
クランプできるため、外径方向の寸法を極めて小
さくすることも可能となり、省スペース化による
設計が容易であると同時に、マグネツトの内外径
をも小型化できるため磁気回路をコンパクトに構
成することが可能となる。

さらに、エツジ固定用材料は帯状フイルムまた
は、バネ材の成型が可能であり、パツキンを挟持
することにより生産性が向上すると共に、安価に
提供でき実施が容易である等の優れた特徴があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図はこの考案に係るエツジ固定
構造の実施例をドーム型スピーカで示している。
第１図は全体の断面図、第２図［Ａ］および
［Ｂ］は要部の立体図、第３図［Ａ］，［Ｂ］およ
び［Ｃ］、ならびに第４図［Ａ］および［Ｂ］は
他の実施例を示した要部立体図である。第５図は
我々が別に提案したドーム型スピーカを示す断面
図、第６図は従来のエツジ固定構造を示したドー
ム型スピーカの全体断面図を示す。 １……振動板、２……ガイドリング、２ａ……
ポールガイド部、２ｂ……段部、２ｃ……エツジ
ガイド部、２ｄ……プレートガイド部、２ｅ……
エツジガイド部スリツト、３……フイルム、４…
…バネ材、５……トツププレート、５ａ……トツ
ププレート下面部、５ｂ……トツププレートガイ
ド部、７……ヨークポール部７ａ、８……エツ
ジ、８ａ……エツジ外周部、１０……パツキン、
１１……ボイスコイルボビン、１２……ポール、
１３……ガイド段部、１４……係合部、１５……
エツジ押え部材、Ａ……振動系、Ｂ……磁気回路
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ドーム状の振動板１とボイスコイルボビン１１
   と、そのボイスコイルボビン１１の下端から水平
   方向に成形したエツジ８とを設け、それらを磁気
   回路内部へ配置してなるドーム型スピーカにおい
   て、 トツププレートガイド部５ｂを形成したトツプ
   プレート５と、 ポールガイド部２ａ、エツジガイド部２ｃ、プ
   レートガイド部２ｄを連続して形成すると共に前
   記エツジガイド部２ｃには段部２ｂ又は段部２ｂ
   及びエツジガイド部スリツト２ｅを形成しヨーク
   ７のポール部７ａに嵌合されるガイドリング２
   と、 前記段部２ｂ又は前記エツジガイド部スリツト
   ２ｅに挿入又は装着されるリング状に成型してな
   る帯状フイルム３又はバネ材４とを設け、 エツジ外周部８ａを前記段部２ｂ又は前記エツ
   ジガイド部スリツト２ｅ及び前記帯状フイルム３
   又はバネ材４とで挟持させ、前記プレートガイド
   部２ｄを前記トツププレートガイド部５ｂに嵌合
   してエツジ８を固定することを特徴とするスピー
   カ構造。