JP2000059886A - スピーカ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 磁気空隙の磁気の力を大きくし、小形スピー
カの低域特性及び音質を向上する。 【解決手段】 センターポール部２０ａ、フランジ部２
０ｂ及び前センターポール部２０ａを囲むリング状マグ
ネット部２０ｃをプラスチックマグネットで一体成形
し、該センターポール部の上端側を一方の磁極Ｎとし、
該リング状マグネット部の上端側を他方の磁極Ｓとなる
如く着磁し、該センターポール部の上端側上にポールピ
ース２１を設け該リング状マグネット部の上端側上にプ
レート２２を設け、該プレート２２上に該センターポー
ル部と同方向に着磁された盤状リングマグネット２３を
設け、該ポールピースと該プレート２２間で磁気空隙４
を形成した磁気回路を有し、該フランジ部の下端側にキ
ャンセルマグネット１５を設け、該キャンセルマグネッ
トの下端側の一方の磁極Ｎと該盤状リングマグネットの
上面の一方の磁極Ｎとの間を覆うシールドカバー１６を
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は小形スピーカに適用
して好適なスピーカに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、小形のスピーカとして、図４に示
す如きものが提案されている。このスピーカは図４に示
す如く、上下方向にＮ極及びＳ極が着磁されたリング状
マグネット１と、このリング状マグネット１を挟むよう
に取付けられたリング状のプレート２及びセンターポー
ル３ａとフランジ３ｂとを一体成形されたヨーク３とを
設け、プレート２の内周側とこのヨーク３のセンターポ
ール３ａと間に磁気空隙４を形成する。

【０００３】また、プレート２にはスピーカのフレーム
５が取付けられ、振動板６の外周部にはエッジ７が設け
られ、このエッジ７によってコーン型の振動板６の外周
部がフレーム５に保持されている。８はガスケットであ
る。

【０００４】一方、振動板６の内周部にボイスコイルボ
ビン９が取付けられており、このボイスコイルボビン９
にはボイスコイル１０が巻装され、このボイスコイル１
０はプレート２及びヨーク３のセンターポール３ａによ
って形成された磁気空隙４内に挿入するようになされて
いる。

【０００５】また、図４において、１１はこのボイスコ
イル１０をこの磁気空隙４内に保持するためのダンパー
である。このダンパー１１として例えば布に合成樹脂を
含浸させた渦巻ダンパーを使用する。

【０００６】また、１２は入力端子を示し、この入力端
子１２よりの音響信号を錦糸線１３を介して、ボイスコ
イル１０に供給する如くする。１４はボイスコイルボビ
ン９の上面を覆うダスト侵入防止用のキャップである。

【０００７】斯る図４に示す如き、スピーカにおいて
は、リング状マグネット１→プレート２→磁気空隙４→
ヨーク３のセンターポール３ａ→フランジ３ｂ→リング
状マグネット１と磁気回路を構成するが、このプレート
２とヨーク３のフランジ３ｂとは極性が異なるのでプレ
ート２からヨーク３のフランジ３ｂに直接に磁束が流れ
る漏洩磁束を生ずる不都合があった。

【０００８】斯る漏洩磁束をなくすようにしたスピーカ
として、図５に示す如きキャンセルマグネットを用いた
スピーカが提案されている。この図５につき説明するに
図４に対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明
は省略する。この図５においては、図４のヨーク３のフ
ランジ３ｂの下面外周近傍に主駆動用のマグネット１と
反対方向に着磁されたリング状のキャンセルマグネット
１５を取付け、更にプレート２からこのキャンセルマグ
ネット１５を覆う形で有底円筒状のシールドカバー１６
を取付け漏洩磁束を無くすようにしている。その他は図
４と同様に構成する。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、図４、図
５に示す如き小形のスピーカにおいては、磁気回路を構
成する磁性体より成るセンターポール３ａの断面積が小
さく磁気飽和現象あり、また磁気空隙４部で磁気漏洩が
生じ十分に磁気回路の磁気空隙４の磁気力を大きくする
ことができず、低域特性及び音質を向上できない不都合
があった。

【００１０】本発明は、斯る点に鑑み磁気空隙の磁気の
力を大きくするようにし、小形スピーカの低域特性及び
音質を向上することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明スピーカはセンタ
ーポール部、フランジ部及びこのセンターポール部を囲
むリング状マグネット部をプラスチックマグネットで一
体成形すると共にこのセンターポール部の上端側を一方
の磁極とし、このリング状マグネット部の上端側を他方
の磁極となる如く着磁し、このセンターポール部の上端
側上にポールピースを設けると共にこのリング状マグネ
ット部の上端側上にプレートを設け、このプレート上に
このセンターポール部と同方向に着磁された盤状リング
マグネットを設け、このポールピースとこのプレートと
の間で磁気空隙を形成した磁気回路を有すると共にこの
フランジ部の下端側にキャンセルマグネットを設け、こ
のキャンセルマグネットの下端側の一方の磁極とこの盤
状リングマグネットの上面の一方の磁極との間を覆うシ
ールドカバーを設けたものである。

【００１２】斯る本発明によれば、センターポール部、
フランジ部及びこのセンターポール部を囲むリング状マ
グネット部をプラスチックマグネットで一体成形すると
共にこのセンターポール部の上端側を一方の磁極とし、
このリング状マグネット部の上端側を他方の磁極とし、
このセンターポール部の上端側にポールピースを固定
し、このリング状マグネット部の上端側にプレートを固
定し、このポールピースとプレートとの間で磁気空隙を
形成したので、この磁気空隙の磁気の力が強力となり、
またこのプレート上にこのセンターポール部と同方向に
着磁した盤状リングマグネットを設けると共に磁気シー
ルドするようにしたので、この磁気空隙の磁気漏洩を減
少させると共に更にこの盤状リングマグネットよりの磁
力が付加され、この磁気空隙の磁気の力が強くなり、ス
ピーカの低域特性及び音質を向上することができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、図１を参照しながら、本発
明スピーカの実施の形態の例につき説明しよう。この図
１につき説明するに、図１において図４、図５に対応す
る部分には同一符号を付して示す。

【００１４】本例においては、図２に示す如くセンター
ポール部２０ａ、フランジ部２０ｂ及びこのセンターポ
ール部２０ａを囲むリング状マグネット部２０ｃをプラ
スチックマグネットで一体成形する。このプラスチック
マグネットとしては等方性のプラスチックマグネットで
構成し、本例においては、このセンターポール部２０ａ
の上端側とリング状マグネット部２０ｃの上端側と間に
おいて磁界をかけて、例えばセンターポール部２０ａの
上端側をＮ極、リング状マグネット部２０ｃの上端側を
Ｓ極と着磁する如くする。またこのセンターポール部２
０ａ、フランジ部２０ｂ及びこのセンターポール部２０
ａを囲むリング状マグネット部２０ｃは射出成形により
形成できるので、之等を任意の形状とすることができ
る。

【００１５】また、本例においては図１に示す如くこの
プラスチックマグネットより成るセンターポール部２０
ａの上端側上に円板状のポールピース２１を接着固定す
ると共にこのプラスチックマグネットより成るリング状
マグネット部２０ｃの上端側上にリング状のプレート２
２を接着固定し、このポールピース２１の外周面とこの
プレート２２の内周面との間で磁気空隙４を形成する如
くする。

【００１６】本例においては、このリング状プレート２
２上にこのセンターポール部２０ａと同方向に着磁され
た例えば、上面をＮ極、下面をＳ極に着磁された盤状リ
ングマグネット２３を接着固定すると共にこの盤状リン
グマグネット２３の上面にスピーカの例えば鋼鉄製のフ
レーム５の内周部を取付け固定する。

【００１７】また、本例においてはプラスチックマグネ
ットより成るフランジ部２０ｂの下端側にこのセンター
ポール部２０ａとは反対方向例えば上面をＳ極、下面を
Ｎ極に着磁された中心孔を有するキャンセルマグネット
１５を接着固定し、このキャンセルマグネット１５の下
端側の例えばＮ極とこの盤状リングマグネット２３の上
面の例えばＮ極との間を覆う有底円筒状シールドカバー
１６を設ける。この図１例においては、この有底円筒状
のシールドカバー１６の開口部をフレーム５の内周部外
面に接合固定する如くする。

【００１８】また、盤状リングマグネット２３の上面に
取付けられたフレーム５の外周部にエッジ７が設けられ
たコーン型の振動板６の外周部をガスケット８により保
持する如くする。

【００１９】一方、この振動板６の内周部にボイスコイ
ルボビン９を取付け、このボイスコイルボビン９にはボ
イスコイル１０が巻装され、このボイスコイル１０をポ
ールピース２１の外周面とプレート２２の内周面との間
に形成した磁気空隙４内に挿入するようにする。

【００２０】このボイスコイル１０をこの磁気空隙４内
にダンパー１１により保持する如くする。このダンパー
１１として例えば布に合成樹脂を含浸させた渦巻ダンパ
ーを使用する。また、このボイスコイルボビン９の上面
を覆う如く、ダスト侵入防止用のキャップ１４を設け
る。

【００２１】また、フレーム５の所定位置に設けた入力
端子１２よりの音響信号を錦糸線１３を介して、ボイス
コイル１０に供給する如くする。

【００２２】本例によるスピーカは上述の如く構成され
ており、本例によれば、センターポール部２０ａ、フラ
ンジ部２０ｂ及びこのセンターポール部２０ａを囲むリ
ング状マグネット部２０ｃをプラスチックマグネットで
一体成形しており、之等マグネット２０ａ，２０ｂ，２
０ｃよりの磁束はセンターポール部２０ａのＮ極→ポー
ルピース２１→磁気空隙４→プレート２２→リング状マ
グネット部２０ｃ→フランジ部２０ｂ→センターポール
部２０ａとセンターポール部２０ａ，リング状マグネッ
ト部２０ｃ及びフランジ部２０ｂの磁束が加算されて流
れ、この磁気空隙４の磁気の力が強力となる。

【００２３】またプレート２２上に上面がＮ極で、下面
がＳ極の盤状リングマグネット２３を設けたので、この
盤状リングマグネット２３のＮ極よりの磁束は、盤状リ
ングマグネット２３のＮ極→フレーム５→プレート２２
→盤状リングマグネット２３のＳ極と流れ、上述磁気空
隙４の磁束の漏洩を防止すると共に更に磁気空隙４の磁
束に一部が加算され、この磁気空隙４の磁気の力を大き
くしている。

【００２４】また、シールドカバー１６はキャンセルマ
グネット１５の下端側のＮ極より、この盤状リングマグ
ネット２３の上面のＮ極までを覆っているので良好な磁
気シールドがなされ、漏洩磁束を減少することができ
る。

【００２５】本例によれば、磁気空隙４の磁気の力を極
力にすることができるので、小形スピーカの低域特性及
び音質の向上を図ることができると共にスピーカの最低
共振周波数における共振鋭度Ｑを小さくでき、小形のス
ピーカボックスを使用して容易に低音の再生帯域を拡大
できる利益がある。

【００２６】また図３は本発明の実施の形態の他の例を
示す。この図３例を説明するに、図１例に対応する部分
には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。

【００２７】図３例は図１例において、有底円筒状シー
ルドカバー１６の開口部をスピーカのフレーム５の外周
部外面に接合固定する如くしたものである。その他は図
１例と同様に構成したものである。

【００２８】斯る、図３例においても、図１例と同様の
作用効果が得られることは容易に理解できよう。

【００２９】尚、本発明は上述例に限ることなく本発明
の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成が採り得
ることは勿論である。

【００３０】

【発明の効果】本発明によれば、磁気空隙の磁気の力を
強力にすることができ、小形スピーカの低域特性及び音
質の向上を図ることができると共にスピーカの最低共振
周波数における共振鋭度Ｑを小さくでき、小形のスピー
カボックスを使用して容易に低音の再生帯域を拡大でき
る利益がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明スピーカの実施の形態の例を示す断面図
である。

【図２】図１の要部の例を示す斜視図である。

【図３】本発明の実施の形態の他の例を示す断面図であ
る。

【図４】従来のスピーカの例を示す断面図である。

【図５】従来のスピーカの例を示す断面図である。

【符号の説明】

４‥‥磁気空隙、５‥‥フレーム、６‥‥振動板、９‥
‥ボイスコイルボビン、１０‥‥ボイスコイル、１５‥
‥キャンセルマグネット、１６‥‥シールドカバー、２
０ａ‥‥センターポール部、２０ｂ‥‥フランジ部、２
０ｃ‥‥リング状マグネット部、２１‥‥ポールピー
ス、２２‥‥プレート、２３‥‥盤状リングマグネット

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 明広 東京都品川区北品川６丁目７番35号 ソニ ー株式会 社内 (72)発明者 徳重 賢二 東京都品川区北品川６丁目７番35号 ソニ ー株式会 社内 Ｆターム(参考） 5D012 BB03 BB04 BB09 BD09 CA12 EA01 FA02

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 センターポール部、フランジ部及び前記
   センターポール部を囲むリング状マグネット部をプラス
   チックマグネットで一体成形すると共に前記センターポ
   ール部の上端側を一方の磁極とし、前記リング状マグネ
   ット部の上端側を他方の磁極となる如く着磁し、前記セ
   ンターポール部の上端側上にポールピースを設けると共
   に前記リング状マグネット部の上端側上にプレートを設
   け、前記プレート上に前記センターポール部と同方向に
   着磁された盤状リングマグネットを設け、前記ポールピ
   ースと前記プレートとの間で磁気空隙を形成した磁気回
   路を有すると共に前記フランジ部の下端側にキャンセル
   マグネットを設け、前記キャンセルマグネットの下端側
   の一方の磁極と前記盤状リングマグネットの上面の一方
   の磁極との間を覆うシールドカバーを設けたことを特徴
   とするスピーカ。
2. 【請求項２】 請求項１記載のスピーカにおいて、 前記シールドカバーは前記キャンセルマグネットの下端
   側より前記盤状リングマグネット上に固定したスピーカ
   のフレームまで覆うようにしたことを特徴とするスピー
   カ。