JPH04344344A - 密着貼り合わせ型光情報記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば光デイスクある
いは光−磁気デイスクなどとして用いられる光情報記録
媒体に係り、特に透明基板上に記録膜を形成した１枚の
光情報記録媒体単板と、１枚の被貼着単板（前述の光情
報記録媒体単板、あるいは記録膜などを設けない単なる
補強板を含む）とを両面粘着シートを介して貼り合わせ
る密着貼り合わせ型光情報記録媒体に関するものである
。

【０００２】

【従来の技術】従来より、透明基板上に例えば第１エン
ハンス膜、記録膜、第２エンハンス膜ならびに反射膜な
どを順次形成した構造の光デイスク単板を２枚接着剤層
を介して貼り合わせた密着貼り合わせ型の光デイスクが
知られている。

【０００３】そして前記接着剤として、例えばエポキシ
系接着剤あるいは溶剤型接着剤などが使用されている。 ところで前記エポキシ系接着剤の場合には、時間経過に
伴って独りでに硬化してしまい、硬化時間等のコントロ
ールができないばかりでなく、常温では硬化に長時間を
要し作業性が悪く、接着剤中に気泡を巻き込んだり、金
属製の反射膜を腐食するなどの問題がある。

【０００４】一方、前記溶剤型接着剤の場合には、溶剤
がしみ込んで反射膜が部分的に剥がれたり、樹脂材料が
溶剤を吸収して膨張するため、デイスク全体が膨れたり
、また作業性が悪いなどの欠点を有している。

【０００５】これらの欠点を解消するため、両面粘着シ
ートを使用して貼り合わせることが提案されている。こ
の両面粘着シートを使用することにより、接着剤を用い
たときのような反射膜の腐食、デイスクの膨張などの欠
点が解消され、作業環境も改善することができるが、問
題がない訳ではない。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】すなわち従来は、両面
粘着性シートのベースフイルムとしてポリエチレンテレ
フタレートフイルムが使用され、その上に所定の厚みの
粘着剤層が形成されている。このような構成の両面粘着
シートを用いて貼り合わせた光デイスクを、例えば８０
℃、９０％ＲＨなどのような高温、高湿の加速環境下で
保存すると透明基板がうねったように変形し、情報の記
録、再生が不可能となる。

【０００７】本発明者らはこのうねりによる記録、再生
特性の弊害について諸種検討した結果、両面粘着性シー
トのベースフイルムとして使用しているものと透明基板
との熱的特性、すなわち、熱膨張率や熱収縮率などの違
いが起因していることを解明した。

【０００８】本発明の目的は、このような従来技術の欠
点を解消して、信頼性の高い密着貼り合わせ型の光情報
記録媒体を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
、本発明は、透明基板上に記録膜を形成した１枚の光情
報記録媒体単板と、１枚の被貼着単板とを両面粘着シー
トを介して貼り合わせる密着貼り合わせ型光情報記録媒
体において、前記両面粘着シートのベースフイルムなら
びに前記透明基板の熱膨張係数がともに０．００００１
〜０．００００７／℃の範囲に規制されていること特徴
とするものである。

【００１０】

【作用】このように両面粘着シートを使用して１枚の光
情報記録媒体単板と１枚の被貼着単板とを全面的に貼り
合わせるタイプでは、光情報記録媒体単板に対する両面
粘着シートのベースフイルムの影響はかなり大である。

【００１１】そこで本発明は前述したように、両面粘着
シートのベースフイルムとして、前記透明基板とほぼ同
じ熱的特性（すなわち、熱膨張率や熱収縮率など）を有
する材質のもの選択して使用することにより、光情報記
録媒体を高温、高湿の加速環境下で保存しても透明基板
に無理な応力がかからないか、あるいは応力がかかつて
もその値を極めて小さくすることができる。それによつ
て光情報記録媒体の変形を防止し、情報の記録、再生が
常に適正に行われる信頼性の高い光情報記録媒体を提供
することができる。

【００１２】

【実施例】次に本発明の実施例を図面とともに説明する
。図１は第１実施例に係る両面記録タイ　プの密着貼り
合わせ型光デイスクの断面図、図２は本発明で使用され
る両面粘着シートの拡大断面図である。

【００１３】プリピツトとプリグルーブの反転した微細
な凹凸を有するニツケルスタンパを用い、未硬化状態の
紫外線硬化型樹脂膜を介して透明基板１を均一に圧着す
る。そして透明基板１側から紫外線を照射して前記紫外
線硬化型樹脂膜を硬化させたのち、前記スタンパから剥
離してプリフオーマツトが転写された透明基板１を作成
する。

【００１４】つぎにこの透明基板１の上に、第１エンハ
ンス膜２、記録膜３、第２エンハンス膜４、金属反射膜
５ならびに保護膜６を順次所定の薄膜技術を用いて製膜
、積層して、光デイスク単板７を製作する。なお、８は
透明基板１の中央部に固定されたセンターハブである。

【００１５】前記透明基板１としては、例えばガラス、
ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルメタ
クリレート、ポリメチルペンテン、エポキシなどの光学
的に透明な材料が使用される。

【００１６】前記第１エンハンス膜２ならびに第２エン
ハンス膜４としては、例えば窒化シリコンや窒化アルミ
ニウムなどの誘電体が使用される。

【００１７】光−磁気記録材料からなる記録膜３として
は、例えばＴｂ−Ｆｅ合金、Ｔｂ−Ｆｅ−Ｃｏ合金、Ｇ
ｄ−Ｔｂ−Ｆｅ−Ｎｂ合金、Ｇｄ−Ｔｂ−Ｃｏ−Ｆｅ−
Ｎｂ合金、Ｇｄ−Ｔｂ−Ｆｅ合金、Ｄｙ−Ｆｅ合金、Ｍ
ｎ−Ｃｕ−Ｂｉ合金（結晶質）、Ｇｄ−Ｔｂ−Ｆｅ−Ｇ
ｅ合金、Ｇｅ−Ｃｏ合金、Ｇｅ−Ｔｂ−Ｃｏ合金、Ｇｅ
−Ｔｂ−Ｃｏ−Ｎｂ合金、Ｔｂ−Ｆｅ合金とＧｄ−Ｆｅ
合金との混合物、Ｔｂ−Ｆｅ合金とＧｄ−Ｆｅ−Ｃｏ合
金との混合物、Ｔｂ−Ｄｙ−Ｆｅ−Ｃｏ合金、Ｔｂ−Ｎ
ｉ−Ｆｅ合金、Ｄｙ−Ｆｅ−Ｇｄ−Ｃｏ合金、Ｐｔ−Ｃ
ｏ合金、Ｎｉ−Ｃｒ合金など、主としてアモルフアス合
金が使用される。

【００１８】追記型光情報記録媒体の記録材料としては
、例えばＴｅ，Ｔｅ−Ｓｅ−Ｐｂ合金、Ｔｅ−Ｃ合金、
Ｔｅ−ＴｅＯ−ＴｅＯ２　合金、Ａｇ−Ｓｎ合金、Ａｕ
−Ｓｎ合金などが使用される。

【００１９】前記金属反射膜５としては、例えばＡｌ，
Ａｌ−Ｎｉ合金、Ａｌ−Ｔｉ合金、Ａｌ−Ｃｒ合金、Ａ
ｌ−Ｍｎ合金、Ａｌ−Ｎｉ−Ｔｉ合金などが使用される
。

【００２０】前記保護膜６としては、例えばポリウレタ
ン、エポキシ、ポリエステルなどによつて編成された変
成アクリレートとアクリル酸エステルの重合体を主成分
とする紫外線硬化型樹脂などが使用される。この実施例
では紫外線硬化型樹脂を使用しているが、例えば電子線
硬化型樹脂など他の光硬化型樹脂を使用することもでき
る。

【００２１】前述の光デイスク単板７を２枚用い、図１
に示すように保護膜６側を互いに内側にして真空中で両
面粘着シート９を用いて全体的に貼り合わせて、両面記
録タイプの密着貼り合わせ型光デイスクを製作する。

【００２２】前記両面粘着シート９は図２に示すように
、ベースフイルム１０と、そのベースフイルム１０の両
面に形成された粘着剤層１１、１１から構成されている
。

【００２３】図３は、本発明の第２実施例を示す図であ
る。この実施例の場合、一方の光デイスク単板７の代わ
りに、例えばガラス、ポリカーボネート、ポリアクリレ
ート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルペンテン
、エポキシなどの透明な材料からなる補強板１２が用い
られる。そして光デイスク単板７と補強板１２が真空中
で両面粘着シート９を用いて全体的に貼り合わせて、片
面記録タイプの密着貼り合わせ型光デイスクを製作する
。

【００２４】この両面粘着シート９のベースフイルム１
０として、前記透明基板１と同じ材質のもの、すなわち
透明基板１としてポリカーボネートを使用する場合には
両面粘着シート９のベースフイルム１０もポリカーボネ
ートのフイルムを使用するか、あるいは透明基板１とほ
ぼ同じ熱的特性（例えば熱膨張係数、熱収縮率）を有す
る合成樹脂フイルム、すなわち透明基板１としてポリカ
ーボネートを使用する場合には両面粘着シート９のベー
スフイルム１０として例えばポリエチレンナフタレート
（ＰＥＮ）が使用される。

【００２５】前述のポリカーボネートならびにポリエチ
レンナフタレート（ＰＥＮ）とも、熱膨張係数は０．０
０００１〜０．００００７／℃、熱収縮率は０．５％（
１０５℃、３０分）以下である。また、湿度膨張率は０
．００００１５／％ＲＨ以下である。

【００２６】前述のように透明基板としてポリカーボネ
ートを使用して、両面粘着シートのベースフイルムとし
てポリカーボネート（ＰＣ）フイルム、ポリエチレンナ
フタレート（ＰＥＮ）フイルムならびに従来のポリエチ
レンテレフタレート（ＰＥＴ）フイルムをそれぞれ使用
して、図１に示す両面記録タイプの密着貼り合わせ型光
デイスクを組み立てた。

【００２７】

【効果】そしてこれら試料の組み立て初期と８０℃、９
０％ＲＨの環境下で５００時間放置した後の機械特性（
回転によるデイスクの上下振れ）を測定して、その結果
を次の表に示す。なお、カツコ外の数値は初期の特性値
、カツコ内は放置後の特性値である。

【００２８】 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　表　　ベースフイルム　　
　　上下振れ加速度（ｍ／ｓｅｃ２　）　　最大上下振
れ（μｍ）　　　　　　ＰＣ　　　　　　　　　　　　
　　　　　　１５（１３）　　　　　　　　　　　　　
　　　７５（７５）　　　　　　ＰＥＮ　　　　　　　
　　　　　　　　　１７（１７）　　　　　　　　　　
　　　　１２０（１００）　　　　　　ＰＥＴ　　　　
　　　　　　　　　　　　２０（２５）　　　　　　　
　　　　　　　１３０（２２０）

【００２９】この表から明らかなように、従来のように
両面粘着シートのベースフイルムとしてポリエチレンテ
レフタレート（ＰＥＴ）フイルムを使用したものは、透
明基板と両面粘着シートのベースフイルムとの熱的特性
の差により、特に高温高湿で保存したのちのデイスクの
上下振れ加速度ならびに最大上下振れが大きく、情報の
書込み、読出し特性に悪影響を与える。

【００３０】これに対して本発明のように両面粘着シー
トのベースフイルムとしてポリカーボネート（ＰＣ）フ
イルムあるいはポリエチレンナフタレート（ＰＥＮ）フ
イルムを使用したものは、高温高湿で保存したのちにお
いてもデイスクの上下振れ加速度ならびに最大上下振れ
が小さく、情報の書込み、読出し特性が安定しており、
信頼性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係る両面記録タイプの密
着貼り合わせ型光デイスクの断面図である。

【図２】本発明で用いられる両面粘着シートの拡大断面
図である。

【図３】本発明の第２実施例に係る片面記録タイプの密
着貼り合わせ型光デイスクの断面図である。

【符号の説明】

１　　透明基板 ２　　第１エンハンス膜 ３　　記録膜 ４　　第２エンハンス膜 ５　　反射膜 ６　　保護膜 ７　　光デイスク単板 ８　　センターハブ ９　　両面粘着シート １０　　ベースフイルム １１　　粘着剤 １２　　補強板

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　透明基板上に記録膜を形成した１枚の
   光情報記録媒体単板と、１枚の被貼着単板とを両面粘着
   シートを介して貼り合わせる密着貼り合わせ型光情報記
   録媒体において、前記両面粘着シートのベースフイルム
   ならびに前記透明基板の熱膨張係数がともに０．０００
   ０１〜０．００００７／℃の範囲に規制されていること
   を特徴とする密着貼り合わせ型光情報記録媒体。
2. 【請求項２】　　請求項１記載において、前記両面粘着
   シートのベースフイルムと前記透明基板とが同じ材質で
   あることを特徴とする密着貼り合わせ型光情報記録媒体
   。