JPH04342466A - 反応焼結複合セラミックスとその製法 - Google Patents

反応焼結複合セラミックスとその製法

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JPH04342466A
JPH04342466A JP3114434A JP11443491A JPH04342466A JP H04342466 A JPH04342466 A JP H04342466A JP 3114434 A JP3114434 A JP 3114434A JP 11443491 A JP11443491 A JP 11443491A JP H04342466 A JPH04342466 A JP H04342466A
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particles
whiskers
nitride
carbide
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JP3114434A
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Yoshiyuki Yasutomi
安富 義幸
Motoyuki Miyata
素之 宮田
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は焼結体中にカーボンを分
散した複合セラミックスに係り、特に反応焼結法による
緻密な複合セラミックスに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンやタービンなどの構造
材料に適するエンジニアリングセラミックスとしては、
耐熱性に優れたSiCやSi3N4などが知られている
【0003】しかし、SiCやSi3N4は、共有結合
性の強い化合物であるため、単独では焼結が困難であり
、焼結体を得るためには焼結助剤が必要である。例えば
、Si3N4を常圧焼結する場合には、Y2O3,Al
2O3等を添加し、約1800℃で焼結することにより
高密度の焼結体が得られることは周知のとおりである。 前記の焼結助剤を用いたものは、焼結時に15〜20%
程度収縮するために高精度な焼結体を得ることができな
い。そのため、製品を得るには焼結体を機械加工するこ
とも考えられるが、この種のセラミックスは極めて硬い
ために加工は容易でなく、コスト高になると云う欠点が
ある。
【0004】そこで本発明者らは、こうしたセラミック
スの加工が少なくてすむものとして、Si粉末とSiC
などの無機化合物粒子から成る成形体を窒素中で加熱し
、反応生成物であるSi3N4粒子および/またはウイ
スカで、上記SiCなどの粒子を結合する方法により焼
結時の寸法変化率の小さい、高精度かつ高強度のSi3
N4結合セラミックスの製造方法を提案している(特開
昭61−146754号公報)。
【0005】上記は、Si3N4粒子および/またはウ
イスカをもってSiCなどの無機化合物粒子同士を結合
する際に該無機化合物を変化させずに、Si3N4で結
合する方法である。これはSi3N4が気相反応で生成
し、各無機化合物粒子上に堆積するため焼結後も該無機
化合物の粒子形状があまり変化しないので、焼結時の寸
法変化率が0.1〜0.3%と小さくニアネットシェイ
プ性に優れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の方法で
は成形体中に形成されている空隙は、金属Siから生成
したSi3N4でしか埋めることができない。従って、
金属Siの配合量に対し無機化合物の配合量が多くなる
と、Si3N4の生成量が少なくなり、どうしても多孔
質になり、緻密化には限界があった。
【0007】さらに本発明者らは、特開昭63−252
973公報に開示されているように、導電性セラミック
スの製造において、同公開公報の実施例2、3、5に例
示したがTiC80重量%、TiB280重量%、Zr
C95重量%のそれぞれにSi粉末を配合し作成した成
形体を窒素中で加熱する方法により、Si3N4結合焼
結体を作製した。しかしこれらTiC,TiB2、Zr
Cの各粒子は窒素とあまり反応せず(窒素との反応率2
0%以下)、生成した焼結体は気孔率が28〜30%と
多孔質体である。
【0008】本発明の目的は、緻密な複合セラミックス
を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、金属と無機化合物と
を混合した成形体を反応焼結することによって緻密な複
合セラミックスを製造する方法を提供することにある。
【0010】更に本発明の他の目的は、上記の緻密な複
合セラミックスを用いた摺動部材を提供することにある
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決する本
発明の要旨は、SiCを除く金属炭化物の粒子および/
またはウイスカが金属窒化物、金属炭窒化物の粒子およ
び/またはウイスカで互いに結合され、前記各粒界にカ
ーボンが分散されていることを特徴とする反応焼結複合
セラミックスにある。
【0012】また、SiCを除く金属炭化物(a)の粒
子および/またはウイスカと金属粉末(b)から成る成
形体を、窒化性ガス雰囲気中で加熱し、前記金属粉末(
b)の金属窒化物(c)を形成すると共に、前記金属炭
化物(a)の金属窒化物(d)および/または金属炭窒
化物(e)と遊離カーボンを生成し、該遊離カーボンの
一部と前記金属粉末(b)との反応による金属炭化物(
f)を形成し、前記(a)(c)(d)(e)および(
f)の粒子および/またはウイスカを互いに結合するこ
とを特徴とする反応焼結複合セラミックスの製法にある
【0013】前記反応焼結複合セラミックスは、気孔率
15容積%以下、最大気孔径10μm以下のもを得るこ
とができる。
【0014】本発明において、金属炭化物(a)の金属
としてはTi、Zr,V,B,Al,Ta,Cr,Nb
,Hf,Wの炭化物の少なくとも1種、また、金属粉末
(b)としてSi,Ti,Al,Crの少なくとも1種
を用いることができる。
【0015】本発明において、金属炭化物(a)から窒
化物(d)あるいは炭窒化物(e)の割合は、〔(d)
+(e)〕/(a)≧0.5である。0.5未満では、
図2に明らかなように低気孔率化の効果が少ない。
【0016】金属炭化物(a)と金属粉末(b)の組成
比を変えて作製した焼結体の気孔率を図1に示す。金属
炭化物(a)としてTiC、金属粉末(b)にはSiを
用いた。比較のために金属炭化物としてSiCを用いた
場合の気孔率も併せて示す。
【0017】図1より、TiCを用いたものは配合比に
拘らず、その気孔率は6〜12容積%と小さいことが分
かる。これに対しSiCを用いたものは、SiCの配合
比が増加すると共に気孔率も増加し、多孔質化すること
が分かる。これは、Si窒化物だけで空隙を埋めようと
するとSi量が少なくなり多孔質となるためである。
【0018】TiCを用いて窒素と反応させた場合は、
TiC粒子が変化してTiNあるいはTiCNを生成す
ると共に遊離カーボンが生成する。これらによっても成
形体中の空隙が埋められるために緻密化される。また、
反応により生成される遊離カーボンを焼結体中に均一に
分散することができる。なお、その際に遊離カーボンが
Siと反応してSiCを生成するが、その反応率は5%
以下と少ない。なお、TiCの全てが窒化されてTiN
となってもよい。この場合はカーボン量の多いものが得
られるので緻密化率が高くなる。
【0019】本発明において、前記焼結体中のカーボン
量は5〜40容積%とすることが好ましい。5容積%未
満では摺動特性が十分得られない。また、40容積%よ
り多くなると焼結体が脆くなり強度低下を招く恐れがあ
る。
【0020】前記金属炭化物(a)の粒子径は100μ
m以下、好ましくは5μm以下とするのがよい。なぜな
ら、金属炭化物(a)の粒径が大きいと窒素との反応速
度が遅く、窒化物(d)の粒子形状が大きくなるためで
ある。また、前記金属粉末(b)の粒子径は5μm以下
、好ましくは1μm以下が低温での窒化速度を向上させ
るのに適している。
【0021】本発明の加熱処理法は以下の工程により行
うのよい。
【0022】第1工程:金属粉末(b)をその融点より
も低い温度で窒化性ガス(窒素、アンモニアなど)雰囲
気中で窒化させる工程、 第2工程:次いで金属炭化物(a)が反応する温度まで
加熱する工程、 の2工程により目的を達成することができる。
【0023】金属粉末(b)の窒化が終了しないうちに
融点以上に加熱すると該金属が溶融して滲み出したり、
金属炭化物(a)と反応して合金が生成され、焼結体の
収縮やクラック発生の原因となる。金属粉末(b)の窒
化が終了した後、金属炭化物(a)が窒化性ガス(窒素
、アンモニアなど)と反応する温度まで加熱することに
より反応率を50%以上にすることができる。
【0024】金属炭化物(a)および金属粉末(b)の
表面の酸化膜と窒素が反応して、酸窒化物や酸炭化物な
どが一部生成される場合があるが、これらの影響はほと
んどない。
【0025】前記窒化性ガス雰囲気は常圧,減圧(10
 ̄3Torr)ないし加圧(2000気圧)下でもよい
。 特に、加圧でなくともよいのでホットプレスのような装
置を必要条件としない。
【0026】本発明において、焼結体の気孔径が10μ
m以下がよい理由は、これより大きいと破壊の起点とな
り、強度低下の要因となるためである。また、摺動部材
として用いる場合は気孔が均一で小さいものゝ方が優れ
ている。なお、該気孔中に樹脂、油、固体潤滑剤、水、
金属などの物質を含浸することも可能である。該物質を
含浸することにより、より低摩擦係数の摺動部材を得る
ことができる。
【0027】本発明の焼結体の成形方法は、射出成形、
プレス成形、鋳込み成形、ラバープレス成形、押出し成
形、金型粉末成形など目的、形状、要求特性等に応じて
選択する。
【0028】また該無機化合物として、導電性の無機化
合物を使用すると導電性を有するセラミックス複合体が
得られる。
【0029】更にまた、本発明のカーボン分散形セラミ
ックスとカーボンを含まないセラミックスとの一体焼結
複合体を製造することも可能である。
【0030】
【作用】  本発明の焼結体の気孔率が小さいのは以下
の理由による。
【0031】金属炭化物(a)の粒子および/またはウ
イスカと、金属粉末(b)を含む成形体を窒化性ガス雰
囲気中で加熱することにより、該金属粉末(b)が窒素
と反応して窒化物(c)を生成し、前記金属炭化物(a
)を窒化物(d)あるいは炭窒化物(e)に変化させ、
同時に遊離カーボンを生成させる。該遊離カーボンの一
部と前記金属粉末(b)が反応して金属炭化物(f)を
生成し、これらの粒子および/またはウイスカが焼結体
中で互いに結合し、かつ、成形体の空隙を埋めるために
緻密化されると考える。
【0032】また、本発明の焼結体の摺動特性が優れて
いるのは、前記遊離カーボンを含むためである。
【0033】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を更に具体的に説
明する。
【0034】〔実施例  1〕金属炭化物(a)として
平均粒径5μmのTiC粉末と金属粉末(b)として平
均粒径1μmのSi粉末との混合粉末100重量部に、
ワックス系バインダを7重量部添加し、混練機でよく混
練した後、粉砕し成形用原料とした。
【0035】次に金型を用いて直径50mm×厚さ10
mmの成形体を作製した。成形体中のワックスを加熱除
去した後、窒素ガス中で1100℃から1300℃まで
4℃/hでSi粉末を窒化処理後、1400℃で5時間
加熱処理した。得られた焼結体の気孔率の測定結果を図
1に示す。
【0036】なお、比較のために平均粒径5μmのSi
C粉末、平均粒径1μmのSi粉末を用いて前記と同様
に成形、焼結して得られた焼結体の気孔率を図1に示す
【0037】図1から明らかなように、金属炭化物(a
)にTiCを用いたものは、TiCの配合比にかゝわら
ずその気孔率は6〜12容量%と小さい。これに対して
、SiCを用いたものは、SiCの配合比の増加と共に
気孔率は12%→30容量%と増加し、多孔質体である
。空隙を少ないSi窒化物のみで埋めるために該空隙を
埋めきれず、そのために多孔質となるものと考える。
【0038】本実施例のようにTiCを用いた場合は、
TiC粒子がTiNあるいはTiCNを生成すると共に
、これらの窒化反応で生じた遊離カーボン、および該遊
離カーボンとSiとの反応生成物のSiCが形成され、
TiNあるいはTiCN等のSi窒化物以外のものが成
形体中の空隙を埋めて緻密化される。また完全に窒素と
反応していないTiC粒子の表面にはTiN,TiCN
が生成していた。なお、この場合のTiCの反応率は5
5〜59%であった。
【0039】図3は、前記実施例焼結体のモデルを示し
たもので、TiC粒子の表面には主にTiN,TiCN
が形成し、その間をSi3N4が結合している。そして
、遊離したカーボン粒子が前記各粒界に分散されている
。 なお、本発明においては、加熱時間を長くすることによ
り、TiCの窒化率を100%にすることができ、図3
のTiC粒子の無い焼結体を得ることもできる。
【0040】焼結体中のカーボンの生成量は、金属炭化
物(a)の配合量と加熱温度を制御して5〜40容量%
の範囲に調節するのがよい。
【0041】上記実施例の複合セラミックスは、金属炭
化物(a)と金属粉末(b)の配合比にかゝわらず、気
孔寸法が5μm以下と小さいのに対して、前記比較例で
は気孔寸法が金属炭化物(SiC)量の増加に伴い、3
0μm以上と大きいことが分かった。
【0042】本実施例の反応焼結複合セラミックスにお
いては、金属粉末(b)であるSi粉末から生成した窒
化物(c)は、α型およびβ型の窒化珪素の粒子または
ウイスカーであった。また、複合セラミックスの焼結に
よる寸法変化は、金属炭化物(a)の増加と共に約0.
2〜0.7%膨張する。この値は常圧焼結材の寸法変化
率に対して、1/100から1/30であり、精密焼結
性が極めて優れている。
【0043】〔実施例  2〕実施例1と同様に、金属
炭化物(a)としてZrC,VC,V2C,B4C,A
l4C,TaC,Ta2C,Cr3C2,Cr7C3,
NbC,HfCをそれぞれ用いて成形し、焼成した。い
ずれも窒化珪素の外に、金属窒化物(d)、金属炭窒化
物(e)、カーボンおよび少量のSiCが生成し、これ
らが焼結体の気孔を埋めていることが分かった。気孔率
はいずれも5〜13容量%で、気孔寸法が5μm以下と
小さい反応焼結複合セラミックスが得られた。
【0044】〔実施例  3〕実施例1と同様に、金属
粉末(b)として平均粒径1μmのTi、Al、Crを
用い、金属炭化物(a)として平均粒径100μmのB
4C粉末を用いて成形し、前記と同様に金属粉末(b)
の融点よりも低温度で加熱した後、B4C粉末が窒化す
る温度領域で加熱した。いずれも金属窒化物(c)以外
に、BN、BNC、カーボンおよび一部SiCが生成し
、これらが焼結体の気孔を埋めていることが分かった。 気孔率はいずれも5〜12容量%であり、気孔寸法が5
μm以下と小さい反応焼結複合セラミックスが得られた
【0045】〔実施例  4〕実施例1のTiC粒子の
代わりに長さ約50μm、アスペクト比約50のTiC
ウイスカを用いて成形し、焼結した。その結果実施例1
と同様にカーボンが分散された低気孔率の反応焼結複合
セラミックスが得られた。
【0046】〔実施例  5〕金属炭化物(a)として
平均粒径100μmのTiC粉末と金属粉末(b)とし
て平均粒径0.5μmのSi粉末の混合粉末(TiC:
Si=20:80重量%)を用いた以外は実施例1同様
に成形体を作成した。該成形体のワックス分を除去した
後、TiC粉末と窒素との反応率を変えるため温度を変
えて加熱し、反応率0%から100%の試料を作製した
。但し、Si粉末はほゞ完全に窒化けい素に変化させた
【0047】図2は上記の焼結体の気孔率を示す。反応
率0〜40%では、気孔率の低下は小さいが、反応率が
50%以上になると気孔率の低下が大きい。これは、T
iC粒子が窒素と反応してTiNあるいはTiCNに変
化する際、最初は焼結体が膨張するために気孔率が低下
せず、反応率が50%以上になると上記の膨張現象がな
くなり、気孔率が低下するものと考える。
【0048】本実施例においてもTiC粒子がTiNあ
るいはTiCNに変化すると共に、この窒化反応で生じ
た遊離カーボンおよび遊離カーボンとSiが反応して生
成した少量のSiC粒子が見られ、これらのSi窒化物
以外のものが焼結体の空隙を埋めるので緻密化される。
【0049】〔実施例  6〕平均粒径0.9μmの金
属Si粉末70重量部と平均粒径1μmのB4C粉末3
0重量部とをポットミルでメタノールを加えて混合し、
乾燥した後、ポリエチレン系ワックスを9重量部添加し
て、150℃で加圧ニーダを用いて5時間混練した。こ
れを粉砕し、150℃,1000kg/cm2でガイド
レール形状に成形した。該成形体のワックス分を除去し
た後、第1工程では窒素ガス中1380℃まで加熱処理
し、第2工程では窒素ガス中1450℃まで加熱処理し
て反応焼結複合セラミックスを得た。
【0050】B4C粒子のほとんどは窒化物あるいは炭
窒化物に変化し(反応率80%)、残ったB4C粒子の
表面層にも窒化物あるいは炭窒化物が形成されていた。 そして、カーボン15容量%、SiC2容量%が分散さ
れており、窒化けい素も生成していた。該焼結体の気孔
率は8容量%、気孔径2μm以下であった。なお、生成
したBN焼結体は摺動部材に適している。また、固体潤
滑剤としても有効である。
【0051】上記摺動部材の摺動面を砥石で研摩し、摺
動面の粗さを十点平均粗さで0.1μmに加工した。該
摺動部材を、磁気ディスク装置に組み込んで評価を行っ
た。該装置のベアリングにSUS440Cを用い最大速
度2.4m/s、周波数60Hzで磁気ヘッドを109
回往復摺動させた。試験後の摺動面の粗さは十点平均粗
さで0.1μmであり、摺動前と変化がないことを確認
した。
【0052】また前記摺動部材の試験後の摺動部と未摺
動部に生じた段差は0.01μm以下である。本実施例
の反応焼結複合セラミックスは極めて耐摩耗性に優れて
おり、アクチュエータに適している。
【0053】〔実施例  7〕実施例1で得られたセラ
ミックス焼結体にグリセリンを含浸し、水道のバルブ摺
動材に用いた。熱水(100℃)と冷水(10℃)を交
互に循環しながらバルブの開閉試験を行なった。その結
果、該バルブ摺動材にはクラック発生等は認められず、
摩耗量も測定できない程度で、極めて優れた耐久性を有
することが分かった。
【0054】〔実施例  8〕実施例6で得た焼結体の
摺動面を砥石で研摩して、表面粗さを十点平均粗さで0
.1μmとした。これを、オートクレーブ中に入れ、粘
度400センチポアズのフッ素系オイルを含浸した。
【0055】評価は、前記実施例6と同様にして行った
。試験後の摺動面の粗さは十点平均粗さで0.1μmで
あり、試験前と変化していないことを確認した。また摺
動部と未摺動部の段差は0.01μm以下である。摺動
試験後の摺動面の気孔中には、フッ素系オイルが含浸し
ていることが分かった。
【0056】〔実施例  9〕実施例1で得られたTi
C配合比60重量%のセラミックス焼結体を自動車用交
流発電機の集電環および集電子に用い、その特性を調べ
た。試験条件は、3万rpm、電流密度70A/cm2
である。本実施例品は特に大きな損傷も無く、摺動面の
状態も良好で、集電部材として優れている。
【0057】〔実施例  10〕実施例1のTiC粒子
とSi粉末に、ZrB2粒子5〜40重量%添加して、
実施例1と同様に成形、焼結を行った。その結果、実施
例1と同様に低気孔率の焼結体が得られ、カーボンおよ
び窒化ほう素が分散された反応焼結複合セラミックスが
得られた。
【0058】〔実施例  11〕平均粒径1μmのTi
C粉末30重量部、平均粒径0.9μmのSi粉末65
重量部、焼結助剤としてY2O3粉末3重量部およびM
gO粉末2重量部をポットミルでメタノールを加えて混
合し、乾燥した後、ポリエチレン系ワックスを9重量部
添加して、実施例6と同様にして反応焼結複合セラミッ
クスを得た。
【0059】TiC粒子のほとんどは、窒化物あるいは
炭窒化物に変化し(反応率80%)、残ったTiC粒子
の表面層にも窒化物あるいは炭窒化物が生成し、窒化け
い素も生成していた。該焼結体をさらに1750℃まで
加熱することにより、気孔率1容量%以下の焼結体が得
られた。また、焼結体中にはカーボンが11容量%分散
されていることが分かった。
【0060】上記の焼結助剤としては、III属、IV
属、V属、VI属の金属、該金属の酸化物、窒化物、炭
化物、酸窒化物の一種以上を用いることができる。
【0061】以上各実施例による本発明品は耐摩耗性が
優れており、メカニカルシール、フローティングシール
、軸受、磁気ヘッドスライダー、歯車、集電環、往復運
動機構部品等の摺動部材に適している。
【0062】
【発明の効果】本発明は、高寸法焼結が可能で、摺動特
性の優れた低気孔率の焼結体が得られる。特に、従来の
反応焼結法では作成できなかったカーボンが分散した緻
密な反応焼結体が得られる。
【0063】該焼結体は各種装置の摺動部材をはじめ航
空、宇宙、海洋等の分野で利用される複合セラミックス
材料として有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】TiCまたはSiCの配合比と焼結体気孔率と
の関係を示すグラフである。
【図2】TiCの窒化率と焼結体気孔率との関係をグラ
フである。
【図3】本発明の一実施例の焼結体の粒子構造を示すモ
デル図である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiCを除く金属炭化物の粒子および/ま
    たはウイスカが金属窒化物、金属炭窒化物の粒子および
    /またはウイスカで互いに結合され、前記各粒界にカー
    ボンが分散されていることを特徴とする反応焼結複合セ
    ラミックス。
  2. 【請求項2】金属炭化物の粒子および/またはウイスカ
    の表面層が、金属窒化物および/または金属炭窒化物か
    らなることを特徴とする請求項1記載の反応焼結複合セ
    ラミックス。
  3. 【請求項3】金属窒化物の粒子および/またはウイスカ
    からなる焼結体中にカーボンが分散されており、前記金
    属窒化物は他の金属窒化物および/または金属炭窒化物
    の粒子および/またはウイスカで互いに結合されている
    ことを特徴とする反応焼結複合セラミックス。
  4. 【請求項4】金属炭化物(a)と金属窒化物(d)およ
    び金属炭窒化物(e)の比〔(d)+(e)〕/(a)
    が 0.5以上であることを特徴とする請求項1または
    2のいずれかに記載の反応焼結複合セラミックス。
  5. 【請求項5】前記金属炭化物がTi、Zr,V,B,A
    l,Ta,Cr,Nb,Hfの少なくとも1種から選ば
    れる金属の炭化物であることを特徴とする請求項1,2
    または4に記載の反応焼結複合セラミックス。
  6. 【請求項6】前記焼結体中の気孔率が15容積%以下、
    最大気孔径が10μm以下であることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれかに記載の反応焼結複合セラミックス
  7. 【請求項7】SiCを除く金属炭化物(a)の粒子およ
    び/またはウイスカと金属粉末(b)から成る成形体を
    、窒化性ガス雰囲気中で加熱し、前記金属粉末(b)の
    金属窒化物(c)を形成すると共に、前記金属炭化物(
    a)の金属窒化物(d)および/または金属炭窒化物(
    e)と遊離カーボンを生成し、該遊離カーボンの一部と
    前記金属粉末(b)との反応による金属炭化物(f)を
    形成し、前記(a)(c)(d)(e)および(f)の
    粒子および/またはウイスカを互いに結合することを特
    徴とする反応焼結複合セラミックスの製法。
  8. 【請求項8】前記成形体が金属炭化物(a)の粒子およ
    び/またはウイスカが60重量%以上、前記金属粉末(
    b)が40重量%以下であることを特徴とする請求項7
    に記載の反応焼結複合セラミックスの製法。
  9. 【請求項9】前記金属炭化物(a)がTi、Zr,V,
    B,Al,Ta,Cr,Nb,Hfの少なくとも1種か
    ら選ばれる金属の炭化物であり、前記金属粉末(b)が
    Si,Ti,Al,Crの少なくとも1種から選ばれる
    金属であることを特徴とする請求項7または8に記載の
    反応焼結複合セラミックスの製法。
  10. 【請求項10】前記金属炭化物(a)と金属粉末(b)
    の配合比が重量で(95〜5):(5〜95)であるこ
    とを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の反応焼
    結複合セラミックスの製法。
  11. 【請求項11】第1工程:金属粉末(b)の融点より低
    い温度で加熱し該金属粉末を窒化させる工程、第2工程
    :金属炭化物(a)が窒素と反応する温度で加熱する工
    程、 の2工程からなる加熱処理を含むことを特徴とする請求
    項7〜10のいずれかに記載の反応焼結複合セラミック
    スの製法。
  12. 【請求項12】SiCを除く金属炭化物の粒子および/
    またはウイスカが、金属窒化物、金属炭窒化物の粒子お
    よび/またはウイスカで互いに結合され、前記各粒界に
    カーボンが分散されている反応焼結複合セラミックスか
    らなることを特徴とする摺動部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001247369A (ja) * 2000-03-01 2001-09-11 Kyocera Corp 切削工具およびその製造方法

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