JPH04340998A

JPH04340998A - 自動ピアノのペダル駆動装置

Info

Publication number: JPH04340998A
Application number: JP14137191A
Authority: JP
Inventors: Yuji Fujiwara; 祐二藤原
Original assignee: Yamaha Corp
Current assignee: Yamaha Corp
Priority date: 1991-05-17
Filing date: 1991-05-17
Publication date: 1992-11-27

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動ピアノのペダル駆動
装置に関し、通常演奏時と自動演奏時とでペダル天秤棒
の支点を異なる位置に切り換えることにより、ペダル駆
動用のアクチュエータの負荷の軽減を図るものである。

【０００２】

【従来の技術】自動ピアノは従来周知のアコースティッ
クピアノに自動演奏機構を付加したもので、演奏者によ
る通常演奏の他に、該自動演奏機構による演奏の再生を
可能としたものである。この従来の自動ピアノのペダル
駆動装置としては、例えば以下のようなものが知られて
いる。

【０００３】自動ピアノでは、底板上に突設した天秤支
えを支点として天秤棒が回動自在に支持されており、こ
の天秤棒の一端にペダル吊金ボルトによってペダルが吊
下げられている。天秤棒の他端には突上棒の下端部が当
接し、突上棒の上端部は例えばアクションのダンパーロ
ッドに連結されている。ペダル巻バネにより天秤棒は初
期位置に設定されている。また、天秤棒の天秤支えより
も突上棒側には駆動ワイヤが連結されており、アクチュ
エータの駆動により駆動ワイヤが引っ張られて天秤棒を
回動させる構成である。

【０００４】したがって、通常演奏では、ペダルを踏み
込むことにより、ペダル吊金ボルトを介して天秤棒が回
動し、突上棒を押し上げる。この結果、例えばダンパー
が動作することとなる。一方、演奏再生時にはアクチュ
エータにより駆動ワイヤを介して天秤棒が回動する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の自動ピアノのペダル駆動装置にあっては、天
秤棒の回動支点は固定されていたため、演奏再生におけ
るアクチュエータの負荷が、通常演奏での踏み込み力と
同等に設定されており、過大なものとなっていたという
課題があった。例えばペダル巻バネ等は所定の踏み込み
感覚を得るために一定の値にセットされているものであ
る。

【０００６】そこで、本発明は、通常演奏では所定の踏
み込み感覚を得ることができるとともに、再生演奏では
アクチュエータへの負荷を軽減した自動ピアノのペダル
駆動装置を提供することを、その目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、自動ピアノの
ペダル踏込力を、付勢力に抗する所定支点回りの回動に
より付加操作機構部に伝達する伝達部材と、上記自動ピ
アノの再生演奏時、外部からの指令にしたがって、上記
伝達部材の所定作用点に作用力を作用し、ペダル系を駆
動する駆動手段と、を具備した自動ピアノのペダル駆動
装置において、上記自動ピアノの再生演奏時、上記伝達
部材の所定支点を上記駆動手段の所定作用点から該伝達
部材に沿って離れた位置に切り換える切換手段と、を備
えた自動ピアノのペダル駆動装置である。

【０００８】

【作用】本発明に係る自動ピアノのペダル駆動装置は、
通常演奏では演奏者がペダルを踏み込むと、伝達部材が
支点を中心として回動し、付加操作機構部が動作する。演奏再生時には、外部からの指令にしたがって、駆動手
段が伝達部材に作用力を作用してこのペダル系を駆動す
る。この再生演奏において、切換手段が上記伝達部材の
回動の支点を、駆動手段の作用点から離れる位置に切り
換えている。この結果、駆動手段の作用力は通常演奏で
のペダル踏み込み力よりも小さくてよく、駆動手段の負
荷は軽減されることとなる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明に係る自動ピアノのペダル駆動
装置の実施例を説明する。

【００１０】図１〜図２は、本発明の第１実施例を示し
ている。図１において、１１は底板であって、その上に
は天秤支え１２が突設されている。この天秤支え１２に
は天秤棒１４の長手方向の中間部下面が当接している。すなわち、天秤棒１４は底板１１上で天秤支え１２を支
点として垂直面内で回動自在に支持されている。

【００１１】水平な天秤棒１４の一端部には垂直な突上
棒１６の下端部が係止されており、この突上棒１６の上
端部は例えばダンパー機構のダンパーロッドに係止され
ている。天秤棒１４の他端部にはペダル１７がペダル吊
金ボルト１８により吊下げられている。１９はペダル吊
金ボルト１８を天秤棒１４に連結するための蝶ナットで
ある。

【００１２】この天秤棒１４と底板１１との間にはペダ
ル巻バネ２０が縮設されており、このペダル巻バネ２０
は所定の付勢力により天秤棒１４の他端部を上方に向か
って付勢している。また、上記天秤支え１２の直上には
天秤棒１４を下方に向かって付勢する押えバネ２１が配
設されている。さらに、ペダル巻バネ２０の直上の天秤
棒１４の上面に第２の支点部材２２が当接して設けられ
ている。また、２３は駆動ワイヤであって、天秤棒１４
の一端部を吊り下げるようにこれに連結されている。こ
の駆動ワイヤ２３の上端部は図示していないアクチュエ
ータに連結されているものである。アクチュエータの駆
動により駆動ワイヤ２３は天秤棒１４の一端部を上方に
向かって引っ張り上げるものである。

【００１３】以上の構成に係る自動ピアノのペダル駆動
装置は、通常演奏および演奏再生において以下のように
動作するものである。

【００１４】通常演奏では、演奏者がペダル１７をペダ
ル巻バネ２０の付勢力に対抗して所定の踏み込み力で踏
み込む。この結果、天秤棒１４は天秤支え１２の当接部
を支点として図１にて時計回り方向に回動し、突上棒１
６を上方に押し上げる。この場合、押えバネ２１は天秤
棒１４が天秤支え１２から離れないように付勢している
。

【００１５】演奏再生時には、外部コントローラからの
指令によりアクチュエータが作動して駆動ワイヤ２３を
引っ張り上げる。この結果、天秤棒１４は第２の支点部
材２２を支点として図中時計回り方向に回動し、これに
より突上棒１６は突き上げられる。このとき、ペダル巻
バネ２０は天秤棒１４を第２の支点部材２２に当接させ
ている。また、押えバネ２１は圧縮方向に変形している
。

【００１６】以上の演奏再生時について駆動手段である
アクチュエータの天秤棒１４に対する作用力が、通常演
奏でのペダル１７による作用力よりも軽減されているこ
とを、図２を用いて説明する。この場合、突上棒１６を
上方に向かって付勢する力は、通常演奏および演奏再生
時で同じとする。

【００１７】図２において、Ｐ０，Ｐ１，Ｐ２，Ｐ３は
、それぞれ、演奏再生時の駆動ワイヤ２３による作用力
の作用点、通常演奏時の支点、演奏再生時の支点、通常
演奏時のペダル１７による作用力の作用点を示している
。また、ｆ０，ｆ１，ｆ２，ｆ３は、これらの各点Ｐ０
，Ｐ１，Ｐ２，Ｐ３において天秤棒１４に作用する力を
示している。また、ｌ０１，ｌ０２等ｌｉｊは各点間の距離である。また、突上棒１６のみを駆動する力は０とし、ｆ１，ｆ
２はそのバネ定数が極めて小さく、このストロークでは
バネ力が一定となるよう設定されているものとする。

【００１８】■通常演奏時、静的にはｆ０＝０とみなせ
る。この場合の天秤棒１４の釣合条件は次式となる。す
なわち、ｌ１２ｆ２−ｌ１３ｆ３＝０であり、ｌ１３ｆ
１−ｌ２３ｆ２＝０である。したがって、ｆ３＝ｆ２・
ｌ１２／ｌ１３となり、ｆ１＝ｆ２・ｌ２３／ｌ１３と
なる。このように支点Ｐ１にては、ｆ１＝ｆ２・ｌ２３
／ｌ１３以上の力で天秤棒１４を天秤支え１２に押圧し
ておけば、支点が変動することはない。

【００１９】■演奏再生時は、ｆ３＝０とみなすことが
できる。このときのＰ１、Ｐ０における釣合に必要な力
をそれぞれｆ１’，ｆ０’とする。釣合条件式は以下の
通りである。すなわち、−ｌ０１ｆ１’＋ｌ０２ｆ２＝
０であり、−ｌ０１ｆ０’＋ｌ１２ｆ２＝０である。し
たがって、ｆ１’＝ｆ２・ｌ０２／ｌ０１となり、ｆ０
’＝ｆ２・ｌ１２／ｌ０１＝ｆ１’・ｌ１２／ｌ０２と
なる。■ここで、Ｐ１を押さえる力ｆ１がｆ１’よりも
小さい場合は押さえバネ２１が圧縮されてＰ２が支点と
なる。

【００２０】■そこで、点Ｐ１における押さえ力をｆ１
と設定する。このとき、力ｆ３＝０となるように釣り合
わせるための点Ｐ０での力をｆ０とすると、上式により
Ｐ１を支点としたままの状態での点Ｐ０の駆動力はｆ０
’＝ｆ１’・ｌ１２／ｌ０２となる。一方、点Ｐ１の押
さえ力をｆ１と設定し、点Ｐ２を支点として場合のＰ０
の駆動力はｆ０＝ｆ１・ｌ１２／ｌ０２となる。よって
、（ｆ０’−ｆ０）だけ駆動力が軽減されることとなる
。■上記式によってこの値（ｆ０’−ｆ０）をｆ２によ
って表すと以下の通りである。ｆ０’−ｆ０＝ｆ２・ｌ
１２／ｌ０１−ｆ２・ｌ１２／ｌ０２・ｌ２３／ｌ１３
＝ｆ２・（ｌ１２／ｌ０１−ｌ１２・ｌ２３／ｌ０２・
ｌ１３）となる。■ここで、ｌ０１＜ｌ０２，ｌ２３／
ｌ１３であるから、（ｆ０’−ｆ０）の値は正となる。よって、以上のように設定することで駆動力を軽減する
ことができる。

【００２１】例えば、ソフトペダルの場合、駆動力を約
３８％程度まで軽減できる。

【００２２】図３は第２実施例を示している。この実施
例では、上記実施例のものから天秤支え１２、第２の支
点部材２２を取り除いた場合を示している。この場合、
バネ２１、２０のバネ力に対応して天秤棒１４の回動の
支点が通常演奏時と演奏再生時とでＰ１，Ｐ２のいずれ
かに位置するものである。また、天秤棒１４の回動に応
じてその支点位置が微少に移動し、演奏再生時の負荷を
軽減するものである。その他の構成、作用は上記実施例
のそれと略同じである。

【００２３】

【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、通常演奏では一般のアコースティックピアノと同
等の踏み込み感覚で操作できるとともに、演奏再生時に
はアクチュエータに作用する負荷を軽減することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】　　本発明の第１実施例に係る自動ピアノのペ
ダル駆動装置を示す正面図である。

【図２】　　本発明の第１実施例に係る自動ピアノのペ
ダル駆動装置の力学モデルを示す模式図である。

【図３】　　本発明の第２実施例に係る自動ピアノのペ
ダル駆動装置を示す正面図である。

【符号の説明】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　自動ピアノのペダル踏込力を、付勢力
に抗する所定支点回りの回動により付加操作機構部に伝
達する伝達部材と、上記自動ピアノの再生演奏時、外部
からの指令にしたがって、上記伝達部材の所定作用点に
作用力を作用し、ペダル系を駆動する駆動手段と、を具
備した自動ピアノのペダル駆動装置において、上記自動
ピアノの再生演奏時、上記伝達部材の所定支点を上記駆
動手段の所定作用点から該伝達部材に沿って離れた位置
に切り換える切換手段と、を備えたことを特徴とする自
動ピアノのペダル駆動装置。