JPH0434047Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は異なる方向から送られてきた略同一幅
の２本のテープを整合して案内するテープ案内装
置に関する。

［従来の技術］ 一般にこの種のテープ案内装置には、両端にテ
ープの幅方向の移動を規制するフランジを備えた
ローラが使用されている。

［考案が解決しようとする課題］ ところでこの種のローラにより２本のテープを
正確に整合させるには、フランジをローラ面より
できるだけ高くする必要がある。つまりこの種の
装置では、テープ端縁とフランジ内壁面との係合
によつてテープの幅方向の移動を規制するため、
両テープを正確に整合させるためには、フランジ
内壁面とテープ端縁との係合距離を充分長くする
必要があり、そのためにはローラ面からのフラン
ジ高さをできるだけ大きくしなければならない。

このためローラを小型化するには限界があり、
この種のローラを使用する装置においてローラの
占有空間を小さくして装置の小型化を図ることは
困難であつた。

特にこの種のフランジ付のローラを、熱転写ヘ
ツドによりテープに印刷した後にそのテープの印
刷面に略同一幅の粘着テープを貼合わせるような
テープ印刷装置の貼合わせに用いる際には、該貼
合わせの位置において２本のテープに万一ずれが
生じると、テープが送られるにつれてそのずれは
広がる一方であり、貼合わされたテープを一旦剥
して再度整合し直さない限りそのずれを矯正する
ことは不可能であつた。また、熱転写ヘツドを用
いた印刷装置においては、例えば実願昭57−
52946号（実開昭58−155246号）の願書に添付さ
れた明細書に記載されているように、印刷後イン
クリボンを剥離する際に、印刷パターンの偏りに
よりインクリボンが蛇行することがある。そして
テープ印刷装置の場合には、上記の蛇行がテープ
にも生じる可能性がある。従つて、このような装
置においては、上述した貼合わせにおけるずれの
問題が顕著であつた。

そこで本考案は、フランジを備えたローラによ
り２本のテープを整合する装置に於て、その整合
性能を悪化させることなくローラをより小型化で
きるようにすることを目的としてなされた。

［課題を解決するための手段］ 即ち上記目的を達成するためになされた本考案
は、文字が印刷される被印刷テープと、その印刷
テープをその長手方向に送るテープ送り手段と、
そのテープ送り手段により送られる被印刷テープ
に印刷を行うための熱転写ヘツド及びインクリボ
ンと、被印刷テープの印刷面に貼合わされる、該
テープと略同一幅の粘着テープとを備えたテープ
印刷装置に用いられるテープ案内装置であつて、
両端にテープの幅方向の移動を規制するフランジ
を備え、異なる方向から送られてくる被印刷テー
プ及び粘着テープを、該被印刷テープを外側にし
た状態にて整合し接合するフランジ付ローラと、
被印刷テープの走行経路上の、熱印刷ヘツドによ
る印刷位置とフランジ付ローラによる接合位置と
の間に設けられ、該被印刷テープの幅方向の移動
を規制する規制部材と備えたことを特徴としてい
る。

［作用］ 以上のように構成された本考案のテープ案内装
置では、フランジ付ローラにおいて外側に配置さ
れる被印刷テープは、熱印刷ヘツドによる印刷位
置と該ローラによる接合位置との間に設けられた
規制部材により、幅方向の移動が規制される。従
つて、万一印刷位置において被印刷テープの幅方
向のずれが生じたとしても、該テープは規制部材
によりずれが規制された状態にて接合位置に送ら
れる。このため当該装置においては、ローラのフ
ランジ高さを従来より小さくしても両テープを正
確に整合させることができ、ローラの小型化を図
ることができる。つまり本考案では、２本のテー
プのうち、ローラ位置でフランジ内壁面との係合
距離が短くなる外側テープの幅方向の移動が規制
部材によつて予め規制されるので、フランジ高さ
としては、ローラ位置でフランジ内壁面との係合
距離が長くなる内側テープの幅方向の移動を規制
し得る高さまで低くすることができ、この結果ロ
ーラを従来より小型化できるようになるのであ
る。

［実施例］ 以下に本考案が適用された実施例のテープ収納
カセツトについて図面と共に説明する。

本実施例のテープ収納カセツト１は、その分解
斜視図を表す第１図に示す如く、透明なフイルム
テープ３が巻回されたフイルムテープスプール
５、熱転写リボン７がそのインク面を内側にして
巻回されたリボン供給スプール９、リボン供給ス
プール９から引き出された熱転写リボン７を巻取
るリボン巻取スプール１１、フイルムテープ３と
略同一幅であり、片面のみに剥離紙が貼着された
両面テープ１３が剥離紙を外側にして巻回された
両面テープスプール１５、及びこの両面テープ１
３とフイルムテープ３とを整合する整合ローラ１
７を、カセツトケース１９内に収納し、その開口
部を蓋体２１で閉じることにより、蓋体２１及び
この蓋体２１と対向するカセツトケース１９の底
部に夫々形成された支持部Ｓ１〜Ｓ５を介して上
記各部を回転自在に固定している。

当該テープ収納カセツト１は、所望の文字を反
転印字する印字装置に着脱自在に装着され、熱転
写リボン７を用いてフイルムテープ３に反転印字
を行ない、その印字面に両面テープ１３を貼着し
て、文字が印字された印刷テープを作成するのに
使用される。

このためテープ収納カセツト１には、印字装置
側に固定された第２図に示すサーマルヘツド２３
を収納するための凹部２５が形成され、この凹部
２５の外側及び内側周縁には、サーマルヘツド２
３を収納する空間を確保するためのガイド板２７
及び２９が立設されている。尚第２図はテープ収
納カセツト１の印字装置への装着状態を表してお
り、以下の説明はこの第２図を中心に行なうこと
とする。

つまりフイルムテープ３及び熱転写リボン７
は、ガイドピン３１により熱転写リボン７のイン
ク面を介して対向した状態で凹部２５まで案内さ
れるため、この案内されてきたフイルムテープ３
及び熱転写リボン７がサーマルヘツド２３を収納
するのに必要な空間を塞ぐことのないよう、ガイ
ド板２７及び２９によつてフイルムテープ３と熱
転写リボン７との走行経路を規制するのである。
尚凹部２５の内側周縁に立設されたガイド板２９
には、凹部２５まで案内されたフイルムテープ３
と熱転写リボン７とを外方向に付勢する板ばね３
３が備えられ、これによつてサーマルヘツド２３
収納用の空間を確実に確保できるようにされてい
る。

従つて当該テープ収納カセツト１を印字装置に
装着した際には、サーマルヘツド２３が熱転写リ
ボン７の裏面に配設されるようになり、印字装置
側に設けられ、サーマルヘツド２３に対して接離
可能なプラテンローラ３５によりフイルムテープ
３及び熱転写リボン７をサーマルヘツド２３に押
圧することで、フイルムテープ３に所望の反転文
字を印字できるようになる。

次に凹部２５を通過した熱転写リボン７は、ガ
イド板２９の端部２９ａを介してリボン巻取スプ
ール１１に巻取られ、フイルムテープ３は整合ロ
ーラ１７を介してカセツト外部に案内される。整
合ローラ１７及びリボン巻取スプール１１は、印
字装置への装着時に、図示しない駆動モータ及び
動力伝達機構により互いに逆回転される印字装置
側のテープ送り体３７及びリボン巻取体３９に嵌
合され、これら各部を介して矢印Ａ及びＢ方向に
夫々回転駆動される。

整合ローラ１７は、単にフイルムテープ３と両
面テープ１３とを整合するだけでなく、印字装置
側に設けられ、整合ローラ１７に対して接離可能
な送りローラ４１と協働してフイルムテープ３の
印字面に両面テープ１３の粘着面を圧着し、両テ
ープを接合するためのもので、第１図に示す如く
その両端には、両テープの幅方向の移動を規制す
るためのフランジ１７ａ及び１７ｂが形成されて
いる。尚このフランジ１７ａ及び１７ｂは、フイ
ルムテープ３と両面テープ１３とを正確に整合さ
せるためにローラ面に対して直角に形成されてい
る。

また送りローラ４１は、印字装置側に軸４３ａ
を中心に回動可能に固定された支持体４３に支持
されており、テープ収納カセツト１を印字装置に
装着した後、図示しない付勢部材によつて支持体
４３を矢印Ｃ方向に付勢することで、整合ローラ
１７のローラ面にフイルムテープ３及び両面テー
プ１３を押圧し、これらテープを接合する。

尚支持体４３にはプラテンローラ３５も支持さ
れており、プラテンローラ３５は、送りローラ４
１と同様、支持体４３を矢印Ｃ方向に付勢するこ
とによつて、フイルムテープ３及び熱転写リボン
１３をサーマルヘツド２３に押圧する。またこの
プラテンローラ３５及び送りローラ４１は、押圧
時にフイルムテープ３を傷つけることのないよ
う、また所定の抗力及び摩擦力が得られるよう、
ゴム等の弾性体によつて形成されている。

次にフイルムテープ３の凹部２５から整合ロー
ラ１７までの経路には、フイルムテープ３を整合
ローラ１７のローラ面に案内するガイド板４５が
形成されており、その両端、即ち第１図に示す蓋
体２１及びカセツトケース１９には、フイルムテ
ープ３の幅方向の移動を規制する規制部材４７ａ
及び４７ｂが形成されている。規制部材４７ａ及
び４７ｂは、第３図に示す如くカセツトケース１
９に蓋体２１を嵌合した時、その間隔がフイルム
テープ３の幅よりも若干小さくなるように蓋体２
１及びカセツトケース１９に夫々突設されてい
る。つまり例えばフイルムテープ３の幅が12mmで
ある場合、その変動（誤差）を見込んで規制部材
４７ａ及び４７ｂの間隔を11.9mmとすることで、
フイルムテープ３の幅方向のずれを確実に規制で
きるようにしているのである。このためフイルム
テープ３は、フイルムテープスプール５から凹部
２５までの走行経路で蛇行しても、この規制部材
４７ａ及び４７ｂにより蛇行が取り除かれ、整合
ローラ１７のフランジ１７ａ及び１７ｂ間に正確
に案内されることとなる。尚第３図は当該テープ
収納カセツト１を第１図における矢印Ｄ方向から
見た状態を表している。

一方両面テープ１３は、フイルムテープ３との
接合点Ｅまで整合ローラ１７のローラ面によつて
案内され、フランジ１７ａ及び１７ｂとの係合距
離が長くなるので、フランジ１７ａ及び１７ｂの
高さが低くても、幅方向の移動を充分規制するこ
とができる。このため両面テープ１３の整合ロー
ラ１７までの経路には、幅方向の移動を規制する
規制部材は設けられず、両面テープ１３がカセツ
ト内で熱転写リボン等の他の部材に付着するのを
防止するためのシリコン樹脂からなるガイドロー
ラ４９が設けられている。

このように整合ローラ１７と送りローラ４１と
の協働によつて接合されたフイルムテープ３と両
面テープ１３との接合体（即ち印字テープ）は、
カセツト外部に案内されることとなるのである
が、カセツトケース１９の外部のテープ走行経路
には、印字装置に取り付けられたテープ切断装置
５１の切断刃５３を受ける受部５５が形成されて
おり、印字テープ作成後、テープ切断装置５１を
動作して切断刃５３を受部５５に押圧することに
より、印字テープを切断できるようにされてい
る。尚このテープ切断装置５１は、印字装置側に
回転自在に固定され、先端に切断刃５３が取り付
けられた切断刃支持体５７と、この切断刃支持体
５７を矢印Ｆ方向に回動させるための回動アーム
５９とからなり、この回動アーム５９を手動で矢
印Ｇ方向に動かすことによつて印字テープを切断
できるようにされている。

以上説明したように本実施例のテープ収納カセ
ツトにおいては、２本のテープ、即ちフイルムテ
ープ３と両面テープ１３とを整合するのに、両端
にフランジ１７ａ及び１７ｂが形成された整合ロ
ーラ１７が使用され、更に接合点Ｅで外側に配設
されるフイルムテープ３の走行経路上には、その
幅方向の移動を規制する規制部材４７ａ及び４７
ｂが形成されている。このためフイルムテープ３
は、規制部材４７ａ及び４７ｂで走行経路が規制
された後、整合ローラ１７に案内される。従つて
整合ローラ１７のフランジ１７ａ及び１７ｂの高
さとしては、接合点Ｅで内側に配設される両面テ
ープ１３の幅方向の移動を規制できる高さにすれ
ばよく、フランジを備えたローラのみによつて２
本のテープを整合させる従来と比べ、フランジの
高さを低くして、整合ローラを小型化することが
可能となる。

また本実施例では、規制部材４７ａ及び４７ｂ
の間隔がフイルムテープ３の幅より若干小さく設
定されているため、フイルムテープ３のばらつき
により幅が変動しても、規制部材４７ａ及び４７
ｂによつてフイルムテープ３を整合ローラ１７の
ローラ面に正確に案内することができ、整合精度
を向上できる。

また更にフランジ１７ａ及び１７ｂは、整合ロ
ーラ１７のローラ面に対して直角に形成されてい
るため、フイルムテープ３と両面テープ１３とを
より精度よく整合できる。つまり従来より一般に
使用されるローラのようにフランジの内壁面が外
方向に広がつていないので、外側に配設されるフ
イルムテープが内側の両面テープに対してずれる
といつたことはなく、整合精度を向上できるので
ある。

［考案の効果］ 以上詳述したように本考案のテープ案内装置で
は、印刷された被印刷テープと粘着テープとの２
本のテープをフランジ付ローラにより接合する際
に、ローラ位置で外側に配置される被印刷テープ
の幅方向の移動を、印刷位置と接合位置との間の
規制部材によつて規制するように構成されている
ので、万一印刷位置において幅方向のずれが生じ
たとしても、接合位置においては正確な整合が実
現できる。従つて、ローラのフランジ高さとして
は、ローラ位置で内側に配設されるテープの幅方
向の移動を規制できる高さであればよく、従来よ
りフランジ高さを低くして、ローラを小型化する
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例のテープ収納カセツトの分解斜
視図、第２図はテープ収納カセツトの印字装置へ
の取付状態を表す説明図、第３図はテープ収納カ
セツトを第１図に示す矢印Ｄ方向から見た状態を
表す側面図である。 ３……フイルムテープ、１３……両面テープ、
１７……整合ローラ、１７ａ，１７ｂ……フラン
ジ、４１……送りローラ、４７ａ，４７ｂ……規
制部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 文字が印刷される被印刷テープと、その印刷テ
   ープをその長手方向に送るテープ送り手段と、そ
   のテープ送り手段により送られる前記被印刷テー
   プに印刷を行うための熱転写ヘツド及びインクリ
   ボンと、前記被印刷テープの印刷面に貼合わされ
   る、該テープと略同一幅の粘着テープとを備えた
   テープ印刷装置に用いられるテープ案内装置であ
   つて、 両端にテープの幅方向の移動を規制するフラン
   ジを備え、異なる方向から送られてくる前記被印
   刷テープ及び粘着テープを、該被印刷テープを外
   側にした状態にて整合し接合するフランジ付ロー
   ラと、 前記被印刷テープの走行経路上の、前記熱印刷
   ヘツドによる印刷位置と前記フランジ付ローラに
   よる接合位置との間に設けられ、該被印刷テープ
   の幅方向の移動を規制する規制部材と を備えたことを特徴とするテープ案内装置。