JPH043391Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、曲折部分を持つ直管型ハロゲン電球
の折曲部の構造の改良に関し、更に詳述すれば、
外囲器１の一部を折曲し、折曲方向に沿つて曲成
した金属箔２を折曲部３内に配設し、外囲器１の
直線部分４に配置されたフイラメント５を金属箔
２に溶接して成る事を特徴とするハロゲン電球の
折曲部の構造に係るものである。

一般に、管型ハロゲン電球にあつては、外囲器
のほぼ全長にわたつて１本のフイラメントを配置
し、サポートリングを所定の間隔で巻着して外囲
器の内周にサポートリングを密着させ、フイラメ
ントを外囲器の中心に保持すると共にフイラメン
トの両端をピンチシール部内に埋設された金属箔
に溶接接続するという構造をとつていた。このよ
うな構造の場合、外囲器に折曲部を設けるとフイ
ラメントも同時に曲げられ、隣接せるフイラメン
トコイルが短絡する危険があり、このような事が
無いように折曲部の曲率半径を大きく取らねばな
らないという欠点があつた。又、フイラメントの
途中を伸ばし、コイル部分と線状の部分とを作
り、線状の部分を折曲部に配置するようにしたと
してもサポートリングだけでは外力が加わつたと
き軸方向にずれ、コイル部分が折曲部にかかる危
険性もあり、使用中に故障が起こる可能性があつ
た。

本考案は、かかる従来例の欠点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、外囲器をど
んな鋭角に曲げても故障発生の危険性が全くない
ハロゲン電球の折曲部の構造を提供することにあ
る。

以下、本考案を図示実施例に従つて詳述する。
第１図は本考案に係る管型ハロゲン電球Ａの完成
品の一実施例の部分断面図である。外囲器１は、
本実施例では透明石英ガラス管が用いられてお
り、平面形状をほぼコ字状に、正面形状をほぼ〓
形に折曲されている。折曲形状は勿論図のものに
限られず、又、折曲部３は、ほぼ90°であるが、
90°以上の鈍角は勿論、90°以下の鋭角であつても
構わない事は言うまでもない。外囲器１の両側縦
部分にはチツプ管８が取り付けられている。外囲
器１の直線部分４にはタングステン線をコイル状
に巻回・曲成したフイラメント５が配設されてお
り、折曲部３には折曲方向に沿つて曲成されたモ
リブデン金属箔２が配設されている。フイラメン
ト５の端部はモリブデン金属箔２に溶接されてお
り、フイラメント５にはサポートリング７を所定
の間隔で巻着してあり、モリブデン金属箔２の端
部にはサポート棒６をほぼ直角に溶接してあり、
その端部を外囲器１の内周面（即ち、外囲器１を
内側に凹こませた凹所１３の内周面）に埋入して
ある。外囲器１の両端部にはピンチシール部９が
形成されており、両端のモリブデン金属箔２の端
部がピンチシール部９に埋入され、ピンチシール
部９から外部に導出される外部リード棒１０に接
続されている。その他ピンチシール部９には保護
碍子１１が被嵌され、更にピンチシール部９全体
を覆うように熱収縮性のシリコンチユーブ１２を
被着してある。

次に、製造工程について説明する。まずコイル
状のフイラメント５とモリブデン金属箔２とを交
互に溶接し、次いでフイラメント５にサポートリ
ング７を巻着し、更にモリブデン金属箔２にほぼ
直角にサポート棒６を溶接する。このように形成
したフイラメント５とモリブデン金属箔２の接続
体Ｂを直線状の外囲器１内に挿入し、サポートリ
ング７を外囲器１の内周面に密着させて接続体Ｂ
を外囲器１の中心に保持した後、外囲器１の両端
をピンチシールする。次ぎに、外囲器１のサポー
ト棒６に一致する部分を加熱し、軽く内側に凹ま
せ、この凹所１３の内周面にサポート棒６の端部
を埋入固定する。然る後、外囲器１のモリブデン
金属箔２に対応する部分を加熱し、モリブデン金
属箔２と共に外囲器１を所定の角度だけ折曲す
る。次いで、チツプ管８を給排気装置に接続し、
両方のチツプ管８から内部の空気を完全に排出す
る。若しくは、一方のチツプ管８から不活性ガス
を吹き込み、他方のチツプ管８から内部の空気を
排出する。内部の空気が完全に排出された処で、
もしくは不活性ガスと完全に置換された処でハロ
ゲンガスを吹き込み、然る後封切する。その後、
ピンチシール部９に保護碍子１１を被嵌し、更に
リード線１４を接続し、熱収縮性シリコンチユー
ブ１２を被着する。

本考案にかかるハロゲン電球Ａは照明用として
は勿論、ヒータとしても使用されるものである。

本考案は叙上のように、外囲器の一部を折曲
し、折曲方向に沿つて曲成した金属箔を折曲部内
に配設し、外囲器の直線部分に配置されたフイラ
メントを金属箔に溶接してあるので、折曲部にフ
イラメントが位置する従来例のようにフイラメン
トの隣接せるコイル同士が接触するというような
不安が全くなく、自由な角度、自由な曲率半径で
折曲部を構成できるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図……本考案の一実施例の部分平断面図。
第２図……第１図の部分正断面図。 Ａ……管型ハロゲン電球、Ｂ……接続体、１…
…外囲器、２……金属箔、３……折曲部、４……
直線部分、５……フイラメント、６……サポート
棒、７……サポートリング、８……チツプ管、９
……ピンチシール部、１０……外部リード棒、１
１……保護碍子、１２……シリコンチユーブ、１
３……凹所、１４……リード線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 外囲器の一部を折曲し、折曲方向に沿つて曲
   成した金属箔を折曲部内に配設し、外囲器の直
   線部分に配置されたフイラメントを金属箔に溶
   接して成る事を特徴とするハロゲン電球の折曲
   部の構造。 (2) 金属箔にほぼ直交させてサポート棒を溶接
   し、サポート棒の両端を外囲器の内周面に埋入
   して成る事を特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項に記載のハロゲン電球の折曲部の構
   造。