JPH0433901B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、縦移動可能な舌針と同じ方向に縦移
動可能で付加的に揺動可能なシンカとが、担体に
交互に並べて設けられて、共通なカム担体の別々
のカム軌道を形成するカムにより移動可能であ
り、シンカ又は針用のループ形成カムが、調節頭
部によりシンカ又は針の縦移動方向に調節可能に
設けられている、編機特に針の引下げ運動中にシ
ンカが少なくとも部分的に逆方向へ縦移動せしめ
られる編機に関する。

〔従来の技術〕

このような編機はドイツ連邦共和国特許出願公
開第3311361号明細書に提案されている。ドイツ
連邦共和国特許出願公開第3433290号明細書から
シンカ用のループ形成カムを共通に調節する可能
性は公知であるが、このためにカム担体として針
カム担体とシンカカム担体とを設けることが必要
になり、これにより編機のカム範囲が見渡せなく
なり、カム範囲の寸法が大きくなり、針幹が長く
なり、編機のカム範囲のこじんまりした構造が乱
される。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明の基礎となつている課題は、シンカ又は
針用のループ形成カムの個々の調節を可能にする
ほかに、複数のシンカカム装置又は針カム装置の
ループ形成カムの共通な調節も可能にし、しかも
針用及びシンカ用のカムを別々のカム担体に設け
る必要のないようにして、編機をこじんまりする
ことである。

〔問題点を解決するための手段〕

最初にあげた種類の編機において、この課題を
解決するため本発明によれば、付属する調節軸及
び制御曲線片とループ形成カムとを持つ各調節頭
部が、編機の固定カム担体に、シンカ又は針の縦
移動方向に移動可能に支持されて、固定カム担体
の切欠きを貫通する少なくとも１つの押し棒を介
して、すべてのカム装置に共通な調節板に連結さ
れている。

〔発明の効果〕

本発明により、調節頭部従つて調節軸の回転に
より、制御曲線片を介して、調節頭部に付属する
ループ形成カム例えばシンカループ形成カムを、
公知のようにシンカ又は針の縦移動方向に個々に
調節することができる。またすべての調節頭部
が、共通な固定カム担体に、シンカ又は針の縦移
動方向に移動可能に支持されているので、固定カ
ム担体の切欠きを貫通してそれぞれの調節頭部に
属するすべての押し棒を、共通な調節板により操
作して、すべてのループ形成カムを共通に調節す
ることもできる。ループ形成カム例えばシンカ用
ループ形成カムは、調節頭部と共に固定カム担体
に移動可能に支持されているので、シンカ用ルー
プ形成カムのために別個のカム担体を設ける必要
がない。なお固定カム担体には、針用のカムを固
定することができる。このようにシンカ及び針の
ために別々のカム担体を必要としないので、編機
をこじんまり構成することができ、これにより編
機のカム範囲もよく見渡すことができる。

〔実施態様〕

押し棒を、少なくとも一部互いに調節可能な複
数の部分から構成することができる。

調節頭部がその調節軸及びループ形成カムと共
に、固定カム担体内に支持される摺動片に設けら
れ、シンカ縦移動方向におけるこの摺動片の調節
行程が、ストツパにより両側を制限されているよ
うにすることができる。しかし調節頭部がそのル
ープ形成カムに連結される調節軸と共に、シンカ
の縦移動方向に対して直角に向く軸の周りに揺動
可能に設けられ、揺動可能な装置が揺動軸から離
れた所で押し棒の作用を受けるようにすることが
できる。

本発明を多給糸丸編機に適用する場合、給糸口
の数に対応する数の押し棒が設けられるが、すべ
てのカム装置に共通な調節板が、針筒に対して同
心的なねじ付き環から成り、このねじ付か環が編
機の固定担体環に形成されたねじにかみ合つて、
駆動装置により回転可能であり、すべてのカム装
置の押し棒がねじ付き環上に支持されているのが
よい。ねじ付き環は同軸的な歯付き環に固定的に
即ち相対回転しないように連結され、この歯付き
環が編機の固定ハウジング部分に支持される中央
調節ピニオンにかみ合つている。すべてのカム装
置を１個所から集中して調節するためのこの中央
調節ピニオンに結合される調節軸の外方へ突出す
る端部が、取外し可能な特殊スパナをはめるよう
に構成され、従つて調節装置全体の望ましくない
操作が困難であるようにすることができる。

〔実施例〕

本発明の２つの実施例を添付図面に基いて以下
に説明する。

第１図の断面図は、回転する丸編機部分のう
ち、相対回転しないように載置された同軸的なシ
ンカ筒１１を持つ針筒１０を示し、ドイツ連邦共
和国特許出願公開第3311361号明細書により公知
のように、縦移動可能な舌針１２と、これらの針
の間に設けられて縦移動可能で揺動可能なシンカ
１３とが、これらの筒１０，１１内に支持されて
いる。針筒１０はねじ１４により筒担体環１５に
取付けられ、この筒担体環は遊隙なし玉軸受１６
により丸編機の架台の固定担体環１７に支持され
て、外側駆動歯環１８を備えている。固定編機部
分のうち、固定担体環１７に取付けられるカム板
１９が見られ、個々のカム装置の円弧状カム担体
２０が、このカム板上に密に並べて設けられて、
ねじ２１により取外し可能に取付けられている。
針筒１０に近い方にあるカム担体２０の内側には
舌針１２の制御に役立つカムが取付けられて、ま
とめて符号２２を付けられている。

各カム装置のカム担体２０はシンカ１３の揺動
用押圧カム２３も持つている。複数の個別カムに
区分することもできるがここでは単一カムとして
構成されているシンカ１３用ループ形成カム２４
は板２５上に設けられ、この板は係合ピン２６を
介して調節軸２７の制御曲線片４６に係合し、こ
の調節軸は外側にあつて目盛を備えた調節頭部２
８に終つている。ループ形成カム２４又は引下げ
カムのこのような調節軸連結は、シンカカム及び
針カムにおいて公知なので、連結機構のこれ以上
の説明は省略する。係合ピン２６はループ形成カ
ム２４に直接設けることができる。

制御曲線片４６及び調節頭部２８を持つ調節軸
２７を支持する摺動片２９は、カム担体２０の切
欠き内に舌針１２及びシンカ１３の縦移動範囲で
移動可能に設けられている。その移動行程は、カ
ム担体２０に取付けられて側方へ摺動片２９の長
穴３０．１へ入り込むストツパピン３０により制
限されている。摺動片２９の下端２９．１は、カ
ム担体２０の垂直案内部内に設けられる押し棒３
１の上端上に載つている。押し棒３１はすべての
カム装置に共通な高さ調節装置への縦方向調節可
能な押し棒結合の部分である。押し棒３１は、カ
ム板１９に支持されて筒担体環１５に対して同心
的に設けられる歯付き環３３上に立つ第２の縦方
向調節可能な押し棒３２上にある。押し棒３１，
３２の分離個所は、カム板１９上への交換可能な
カム担体２０の支持面内にある。歯付き環３３は
同軸的な調節板としてのねじ付き環３４に相対回
転しないように結合され、このねじ付き環のおね
じ３５は担体環１７のめねじ３６にかみ合つてい
る。歯付き環３３にかみ合うピニオン３７は、カ
ム板１９に支持される調節軸３８上に取付けられ
ている。カム板１９から突出する調節軸３８の端
部は、回転スパナをはめる四角頭部３９として構
成されている。

スパナにより調節軸３８を回すことにより、ね
じ付き環３４はその上に載る歯付き環３３と共に
高さを調節可能である。この高さ調節は、両方の
押し棒３１及び３２を経て各カム装置の摺動片２
９へ伝達されて、調節頭部２８において行なわれ
るループ形成カム２４の個々の高さ調節に重畳さ
れる。摺動片２９の調節は、カム担体２０に支持
されるプランジヤ４１へ作用する戻しばね４０の
力に抗して行なわれ、このプランジヤは摺動片２
９から内方へ突出するピン４２へ当つている。

第２図のように、調節軸２７ａ及び制御曲線片
４６ａを持つ調節頭部２８ａが筒体４３内に設け
られ、この筒体４３は針１２及びシンカ１３の縦
移動方向に対して直角に延びる軸４４の周りに揺
動可能にカム担体２０ａの切欠き４５内に支持さ
れている。この構成では、カム担体２０ａ内に支
持される押し棒３１ａは、揺動軸４４から離れた
所で筒体４３に当り、押し棒の縦移動の際、プラ
ンジヤ４１ａを介して筒体４３に作用する戻しば
ね４０ａの力に抗してこの筒体４３の揺動を行な
わせる。筒体４３の揺動は、個々の調節装置の係
合ピン２６ａを介して板２５ａ従つてループ形成
カム２４ａへ伝達される。この構成でも、調節頭
部２８ａにより行なうことができるループ形成カ
ム２４ａの個々の調節へ共通調節が重畳される。

【図面の簡単な説明】

第１図は舌針及びシンカ用の回転する筒状担体
と多給糸丸編機のカム装置の１つの範囲にあつて
本発明による調節装置を備えたカム担体との半径
に沿う断面図、第２図は異なる構成の調節装置を
持つカム担体の調節範囲の断面図である。 １０…針担体（針筒）、１１…シンカ担体（シ
ンカ筒）、１２…舌針、１３…シンカ、２０，２
０ａ…カム担体、２２…カム、２４，２４ａ…ル
ープ形成カム、２７，２７ａ…調節軸、２８，２
８ａ…調節頭部、３１，３１ａ…押し棒、３４…
調節板（ねじ付き環）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 縦移動可能な舌針と同じ方向に縦移動可能で
   付加的に揺動可能なシンカとが、担体に交互に並
   べて設けられて、共通なカム担体の別々のカム軌
   道を形成するカムにより移動可能であり、シンカ
   又は針用のループ形成カムが、調節頭部によりシ
   ンカ又は針の縦移動方向に調節可能に設けられて
   いるものにおいて、付属する調節軸２７，２７ａ
   及び制御曲線片４６，４６ａとループ形成カム２
   ４，２４ａとを持つ各調節頭部２８，２８ａが、
   編機の固定カム担体２０，２０ａに、シンカ１３
   又は針１２の縦移動方向に移動可能に支持され
   て、固定カム担体２０，２０ａの切欠きを貫通す
   る少なくとも１つの押し棒３１，３１ａを介し
   て、すべてのカム装置に共通な調節板３４に連結
   されていることを特徴とする、編機。 ２ 押し棒３１が少なくとも一部互いに調節可能
   な複数の部分３１，３２から構成されていること
   を特徴とする、特許請求の範囲第１項に記載の編
   機。 ３ 押し棒３１，３２が交換可能なカム担体２０
   をカム板１９上に載せる面で分割されていること
   を特徴とする、特許請求の範囲第２項に記載の編
   機。 ４ 調節頭部２８がその調節軸２７及びループ形
   成カム２４と共に、固定カム担体２０内に支持さ
   れる摺動片２９に設けられ、シンカ縦移動方向に
   おけるこの摺動片の調節行程が、ストツパ３０，
   ３１．１により両側を制限されていることを特徴
   とする、特許請求の範囲第１項に記載の編機。 ５ 摺動片２９が調節頭部２８、調節軸２７及び
   制御曲線片４６と共に、共通な調節板３４上に載
   る分割押し棒３１，３２の方へばね４０の予荷重
   を受けていることを特徴とする、特許請求の範囲
   第４項に記載の編機。 ６ 調節頭部２８ａがその調節軸２７ａ及び制御
   曲線片４６ａと共に、シンカの縦移動方向に対し
   て直角に向く軸４４の周りに揺動可能に設けら
   れ、揺動可能な装置４３が揺動軸４４から離れた
   所で押し棒３１ａの作用を受けることを特徴とす
   る、特許請求の範囲第１項に記載の編機。 ７ 調節頭部、調節軸及び制御曲線片が針バツト
   のカム軌道に合わされていることを特徴とする、
   特許請求の範囲第１項に記載の編機。 ８ 針頭部と調節頭部の調節軸との間隔が、針頭
   部とこれに最も近い針バツトとの間隔より小さい
   ことを特徴とする、特許請求の範囲第１項に記載
   の編機。 ９ すべてのカム装置に共通な調節板が、針筒１
   ０に対して同心的なねじ付き環３４から成り、こ
   のねじ付き環が編機の固定担体環１７に形成され
   たねじ３６にかみ合つて駆動装置３７〜３９によ
   り回転可能であり、すべてのカム装置の押し棒３
   １，３２がねじ付き環３４上に支持されているこ
   とを特徴とする、特許請求の範囲第１項に記載の
   編機。 １０ ねじ付き環３４が同軸的な歯付き環３３に
   相対回転しないように連結され、この歯付き環が
   編機の固定部分１９に支持される中央調節ピニオ
   ン３７にかみ合つていることを特徴とする、特許
   請求の範囲第９項に記載の編機。 １１ 中央調節ピニオン３７が、編機の固定部分
   １９に支持される調節軸３８に取付けられ、この
   調節軸の外方へ突出する端部３９が、取外し可能
   な特殊スパナをはめるように構成されていること
   を特徴とする、特許請求の範囲第１０項に記載の
   編機。