JPH04338526A - ラベル封入プラスチック容器及びその製法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ラベル封入プラスチッ
ク容器及びその製法に関するもので、より詳細にはラベ
ル中の機能材料がプラスチック容器側壁中に完全に封入
されたプラスチック容器及びその製法に関する。

【０００２】

【従来の技術】中空成形容器に、内容物を表示するラベ
ルを貼着することは、包装製品の商品価値を高め、消費
者の購買意欲をそそることから、包装技術上重要な意味
をもっている。中空成形容器に型内ラベル操作によりラ
ベルを施すことは古くから知られており、成形用金型の
キャビティ内表面に貼着すべきラベルを真空吸引等の手
段により保持し、この金型内でプラスチックパリソンを
中空成形する手段が一般に採用されている（例えば、特
開昭６１−２０２８１８号公報）。

【０００３】型内ラベル操作用のラベルとしては、プラ
スチックフィルムを基本とするものが、裏面印刷が可能
で、画像が鮮明で、耐汚染性に優れている等の利点を有
することから望ましいものであり、また成形されつつあ
るプラスチック容器壁の熱を利用して接着を行うという
点では、感熱接着剤、特にホットメルト接着剤を利用す
るのが有利とされている。

【０００４】

【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、従来
の型内ラベル貼着プラスチック容器では、ラベル内面側
と容器側壁部との間では熱による接着が比較的良好に行
われているとしても、成形されつつあるプラスチックパ
リソンの温度がかなり低下していることと、プラスチッ
クパリソンが金型表面に接触すると直ちに急冷されるこ
とから、ラベル端縁部と容器側壁部樹脂との間で熱によ
り完全に密着させることは困難であり、両者の間に微小
ではあるが、隙間の発生を避け得ない。

【０００５】この隙間の形成により、ラベル貼着部と側
壁部との間には、肉眼で識別できる段差、スジ等が発生
し、また色、光沢等の光学的ギャップを生じて、商品価
値を低下しやすいという問題がある。また、ラベル端縁
とこれをとりまく容器側壁樹脂との間の微小隙間を通し
て、印刷層等に水蒸気や酸素が浸透し、印刷層の劣化、
変質等を生じさせたり、印刷層の密着性を損う傾向があ
る。特に、上記の劣化、変質傾向は、印刷像の形成に金
属等を使用している場合に著しい。

【０００６】近年、ラベルとしても、印刷による内容物
表示の機能ばかりではなくホログラム等による装飾乃至
遊色機能、示温塗料による適温表示機能等広範囲にわた
る機能材料の使用乃至併用も要請されていることから、
上記劣化乃至変質傾向を抑制することは、機能の持続性
の点で大いに望ましいことである。

【０００７】従って、本発明の目的は、ラベル、特にラ
ベル中の機能材料層が容器の側壁部中に完全に封入され
、商品価値を高く維持できると共に、容器が置かれる環
境の如何にかかわらず、機能材料の劣化乃至変質傾向が
顕著に抑制されたラベル封入プラスチック容器及びその
製法を提供するにある。本発明の他の目的は、上記ラベ
ル封入プラスチック容器を、格別の大がかりの装置や面
倒な操作を必要とせずに、生産性よく製造し得る方法を
提供するにある。

【０００８】

【問題を解決するための手段】本発明によれば、少なく
とも外層がプラスチック容器の外面を構成する樹脂と同
種の樹脂で構成された内外層と該内外層でサンドイッチ
された機能材料層とから成るラベルを型内に貼着し、プ
ラスチック容器の成形に先立ってラベル中の少なくとも
外層樹脂を加熱により軟化乃至溶融させ、次いでこの型
内でプラスチック容器を成形し、容器の側壁部にラベル
が封入されたプラスチック容器を冷却後取出すことを特
徴とするラベル封入プラスチック容器の製法が提供され
る。

【０００９】本発明によればまた、プラスチック容器と
、プラスチック容器の側壁部に設けられたラベルとから
成り、該ラベルは、少なくとも外層がプラスチック容器
の外面を構成する樹脂と同種の樹脂で構成された内外層
と該内外層でサンドイッチされた機能材料層とから成り
、少なくとも外層樹脂は容器外面構成樹脂と融着一体化
し且つ連続していて、ラベルの機能材料層が容器側壁部
に完全に封入されていることを特徴とするラベル封入プ
ラスチック容器が提供される。

【００１０】

【作用】本発明のラベル封入プラスチック容器の製法も
、容器側壁部に施こすべきラベルを型内に貼着し、この
型内でプラスチック容器を成形するという点では、公知
の方法とかわるところがない。しかしながら、本発明で
は、少なくとも外層がプラスチック容器の外面を構成す
る樹脂と同種の樹脂で構成された内外層と、該内外層で
サンドイッチされた機能材料層とから成るラベルを使用
すること、及びプラスチック容器の成形に先立って、型
内に貼着されたラベルを加熱して、ラベル中の少なくと
も外層樹脂を軟化乃至溶融させておくことが顕著な特徴
である。

【００１１】従来の技術において、ラベル端縁とこれを
とりまく容器側壁樹脂との間に微小隙間が必然的に形成
されるのは、型内における成形直後の状態ではラベル端
縁と容器側壁樹脂とが隙間なしに密着しているとしても
、両者が融着によって一体化されていないため、次いで
生じる冷却による熱収縮で両者の間に微小な隙間やギャ
ップが生じることによる。

【００１２】本発明では、ラベルの少なくとも外層樹脂
をプラスチック容器の側壁部外面を構成する樹脂と同種
のものとし、しかもプラスチック容器の成形に先立って
これを加熱により溶融乃至軟化させておくことにより、
プラスチックの成形に際して側壁部外面を構成する樹脂
とラベル外層樹脂とが融着一体化させることができる。 型内のラベルを加熱し、少なくとも外層樹脂を溶融乃至
軟化させておくことは、この外層樹脂が容器側壁部樹脂
との融着一体化に直接寄与するばかりではなく、ラベル
端縁における容器側壁部樹脂の冷却を他の部分に比して
遅延させ、融着一体化を強固且つ確実なものとするよう
に作用する。

【００１３】本発明において、ラベル端縁の少なくとも
外層樹脂とこれをとりまく容器側壁部樹脂との間に一旦
融着一体化が生じると、次いで生じる冷却による収縮過
程でも両者は連続した状態に維持されるため、両者の境
界部における微小隙間の発生が抑制されるのである。か
くして、本発明によれば、ラベル、特にラベル中の機能
材料層が容器の側壁部中に完全に封入され、商品価値を
高く維持できると共に、容器が置かれる環境の如何にか
かわらず、機能材料の劣化乃至変質傾向が顕著に抑制さ
れることになる。

【００１４】また、本発明の製法では、プラスチック容
器の成形に先立って、型内に施したラベルを加熱すれば
よいため、上記ラベル封入プラスチック容器を、格別の
大がかりの装置や面倒な操作を必要とせずに、生産性よ
く製造し得るという利点もある。

【００１５】

【実施例】ラベル 本発明に用いるラベルの数例を示す図１において、図１
（Ａ）は表示用印刷ラベルの例であり、このラベル１は
外面熱可塑性樹脂層２、その裏側に施された印刷層（機
能材料層）３ａ及び印刷層の表面に施された内面熱可塑
性樹脂層４から成っている。外面樹脂層２はプラスチッ
ク容器の側壁部外面を構成する樹脂と同種の樹脂から成
り、未延伸のフィルムでも或いは一軸又は二軸方向に延
伸されていてもよい。この樹脂は透明であり、このフィ
ルム層を通して印刷層３を見ることになる。印刷層３ａ
は、印刷インキを所謂裏面印刷したものであり、画像部
とバックグラウンドのように多重印刷層であってもよく
、またバックグラウンドが金属蒸着層から成っていても
よい。内面樹脂層４は、一般に外面樹脂層２と同種の樹
脂から成っていることが好ましいが、外面樹脂層２とは
異なった樹脂から成っていてもよい。例えば、内面樹脂
層４は、例えばホットメルト接着剤層、特に熱成形され
つつあるプラスチック容器側壁部が有する熱で熱接着が
完了するような熱可塑性樹脂を主体とするものであって
もよい。

【００１６】容器の側壁部外面を構成する樹脂及びラベ
ル外面或いは更にラベル内面を構成する樹脂としては、
例えば結晶性ポリプロピレン、結晶性プロピレン−エチ
レン共重合体、結晶性ポリブテン−１、結晶性ポリ４−
メチルペンテン−１、低−、中−、或いは高密度ポリエ
チレン等のポリオレフィン類；エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共
重合体等の芳香族ビニル重合体；ポリ塩化ビニル、塩化
ビニリデン樹脂等のハロゲン化ビニル重合体；アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチ
レン−ブタジエン共重合体の如きニトリル重合体；ナイ
ロン６、ナイロン６，６、パラ又はメタキシリレンアジ
パミド如きポリアミド類；ポリエチレンテレフタレート
、ポリテトラメチレンテレフタレート等のポリエステル
類；各種ポリカーボネート；ポリオキシメチレン等のポ
リアセタール類等の熱可塑性樹脂を挙げることができる
。外面樹脂層の厚みは、一般に２０乃至３００μｍ、と
くに５０乃至１５０μｍの厚みにあるのがよい。

【００１７】印刷層の形成は、それ自体公知の方法、例
えば凸版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、平版乃至オフ
セット印刷、シルクスクリーン印刷、熱転写印刷、電子
写真印刷等で行うことができる。

【００１８】内面樹脂層４のラミネートは、押出コート
、ドライラミネーション、接着剤による接着、熱融着等
により行うことができる。内面樹脂層として、ホットメ
ルト接着剤を使用する場合には、それ自体公知の任意の
ものを用いることができるが、一般には、酢酸ビニル含
有量が５乃至４０重量％のエチレン−酢酸ビニル共重合
体（ＥＶＡ）、アクリル酸含有量が５乃至４０重量％の
エチレン−アクリル酸エチル共重合体（ＥＥＡ）や、低
密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、ＥＶＡ，ＥＥＡ等のエ
チレン系樹脂や、これらの樹脂にロジン類、テルペン系
樹脂、石油樹脂、スチレン系樹脂等の粘着付与剤を５乃
至３０重量％配合したものが使用される。ホットメルト
接着樹脂は、一般に基体フィルム上に０．１乃至４０μ
ｍ、特に１乃至１０μｍの平均厚みで設けるのがよい。

【００１９】図１（Ｂ）は、ホログラム付ラベル１の例
を示す。この場合、外層２及び内層４は図１（Ａ）の場
合と同様であるが、ホログラムが機能材料層３ｂとして
設けられている。ホログラム層３は、それ自体公知の材
料、例えばアルミニウム箔等の金属箔、ポリエステル（
ＰＥＴ）等の樹脂層、紙或いは絹等の布材料、或いはこ
れらの積層体から成っており、干渉色による装飾効果乃
至遊色効果を容器に賦与するようになっている。

【００２０】図１（Ｃ）は、酸素透過インジケーター或
いは水蒸気透過インジケーターとしての機能を付与した
ラベル１の例を示す。この場合も、外層２及び内層４は
図１（Ａ）と同様であってよいが、透過性の点でポリエ
チレン等が好適である。

【００２１】機能材料層３ｃを構成する酸素透過インジ
ケーターとしては、器壁を透過する酸素と反応して、色
相の変化を生じるそれ自体公知の酸素透過インジケータ
ー、例えば メチレンブルー 還元状態で無色 酸化状態で青色 等が使用される。また、機能材料層３ｃを構成する水蒸
気を吸収して色相の変化を生じるそれ自体公知の水分イ
ンジケーター、例えば シリカゲルと共に用いられる塩化コバルト無水状態で青
色 吸水状態でピンク色 等が使用される。

【００２２】図１（Ｄ）は、示温性を付与したラベルの
一例を示す。この場合も、内層２及び外層４は図１（Ａ
）の場合と同様であるが、機能材料層３ｄとして、示温
塗料層が設けられている。示温塗料は、可逆的示温塗料
でも、非可逆的示温塗料でもよく、前者は例えば喫飲に
最適な保存温度を表示するようなもの、後者は加熱殺菌
の履正を表示するようなものがある。示温塗料は、温度
範囲に応じて、公知のものから、適当なものが選択使用
されるが、その例は 不可逆性示温インキ−（ＮＨ４　）３　Ｈ６　〔Ｆｅ（
ＭｏＯ４　）６　〕・７Ｈ２　Ｏ 可逆性示温インキ−重金属（Ｈｇ，Ａｇ，Ｃｕ，Ｐｂ）
のヨウ化物又は錯塩を展色剤（メタクリル酸系共重合体
）を加えたもの等である。

【００２３】図１（Ｅ）は、機能付与ラベルの更に他の
例であり、内層２と外層４との間に、装飾用粉体のコー
ティング層３ｅが機能材料層として設けられる。装飾用
粉体としては、金粉、銀粉、パールエッセンス、ダイヤ
モンドピース等が使用される。

【００２４】型内ラベル封入操作を説明するための図２
において、工程Ａにおいて、プラスチックパリソンのブ
ロー成形に先立って、ブロー割型１１ａ，１１ｂは開い
た状態であり、これらの少なくとも一方のキャビティ表
面６にラベル１を予め施す。即ち、キャビティ表面６に
はラベル１を支持する部分７があり、この部分には貼着
されたラベル７ａを加熱するための発熱体７ｂが設けら
れている。より具体的には金型本体７ｄの該当部分には
凹部が設けられており、この凹部には断熱体７ｃを介し
て発熱体７ｂが設けられている。発熱体７ｂに通電を行
うことにより、発熱体７ｂが加熱され、これに接触して
いるラベル７ａの少なくとも外層を加熱し、これを溶融
、軟化させる。勿論、ラベル７ａは、外層２（図１）が
発熱体７ｂと接触し、内層４（図１）が内側に位置する
ものでなければならない。ラベル１のキャビティ表面６
への施用及び固定は、サクションによって或いは静電気
によっても行うことができる。

【００２５】次いで工程Ｂにおいて、ダイス８から溶融
プラスチックパリソン９が押出され、ブロー割型１１ａ
，１１ｂを閉じ、閉じられたパリソン９内に加圧気体を
吹き込む。

【００２６】工程Ｃで、型内で膨張するパリソンは型表
面に保持され、ラベル１に押圧されて両者の密着が行わ
れ且つラベル１の外層樹脂とパリソン外面樹脂との融着
一体化とが行われる。この時点で、発熱体７ｂに対する
通電を遮断する。膨張されたパリソンは金型表面と接触
して冷却されるが、ラベル１の部分でも断熱層７ｃを介
して強制冷却された金型本体７ｄによる冷却が若干の遅
延をおいて行われ、ラベル封入容器１０となる。

【００２７】ブロー成形は、水平ロータリー式ブロー成
形機や縦型ロータリー式ブロー成形機等を用いるダイレ
クト・ブロー方式の他に、インジェクションブロー、２
段ブロー、シートフォーミング、延伸ブロー等の任意の
ブロー成形方式や射出成形、コンプレッション成形、真
空成形で行うことができる。本発明のラベル封入プラス
チック容器の製造に好適に使用される装置の概略配置を
示す図３において、ターレット１２の周囲には多数のブ
ロー割型１１ａ，１１ｂがターレット１２の軸心を中心
にして回転し得るように配置されており、その円周状移
動路に沿って、ラベル貼付域Ａ、ラベル加熱溶融域Ｂ、
ブロー成形及びラベル容器冷却域Ｃ、フラッシュ回収域
Ｄ、及びボルト取出域Ｅがこの順序に配置される。理解
を容易にするために、ラベル貼付域Ａ、ラベル加熱溶融
域Ｂ、フラッシュ回収域Ｄ及びボトル取出域Ｅにおいて
は、一方のブロー割型１１ａのみが示されており、割型
１１ａ，１１ｂは成形すべき容器（ボトル）の外面に相
当する寸法及び形状のキャビティ表面６を備えている。 ブロー割型１１ａ，１１ｂのパーティング面は図３の平
面と平行な面となっており、この面に対して直角方向に
カム１９（図４工程２参照）により開閉可能となってい
る。

【００２８】ラベル貼付域Ａにおいて、割型１１ａ，１
１ｂは開いた状態にあり、この域Ａにはラベルマガジン
１３と全体として１４で示すラベル貼付機構とが設けら
れる。ラベルマガジン１３は図４に詳細に示す通り、ラ
ベル１を収容する筒状の収容部１５と、該筒状収容部の
一端に位置するラベル取出部１６と、該筒状収容部の他
端に設けられたラベルを押圧するためのスプリング部材
１７とから成っており、ラベル１は多数重ね合された（
スタック）状態で収容部１５に収容されている。ラベル
取出部１６には、ラベルの一枚づつの取出しを可能にす
るための小さい爪（分離爪）１８が設けられている。 この具体例においては、容器正面及び裏面へのラベル貼
付を目的として、ラベルマガジンは対となって設けられ
ている。

【００２９】ラベル貼付機構１４は、ラベル１をバキュ
ームにより吸着保持する吸着カップ２０と、該吸着カッ
プ２０を支持するアーム２１と、該アーム２１を水平方
向に往復動させるための水平往復動機構２２と該アーム
を軸２３の回りに回転駆動させるための機構２４とから
成っている。より詳細に説明すると、アーム２１は、径
方向先端側に吸着カップ２０を支持しており、その径方
向中心側端部は軸２３に沿って摺動可能な環状摺動部材
２５に揺動可能に接続されている。この環状摺動部材２
５を水平往復動させるための機構２２は、カム２６とカ
ム従動子２７とから成っており、カム従動子２７がアー
ム２１側に移動すると、アーム２１が揺動して吸着カッ
プ２０が反対側（外側）に移動するようになっている。

【００３０】図４に示す具体例において、アーム２１及
び吸着カップ２０は軸２３に対して１８０度方向に対と
なって設けられ、更に軸２３の直角な面に面対称となっ
て設けられている。また、図４において、上方の位置に
ある吸着カップ２０がラベルマガジン１３ａ，１３ｂと
整合関係にあるとき、下方の位置にある吸着カップ２０
は割型１１ａ，１１ｂと整合関係にある。

【００３１】図４の工程１において、上方の吸着カップ
２０は、ラベル１を保持していない状態にあり、一方下
方の吸着カップ２０はラベル１を保持した状態にある。 また、これらの吸着カップ２０は何れもラベルマガジン
１３ａ，１３ｂ並びに割型１１ａ，１１ｂから後退した
位置にある。この状態から水平往復動用カム２６が駆動
され、吸着カップ２０はラベルマガジン１３ａ，１３ｂ
並びに割型１１ａ，１１ｂに向けて前進駆動し、図４の
行程２において、上方の吸着カップ２０がラベルマガジ
ン１３ａ，１３ｂ内のラベル１と接触する。また、下方
の吸着カップ２０はそれが保持しているラベル１を割型
１１ａ，１１ｂのキャビティ表面６に貼着する。尚、図
４に示された具体例では、割型１１ａ，１１ｂはそれら
のカム機構１９によりわずかの距離だけ閉じる移動を行
い、ラベル１のキャビティ表面６への貼付が円滑に行わ
れるようになっている。図４の行程２において、上方の
吸着カップ２０にバキュームが作用し、ラベル１を保持
する。また下方の吸着カップ２０には、バキュームが遮
断され、ラベル１は解放され、割型１１ａ，１１ｂ内の
吸着機構（図示せず）により保持される。次いで水平往
復動用カム２６が駆動され、各吸着カップ２０は図４の
行程３に示す位置に後退する。行程３から、軸２３が１
８０度回転し、ラベル１を保持する吸着カップ２０は、
図４の行程１に達し、以後前述したのと同様な行程が反
復される。

【００３２】再び図３に戻って、ラベルの加熱溶融域Ｂ
では発熱体７ｂ上に貼着されたラベル１（７ａ）が該発
熱体により加熱され、少なくとも外層樹脂の溶融を生じ
る。次いでこの金型はブロー成形・冷却域Ｃに移行し、
ダイス８から溶融プラスチックパリソン９を押出す。こ
のパリソン９を割型１１ａ，１１ｂを閉じて、ピンチオ
フにより底部を形成すると共に、内部に流体を吹き込み
、ラベル封入プラスチック容器１０に成形する。フラッ
シュ回収域Ｄで、割型１１ａ，１１ｂを開いて、フラッ
シュをフラッシュ回収シュート２８に排出し、ボトル取
出域Ｅにおいて、ボトルグリッパー２９により型１１か
らラベル封入ボトル１０を取出し、搬送機構３０に排出
する。

【００３３】本発明において、プラスチック容器を構成
する熱可塑性樹脂としては、ラベル用の外層について例
示した熱可塑性樹脂が用いられる。プラスチック容器は
、単層または多層の構成を有することができ、例えばポ
リオレフィンやポリエチレンテレフタレートの単層から
成る容器や、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレ
ートを一方の層或いは内外層とし、ガスバリヤー性熱可
塑性樹脂を他方の層或いは中間層として設けた多層容器
が挙げられる。ガスバリヤー性樹脂としては、エチレン
含有量が５０乃至２０モル％のエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体；キシリレン基含有ポリアミド類；ガスバ
リヤー性ポリエステル；高ニトリル基含有重合体；塩化
ビニリデン系樹脂等のそれ自体公知のガスバリヤー性樹
脂を用いることができる。一方の層或いは内外層と他方
の層或いは中間層との間に接着性がない場合には、これ
らの間に、酸変性オレフィン樹脂や各種コポリアミド類
、各種コポリエステル等の接着剤樹脂を含有させ得る。

【００３４】図３及び図４には、溶融プラスチックパリ
ソンのブロー成形について説明したが、延伸温度に保持
されたプラスチックプリフォームの延伸ブロー成形や射
出成形、更に溶融温度或いは延伸温度に保持されたプラ
スチックシートの真空成形、圧空成形、プラグアシスト
成形等にも本発明が適用されることが理解されるべきで
ある。

【００３５】

【発明の効果】本発明によれば、プラスチック容器の成
形に先立って、型内に施されたラベルを加熱して、少な
くとも外層樹脂を溶融乃至軟化させることにより、ラベ
ル外層樹脂とこれをとりまく容器側壁部を融着一体化さ
せて、これらを連続させることが可能となり、これによ
りラベル、特にラベル中の機能材料層が容器の側壁部中
に完全に封入され、商品価値を高く維持できると共に、
容器が置かれる環境の如何にかかわらず、機能材料の劣
化乃至変質傾向が顕著に抑制されることになる。

【００３６】また、本発明の製法では、プラスチック容
器の成形に先立って、型内に施したラベルを加熱すれば
よいため、上記ラベル封入プラスチック容器を、格別の
大がかりの装置や面倒な操作を必要とせずに、生産性よ
く製造し得るという利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に用いるラベルの断面構造の数例を示す
図である。

【図２】型内ラベル操作を説明する図である。

【図３】本発明のラベル封入プラスチック容器の製造に
使用される装置の概略配置図である。

【図４】ラベル貼付機構を示す概略配置図である。

【符号の説明】

１　　　　　　ラベル ２　　　　　　外層 ３　　　　　　機能材料層 ４　　　　　　内層 ６　　　　　　キャビティ表面 ７　　　　　　ラベル支持部分 ７ｂ　　　　発熱体 ８　　　　　　ダイス ９　　　　　　パリソン １０　　　　ラベル封入容器 １１　　　　ブロー割型 １２　　　　ターレット １３　　　　ラベルマガジン １７　　　　スプリング部材 １９　　　　カム機構 ２０　　　　吸着カップ ２１　　　　アーム ２４　　　　回転駆動機構 ２５　　　　環状摺動部材 ２８　　　　フラッシュ回収シート ２９　　　　ボトルグリッパー ３０　　　　搬送機構

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　少なくとも外層がプラスチック容器の
   外面を構成する樹脂と同種の樹脂で構成された内外層と
   該内外層でサンドイッチされた機能材料層とから成るラ
   ベルを型内に貼着し、プラスチック容器の成形に先立っ
   てラベル中の少なくとも外層樹脂を加熱により軟化乃至
   溶融させ、次いでこの型内でプラスチック容器を成形し
   、容器の側壁部にラベルが封入されたプラスチック容器
   を冷却後取出すことを特徴とするラベル封入プラスチッ
   ク容器の製法。
2. 【請求項２】　　プラスチック容器と、プラスチック容
   器の側壁部に設けられたラベルとから成り、該ラベルは
   、少なくとも外層がプラスチック容器の外面を構成する
   樹脂と同種の樹脂で構成された内外層と該内外層でサン
   ドイッチされた機能材料層とから成り、少なくとも外層
   樹脂は容器外面構成樹脂と融着一体化し且つ連続してい
   て、ラベルの機能材料層が容器側壁部に完全に封入され
   ていることを特徴とするラベル封入プラスチック容器。