JPH0433837Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、帯状ゴム、テープ、紐等の細幅の
帯状物を衣類に縫着する場合などに、巻芯に巻か
れていた帯状物を一旦巻芯から解いておき、その
積み上げられた１本の帯状物を縫製位置へ供給す
るための帯状物の送給装置に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、帯状ゴムやテープ或いは紐等の細幅の
帯状物は、巻芯に巻き付けた状態で販売流通過程
に出されるが、衣類の縫製工場等においてそのよ
うな帯状物を縫着するに当たつては、巻芯が板状
体である場合や帯状体が伸縮する素材である場合
には、巻芯を回転させながら帯状物を縫着装置へ
円滑に供給することが困難であるため、予め、帯
状物を巻芯から一旦解いた後、その帯状物を送給
装置により縫製装置へ供給するようにしている。

この帯状物の送給装置は、一般に第３図に示し
たような構成になつている。すなわち、一旦解か
れて、床上に置かれた段ボール箱等の中に積み上
げられた１本の帯状物Ｔを上方へ引き上げ、装置
本体１のガイド枠２に導き、さらに、送り出し用
モータ（図示せず）により回転駆動される一対の
供給ローラからなる供給機構部３を介してスイツ
チ杆４に巻き掛け、ガイドアーム５のガイド孔６
を通して縫製装置（図示せず）へ供給する。前記
スイツチ杆４は、装置本体１の円弧状のガイド孔
７と、装置本体１の前面に３本の支軸８を介して
平行に対設されたガイド板９のガイド孔１０とに
架け渡され、僅かな力が加わるだけで両ガイド孔
７，１０に摺接しながら容易に移動するように構
成されており、図示の位置から上方に移動するこ
とにより、送り出し用モータの電源スイツチ（図
示せず）がオン状態となる。

従つて、縫製装置から帯状物Ｔを矢印方向へ引
つ張る力が帯状物Ｔに加わると、この時点では停
止状態にある供給機構部３が帯状物Ｔの後方部分
の移動を規制しているので、矢印方向に引つ張ら
れる帯状物Ｔの前方部分によりスイツチ杆４が上
方へ持ち上げられ、それによつて送り出し用モー
タの電源スイツチが入り、送り出し用モータが駆
動して供給機構部３が回転させられ、帯状物Ｔの
円滑な供給が行なわれる。そして、縫製装置にお
ける縫製作業が中断して帯状物Ｔへ引つ張り力が
解除されると、スイツチ杆４が自重で下動し、送
り出し用モータの駆動が停止するようになつてい
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、この送給装置により供給される帯状
物Ｔは、巻芯から単に解かれて積み上げられた状
態になつているから、送給装置へ引き上げられる
途中部分にねじれｔができることが間々であり、
そのようにねじれたままで帯状物Ｔが引き上げら
れることがある。このような場合には、帯状物Ｔ
がガイド枠２等に引つ掛かつたり、ねじれた状態
のままで縫製装置に供給されたりするといつたト
ラブルが発生し、その都度、縫製装置の作動を停
止してねじれを解きほぐさなければならない。

この考案は、このような従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、予め帯状物のねじれを解き
ほぐしてから帯状物を供給機構部へ導入すること
のできる帯状物の送給装置を提供することを技術
的課題とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は、上記課題を達成するために、帯状
物の送給装置を次のように構成した。すなわち、
この考案に係る帯状物の送給装置は、巻芯から一
旦解反されて積み上げられた１本の帯状物を、送
り出しモータにより駆動される供給機構部によつ
て縫製位置へ移送する帯状物の送給装置におい
て、前記供給機構部に対し移送方向の手前側位置
に、先端部に帯状物のガイド部材を備えた捌き腕
部と、この捌き腕部を、その基端部が上下方向に
往復動するようその基端部を支持した本体部と、
前記捌き腕部を上方向に弾発付勢する付勢手段
と、この付勢手段に抗して前記捌き腕部を下方向
に作動させる駆動手段と、この駆動手段を間欠的
に駆動する駆動回路とからなる帯状物捌き装置を
配設したことを特徴として構成されている。

〔作用〕

上記構成の帯状物の送給装置においては、送り
出し用モータが駆動して供給機構部が作動し、帯
状物の移送動作が行なわれる際に、駆動回路によ
つて駆動手段が捌き腕部の先端部を間欠的に下方
に作動させた後、駆動手段の駆動を停止させた
時、捌き腕部の先端部が付勢手段によつて勢いよ
く撥ね上げられることにより、捌き腕部の先端部
のガイド部材に挿通されている帯状物のねじれが
解きほぐされる。

〔実施例〕

以下、この考案の好適な実施例について図面を
参照しながら説明する。

第１図は、この考案の１実施例を示す帯状物の
送給装置の斜視図である。この第１図において、
第３図と同一もしくは同等のものには同一の符号
を付してその説明を省略する。図において、装置
本体１の上面に、支持腕１１が帯状物Ｔの移送方
向に沿つて突出した状態に片持ち式に固定され、
この支持腕１１の先端に、帯状物捌き装置１２が
取り付けられている。この捌き装置１２は、第２
図に示すように、ロータリソレノイド（図示せ
ず）を駆動手段として内蔵した本体部１３に、先
端部に帯状物Ｔを挿通させるガイド環１４を備え
た捌き腕部１５の基端部が、30〜45°程度の角度
範囲内で回動できるように支持されており、ガイ
ド環１４が上下方向に往復動するようになつてい
る。捌き腕部１５は、ぜんまい板ばね１６により
上方向、すなわち第１図における時計方向に回動
付勢されており、通常時には捌き腕部１５はほぼ
水平状態に保持されている。前記ロータリソレノ
イドは、装置本体１の駆動回路により間欠駆動さ
れる。

次に、上記実施例装置の動作について説明す
る。まず、図示の停止状態において縫製装置側か
ら帯状物Ｔに矢印方向への引つ張り力が加わる
と、上述したようにスイツチ杆４が上方に持ち上
げられて送り出し用モータの電源スイツチがオン
状態となり、供給機構部３が作動して帯状物Ｔの
移送動作が開始される。それと同時にスイツチ杆
４の作動によつて駆動回路に電源供給され、ロー
タリソレノイドが間欠的に作動させられる。すな
わち、ロータリソレノイドへの通電時に、捌き腕
部１５が、第１図の実線位置から二点鎖線位置ま
で回動させられ、ロータリソレノイドへの非通電
時に、ぜんまい板ばね１６の弾発復元力により捌
き腕部１５が再び実線位置まで勢いよく撥ね上げ
られる。以後、同様の動作を繰り返して、捌き腕
部１６の先端のガイド環１４が上下方向に往復動
し、この捌き腕部１５が上方に勢いよく撥ね上げ
られる時に、帯状物Ｔがガイド環１４により激し
く揺らされて、ねじれｔが確実に解きほぐされ
る。縫製装置における縫製作業が中断すると、帯
状物Ｔの矢印方向への引つ張り力が解除されるの
で、スイツチ杆４が自重で下動し、送り出し用モ
ータおよび駆動回路が停止する。以後、同様の動
作を繰り返す。

なお、この考案の範囲は上記説明並びに図示例
に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範
囲で種々の変形例をも包含し得る。例えば、帯状
物捌き装置１２の駆動手段としては、ロータリソ
レノイドに限らず、チユーブラソレノイド、プツ
シユプルソレノイドおよびシリンダー等を用いる
ことができる。

〔考案の効果〕 この考案は以上説明したように構成されかつ作
用するので、この考案に係る送給装置を使用し
て、巻芯から一旦解反されて積み上げられた１本
の帯状物を縫製位置へ移送するときは、供給機構
部への手前側位置において帯状物のねじれを確実
に解きほぐすことができ、ねじれに起因するトラ
ブルの発生を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施例を示す帯状物の送
給装置の斜視図、第２図はこの送給装置に用いら
れる帯状物捌き装置の背面図、第３図は従来の送
給装置の斜視図である。 ３……供給機構部、１２……帯状物捌き装置、
１３……本体部、１４……ガイド環（ガイド部
材）、１５……捌き腕部、１６……ぜんまい板ば
ね（付勢手段）、Ｔ……帯状物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 巻芯から一旦解反されて積み上げられた１本の
   帯状物を、送り出しモータにより駆動される供給
   機構部によつて縫製位置へ移送する帯状物の送給
   装置において、前記供給機構部に対し移送方向の
   手前側位置に、先端部に帯状物のガイド部材を備
   えた捌き腕部と、この捌き腕部を、その基端部が
   上下方向に往復動するようその基端部を支持した
   本体部と、前記捌き腕部を上方向に弾発付勢する
   付勢手段と、この付勢手段に抗して前記捌き腕部
   を下方向に作動させる駆動手段と、この駆動手段
   を間欠的に駆動する駆動回路とからなる帯状物捌
   き装置を配設したことを特徴とする帯状物の送給
   装置。