JPH04333341A - 塗型膜厚の測定方法 - Google Patents

塗型膜厚の測定方法

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JPH04333341A
JPH04333341A JP3130214A JP13021491A JPH04333341A JP H04333341 A JPH04333341 A JP H04333341A JP 3130214 A JP3130214 A JP 3130214A JP 13021491 A JP13021491 A JP 13021491A JP H04333341 A JPH04333341 A JP H04333341A
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coating film
thickness
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Masaharu Anami
阿南 正治
Mikinari Nozaki
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳造用金型の表面に塗
布される塗型の膜厚の測定方法に関し、とくに非接触で
塗型の膜厚を求めることが可能な測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金型によるアルミ合金鋳造の鋳造作業に
おいては、鋳造品の品質向上のために金型の表面に塗型
剤が塗布される。金型に塗布された塗型剤の膜厚は鋳物
の品質に大きく影響するので、金型への塗型塗布作業は
重要な作業となっている。塗型剤の膜厚の管理は、膜厚
計による塗型膜厚の計測により行なわれており、非破壊
式の膜厚計測としては、たとえば電磁式、渦電流式、永
久磁石式等のものが知られている。非破壊式の計測の場
合は、塗型膜を破損しないので、計測部分に鋳造欠陥が
生じることはない。なお、塗型剤の膜厚管理に関連する
先行技術として、金型単位面積当りのコーティング量を
算出する装置が知られている(実開昭61−87640
号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、非破壊
式の膜厚計測の場合でも、膜厚センサを塗型膜の表面に
接触させる必要があり、つぎのような問題が生じる。■
  計測部分である塗型膜の表面が平坦でないと正確な
値が得られない。■金型の形状が複雑な場合等には、ス
ペースの関係から膜厚センサを所定の向きにセットする
ことが困難となり、計測スペースが狭い部分の膜厚測定
は不可能となる。■  膜厚センサを塗型膜表面に接触
させるため、多少なりとも塗型膜表面に圧痕が残り、た
とえばアルミホイール等の鋳造品の場合は、意匠面にそ
の圧痕が発生するおそれがあり、品質上問題が残る。■
  膜厚センサを塗型膜表面へ押圧する時の力の大小に
よって、測定値が変化するため、膜厚の測定値にバラツ
キが生じる。
【0004】本発明は、上記の問題に着目し、金型の表
面に塗布された塗型の膜厚を非接触で正確に求めること
が可能な測定方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明に
係る塗型膜厚の測定方法は、塗型が塗布される前の金型
の表面温度を計測するとともに、塗型の塗布によって金
型に形成された塗型膜の表面温度を非接触で計測し、前
記金型の表面温度および塗型膜の表面温度と外的条件に
関する外部データとに基づいて演算処理を行なうことに
より、前記金型に形成された塗型膜の膜厚を求める方法
から成る。
【0006】
【作用】このように構成された、塗型膜厚の測定方法に
おいては、まず、塗型が塗布される前の金型の表面温度
が計測される。その後、塗型の塗布によって金型に形成
された塗型膜の表面温度が非接触で計測される。この方
法では、外部データとしてたとえば金型への塗型の塗布
量、塗布作業時における塗型の温度および室温等の外的
条件が計測される。そして、金型の塗型の塗布前の温度
および塗型膜の温度と外部データである各計測情報に基
づいて演算処理が行なわれ、実際に金型に塗布された塗
型の膜厚が求められる。したがって、この求められた塗
型膜厚から金型の塗型膜厚の補正も可能となり、目標と
する塗型膜厚が得られる。
【0007】
【実施例】以下に、本発明に係る塗型膜厚の測定方法の
望ましい実施例を、図面を参照して説明する。
【0008】第1実施例 図1ないし図4は、本発明の第1実施例を示している。 図中、1はアルミ合金鋳物の鋳造に用いられる金型を示
している。金型1の表面には、塗型5の塗布によって塗
型膜6が形成されている。金型1の斜め上方には、産業
用ロボット11が配置されている。産業用ロボット11
は、ロボット本体12とロボットコントローラ13から
構成されている。ロボット本体12は、支持架台14に
固定されている。ロボット本体12の先端部は、ロボッ
トコントローラ13からの移動情報(移動方向、移動距
離)に基づいて、所定量だけ移動するようになっている
。ロボット本体12のアームの先端には、塗型5の噴射
させるノズル16が取付けられている。ノズル16は、
ロボット本体12の移動に伴って上下、左右方向に移動
可能となっており、これにより塗型5の金型1への吹付
けが行なわれる。
【0009】金型1の直上には、赤外線カメラ21が配
置されている。赤外線カメラ21は、金型1の塗型5が
塗布される表面を写すようになっている。赤外線カメラ
21は、金型1に形成された塗型膜6の表面温度を熱画
像データS1として計測する機能を有している。赤外線
カメラ21からの熱画像データS1 は、熱画像処理手
段22に入力されるようになっている。熱画像処理手段
22は、熱画像データS1 を温度に応じた数値に変換
する機能を有している。
【0010】熱画像処理手段22は、インタフェース2
5を介して演算手段31と電気的に接続されている。ま
た、熱画像処理手段22には、熱画像表示手段23が接
続されている。熱画像表示手段23は、たとえばブラウ
ン管(CRT)から構成されている。演算手段31は、
CPU(中央処理装置)から構成されている。演算手段
31には、外部データとしての金型1の表面の基準熱画
像データS2 が予め入力されている。この基準熱画像
データS2 は、実際の塗型の塗布作業条件と同一条件
において、金型1の表面に最適な塗型膜6を形成させる
ための熱画像データである。この基準熱画像データS2
 は、たとえば所定膜厚の塗型膜6が形成された状態で
のデータを用いることができ、また塗布前の金型1の表
面温度を測定した熱画像データS0 を補正して用いる
こともできる。演算手段31は、赤外線カメラ21で計
測された熱画像データS1 と基準熱画像データS2 
とを比較し、金型1に塗布された塗型5の膜厚が基準に
達しているか否かを判定する機能を有している。
【0011】演算手段31には、インタフェース26を
介してロボットコントローラ13が接続されている。演
算手段31は、赤外線カメラ21で計測された熱画像デ
ータS1 と基準熱画像データS2 とを比較した結果
、塗型5の膜厚が基準値に達していない場合は、ロボッ
トコントローラ13にその旨の情報を出力し、ロボット
本体12の移動による塗型の再塗布を実行させる機能を
有している。
【0012】つぎに、第1実施例における塗型膜厚の判
定方法について、図2のフローチャートを参照して説明
する。図2に示すように、ステップ101において判定
処理が開始される。これに先行して、塗型5を噴射する
ノズル16がロボット本体12によって移動され、金型
1への塗型5の塗布作業が開始される。ノズルから噴射
された塗型5は、金型1の表面に付着し、塗型膜6が形
成される。図2のステップ102では、赤外線カメラ2
1により金型1に形成された塗型膜6の表面温度が計測
される。金型1は、最適な塗型膜6を形成するため約2
00°Cに予熱されている。赤外線カメラ21は、塗型
膜6の表面温度を熱画像データS1 として計測し、こ
の熱画像データS2 は、熱画像処理手段22によって
情報処理された後、インタフェース25を介して演算手
段31に入力される。
【0013】ステップ103の処理が終了すると、ステ
ップ104に進み、演算手段31によって、赤外線カメ
ラ21で計測された熱画像データS1 と基準画像デー
タS2 とが比較される。つぎに、ステップ105にお
いて、計測された熱画像データS1 が基準画像データ
S2 と一致すると判断された場合、つまり計測された
熱画像データS1 から最良の塗型膜厚が形成されてい
ると判断された場合は、ステップ112に進み、処理は
完了する。ステップ105において、計測された熱画像
データS1 が基準画像データS2 と一致しないと判
断された場合、つまり、計測された熱画像データS1 
が基準画像データS2 から外れる場合は、ステップ1
06に進み、塗型膜厚の過不足部位の判定が行なわれる
。この過不足部位の判定は、図3および図4に示す手段
によって行なわれる。この判定については、後述する。
【0014】ステップ107においては、塗型膜厚が不
足しているか否かが判断される。ここで、塗型膜厚に不
足があると判断された場合は、ステップ109に進み、
不足部位に対する吹増し信号が演算手段31からロボッ
トコントローラ13に出力される。これにより、ロボッ
ト本体12は、ノズル16を移動させて膜厚不足の部分
の膜厚補正を開始する。塗型5の吹増しによる膜厚補正
が終了すると、ステップ111に進み、演算手段31に
塗布完了信号を出力した後、ステップ102に戻る。こ
の処理は、塗型膜厚の不足部位がなくなるまで繰返され
る。
【0015】ステップ107において、膜厚が不足して
いる部分がないと判断された場合は、膜厚が過剰である
ということになり、ステップ108に進み、過剰部位の
情報が表示手段23に表示され、ステップ112で処理
は完了する。ステップ108において、塗型膜厚の過剰
部位の情報を表示するのは、その表示情報に基づいて作
業者に過剰部分の塗型を除去させ、適正な膜厚に修正さ
せるためである。
【0016】このように、本実施例では、赤外線カメラ
21で金型1に形成された塗型膜6の表面温度を熱画像
データS1 として計測しているので、塗型膜6に接触
することなく、塗型膜厚の良否の判定が可能となる。し
たがって、塗型表面に膜厚計測のための圧痕が残ること
もなくなり、鋳造品の品質を高めることが可能となる。 また、1台の赤外線カメラ21で複数個所の膜厚の良否
判定が可能になるので、複数のセンサによって膜厚を計
測する場合に比べて、膜厚計測時間の短縮がはかれる。
【0017】図3および図4は、塗型膜厚の過不足部位
の判定方法の一例を示している。図3の膜厚補正座標に
おける横軸Y1 〜Y4 は、ロボット本体12によっ
て移動されるノズル16から噴射される塗型のスプレー
中心の軌跡を示している。赤外線カメラ21からの熱画
像データS1 と基準熱画像データS2 との比較によ
り、たとえば領域6a〜6dは膜厚が不足している部位
であり、領域6eは膜厚が過剰部位であることが判定可
能となる。ここで得られた熱画像データにより、横軸Y
1 〜Y4の塗型スプレー中心の軌跡を重ね、塗型膜厚
の不足あるいは過剰部分との交点の座標が求められる。 図3においては、不足部6aとは座標X11、X12で
あり、不足部6bとは座標X13、X14である。また
、過剰部6eとは、座標X43、X44である。これら
のX座標は、ロボット本体12の原位置あるいは金型1
の特定ポイント等を基準にして決定される。
【0018】図3に示す座標を用いた膜厚の補正におい
ては、塗型膜厚に不足部分が生じているということで再
塗布指令が出されると、ロボット本体12は塗型スプレ
ー中心点が座標Y1 〜Y4 上を移動するように予め
ティーチングされた通りの動作を行なう。ロボットコン
トローラ13は、演算手段31の演算結果に基づいて各
X座標のポイントでノズル16へ塗型を供給するバルブ
(図示略)の開閉を行ない、膜厚の不足部分に対しての
み塗型の再塗布を実施する。たとえば、膜厚が不足して
いる領域6aの場合では、ロボット本体12が横軸Y1
 に沿って動作中、座標X11でバルブの開弁によりノ
ズル16から塗型5が噴射され、座標X12でバルブの
閉弁により塗型5の噴射が停止される。なお、バルブの
開、閉による塗型5の塗布遅れを考慮し、ノズル16の
移動速度に応じてバルブの開、閉を早目に行なうと、さ
らに精度の高い補正が可能となる。また、上述したよう
に、膜厚の過剰領域6eについては、塗型の塗布完了時
に横軸Y4 の座標X43、X44との間が膜厚過剰で
ある旨の情報が出力され、この情報により過剰領域の塗
型膜6の除去作業が行なわれる。
【0019】図4は、ノズル16から噴射される塗型の
スプレー幅等を基準にして金型1を縦、横の適当なピッ
チの分割線Y1 〜Y7 および分割線X1 〜X11
で分割し、塗型膜厚に異常がある部分の交点を抽出して
その交点に適当な順位を与え、その順位に従って塗型膜
厚を補正する方法を示している。塗型膜厚の不足部分6
Cでの補正方法の例は以下の通りである。領域内に含ま
れる交点はP7 〜P22であり、交点の順位はYの小
さい方から順にXの小さい方の交点を上位とする。具体
的には領域に含まれる交点でYが1番小さいものは分割
線Y3 であり、この分割線Y3 の線上でXの小さい
方からとなると分割線X5 、X6 、X7 の順、つ
まり交点P7 、P8、P 9の順となる。つぎに、分
割線Y4 の線上では、交点がXの小さい方からとなり
、交点P 9のつぎはP 10 〜P15の順位となる
。分割線Y5 の線上では、交点がXの小さい方から順
であるので、交点P15のつぎは交点17となり、以下
交点P18〜P22の順位となる。
【0020】図4に示す座標を用いた膜厚の補正におい
ては、交点1つ当りの塗型の塗布タイミング、塗布時間
を予め設定しておき、ロボット本体12に取付けられた
ノズル16から噴射される塗型スプレーの中心がこの交
点の順に従って動作するように制御され、塗型膜厚の補
正が行なわれる。この場合、交点P 9〜P 10 あ
るいは交点P15〜P17への動作時は、ノズル16へ
塗型を供給するためのバルブ(図示略)は閉弁状態とな
っている。 また、塗布順序としては、ノズル16を交点P9から交
点P15〜,交点P15から交点P 10 へ,交点P
 10 から交点P17へそれぞれ移動動作させるよう
にすれば、ロボット本体12の空動作を少なくすること
ができる。
【0021】図4の座標を用いて補正する方法の場合は
、図3の方法よりも膜厚不足の形状に合った補正が可能
となる。すなわち、図3の方法の場合は、塗型膜厚さの
不足部分6dのような縦長の不足部分に対して横方向に
塗型を塗布するようにしているが、本実施例では交点P
16、P23、P26の順と縦方向の塗布も可能となり
、膜厚不足部分の形状に合った補正が可能となる。また
、補正時の塗布パターンを膜厚の不足状況に応じて決定
するため、図3の方法のように塗布パターンを決めてお
いて補正することにより補正しきれない部分が発生する
こともなく、より高い精度での膜厚補正が可能となる。 このように、図4の膜厚補正方法は形状が比較的複雑で
部分的に膜厚のバラツキが大きく補正回数の多いものに
有利であり、図3の膜厚補正方法は、比較的膜厚に過不
足が少なく、数回の補正で膜厚補正が完了するものに有
利である。
【0022】第2実施例 図5は、本発明の第2実施例を示している。第2実施例
が第1実施例と異なるところは、塗型膜厚の計測手順等
であり、その他の部分は第1実施例に準じるので、準じ
る部分に第1実施例と同一の符号を付すことにより準じ
る部分の説明を省略し、異なる部分についてのみ説明す
る。
【0023】図5に示すように、ステップ101におい
て判定処理が開始され、ステップ121に進んで、金型
1への塗型5の塗布が開始される前に、金型1の表面温
度が赤外線カメラ21によって計測される。この場合、
赤外線カメラ21は、金型1の表面温度を熱画像データ
S0 として計算する。ステップ121の処理が終了す
ると、ステップ126に進み、塗型の塗布が開始され、
金型1の表面に塗型膜6が形成される。ステップ111
で塗型の塗布が完了すると、ステップ122に進み、金
型1に形成された塗型膜6の表面温度が赤外線カメラ2
1によって熱画像データS1 として計測される。各熱
画像データS0 、S1 は、熱画像処理手段22によ
って情報処理された後、インタフェース25を介して演
算手段31に入力される。
【0024】演算手段31に各熱画像データが入力され
ると、ステップ123に進み、塗型の塗布前と塗布後の
熱画像の差画像処理が演算手段31によって行なわれる
。ステップ123で熱画像の差画像処理が行なわれると
、ステップ104に進み、この差画像データと基準画像
データとの比較が演算手段31によって行なわれる。 ステップ124においては、比較の結果、膜厚に不足が
ないと判断された場合は、ステップ112に進み、処理
は完了する。ステップ124において、膜厚不足が生じ
ていると判断された場合は、ステップ125に進んで、
膜厚の不足部位の判定処理が行なわれる。
【0025】ステップ125で膜厚の不足部位の判定処
理が行なわれると、ステップ109に進み、不足部位に
対する吹増し信号が演算手段31からロボットコントロ
ーラ13に出力される。吹増し信号が出力されるとステ
ップ110に進み、ノズル16の移動により塗型の再塗
布を行ない、膜厚不足の部分の膜厚補正が開始される。 ステップ111で塗型の塗布が完了すると、ステップ1
22に進み、再塗布後の塗型膜6表面の温度が計測され
る。以下、上述した処理が繰返され、膜厚に不足なしと
ステップ124で判断された場合は、ステップ112に
進んで処理は完了する。
【0026】図2に示す第1実施例の補正処理の場合は
、金型1が比較的平面的であり、金型1の予熱精度がよ
く金型1の表面温度が比較的安定している場合に有利で
ある。これに対して、本実施例では、塗型の塗布前後の
差画像を用いるため金型1の表面が凹凸の多い形状であ
ったり、温度は均一であるが熱画像として差が出たり、
金型の予熱が不均一である場合でも、これに対処するこ
とが可能となる。
【0027】第3実施例 図6ないし図8は、本発明の第3実施例を示している。 第1実施例および第2実施例においては、金型に塗布さ
れた塗型の表面の熱画像データと基準熱画像データとを
比較して、塗型の膜厚の良否を判定するようにしていた
が、本実施例では、各種のデータから金型へ塗布された
塗型の膜厚を求めるようにしている。
【0028】図6は、塗型膜厚の補正が可能な自動塗型
装置を示している。本装置の基本構成は、図1の装置に
準じており、図1の装置に各種計測手段が追加されてい
る。ノズル16に塗型5を供給する管路の途中には、流
量計41と温度センサ42とが配置されている。流量計
41は、インタフェース27を介して演算手段31に接
続されており、温度センサ42は、インタフェース27
を介して演算手段31に接続されている。流量計41は
、金型1への塗型5の塗布量を検知する機能を有してい
る。温度センサ42は、塗布作業における塗型の温度を
計測する機能を有している。図6の自動塗型装置が配置
される工場の室温は、室温センサ43によって計測され
ており、室温センサ43は、インタフェース27を介し
て演算手段31と接続されている。演算手段31には、
各センサ41、42、43からの外部データS4 、S
5 、S6 が入力されるようになっている。
【0029】まず、図7に本実施例の測定原理を示す。 塗型剤を金型1の表面に塗布すると、塗型剤を分散させ
ている水溶液の水分が蒸発し、金型1の表面から熱が奪
われる。これによって、塗布前の金型1の表面温度TD
 は、表面温度TC に降下される。なお、金型1の保
有熱量は塗型剤の塗布によって奪われる熱量に対して圧
倒的に多いので、金型表面の温度差(△TD=TD −
TC )は塗型剤の塗布量に近似的に比例する。ここで
、塗型の表面温度TS 、室温をTR 、塗型層の熱伝
動率をλ、塗型表面からの対流、放射による熱伝達率を
αとし、金型1から塗型膜6への貫流熱量をQ1 、塗
型膜6から空気層への伝達熱量をQ2 とすると、貫流
熱量Q1 、伝達熱量Q2 は、次式で求められる。
【0030】
【数1】
【0031】また、貫流に対する直角方向への熱損失を
0とするとQ1 =Q2 となり、これから次式によっ
て塗型膜厚dが求められる。
【0032】
【数2】
【0033】ここで、塗型の塗布量をV、水分の比率を
β、水の比重をρ、比熱をC、塗型の温度をTP 、水
の蒸発潜熱をCV とすると、水分の蒸発により金型か
ら奪う熱量QW は次式で求められる。
【0034】
【数3】
【0035】△TD =TD −TC はQW に近似
的に比例するので、△TD =K1 QW とすること
ができる。ここで、K1 は実験的に求めた近似的な比
例係数であり、これを式(5)に代入するとつぎのよう
になる。
【0036】
【数4】
【0037】式(6)において、K0 =K1 ×β×
ρ,C=1とした。 つぎに、△TD =TD −TC であるから、TC 
は次式によって求められる。       TC =TD −K0 ×V×(100−
TP +CV)      ……(7)そして、上記の
式(7)と式(4)から塗型膜厚dが次式によって求め
られる。
【0038】
【数5】
【0039】このように、本実施例では、金型1の塗型
前の表面温度TD 、塗型塗布後の金型1の表面温度T
S 、室温TR 、塗型剤の温度TP の各情報に基づ
いて、演算手段31で上述の演算処理を行なうことによ
り、金型1の表面に形成された塗型膜6の膜厚を推定す
ることが可能となる。なお、通常、室温TR と塗型5
の吹付け温度は同一であるとみなせることから、各温度
TD 、TS 、TR を測定すれば、上記の推定値に
ほぼ近似した塗型膜厚が求められる。
【0040】図8は、第3実施例における演算手段31
の処理手順を示している。ステップ201において、塗
型の塗布開始信号が入力されると、膜厚の判定処理が開
始され、ステップ202に進む。ステップ202では、
外部データである塗布開始前における金型1の表面温度
TDiが赤外線カメラ21によって熱画像データS0 
として計測される。計測された熱画像データS0 は、
熱画像処理手段22によって情報処理された後、演算手
段31に入力される。金型1の表面の温度計測が終了す
ると、ステップ203に進み、塗型塗布スタート信号が
演算手段31からロボットコントローラ13に出力され
、ステップ208に進んで、塗型の金型1への塗布が開
始される。金型1への塗型の塗布により、金型1の表面
には塗型膜6が形成される。塗型の塗布が終了すると、
ステップ209に進み、ロボットコントローラ13から
演算手段31に塗型の塗布完了信号が出力される。
【0041】塗布完了信号が出力されると、ステップ2
04に進み、塗型膜6の表面温度TSiが赤外線カメラ
21によって熱画像データS1 として計測される。計
測された熱画像データは、熱画像処理手段22によって
情報処理された後、演算手段31に入力される。塗型膜
6の表面温度が計測されると、ステップ205に進み、
外部データである塗型の塗布量V、室温TR が演算手
段31によって読取られる。
【0042】各情報が演算手段206に入力されると、
ステップ206に進み、塗型膜厚diを算出するための
演算処理が演算手段31によって行なわれる。この演算
処理は、上述した各数式に基づいて行なわれる。演算処
理31によって算出された塗型膜厚di は、推定値で
ある。ステップ207では、演算結果である膜厚の推定
値が出力される。この膜厚の推定値は、目標塗型膜厚と
比較され、この推定膜厚の良否が判定される。この判定
結果は、表示手段23に表示され、ステップ220に進
んで処理は完了する。なお、表示手段23に表示された
判定結果に基づき、膜厚の補正が行なわれる。
【0043】第4実施例 図9は、本発明の第4実施例を示している。本実施例は
、第3実施例の改善例であり、ステップ201からステ
ップ206までの処理手順は第3実施例に準じるので、
これ以降の処理手順について説明する。第3実施例では
、ポイント毎の測定となるため、バラツキが大きくなり
全体的な把握が困難となる可能性がある。そこで、本実
施例では、ステップ206で塗型膜厚diを求めた後に
、ステップ211に進み、たとえば塗型の吹付けパター
ンに相応して分割されたエリア毎に平均値を算出し、ス
テップ212でそのエリアの塗型膜厚を表示する。
【0044】このように構成された第4実施例において
は、分割されたエリア毎の塗型膜厚の平均値が求められ
るので、局部的な膜厚のバラツキの影響がなくなり、計
測精度の信頼性が高められる。
【0045】第5実施例 図10および図11は、本発明の第5実施例を示してい
る。本実施例は、第2実施例の式(8)を用いるかわり
に図10の特性図に基づいて塗型膜厚を求める方法であ
る。図10は、塗型膜厚と、塗布前の金型温度と塗型表
面温度との温度差との関係を示している。図10に示す
ように、塗布前の金型1の表面温度TDiと塗型膜の表
面温度TSiの温度差△Ti (△Ti =TDi−T
Si)と、塗型膜厚diとの関係を何通りかの室温TR
 に対して実験的に求めておくことにより、上述の式(
8)によらず塗型膜厚diを求めることが可能となる。 本実施例の方法では、金型1の予熱温度TD を一定に
する必要があるので、金型1の予熱を予熱炉で精度よく
行なうことが必要である。
【0046】図11は、第5実施例における塗型膜厚の
判定処理を示しており、ステップ201からステップ2
04までの処理手順は第3実施例に準じるので、これ以
降の処理手順について説明する。ステップ205におい
て、室温TRが読込まれ、ステップ216で塗布前の金
型温度TDiと塗型の表面温度TSiの温度差△Ti 
(△Ti =TDi−TSi)が演算手段31によって
算出される。 ここで、室温がTR2の場合は、図10の関係から温度
差△Ti に対応する塗型膜厚diが求められる。また
、室温がTRjである場合は、室温TR1と室温TR2
との比率で分割してTRjに対応する交点Pj を求め
、この交点Pj から塗型膜厚diを求めることも可能
となる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る塗型
膜厚の測定方法によるときは、塗型が塗布される前の金
型の表面温度を計測するとともに、塗型の塗布によって
金型に形成された塗型膜の表面温度を非接触で計測し、
この金型の表面温度および塗型膜の表面温度と外的条件
に関する外部データとに基づいて演算処理を行なうこと
により、金型に形成された塗型膜の膜厚を求めるように
したので、つぎのような効果が得られる。
【0048】(イ)  塗型膜表面が平坦でない場合で
も、比較的正確な塗型膜の把握が可能となり、塗型膜厚
の補正精度を高めることができる。これにより、最適な
塗型膜厚が得られ、鋳造品の品質を向上させることがで
きる。 (ロ)  金型の形状が複雑な場合は、従来方法ではス
ペースの関係から膜厚センサを所定の向きにセットする
ことが困難となり膜厚の測定が不可能であったが、本発
明においては塗型膜厚を非接触で把握することが可能と
なり、塗型膜厚の測定が、金型の形状に制約されること
がなくなる。したがって、スペースが狭い部分であって
も所望の塗型膜厚を確保することができる。 (ハ)  膜厚センサを塗型膜表面に接触させることが
不要となり、塗型膜表面の圧痕に起因する鋳造品の意匠
面の品質低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る塗型膜厚の測定方法
を用いた自動塗型装置の概略構成図である。
【図2】図1の装置による塗型膜厚の良否の判定方法の
処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図2の塗型膜厚の測定方法に用いられる膜厚補
正座標の概念図である。
【図4】図3の変形例を示す膜厚補正座標の概念図であ
る。
【図5】本発明の第2実施例に係る塗型膜厚の測定方法
の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3実施例に係る塗型膜厚の測定方法
を用いた自動塗型装置の概略構成図である。
【図7】図6の塗型膜厚の測定方法における膜厚測定の
原理を示す概念図である。
【図8】図6の装置による塗型膜厚の測定方法の処理手
順を示したフローチャートである。
【図9】本発明の第4実施例に係る塗型膜厚の測定方法
の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第5実施例に係る塗型膜厚の測定方
法に用いられる塗型膜厚と温度差との関係を示す特性図
である。
【図11】図10の特性を用いた塗型膜厚の測定方法の
処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1  金型 5  塗型 6  塗型膜 11  産業ロボット 13  ロボットコントローラ 21  赤外線カメラ 22  熱画像処理手段 23  熱画像表示手段 31  演算手段 S0   熱画像データ(金型の表面温度)S1   
熱画像データ(塗型膜の表面温度)S2   外部デー
タ S4   外部データ S5   外部データ S6   外部データ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  塗型が塗布される前の金型の表面温度
    を計測するとともに、塗型の塗布によって金型に形成さ
    れた塗型膜の表面温度を非接触で計測し、前記金型の表
    面温度および塗型膜の表面温度と外的条件に関する外部
    データとに基づいて演算処理を行なうことにより、前記
    金型に形成された塗型膜の膜厚を求めることを特徴とす
    る塗型膜厚の測定方法。
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