JPH0596592A - 射出成形機の制御装置 - Google Patents

射出成形機の制御装置

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JPH0596592A
JPH0596592A JP9127991A JP9127991A JPH0596592A JP H0596592 A JPH0596592 A JP H0596592A JP 9127991 A JP9127991 A JP 9127991A JP 9127991 A JP9127991 A JP 9127991A JP H0596592 A JPH0596592 A JP H0596592A
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pressure
resin
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temperature
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JP9127991A
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Tomoyuki Akashi
友行 明石
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形中における金型温度や樹脂温度等の環境
条件の変動があっても成形品品質を安定に保つように成
形中の圧力設定値を修正する射出成形機の制御装置を提
供する。 【構成】 樹脂状態検出手段として金型内の樹脂温度セ
ンサ(11)と樹脂圧力センサ(12)とを含み、成形
条件出しによって得られた射出速度、保圧時の樹脂圧力
等の成形条件を設定値として入力する手段(13)と、
該入力手段で設定された設定値にもとづいて初期状態を
定め、前記各センサからの検出値を用いてあらかじめ定
められた式にもとづいて保圧工程での圧力設定値修正量
を算出するニューラルネットワーク方式の演算装置(1
4)と、前記設定値あるいは前記圧力設定値修正量を目
標値として保圧工程での圧力制御を行う圧力制御装置
(15)とを備えたことを特徴とする射出成形機の制御
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は射出成形機の制御装置に
関し、特にpvT制御の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形機で長時間安定して精密成形品
を生産するためには、次のような事が重要である。成形
中の樹脂から金型への熱伝達によって、金型温度が次第
に上昇する。さらに、金型から成形機本体、雰囲気へと
熱が伝わっていき、全体が一様な温度になるには数時間
を要する。また、ホッパーから供給される樹脂の温度や
含水率も長時間観測していると、次第に変化しているの
がわかる。これらの影響は、成形品の品質に、例えば重
量の変化となって現れる。
【0003】図6は上記の環境条件の1つである金型温
度θm の計測データを示す。このような環境条件が一定
となるには、数時間連続して成形を行わなければならな
い。図7は変動する環境条件の中で成形品を生産し、重
量を測定した結果である。この例のように環境条件が変
動すると、射出速度や圧力等の個々の成形条件をいくら
精度良く制御しても、品質を安定に保つことは出来な
い。従って、精密成形を行う際には、環境条件の変動に
合わせて射出速度や圧力の設定値を修正していく必要が
ある。そこで、pvT制御の名前で従来、次の様な考え
方で制御手法が提案されている。(例えば、特願平1−
284614号、特願平2−4446号参照)。図8,
図9はその成形機能を分かりやすく説明するために単純
化した模式図である。図8において、加熱シリンダ10
0の内部に回転及び往復動自在にスクリュ101が配置
され、このスクリュ101は射出シリンダ102により
往復動するように駆動されると共に、回転駆動系103
により回転駆動される。スクリュ101を回転させると
共に往復させることで加熱シリンダ100内の樹脂を金
型104のキャビティ105に充填し加圧成形する。図
9(a)のように金型104は成形品に対する鋳型であ
り、そのキャビティ105に成形品毎に定まった重量の
樹脂が充填されれば、常に重量ばらつきの少ない成形品
が得られるはずである。
【0004】ところが、加熱シリンダで樹脂を高温に加
熱、溶融し、それを射出シリンダを用いてキャビティに
充填し、成形品として取り出すときには室温近くまで冷
却するため、充填したときの樹脂の比容積(密度の逆
数)v1 と成形品として取り出したときの比容積v2
の間の差Δvが非常に大きい。すなわち、ただ単に樹脂
をキャビティに流し込むだけでは、空気中に放置した成
形品は図9(a)の右側に破線で示したように大きく収
縮してしまう。これは所望の重量に比べ、取り出した成
形品の重量が少なくなり、寸法も小さくなることを意味
する。そこで、通常の成形プロセスでは樹脂充填(射出
工程)の後、図9(b)のように、射出シリンダ102
を用いて樹脂に圧力をかけ(保圧工程)、比容積の差Δ
vに相当する分だけ余分に樹脂を充填している。
【0005】しかしながら、環境条件が変動すると射出
工程終了時の樹脂温度Tが微妙に変わり、重量が次第に
変化してしまう。そこで、樹脂温度Tが高い時、あるい
は金型温度が高い時には比容積vが大きいので、保圧工
程での圧力を上げて、さらに樹脂を余分に充填する。逆
に、樹脂温度Tあるいは金型温度が低い時には圧力を下
げ、少な目に樹脂を充填する。このように樹脂温度Tあ
るいは金型温度を計測しながら圧力pの設定値を修正
し、比容積の差Δvをなるべく小さくしようという方法
を総称して、これらの変数の記号を取ってpvT制御と
言う。具体的に圧力pの設定値を決めるには樹脂の状態
方程式(スペンサーの式)、 (p+π)(v−ω)=R(T+273) (1) を用いる。ここで、π,ω,Rは樹脂の種類によって定
まる定数である。圧力pの設定値は一定値ではなく、温
度変化に応じて時間関数pr (t)として与えなければ
ならない。pvT制御でのpr (t)の与え方は次のよ
うになる。
【0006】まず、(1)式に従ってvTを変数とする
平面にp=一定の直線を描くと、図10の細線のように
なる(p1 〜p5 )。これに成形プロセスにおいて樹脂
の取る軌跡を描くと、図10の太線のようになる(A→
B→C→D→E)。Iは射出工程を示し、可塑化工程で
A まで加熱された樹脂を金型のキャビティに高速で充
填するため、温度はあまり下がらず圧力はp1 からp4
まで急激に上昇する。pmax =p4 は金型を破壊しない
為の許容圧力で、点Bでpmax に到達した後は保圧工程
IIに入り、点Cまで圧力を保持する。この間に樹脂は金
型で冷却され、Tc まで温度が下がる。点Cは目標の比
容積v1 とpmax の交点であり、v=v1 の直線III に
沿って圧力を下げていく。点C′で金型のゲートが閉じ
られて保圧工程を終了し、冷却工程で室温近くの点C″
まで冷却し成形品を取り出す。この時点が温度TD で、
さらに空気中で冷却されて室温TEとなり、比容積はv
2 となる。成形品として使用するのは比容積v2 の状態
であるから、v1 −v2 =Δvが小さく、ばらつきが少
なければ精度の高い成形品となる。そこで、通常、圧力
max をなるべく高くして、あるいは点Cをなるべく下
側にもって行き、比容積の差Δvを小さくするように設
定値を選ぶ。
【0007】図10の軌跡はp,v,Tの3変数に対し
て描かれている。II,III の各工程で1変数のみが定ま
っているので、実際に軌跡を描くには残りの2変数の
内、さらに1変数を規定する必要がある。最後の1変数
は(1)式によって決定される。そこで、規定すべき1
変数として樹脂温度の近似値(時間パターン)を成形品
毎に変わる設定値や計測値から次のように計算する。 TM (t)=TW +(8/π2 )*(TM0−TW )*exp(−aeff π2 t/s2 ) (2) ここで、TM が樹脂温度の近似値を与え、TW は、金型
温度の計測値である。TM0は保圧開始時(図10の点
B)での樹脂温度の計測値で、sは成形品の平均の肉
厚、aeff は等価熱伝導率である。(2) 式には金型温度
あるいは樹脂温度の計測値が含まれているので、これに
よって環境条件の変動があっても設定値を修正して比容
積の差Δvの変化を最小に押さえる事が出来るというの
が、従来のpvT制御の考えかたである。すなわち、環
境条件が変化し、金型温度が上昇すると、(2)式から
図11のように樹脂温度の時間パターンも全体に上に上
がる(図中破線で示す)。次に、(1)式からv=
1 、p=pmax (図10の点C)での温度Tc が求ま
り、この温度Tc に達する時間も図11のように右側へ
シフトする(tc →tc ′)。その後、比容積をv=v
1 で一定に保つ。この時、(2)式を(1)式に代入し
て圧力の設定値pr を図12の破線の時間パターンに修
正する。金型の温度が下がった場合はこの逆で、図1
1,図12の一点鎖線の時間パターンとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上が従来行われてい
るpvT制御の概略であり、環境条件が変動しても常に
図10のような軌跡が実現されていれば樹脂の状態変化
は一定であり、成形される成形品の品質も安定するであ
ろうという考え方である。しかし、実際に成形された成
形品は図9(a),(b)に示した様な単純な形状では
なく、特に精密成形品となると、その形状は複雑にな
る。例えば、図9(c)のように充填中の樹脂に温度分
布が出来るのが普通である。この例では斜線部分が温度
低下の少ない高温域で、クロス線の部分が温度低下の大
きい低温域の樹脂を表している。これが一様な圧力で成
形されると、図中右側に破線で示すように、収縮する量
が異なるため応力分布が生じ、歪んだ成形品となる。実
際の成形品の例を示した図13で樹脂のpvT線図上の
軌跡を実験によって求めてみると図14のようになる。
図14における添え字a,b,cは図13の成形品の各
部a、b、cでの計測位置を示す。溶融された樹脂はリ
ザーバ106(図8)内では、始め一様な温度TA ,圧
力p1 であったものが、キャビティに充填されるときに
は温度が下がり、圧力分布が生じるので、Ba ,Bb
c のように広がり、保圧開始時にはCa ,Cb ,Cc
のように多少圧力分布は減るが、温度分布は残ったまま
となる。従って、従来のように全体を一様として圧力の
設定値を修正すると部分的に樹脂が多くなったり、逆に
少なくなったりして応力分布が大きくなり、精密成形品
の樹脂の状態を精度良く制御できない。それ故、精密成
形の場合は環境条件が変化した時に、比容積の差Δ
a ,Δvb ,Δvc の間の差を少なくすることが必要
である。また、より複数な成形品では軌跡が大きく分散
するので、これらの差を少なくする修正法の開発が重要
となってきている。以上のような問題点に鑑み、本発明
は成形中における金型温度や樹脂温度等の環境条件の変
動があっても成形品品質を安定に保つように成形中の圧
力設定値を修正する射出成形機の制御装置を提供するこ
とを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による射出成形機
の制御装置は、樹脂状態検出手段として金型内の樹脂温
度センサと樹脂圧力センサとを含み、成形条件出しによ
って得られた射出速度、保圧時の樹脂圧力等の成形条件
を設定値として入力する手段と、該入力手段で設定され
た設定値にもとづいて初期状態を定め、前記各センサか
らの検出値を用いてあらかじめ定められた式にもとづい
て保圧工程での圧力設定値修正量を算出するニューラル
ネットワーク方式の演算装置と、前記設定値あるいは前
記圧力設定値修正量を目標値として保圧工程での圧力制
御を行う圧力制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明による制御装置は、ニューラルネットワ
ーク方式の演算装置における圧力設定値の自動修正に特
徴があり、次のような手順で行われる。成形開始に先立
ってあらかじめ行われた成形条件出しで得られた設定値
と、その際の金形内樹脂圧力、温度の検出値及び樹脂の
状態方程式を用いて、キャビティ内各部の樹脂の比容積
を計算する。次に上記で求めた比容積を目標値として、
その値を実現するように金型内樹脂圧力、温度の検出値
から設定値の修正量を計算する。樹脂圧力、温度の検出
値は連続成形開始時に大きく変化し、以降室温や成形機
本体の温度変動に対して徐々に変化する。しかし、これ
らの変化分は演算装置により圧力設定値の修正量に変換
され、圧力制御装置の目標値となる。
【0011】
【実施例】図1は本発明による射出成形機の制御装置の
構成を示す。金型内の樹脂圧力、温度の検出値を得るた
めのセンサ11,12と、オペレータにより保圧プロセ
ス制御のための設定値を入力する設定値入力部13と、
上記の検出値、設定値と樹脂の状態方程式から設定値の
修正量を計算するためのニューラルネットワーク方式の
演算装置14と、前記設定値またはその修正値を目標値
として保圧プロセスを制御するための圧力制御装置15
とを備えている。
【0012】上記構成による制御装置の動作の流れを簡
単に説明する。オペレータは製品の生産に先立ち、設定
値入力部13から制御装置に必要な設定値をセットす
る。その設定値は圧力制御装置15に送られ、保圧プロ
セスでの圧力制御の目標値となる。圧力制御装置15で
は金型内の樹脂圧力の検出値と目標値が一致するように
フィードバック制御を行う。以上の動作の結果得られた
成形品をオペレータが検査し、歪が少なく、「ばり」や
「ひけ」等の欠陥の少ない成形品が得られるまで設定値
の修正を行う(成形条件出し)。連続成形運転に入る
と、金型内樹脂温度、圧力を検出し、これらの値の変化
量に応じてオペレータの求めた設定値を修正し、圧力制
御装置15の目標値を変えている。この変更は成形開始
からリアルタイムで行なわれ、金型温度等の変化が成形
品の品質に悪影響を及ぼさないうちに実行されること
で、安定な成形品質を実現する。
【0013】次に本発明を詳細に説明する。射出成形機
で成形開始から長時間安定して成形品を生産するために
は、金型温度等の環境条件が変動しても、その影響が成
形品に現れないように保圧プロセスでの圧力の設定値を
修正する必要があることは既に述べた。しかし、従来の
方法では比容積一定という単純な条件で制御を行ってい
るので、適用できる成形品の範囲が限定され、特に精密
成形品の品質安定化には不適当であった。図3に示す肉
厚の薄い平板状の成形品について実験し、金型のキャビ
ティ20の点Q1 ,Q2 での樹脂の圧力と温度を測定
し、その値から求めた状態変化の軌跡を図4,図5に示
す。図4は横軸に温度T、縦軸に比容積vをとったvT
線図、図5はその拡大図で、圧力pがパラメータになっ
ている。図中斜めの直線が圧力一定の線を表している。
図中の軌跡は2点Q1 ,Q2 での状態量(v1 ,T1
(実線で示す)、状態量(v2 ,T2 )(破線で示す)
が成形プロセス中にどの様に変化するかを表している。
また、図中の数値t=1.2,2.4sec 等は保圧開始
からの時間経過を表している。樹脂の状態は成形中に概
ね図の右上から左下へと変化する。ただし、比容積vは
直接計測できないので、圧力pと温度Tの計測値を用い
て前述した樹脂の状態方程式(1)によって計算して求
めている。この様に単純な形状でも肉厚が薄いと、グラ
フのように複雑な軌跡となる。通常の精密成形品ではさ
らに形状が複雑になり、軌跡もそれに応じて複雑にな
る。
【0014】図5の拡大図には成形条件出しで求めた、
保圧プロセスの設定値pf のパターンも記入してある
(斜めの太線)。この設定値は始め低めの290kgf/cm
2 に設定されている。これは、あまり保圧プロセスの始
めから圧力設定値が高いとゲート付近で樹脂の流れが乱
れ、成形品となったとき表面に流れの模様が残ったり、
応力分布が生じるためである。次に320kgf/cm2 に圧
力設定値を上げて保圧を行う。その後樹脂がキャビティ
で冷却されるに従って、圧力を290,230kgf/cm2
と下げて行く。従来のpvT制御での圧力設定はキャビ
ティ各部の圧力、温度、比容積が一様であるという仮定
のもとで行われていた。しかし、実際にはこの実験結果
のように圧力、温度ともに場所によって異なり、圧力設
定パターンも複雑になる。この設定パターンは320,
290fkg/cm2 の部分がA2 −B2 区間に着目して、比
容積がv20となるように設定された値であり、290,
230kgf/cm2の部分がA1 −B1 区間に着目して比容
積がv10となるように設定された値である。理想的には
キャビティの場所に依らずvが一定であればよいが、現
実にはこの場合のようにv10とv20は異なり、この差を
なるべく小さくするように、オペレータが経験と勘によ
って成形条件出しを行っている。従って、圧力設定値の
パターンには成形品の複雑な形状や樹脂の特性が暗黙の
内に含まれ、環境条件の変動に対する圧力の設定値の修
正もこの設定パターンをもとに行うのが適当であるとい
うのが本発明の基本的な考え方である。
【0015】従来はこの様な設定値のパターンを用いて
いなかったので、例えば金型温度が上昇したとき図12
の破線のように一様に圧力設定値を上げていた。そのた
め、温度の低い図3のQ2 部分には樹脂があまり充填さ
れず、Q1 部分には逆に充填し過ぎて大きな歪の原因と
なっていた。この場合、オペレータの設定パターンに従
えば、圧力の設定値の修正は保圧プロセスの始めは多い
目で、後は少な目という修正が行われるはずである。こ
の様な修正を自動的に行う方法を本発明のニューラルネ
ットワーク方式の演算装置14が与えている。
【0016】次にその具体的方法について説明する。ま
ず、樹脂の比容積は直接測定できないので前述の(1)
式を用いる。ただし、(1)式は非線形な方程式で後々
の計算を簡単化するため次の様に、基準となる圧力
0 ,v0 ,T0 のまわりで線形化しておく。ここでΔ
p,Δv,ΔTは基準値からの変化分である。 Δp・(v0 −ω)+Δv・(p0 +π)=R・ΔT さらに、これらの変量が0から1の間にはいるように規
格化し、あらためてΔp,Δv,ΔTをp,v,Tと置
き変えると、 αp+βv=R′T+a (1)′ となる。α,β,aは規格化のための定数であり、R′
も規格化よって変更したRの値を示す。
【0017】圧力の修正量を求める手順は次のようにな
る。 (1)オペレータが成形条件出しを行って探索した圧力
設定値のパターンを、図2のニューラルネットワークの
f に入れる。その時の金型内樹脂圧力、温度の検出値
d ,Td も図2のニューラルネットワークに入れる。
さらに、図2のようにp,v,Tの各値をニューラルネ
ットワークの各要素に割り当てる。ただし、図2では複
雑な成形品に対応するため図3の成形品の例より分割を
細かくすることを考え、一般的な表現にしてある。分割
数はnで表す(図5ではn=2)。 (2)この状態でニューラルネットワークを作動させる
と、各要素のp1 ,v1 ,T1 ,p2 ,v2 ,T2 ,…
に相当する変量の推定値が出力される。 (3)推定された各部の比容積vi0(図3ではv10,v
20に相当する値)をこの成形品に対する望ましい比容積
の値とする。 (4)連続成形に入ると環境条件が次第に変化し、検出
値pd ,Td が変動する。この際には、設定値pf を除
いて新たな検出値を用いてニューラルネットワークを作
動させると、新しい変量p,v,Tが推定される。ただ
し、比容積は上で求めたvi0に一致させる。 (5)新たに求めたp1 から設定値pf を求める。これ
が環境条件が変化した時の設定値の修正量になる。 (6)以下、同様の計算を成形中続けて行えば、リアル
タイムで修正量が計算できる。 (7)以上の過程で圧力設定値の修正量は、圧力制御装
置の目標値となる。
【0018】次に、本発明で用いられる上記のような計
算を実現するための図2のニューラルネットワークにつ
いて説明する。ニューラルネットワークでは下記の数式
1に示すエネルギ関数Eを最小にする様に各要素間の結
合係数とバイアスを計算する。
【0019】
【数1】
【0020】Xi は上で決めたp,v,T等の変量に相
当するニューラルネットワークの状態量であり、Ii
バイアスである。また、ωijは要素間の結合係数でNは
要素数である。エネルギ関数Eを最小にするXi の値は
要素毎に、下記の数式2で決まるΔui という微少変量
を与えながら学習によって求めることができる。
【0021】
【数2】
【0022】ただし、Xi は Xi =g(ui ) g(ui )={1+tanh(ui /u0 }/2 というシグモイド関数の出力として与えられる。ここ
で、τ,Δt,uは計算のためのパラメータで定数であ
る。このようにして求めたXi はエネルギ関数Eを最小
にすることが知られている。
【0023】以上は一般的なニューラルネットワークの
説明であるが、本装置の状態量を推定するためには、次
の数式3のようなエネルギ関数を用いる。
【0024】
【数3】
【0025】第1項は(1)′式の制約条件を満たすた
め、第2項は比容積の場所による差を小さくするため
(この項があるため成形品の歪が小さくなるような状態
の推定が可能となっている)、第3項は圧力の設定値p
f とp1 をなるべく近づけるため(γはγ・p1 =pf
としたときの係数)、pd ,Td は樹脂圧力と樹脂温度
の検出値で、第4,5項はそれらの値と近傍の樹脂圧力
n 、樹脂温度Tn との差を小さくするため、第6項は
比容積をvi0に近づけるためのエネルギ関数である。
A,B,C1 ,C2 ,C3 ,Dは定数である。なお、b
はaと同様規格化のためのパラメータである。このよう
な問題に対しては、周知のホップフィールドのニューラ
ルネットワークを用いて解が得られる。数式3を展開し
て変量毎に整理し、数式1と比較すると、図2のネット
ワークの結合係数ωあるいは外部入力Iが次の数式4,
数式5のように求められる。
【0026】
【数4】
【0027】
【数5】
【0028】このネットワークを動作させると図4の軌
跡を設定値pf のパターンを用いて求めることができ
る。ただし、この際には、数式4,数式5でD=0とし
て計算する。ここで得られた比容積のパターンをvi0
し、これが望ましい比容積の分布を与えている。
【0029】次に、連続成形中は数式4,5でC1
0,D≠0として、vi をvi0に一致させるようにニュ
ーラルネットワークを作動させる。そして、環境条件が
変わったときには検出値pd ,Td が変動するので、こ
れらの検出値を用いて計算をすると、環境条件に応じた
1 が求められる。この値からpf =p1/γによって
設定値を計算し、変動前の設定値との差をとれば必要な
修正量が計算できる。なお、ニューラルネットワークで
は簡単なアルゴリズムによって各要素の状態を求めてい
るので、リアルタイムで必要な修正量が計算できる。ま
た、上記の演算は全て時間関数であり、例えば、圧力の
設定値のパターンはpf (t) というように時間の関数と
して書かれるべきであるが、ここでは煩雑になるので省
略して書いている。
【0030】
【発明の効果】本発明の制御装置によれば、成形品が複
数な形状であってもその重量を成形開始後の数ショット
からばらつきの少ない所望の値に安定させることができ
る。また、長時間にわたって成形を繰り返しても寸法精
度等の品質が一定に維持され、不良率を低くすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略構成図である。
【図2】本発明に適用されるニューラルネットワークの
一例を説明するための図である。
【図3】pvT制御における特性の時間変化を説明する
ための図である。
【図4】pVT制御におけるv−T線図である。
【図5】図4の一部を拡大して示した図である。
【図6】図6は射出成形機における成形開始時からの金
型温度の変化を示した図である。
【図7】従来装置により成形された成形品の重量変化を
示した図である。
【図8】射出成形機の概略構成を示した図である。
【図9】射出成形機における成形動作を模式的に示した
図である。
【図10】単純な形状の成形品に対するv−T線図であ
る。
【図11】樹脂温度の時間変化を示した図である。
【図12】圧力設定値の時間変化を示した図である。
【図13】板状の成形品について樹脂の流れを説明する
ための図である。
【14】図13に示した成形品に対するv−T線図であ
る。
【符号の簡単な説明】
11 金型内樹脂圧力センサ 12 金型内樹脂温度センサ 100 加熱シリンダ 101 スクリュ 102 射出シリンダ 103 回転駆動系 104 金型 105 キャビティ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略構成図である。
【図2】本発明に適用されるニューラルネットワークの
一例を説明するための図である。
【図3】pvT制御における特性の時間変化を説明する
ための図である。
【図4】pVT制御におけるv−T線図である。
【図5】図4の一部を拡大して示した図である。
【図6】射出成形機における成形開始時からの金型温度
の変化を示した図である。
【図7】従来装置により成形された成形品の重量変化を
示した図である。
【図8】射出成形機の概略構成を示した図である。
【図9】射出成形機における成形動作を模式的に示した
図である。
【図10】単純な形状の成形品に対するv−T線図であ
る。
【図11】樹脂温度の時間変化を示した図である。
【図12】圧力設定値の時間変化を示した図である。
【図13】板状の成形品について樹脂の流れを説明する
ための図である。
14】図13に示した成形品に対するv−T線図で
ある。
【符号の簡単な説明】 11 金型内樹脂圧力センサ 12 金型内樹脂温度センサ 100 加熱シリンダ 101 スクリュ 102 射出シリンダ 103 回転駆動系 104 金型 105 キャビティ ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略構成図である。
【図2】本発明に適用されるニューラルネットワークの
一例を説明するための図である。
【図3】pvT制御における特性の時間変化を説明する
ための図である。
【図4】pVT制御におけるv−T線図である。
【図5】図4の一部を拡大して示した図である。
【図6】射出成形機における成形開始時からの金型温度
の変化を示した図である。
【図7】従来装置により成形された成形品の重量変化を
示した図である。
【図8】射出成形機の概略構成を示した図である。
【図9】射出成形機における成形動作を模式的に示した
図である。
【図10】単純な形状の成形品に対するv−T線図であ
る。
【図11】樹脂温度の時間変化を示した図である。
【図12】圧力設定値の時間変化を示した図である。
【図13】板状の成形品について樹脂の流れを説明する
ための図である。
14】図13に示した成形品に対するv−T線図で
ある。
【符号の簡単な説明】 11 金型内樹脂圧力センサ 12 金型内樹脂温度センサ 100 加熱シリンダ 101 スクリュ 102 射出シリンダ 103 回転駆動系 104 金型 105 キャビティ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂状態検出手段として金型内の樹脂温
    度センサと樹脂圧力センサとを含み、成形条件出しによ
    って得られた射出速度、保圧時の樹脂圧力等の成形条件
    を設定値として入力する手段と、該入力手段で設定され
    た設定値にもとづいて初期状態を定め、前記各センサか
    らの検出値を用いてあらかじめ定められた式にもとづい
    て保圧工程での圧力設定値修正量を算出するニューラル
    ネットワーク方式の演算装置と、前記設定値あるいは前
    記圧力設定値修正量を目標値として保圧工程での圧力制
    御を行う圧力制御装置とを備えたことを特徴とする射出
    成形機の制御装置。
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