JPH0433217Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、合成樹脂製容器、特にゼリーやプリ
ンなどゲル状のものを収容し、その形を崩さずに
取り出せるようにした容器に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、ゼリーやプリンなどのゲル状のものを収
容した容器より内容物を取り出す際、上部を開口
して下方に向け皿上に取り出そうとしても、大気
圧の力で容器に付着した状態のままで出てこない
ことが多く、無理に出そうとすると内容物の形が
崩れてしまうので、このため、容器裏面にも開口
部を形成して内容物の落下を図るようにしてい
る。

しかし、このように開口部を２ケ所設けること
は、それだけ製作工程が複雑となるので好ましく
ない。

〔考案が解決しようとする問題点〕 本考案は、上記のような容器より取り出し難
く、しかも、形崩れし易いという従来の欠点を解
消し、簡単な構成により内容物の形崩れを生ずる
ことなく簡単に取り出せるようにした容器を得よ
うとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、容器を、フランジを備えたカツプ状
部を縦に２等分する線上に、薄肉のＶ字形折込溝
により形成された鍔状突出外周縁を設けるととも
に、フランジの鍔状突出外周縁に接続する部分に
も、前記鍔状突出外周縁を形成するＶ字形溝を拡
げる方向に引張った時に、切断可能とされた同様
のＶ字形切込溝が形成されてなる合成樹脂製容
器、としたものであつて、容器にプリンなどを収
容し、これよりプリンを取り出すに当つて、容器
上面のシール蓋を取り去つた後、左右のフランジ
を引張って、容器を中央に設けたＶ字形折込溝に
沿つてフランジとともに切り裂くことにより、中
身の形を崩すことなく簡単に取り出せるようにし
ようとするものである。

〔作用〕

上記したように、容器を縦に２等分する線上に
切断可能な薄さにされたＶ字形折込溝が設けられ
ているので、容器をＶ字形溝を中央にして左右に
引張ると、容器は中央で切り裂かれて内容物の排
出が形崩れなく容易に行われるようになる。な
お、容器切断が完全に行われなくても、フランジ
部分も中央より切断されてＶ字形折込溝上部開口
部が拡がるので、内容物は容易に排出可能とな
る。

〔実施例〕

第１図は本考案による合成樹脂製容器の斜視
図、第２図は第１図のＡ−Ａ線による断面図、第
３図は第１図のＢ−Ｂ線による断面図、第４図は
容器がＶ字形溝に沿つて切断される状態を示す斜
視図、である。

図面に示すように、合成樹脂製容器１は、カツ
プ状部２上縁にフランジ３を設けるとともに、カ
ツプ状部２を２等分する線上に、薄肉としたＶ字
形折込溝４より形成された鍔状突出外周縁５が設
けられており、そのフランジ３はＶ字形折込溝４
に直角の方向では巾広で、Ｖ字形溝付近では巾狭
となつていて、左右より引張ることにより切断可
能な切込溝が形成されており、フランジ３上には
第２図、第３図に示すように蓋材６が被覆接合さ
れる。

本考案による合成樹脂製容器１は、従来容器と
Ｖ字形折込溝４より形成された鍔状突出外周円５
を設けてある点で相違するだけで、その他の点で
は従来公知のゼリー、プリン容器と同じような構
成となつている。なお、合成樹脂材料としては、
無機質材入りのポリプロピレン、ポリスチレンの
ような裂け易い材料を使用するとよい。

なお、このＶ字形溝４を鋭く折曲げてＵ字状に
折畳んだ形状とすることにより、排出される内容
物外形に突条が殆ど生じないようにすることもで
きる。また、容器１内に内容物が収格された状態
では、蓋材６により被覆されていて、Ｖ字形溝４
を切り裂く左右方向の力が蓋材６の存在により作
用しないようになつているので、不用意にＶ字形
溝４が切り裂れる恐れはない。

〔考案の効果〕

本考案による合成樹脂製容器１において、カツ
プ状部２を２等分する線上に設けたＶ字形折込溝
４の外周突出縁５は、薄肉でかつ左右より引張り
力を加えることにより、フランジ３と一緒に簡単
に切り裂くことができるので、シールされた蓋材
を除去した後、第１図おいて左右のフランジ部分
を握つて左右に引張ると、第４図に示すようにＶ
字形溝外周縁５に沿つてフランジとともに左右に
切り裂かれる。そうすると、カツプ状部に収容さ
れていたゼリーやプリンは、形を崩されれること
なく簡単に取り出し可能となる。なお、Ｖ字形折
込溝４に沿つた容器切断が完全に行なわれなくて
も、フランジ３のＶ字形切込溝部分が切断され、
容器のＶ字形折込溝上部の開口部が拡がるので、
内容物の排出は容易となる。

また、本考案による容器は、バキユーム成形に
よりＶ字形折込溝も簡単に切り裂け易い形状に製
作できるので、製作費も安くしかも取扱いが容易
な容器が得られることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による合成樹脂製容器の斜視
図、第２図は第１図のＡ−Ａ線による断面図、第
３図は第１図のＢ−Ｂ線による断面図、第４図は
容器がＶ字形折込溝に沿つて切断される状態を示
す斜視図、である。 １……合成樹脂製容器、２……カツプ状部、３
……フランジ、４……Ｖ字形折込溝、５……鍔状
突出外周縁、６……蓋材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フランジを備えたカツプ状部を縦に２等分する
   線上に、薄肉のＶ字形折込溝により形成された鍔
   状突出外周縁を設けるとともに、フランジの鍔状
   突出外周縁に接続する部分にも、前記鍔状突出外
   周縁を形成するＶ字形溝を拡げる方向に引張った
   時に、切断可能とされた同様のＶ字形切込溝が形
   成されてなる合成樹脂製容器。