JPH04331234A - ポリシロキサンスターポリマーおよびその製造方法 - Google Patents

ポリシロキサンスターポリマーおよびその製造方法

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JPH04331234A
JPH04331234A JP12819691A JP12819691A JPH04331234A JP H04331234 A JPH04331234 A JP H04331234A JP 12819691 A JP12819691 A JP 12819691A JP 12819691 A JP12819691 A JP 12819691A JP H04331234 A JPH04331234 A JP H04331234A
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淑夫 今井
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雅明 柿本
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は中心核としてベンゼン環
を有するポリシロキサンスターポリマーに関し、またそ
のようなスターポリマーの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、中心核として原子または原子
団があり、その外側に規則的に直鎖ないし分岐鎖を有す
るスターポリマーないしスターバーストポリマーには、
各種のものが知られている。Voegtle らはベン
ゼン環を核として、その6個の炭素原子より、それぞれ
チオエチレン単位およびオキシエチレン単位からなる分
子鎖が形成されたスターポリマーを合成し、このような
ポリマーに金属イオン取り込み作用があることを見出し
た(F.Voegtle ら、Angew.Chem.
Int.Ed.Engl.,13巻、814頁(197
4)参照)。
【0003】また、Tomalia らは、アンモニア
を核とし、アクリル酸メチルのマイケル付加反応と、エ
チレンジアミンによるアミノ化を繰返すことにより、樹
枝状に分岐した分子構造を有するポリアミドアミン系の
スターバーストポリマーを得ている(D.A.Tomi
lia ら、Angew.Chemie Intern
.Ed.Engl., 29巻、138頁(1990)
参照)。
【0004】ポリシロキサンにおいても、本発明者らに
よって、メチルトリクロロシランのケイ素原子を中心核
とした各種のポリシロキサン系のスターポリマーが得ら
れている。すなわち、メチルトリクロロシランとリチウ
ムフェニルジメチルシラノラートとから脱塩反応によっ
て分岐状骨格を有するテトラシロキサンを得、これに臭
素を作用させてフェニル基を臭素原子で置換し、ついで
ジエチルアミンのようなジアルキルアミンによってアミ
ノ化し、さらにフェニルジメチルシラノールを反応させ
る。このことを繰返して3本のシロキサン鎖を伸ばすこ
とができる。
【0005】さらに、その過程で、次のようにして合成
した分岐状骨格を有する化合物をフェニルジメチルシラ
ノールの代わりに用いることによって、分岐を生ずるこ
とができる。すなわち、1分子のメチルトリクロロシラ
ンと2分子のナトリウムフェニルジメチルシラノラート
から脱塩反応によってトリシロキサンを得、残余の1個
の塩素原子を加水分解した後、ジメチルジクロロシラン
の1個の塩素原子との脱塩酸反応を行い、ついで、上記
の反応によって導入された塩素原子との結合を加水分解
することによって、(ジメチルヒドロキシシロキシ)ビ
ス(フェニルジメチルシロキシ)メチルシランを得る。 この分岐状骨格を有するテトラシロキサンは、その3個
のケイ素原子のうち1個がヒドロキシル基、他の2個が
フェニル基と結合しているので、これを前述のアミノ化
されたシロキサンと反応させることによって、分子鎖端
に2個のフェニル基を含有するトリシロキサン単位を導
入し、ついで前述と同様に臭素化脱フェニルし、さらに
アミノ化反応以下を繰返せば、分岐を生ずることができ
る(森川ら、高分子学会予稿集,39巻308頁(19
90);森川ら、フェインケミカル,1990年17号
5頁参照)。
【0006】しかし、これらの方法は、いずれも逐次、
段階的に分子を成長させるために、このような方法によ
って高分子量のポリマーを得ることは、きわめて繁雑で
ある。
【0007】一方、リチウム原子を含有する化合物を開
始剤とするヘキサメチルシリロトリシロキサンのリビン
グアニオン重合は知られており、開始剤としてブチルリ
チウム、ジフェニルシランジオール・ジリチウム塩およ
びビス[p−(ジメチルヒドロキシシリル)フェニル]
エーテル・ジリチウム塩(特開平1−240530号公
報)などが挙げられるが、これらはいずれも鎖状ポリシ
ロキサンの合成を目的としたものであって、この方法に
よるスターポリマーは知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、制御
された分子量を有するポリシロキサン系の新規なスター
ポリマーを得ることにある。
【0009】本発明のもうひとつの目的は、上記のポリ
シロキサン系スターポリマーの、容易で有利な合成法を
得ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成することを意図して研究を重ねた結果、シロキ
サン系の新規なスターポリマーを得て、本発明をなすに
至った。すなわち本発明は、
【0011】
【化5】
【0012】(式中、xは5〜100の数を表わし;M
eはメチル基を表わし;Zはリチウム原子、トリメチル
シリル基または式
【0013】
【化6】
【0014】(式中、aは3〜5の数を表わし、Yはヒ
ドロキシル基、メトキシ基、アセトキシ基、ベンジルオ
キシ基または式
【0015】
【化7】
【0016】(式中、xはヒドロキシル基、メトキシ基
、アセトキシ基またはベンジルオキシ基を表わす)で示
される1価の基を表わす)で示されるケイ素原子含有炭
素官能性基を表わす)で示されるポリシロキサンスター
ポリマーに関し、また1,3,5−ベンゼントリス(リ
チウムジメチルシラノラート)を開始剤として、ヘキサ
メチルシクロトリシロキサン(以下、D3 という)を
開環重合させる工程を含むことを特徴とする、一般式

0017】
【化8】
【0018】(式中、x,MeおよびZは前述のとおり
)で示されるポリシロキサンスターポリマーの製造方法
に関する。
【0019】本発明のスターポリマーは、一般式(I)
から明らかなように、ベンゼン環を中心核とし、その1
,3,5−位の炭素原子より3本のシロキサン鎖が形成
され、その末端に基Zがある。該ポリシロキサン鎖は、
D3 のリビングアニオン開環重合によって得られ、平
衡化反応を伴わないので、そのシロキサン鎖の長さは、
ケイ素数3x+1個(ただし、Zがトリメチルシリル基
またはケイ素原子含有炭素官能性基の場合は、該Zのケ
イ素原子を含めて3x+2個)である。xは開環重合の
重合度であり、1本のシロキサン鎖あたり5〜100、
好ましくは10〜50である。xが5未満ではポリシロ
キサンとしての性質が十分でなく、またxが100を越
えると合成が困難になり、シロキサン鎖長の均一性も損
なわれる。
【0020】Zは、前述のリビングアニオン重合で得ら
れたままのリチウム末端ポリマーにおけるリチウム原子
;該ポリマーにトリメチルクロロシランのような1官能
性メチル系シランを反応させて末端を安定化したものに
おけるトリメチルシリル基;または前述のリチウム末端
ポリマーに炭素官能性ジメチルクロロシランを反応させ
て得られ、あるいは、該炭素官能基として導入したベン
ジルオキシ基からさらに脱ベンジルして得られた炭素官
能性ポリマーにおける、式(II)で示されるケイ素原
子含有炭素官能基性基である。
【0021】上記のケイ素原子含有炭素官能性基におい
て、aは3〜5の数である。aが3未満ではとくにYが
ヒドロキシル基などの炭素官能性基の場合に化学的に不
安定で、加水分解を受けやすい。
【0022】Yは、該スターポリマーないしその誘導体
の分子設計上、この部分で分子鎖の分岐を必要としない
ときはヒドロキシル基、メトキシ基、アセトキシ基また
はベンジルオキシ基から選ばれ、分子鎖を分岐させると
きは、式(III)で示される1価の基が選ばれる。式
(III)において、Xはヒドロキシル基、メトキシ基
、アセトキシ基またはベンジルオキシ基である。
【0023】本発明のスターポリマーは、次のようにし
て得ることができる。まず、n−ブチルリチウムのよう
なリチウム化剤を用いて、1,3,5−トリス(ジメチ
ルヒドロキシシリル)ベンゼンをリチウム化して、1,
3,5−ベンゼントリス(リチウムジメチルシラノラー
ト)を合成する。ついで、次式のようにこれを開始剤と
して、D3 の開環重合を行う。
【0024】
【化9】
【0025】(式中、xおよびMeは前述のとおりであ
る。)
【0026】これらの反応はいずれも、たとえば室温、
常圧のもとで、無溶媒または好ましくは溶媒の存在下に
行うことができる。溶媒としては、ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒;ベン
ゼン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、シクロヘキサンのような炭化水素系溶媒およびこれ
らの混合物などが用いられる。開始剤1モルに対するD
3 のモル数を変えて、任意のxのシロキサン鎖を形成
することができる。この反応は前述のようにリビングア
ニオン重合の機構で進行し、ケイ素数3x+1個で、分
子鎖長の分布が比較的にそろい、分子鎖の末端Zがリチ
ウム原子であるポリシロキサンスターポリマーが得られ
る。スターポリマーの分子量分布も狭く、分子量分布係
数(Mw /Mn )は1.5以下、xが20以下では
1.3以下に制御することができる。
【0027】このようにして得られた、末端がリチウム
原子であるスターポリマーに、リチウムと反応しうる1
官能性シランを反応させると、末端Zがトリメチルシリ
ル化して化学的に安定したポリシロキサンスターポリマ
ーが得られる。このような1官能性シランとしては、ト
リメチルクロロシラン、トリメチルブロモシラン、トリ
メチルシラノール、トリメチルメトキシシラン、トリメ
チルエトキシシランなどが例示されるが、容易に入手で
きる点でトリメチルクロロシランが好ましい。反応は室
温でも定量的に進行する。
【0028】Zがケイ素原子含有炭素官能性基のスター
ポリマーは、上述のようにD3 の開環重合によって得
られたZがリチウム原子であるスターポリマーに、相当
する炭素官能性基を有するジメチルクロロシラン誘導体
またはジメチルメトキシシラン誘導体を反応させて、合
成することができる。このようなシラン誘導体の例とし
て、この部分で分子鎖を分岐しない場合に用いるものと
しては、3−メトキシプロピルジメチルクロロシラン、
3−メトキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−ア
セトキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−ベンジ
ルオキシプロピルジメチルクロロシラン、3−ベンジル
オキシプロピルジメチルメトキシシラン、4−ベンジル
オキシブチルジメチルクロロシラン、4−ベンジルオキ
シブチルジメチルメトキシシランおよび5−ベンジルオ
キシペンチルジメチルクロロシランが挙げられる。また
この部分で分子鎖を分岐させる場合に用いるものとして
は、4,4−ビス(ベンジルオキシメチル)ブチルジメ
チルクロロシランなどが挙げられる。一般に、反応性の
点でジメチルクロロシラン誘導体が好ましい。
【0029】反応は室温でも進行するが、必要に応じて
温度を上げて反応を促進してもよい。また、反応は無溶
剤でも進行するが、前述のD3 のリビングアニオン重
合に用いたのと同じ溶媒の存在下に反応を行ってもよい
【0030】また、YまたはXがベンジルオキシ基であ
る炭素官能性基含有スターポリマーを、水素添加反応に
よって、そのYまたはXをヒドロキシル基に変えること
ができる。水素添加は、たとえば触媒としてカーボン担
持パラジウムを用い、室温で行うことができる。
【0031】一例として、このようにして得られたヒド
ロキシル基末端スターポリマーは、式(IV)又は式(
V)のような分子構造を有している。
【0032】
【化10】
【0033】
【化11】
【0034】(式中、Me、xおよびaは前述のとおり
である。)
【0035】このように、本願発明のポリシロキサンス
ターポリマーの製造方法は、開始剤として1,3,5−
ベンゼントリス(リチウムジメチウムシラノラート)を
用い、D3 のリビングアニオン機構による開環重合を
行うところに大きな特徴があり、これによって、シロキ
サン鎖の長さがそろい、分子量分布の狭いポリシロキサ
ンスターポリマーを得ることができる。
【0036】
【発明の効果】本発明によって、長さのそろった3本の
シロキサン鎖を有し、分子量分布の狭いポリシロキサン
スターポリマー得ることができる。また、このようなポ
リシロキサンスターポリマーを、少ない段階数で容易に
得ることができる。
【0037】本発明のポリシロキサンスターポリマーは
、目的に応じて、シロキサン鎖の末端を安定化してもし
なくてもよく、あるいは末端にケイ素原子含有炭素官能
性基を導入してもよい。このようなポリシロキサンスタ
ーポリマーは、液状のものが得られ、熱媒、潤滑剤、そ
の他の耐熱油として用いることができる。また、末端に
炭素官能性基を導入したものは、ここから有機高分子鎖
を形成するか、他の有機高分子と反応させるかして、ポ
リシロキサンと各種有機高分子とのブロック共重合体を
得ることができる。このようなブロック共重合体は、た
とえば生体適合性を有し、体内への埋入材料その他の医
用高分子材料として有用である。
【0038】
【実施例】以下、本発明を参考例および実施例によって
説明する。これらの参考例および実施例において、部は
重量部を表わす。なお、本発明はこれらの実施例によっ
て限定されるものではない。
【0039】参考例1 1,3,5−トリス(ジメチルヒドロキシシリル)ベン
ゼンの合成 撹拌器、温度計および乾燥管付滴下装置を備え、十分に
水分を除去した反応容器に、6.949部の金属マグネ
シウム、21.26部のジメチルクロロシランおよび1
77部のテトラヒドロフランを仕込み、撹拌しつつ25
部の1,3,5−トリブロモベンゼンを滴下した。滴下
終了後、さらに一夜撹拌を続けた。残存するマグネシウ
ムをろ過によって除去した後、テトラヒドロフランを留
去し、ジエチルエーテルを加えて抽出を行い、有機層よ
りジエチルエーテルを留去し、ついで減圧、蒸留により
、沸点88℃/1Torrの無色透明な液状物9.14
3部を得た。
【0040】ついで、同様の反応容器に、エタノール6
0.1部にナトリウム2部を溶解させた液体を仕込み、
これに水酸化ナトリウム7.11部、水6.10部およ
びメタノール34.4部の混合溶液を加えた。これに、
先に減圧蒸留によって得られた液状物を滴下した。さら
に30分撹拌した後、リン酸二水素カリウム63.14
部の水溶液を加えて撹拌を続けた。反応が完結した後、
ジエチルエーテルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで脱
水した後、ろ過し、溶媒を留去して、固体状の反応生成
物を得た。ベンゼンより再結晶して、融点168.5℃
の白色固体を得た。
【0041】核磁気共鳴装置JNM−FX900(日本
電子(株)製)によるNMRにより、得られた白色固体
が1,3,5−トリス(ジメチルヒドロキシシリル)ベ
ンゼンであることを確認した。 1H NMR ( MDSO−d6 )      δ
値(ppm):  0.3(s,6H) ,5.9(s
,1H)7.8(s,3H)
【0042】実施例1〜5 リチウム末端ポリシロキサンスターポリマーの合成水冷
ジャケット、撹拌器、温度計、乾燥窒素送気口および滴
下装置を備えた反応容器に、参考例1で合成した1,3
,5−トリス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン0
.1部と乾燥テトラヒドロフラン44.4部を仕込んだ
。乾燥窒素で系内を置換した後、反応容器を水冷しなが
ら、1.6Nのn−ブチルリチウムを含むn−ヘキサン
溶液0.42部をゆっくり滴下して、反応させて、1,
3,5−ベンゼントリス(リチウムジメチルシラノラー
ト)を得た。
【0043】上述のようにして得られたリチウム化合物
の溶液に、シロキサン鎖のxが10〜30になるよう、
5とおりの配合比を用いて、表1に示す量のD3 を1
7.8部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を加え
た。これを20℃で3時間撹拌して、D3 の開環重合
を行った。
【0044】
【表1】
【0045】実施例6〜10 トリメチルシリル末端ポリシロキサンスターポリマーの
合成 実施例1〜5で用いたのと同じ反応容器を用いた。表1
に示すように、実施例1〜5で合成したリチウム末端ポ
リシロキサンスターポリマーの溶液を仕込んだ。これを
撹拌、冷却しながら、過剰量のトリメチルクロロシラン
を滴下した。反応を2時間行った後、生成した塩化リチ
ウムをろ別し、液相を減圧蒸留により、溶媒および過剰
分のトリメチルクロロシランを留去して、無色透明の油
状物を得た。これにベンゼンを加えて溶液とし、凍結乾
燥によって精製した。IRおよびNMRによって油状物
を同定し、トリメチルシリル末端ポリシロキサンスター
ポリマーであることを確認した。 1H NMR   δ値(ppm):      0.
1(s,333H) ,7.3(s,3H)
【0046
】このようにして得られたトリメチルシリル末端ポリシ
ロキサンスターポリマーについて、トルエンを溶媒とす
るGPCを25℃で行い、RIでモニターして留出量曲
線を得た。これを、標準ポリスチレンによって補正して
、数平均分子量および分子量分布係数を求めた。一方、
該スターポリマーの数平均分子量をVPO法によって求
めた。これらの結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】参考例2 3−ベンジルオキシプロピルジメチルクロロシランの合
成 撹拌器、温度計および乾燥管付滴下装置を備えた反応容
器に、17.4部のアリルアルコール、7.2部の水素
化ナトリウムおよび177.6部のテトラヒドロフラン
を仕込み、撹拌した。これに51.3部の臭化ベンジル
を滴下したところ、反応によって臭化ナトリウムが沈殿
するのが認められた。これをろ化し、ついで減圧蒸留に
より、沸点95℃/20Torrの無色透明な液状物7
8.2部を得た。NMRによって、生成物がアリルベン
ジルエーテルであることを確認した。
【0049】ついで、この液状物に357部のジエチル
エーテル、50.0部のジメチルクロロシランおよび0
.2部の塩化白金酸を加え、撹拌しつつジエチルエーテ
ルの還流温度に加熱した。ジエチルエーテルを留去し、
減圧蒸留により、沸点100℃/1Torrの黄色透明
な液状物49.9部を得た。NMRにより、生成物が3
−ベンジルオキシプロピルジメチルクロロシランである
ことを確認した。 1H NMR   δ値(ppm):    0.3(
s,6H) ,0.8(t,2H) ,1.6(m,2
H)3.3(t,2H),4.4(s,2H) ,7.
2(s,5H)
【0050】実施例11 3−ベンジルオキシプロピル末端ポリシロキサンスター
ポリマーの合成 実施例3で合成したリチウム末端ポリシロキサンスター
ポリマー23.3部を含むテトラヒドロフラン溶液を撹
拌しながら、参考例2で合成した3−ベンジルオキシプ
ロピルジメチルクロロシラン3.0部を滴下した。滴下
終了後、さらに撹拌を2時間続けて反応を完結させた後
、減圧で溶媒を除去して、23.6部の生成物を得た。 NMRにより、生成物が3−ベンジルオキシプロピル末
端ポリシロキサンであることを確認した。 1H NMR   δ値(ppm):      0.
3(s,333H) ,0.8(t,6H) ,1.6
(m,6H) ,3.3(t,6H) ,4.4(s,
6H) ,7.2(m,15H),7.3(s,6H)
【0051】実施例12 3−ヒドロキシプロピル末端ポリシロキサンスターポリ
マーの合成 実施例11で合成した3−ベンジルオキシプロピル末端
ポリシロキサンスターポリマー20.0部を237部の
エタノールの溶解させて、反応容器に仕込んだ。10重
量%のパラジウムを含有するパラジウム/活性炭0.1
部を加え、水素ガスを満たし、20℃で8時間撹拌して
反応させた。反応終了後、パラジウム/活性炭をろ過し
、減圧下に溶媒を留去して、19.8部の生成物を得た
。NMRにより、ベンジルオキシ基が脱離してヒドロキ
シル基が生成していることを確認した。 1H NMR   δ値(ppm):      0.
3(s,333H) ,0.8(t,6H) ,1.6
(m,6H) ,3.3(t,6H) ,3.8(s,
3H) ,7.3(s,3H)
【0052】参考例3 4,4−ビス(ベンジルオキシメチル)ブチルジメチル
クロロシランの合成 5.7部のナトリウムと158部のエタノールをベンゼ
ンの存在下に加熱し、生成水をベンゼンとの共沸によっ
て除去する方法で調製したナトリウムエトキシドのエタ
ノール溶液に、40.0部のマロン酸ジエチルを加えた
後、32.0部の臭化アリルを滴下した。撹拌しつつ反
応溶液を20℃より徐々に加温して、80℃に2時間保
持した。生じた沈殿をろ過し、溶媒を減圧下で留去し、
残留物を減圧蒸留して、沸点112〜115℃/25T
orrのモノアリルマロン酸エチル41.0部を得た。 収率は理論量に対して82%であった。 1H NMR   δ値(ppm):      1.
2(t,6H) ,2.5(t,2H) ,3.3(m
,1H) ,4.0(q,4H) ,4.9(m,2H
) ,5.6(m,1H)
【0053】47.0部のリ
チウムアルミニウムハイドライドを444部のテトラヒ
ドロフランに懸濁させ、これを撹拌しつつ、上記のよう
にして得られた41.0部のモノアリルマロン酸エチル
を滴下した。滴下後、65℃で8時間還流させ、ついで
過剰の硫酸ナトリウムを加えてリチウムアルミニウムハ
イドライドを失活させ、沈殿をろ過した後、溶媒を減圧
下で除去し、残留物を減圧下で蒸留して、沸点83〜8
6℃/0.5Torrの残留物18.2部を得た。NM
Rにより、生成物が4.4−ビス(ヒドロキシメチル)
−1−ブテンであることを確認した。収率は理論量に対
して79%であった。 1H NMR   δ値(ppm):      1.
9(m,1H) ,3.5(m,4H) ,4.0(s
,2H) ,4.9(m,2H) ,5.7(m,1H
【0054】上記のようにして得られた21.0部の
4,4−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブテンを88
.8部のテトラヒドロフランに溶解し、これに10部の
水素化ナトリウムを加え、ついで撹拌しつつ65.0部
の臭化ベンジルを滴下した。反応により、臭化ナトリウ
ムの沈殿を生じたので、これをろ過し、減圧下で溶媒を
留去した後、減圧蒸留により、沸点170〜178℃/
0.5Torrの生成物32部を得た。
【0055】NMRにより、生成物が4,4−ビス(ベ
ンジルオキシメチル)−1−ブテンであることを確認し
た。収率は理論量に対して62%であった。 1H NMR   δ値(ppm):      2.
0(m,3H) ,3.4(d,4H) ,5.4(s
,4H) ,5.7(m,1H) ,5.9(m,2H
) ,7.2(m,10H)
【0056】ついで、この
生成物に、35.7部のジエチルエーテル、12部のジ
メチルクロロシランおよび0.1部の塩化白金酸を加え
、撹拌しつつジエチルエーテルの還流温度に2時間加熱
して、ヒドロシリル化反応を行った。反応後、ジエチル
エーテルを留去し、減圧蒸留により、沸点180〜18
5℃/0.5Torrの無色透明な液状物35部を得た
【0057】NMRにより、得られた液状物が4,4−
ビス(ベンジルオキシメチル)ブチルジメチルクロロシ
ランであることを確認した。収率は理論量に対して83
%であった。 1H NMR   δ値(ppm):      0.
3(s,6H) ,0.8(m,2H) ,1.7(m
,4H) ,1.8(m,1H) ,3.4(d,4H
) ,4.4(s,4H) ,7.2(m,10H)
【0058】実施例13 4,4−ビス(ベンジルオキシメチル)ブチル末端ポリ
シロキサンスターポリマーの合成 実施例3で合成したリチウム末端ポリシロキサンスター
ポリマー23  .3部を含有するテトラヒドロフラン
溶液を撹拌しつつ、参考例3で合成した4,4−ビス(
ベンジルオキシメチル)ブチルジメチルクロロシラン4
.5部を滴下した。滴下終了後、ろ過を行い、溶媒を減
圧で留去して、23.8部の生成物を得た。NMRによ
り、生成物が4,4−ビス(ベンジルオキシメチル)ブ
チル末端ポリシロキサンスターポリマーであることを確
認した。 1H NMR   δ値(ppm):      0.
2(s,342H) ,0.8(m,6H) ,1.7
(m,12H),1.8(m,3H) ,3.4(d,
12H),4.4(s,12H),7.2(m,30H
),7.3(s,3H)
【0059】実施例14 4,4−ビス(ヒドロキシメチル)ブチル末端ポリシロ
キサンスターポリマーの合成 実施例13で合成したポリシロキサンスターポリマー2
0.0部を237部のエタノールに溶解させて、反応容
器に仕込んだ。10重量%のパラジウムを含有するパラ
ジウム/活性炭0.1部を加え、水素ガスを満たし、2
0℃で8時間撹拌して反応させた。反応終了後、パラジ
ウム/活性炭をろ過し、減圧下に溶媒を留去して、19
.7部の生成物を得た。
【0060】NMRによっり、ベンジルオキシ基が離脱
してヒドロオキシル基が生成していることを確認した。 1H NMR   δ値(ppm):      0.
2(s,342H) ,0.8(m,6H) ,1.7
(m,12H),1.8(m,3H) ,3.4(d,
12H),3.8(s,6H) ,7.3(s,3H)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一般式 【化1】 (式中、xは5〜100の数を表わし;Meはメチル基
    を表わし;Zはリチウム原子、トリメチルシリル基また
    は式 【化2】 (式中、aは3〜5の数を表わし、Yはヒドロキシル基
    、メトキシ基、アセトキシ基、ベンジルオキシ基または
    式 【化3】 (式中、Xはヒドロキシル基、メトキシ基、アセトキシ
    基またはベンジルオキシ基を表わす)で示される1価の
    基を表わす)で示されるケイ素原子含有炭素官能性基を
    表わす)で示されるポリシロキサンスターポリマー。
  2. 【請求項2】  1,3,5−ベンゼントリス(リチウ
    ムジメチルシラノラート)を開始剤として、ヘキサメチ
    ルシクロトリシロキサンを開環重合させる工程を含むこ
    とを特徴とする、一般式 【化4】 (式中、x,MeおよびZは前述のとおり)で示される
    ポリシロキサンスターポリマーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023120191A1 (ja) * 2021-12-21 2023-06-29 株式会社資生堂 高分子化合物

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