JP3159730B2 - ポリシロキサン・ポリラクトンブロック共重合体およびその製造方法 - Google Patents

ポリシロキサン・ポリラクトンブロック共重合体およびその製造方法

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JP3159730B2
JP3159730B2 JP12825791A JP12825791A JP3159730B2 JP 3159730 B2 JP3159730 B2 JP 3159730B2 JP 12825791 A JP12825791 A JP 12825791A JP 12825791 A JP12825791 A JP 12825791A JP 3159730 B2 JP3159730 B2 JP 3159730B2
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淑夫 今井
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ジーイー東芝シリコーン株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中心核としてベンゼン
環を有するスターポリマー型のポリシロキサンブロック
ならびにシロキサン鎖の先端に結合部を介して結合した
ポリラクトンブロックからなることを特徴としたポリシ
ロキサン・ポリラクトンブロック共重合体に関する。さ
らに本発明は、そのようなブロック共重合体の製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリジメチルシロキサンのようなポリシ
ロキサンブロックと、ポリカプロラクトンのようなポリ
ラクトンとのブロック共重合体は知られている。
【0003】たとえば、特開昭59−207922号公
報、同61−66722号公報等には、直鎖状ポリシロ
キサン、とくに分子末端にシラノール基、シリルアミノ
基のようなケイ素官能性基を有するポリジオルガノシロ
キサンの末端にラクトンを重合させて得られたターブロ
ックまたはポリブロックの鎖状ブロック共重合体が開示
されている。このような共重合体は、ポリシロキサンと
ポリラクトンとの結合部がSi−O−C結合によるた
め、耐加水分解性が十分ではない。
【0004】両セグメントの結合の耐加水分解性を上げ
るために、ポリシロキサンの末端または側鎖に炭素官能
性基を導入し、そこを起点としてラクトンの重合を行う
方法によって、耐加水分解性のブロック共重合体やグラ
フト共重合体を得ることができる。このような方法で得
られるポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂が、特開平
1−299819号公報、同2−102096号公報、
同2−228323号公報に開示されている。また、同
様な方法で得られた、ポリシロキサンを幹とし、ポリエ
ーテル部分とポリラクトン部分からなる側鎖を有するグ
ラフト共重合体が、特開平2−272021号公報に開
示されている。製造法は異なるが、類似の構造をもつグ
ラフト共重合体は、特公昭50−39648号公報にも
開示されている。
【0005】しかし、このような公知のポリシロキサン
−ポリラクトンブロックないしグラフト共重合体は、い
ずれも直鎖状または若干の分岐を含むポリシロキサンセ
グメントの一方ないし両方の末端にポリラクトンセグメ
ントを有するか、同様のポリシロキサンの側鎖としてポ
リラクトン鎖を形成させたものである。本発明のような
ポリシロキサンスターポリマーの各シロキサン鎖の先端
にポリラクトンを形成したものは、今までに得られてい
ない。
【0006】また、上記の従来の共重合体は、いずれも
分子量分布を制御しにくい反応機構によっているため、
生体適合性ポリマーとしてミクロドメイン形成を目的と
した分子設計を行うのに十分な分子量分布を得るに至っ
ていない。
【0007】さらに、鎖状の2〜3ブロックからなるブ
ロック共重合体の場合、必要な分子量のポリマーの分子
サイズが大きくなり、ミクロドメイン構造の設計上の制
約がある。
【0008】従来から、中心核として原子または原子団
があり、その外側に規則的に直鎖ないし分岐鎖を有する
スターポリマーないしスターバーストポリマーには、各
種のものが知られている。Voegtleらはベンゼン
環を核として、その6個の炭素原子より、それぞれチオ
エチレン単位およびオキシエチレン単位からなる分子鎖
が形成されたスターポリマーを合成し、このようなポリ
マーに金属イオン取り込み作用があることを見出した
(F.Voegtleら、Angew.Chem.In
t.Ed.Engl.,13巻、814頁(1974)
参照)。
【0009】また、Tomaliaらは、アンモニアを
核とし、アクリル酸メチルのマイケル付加反応と、エチ
レンジアミンによるアミノ化を繰返すことにより、樹枝
状に分岐した分子構造を有するポリアミドアミン系のス
ターバーストポリマーを得ている(D.A.Tomil
iaら、Angew.Chemie.Intern.E
d.Engl.,29巻、138頁(1990)参
照)。
【0010】ポリシロキサンにおいても、本発明者らに
よって、メチルトリクロロシランのケイ素原子を中心核
とした各種のポリシロキサン系のスターポリマーが得ら
れている。すなわち、メチルトリクロロシランとリチウ
ムフェニルジメチルシラノラートとから脱塩反応によっ
て分岐状骨格を有するテトラシロキサンを得、これに臭
素を作用させてフェニル基を臭素原子で置換し、ついで
ジエチルアミンのようなジアルキルアミンによってアミ
ノ化し、さらにフェニルジメチルシラノールを反応させ
る。このことを繰返して3本のシロキサン鎖を伸ばすこ
とができる。
【0011】さらに、その過程で、次のようにして合成
した分岐状骨格を有する化合物をフェニルジメチルシラ
ノールの代わりに用いることによって、分岐を生ずるこ
とができる。すなわち、1分子のメチルトリクロロシラ
ンと2分子のナトリウムフェニルジメチルシラノラート
から脱塩反応によってトリシロキサンを得、残余の1個
の塩素原子を加水分解した後、ジメチルジクロロシラン
の1個の塩素原子との脱塩酸反応を行い、ついで、上記
の反応によって導入された塩素原子を加水分解すること
によって、(ジメチルヒドロキシシロキシ)ビス(フェ
ニルジメチルシロキシ)メチルシランを得る。この分岐
状骨格を有するテトラシロキサンは、その3個のケイ素
原子のうち1個がヒドロキシル基、他の2個がフェニル
基と結合しているので、これを前述のアミノ化されたシ
ロキサンと反応させることによって、分子鎖端に2個の
フェニル基を含有するトリシロキサン単位を導入し、つ
いで前述と同様に臭素化脱フェニルし、さらにアミノ化
反応以下を繰返せば、分岐を生ずることができる(森川
ら、高分子学会予稿集、39巻308頁(1990);
森川ら、ファインケミカル、1990年17号5頁参
照)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、容易
に合成することができ、分子量を制御しうるスターポリ
マー型のポリシロキサン・ポリラクトンブロック共重合
体を得ることにある。
【0013】本発明のもうひとつの目的は、上記のスタ
ーポリマー型のポリシロキサン・ポリラクトンブロック
共重合体の有利な合成法を得ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、一般
【0015】
【化7】
【0016】(式中、xは5〜100の数を表わし;M
eはメチル基を表わす)で示されるポリシロキサンブロ
ックと、そのシロキサン鎖の先端に
【0017】
【化8】
【0018】または
【0019】
【化9】
【0020】(式中、aは3〜5の数を表わし;ケイ素
原子はシロキサン鎖に結合する)で示される結合部を介
して結合した、式
【0021】
【化10】
【0022】(式中、Eは末端基を表わし;bは3〜5
の数を表わし;yは1〜200の数を表わす)で示され
るポリラクトンセグメントからなることを特徴とするポ
リシロキサン・ポリラクトンブロック共重合体に関し、
また1,3,5−ベンゼントリス(リチウムジメチルシ
ラノラート)を開始剤として、ヘキサメチルシクロトリ
シロキサン(以下、D3 という)を開環重合させる工
程;そのシロキサン鎖の先端に、式
【0023】
【化11】
【0024】または式
【0025】
【化12】
【0026】(式中、aは前述のとおり)で示される結
合部を形成させる工程;及びラクトンをアニオン開環重
合させる工程を含むことを特徴とする、上述のポリシロ
キサン・ポリラクトンブロック共重合体の製造方法に関
する。
【0027】本発明のポリシロキサン・ポリラクトンブ
ロック共重合体は、ベンゼン環を中心核とし、その1,
3,5−位の炭素原子より3本のシロキサン鎖が形成さ
れてなる、式(I)に示されるポリシロキサンセグメン
トと、上記のシロキサン鎖の末端に、結合部を介して結
合するポリラクトンセグメントからなっている。
【0028】ポリシロキサン鎖は、D3 のリビングアニ
オン開環重合によって得られ、平衡化反応を伴わないの
で、そのシロキサン鎖の長さは、ケイ素数3x+1個
(後述の結合部形成反応で導入されるケイ素原子を含め
て3x+2個)である。xは開環重合の重合度であり、
1本のシロキサン鎖あたり5〜100、好ましくは10
〜50である。xが5未満ではポリシロキサンとしての
性質が十分でなく、またxが100を越えると合成が困
難になり、シロキサン鎖長の均一性も損なわれる。
【0029】結合部は、その部分で分岐を行わない式
(II)に示す構造か、分岐を行う式(III)に示す
構造である。aは3〜5の範囲から選ばれる。aが3未
満では、とくに式(II)に示す構造の場合、化学的に
不安定で、加水分解を受けやすい。一方、aが5を越え
ると合成しにくい。該結合部のケイ素原子はシロキサン
鎖に結合して、その一端を形成する。
【0030】ポリラクトンセグメントは上記の結合部の
炭素原子に結合し、式(IV)で表わされる。式(I
V)において、bは3〜5の数を表わし、好ましくは5
である。yは1〜200、好ましくは3〜50の数を表
わす。また末端基Eは、重合を行った時点ではリチウム
であるが、反応を水、アルコールなどで止めることによ
り、水素原子またはアルキル基とすることができる。ア
ルキル基は、用いるアルコールの種類に応じて、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチルなどであり、メチル基が
一般的である。
【0031】本発明のブロック共重合体は、次のように
して得ることができる。まず、n−ブチルリチウムのよ
うなリチウム化剤を用いて、1,3,5−トリス(ジメ
チルヒドロキシシリル)ベンゼンをリチウム化して1,
3,5−ベンゼントリス(リチウムジメチルシラノラー
ト)を合成する。ついで、次式のように、これを開始剤
として、D3 の開環重合を行う。
【0032】
【化13】
【0033】(式中、xおよびMeは前述のとおりであ
る。)
【0034】これらの反応はいずれも、たとえば室温、
常圧のもとで、無溶媒または好ましくは溶媒の存在下に
行うことができる。溶媒としては、ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒;ベン
ゼン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、シクロヘキサンのような炭化水素系溶媒およびこれ
らの混合物などが用いられる。開始剤1モルに対するD
3 のモル数を変えて、任意のxのシロキサン鎖を形成す
ることができる。この反応は前述のようにリビングアニ
オン重合の機構で進行し、ケイ素数3x+1個で、分子
鎖長の分布が比較的にそろい、分子鎖の末端Zがリチウ
ム原子であるポリシロキサンスターポリマーが得られ
る。スターポリマーの分子量分布も狭く、分子量分布系
数(Mw/Mn)は1.5以下、xが20以下では1.
3以下に制御することができる。
【0035】このようにして得られた、シロキサン鎖の
末端にリチウム原子を有するポリシロキサン型スターポ
リマーに、相当する炭素官能性基を有するジメチルクロ
ロシラン誘導体またはジメチルメトキシシラン誘導体を
反応させて、結合部を導入することができる。このよう
なシラン誘導体の例として、この部分で分子鎖を分岐し
ない場合に用いるものとしては、3−ベンジルオキシプ
ロピルジメチルクロロシラン、3−ベンジルオキシブチ
ルジメチルメトキシシラン、4−ベンジルオキシブチル
ジメチルクロロシラン、4−ベンジルオキシブチルジメ
チルメトキシシランおよび5−ベンジルオキシペンチル
ジメチルクロロシランなどが挙げられる。またこの部分
で分子鎖を分岐させる場合に用いるものとしては、4,
4−ビス(ベンジルオキシメチル)ブチルジメチルクロ
ロシランなどが挙げられる。一般に、反応性の点でジメ
チルクロロシラン誘導体が好ましい。反応は室温でも進
行するが、必要に応じて温度を上げて反応を促進しても
よい。また、反応は無溶剤でも進行するが、前述のD3
のリビングアニオン重合に用いたのと同じ溶媒の存在下
に反応を行ってもよい。
【0036】次に、YまたはXがベンジルオキシ基であ
る炭素官能性基含有スターポリマーを、水素添加反応に
よって、そのYまたはXをヒドロキシル基に変える。水
素添加は、たとえば触媒としてカーボン担持パラジウム
を用い、室温で行うことができる。
【0037】ついで、結合部の末端ヒドロキシル基をリ
チウム化する。すなわち、n−ブチルリチウムを反応さ
せる。反応は、たとえば−70℃から+50℃までの温
度で、溶媒の存在下に行うことができる。溶媒として
は、前述の1,3,5−ベンゼントリス(リチウムジメ
チルシラノラート)の合成の際と同様のものが例示され
る。
【0038】このようにして得られたリチウム化合物を
開始剤として、ラクトンの開環重合を行う。ラクトンと
しては、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトンおよ
びε−カプロラクトンが挙げられ、ε−カプロラクトン
が好ましい。この開環重合も、D3 の場合と同様、リビ
ングアニオン重合の機構で進行するので、分子鎖長がそ
ろったポリラクトンセグメントが得られる。このように
して得られたポリラクトン鎖の末端は活性のリチウム原
子である。反応終了後、水またはアルコールで処理し
て、処理剤に応じて末端基を水素原子またはアルキル基
にすることができる。アルコールとしては、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブチルアルコール
などが例示される。
【0039】
【発明の効果】本発明によって、スターポリマー構造の
ポリシロキサン・ポリラクトンブロック共重合体および
その製造方法を提供することができる。本発明によって
得られるブロック共重合体は、シロキサン鎖、ポリラク
トン鎖ともにリビングアニオン重合によって形成される
ので、それぞれの鎖長のそろったものが得られる。
【0040】ポリジメチルシロキサンの生体適合性に優
れていることは知られている。これにポリラクトンを共
重合させるとき、鎖状ポリマーに比べて、本発明のスタ
ーポリマーの方が、中心ポリシロキサンセグメントを分
子サイズとして小さくできるので、分子設計上、有利で
ある。
【0041】本発明のブロック共重合体は、医用高分子
材料などとして有用である。
【0042】
【実施例】以下、本発明を参考例および実施例によって
説明する。これらの参考例および実施例において、部は
重量部を表わす。なお、本発明はこれらの実施例によっ
て限定されるものではない。
【0043】参考例1 1,3,5−トリス(ジメチルヒドロキシシリル)ベン
ゼンの合成 撹拌器、温度計および乾燥管付滴下装置を備え、十分に
水分を除去した反応容器に、6.949部の金属マグネ
シウム、21.26部のジメチルクロロシランおよび1
77部のテトラヒドロフランを仕込み、撹拌しつつ25
部の1,3,5−トリブロモベンゼンを滴下した。滴下
終了後、さらに一夜撹拌を続けた。残存するマグネシウ
ムをろ過によって除去した後、テトラヒドロフランを留
去し、ジエチルエーテルを加えて抽出を行い、有機層よ
りジエチルエーテルを留去し、ついで減圧蒸留により、
沸点88℃/1Torrの無色透明な液状物9.143部を
得た。
【0044】ついで、同様の反応容器に、エタノール6
0.1部にナトリウム2部を溶かした液体を仕込み、こ
れに水酸化ナトリウム7.11部、水6.10部および
メタノール34.4部の混合液を加えた。これに、先に
減圧蒸留によって得られた液状物を滴下した。さらに3
0分撹拌した後、リン酸二水素カリウム63.14部の
水溶液を加えて撹拌を続けた。反応が完結した後、ジエ
チエーテルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで脱水した
後、ろ過し、溶媒を留去して、固体状の反応生成物を得
た。ベンゼンより再結晶して、融点168.5℃の白色
固体を得た。
【0045】核磁気共鳴装置JNM−FX900(日本
電子(株)製)によるNMRにより、得られた白色固体
が1,3,5−トリス(ジメチルヒドロキシシリル)ベ
ンゼンであることを確認した。1 H NMR(MDSO−d6) δ値(ppm): 0.3(s,6H),
5.9(s,1H)7.8(s,3H)
【0046】実施例1 リチウム末端ポリシロキサンスターポリマーの合成 水冷ジャケット、撹拌器、温度計、乾燥窒素送気口およ
び滴下装置を備えた反応容器に、参考例1で合成した
1,3,5−トリス(ジメチルヒドロキシシリル)ベン
ゼン0.1部と乾燥テトラヒドロフラン44.4部を仕
込んだ。乾燥窒素で系内で置換した後、反応容器を水冷
しながら、1.6Nのn−ブチルリチウムを含むn−ヘ
キサン溶液0.42部をゆっくり滴下して、反応させ
て、1,3,5−ベンゼントリス(リチウムジメチルシ
ラノラート)を得た。
【0047】次に、このようにして得られたリチウム化
合物の溶液に、6.28部のD3 を17.8部のテトラ
ヒドロフランに溶解して得た溶液を混合した。この混合
溶液を20℃で3時間撹拌することにより、D3 の開環
重合を行った。
【0048】なお、このようにして得られたリチウム末
端ポリシロキサンスターポリマーの溶液に、過剰量のト
リメチルクロロシランを滴下して末端をトリメチルシリ
ル化し、ついで溶媒および過剰分のトリメチルクロロシ
ランを留去して得られた無色透明の油状物にベンゼンを
加え、冷凍乾燥によって精製したものは、NMRによっ
て、トリメチルシリル末端スターポリマーであることを
確認できた。1 H NMR δ値(ppm) : 0.1(s,333H), 7.3(s,3
H)
【0049】また、この油状物について、トルエンを溶
媒とし、RIでモニターしたGPC畄出量曲線を標準ポ
リスチレン試料と比較することによって、数平均分子量
(Mn)及び分子量分布計数(Mw/Mn)を求め、ま
たVPOによってMnを求めたところ、次のような値を
得た。なお、上記の配合比から求められる各シロキサン
鎖のxは30であり、Mnの理論量は20、500であ
って、測定結果はこれを裏付けていた。 GPC Mn:22,500 Mw/Mn:1.47 VPO Mn:18,300
【0050】参考例2 3−ベンジルオキシプロピルジメチルクロロシランの合
成 撹拌器、温度計および乾燥管付滴下装置を備えた反応容
器に、17.4部のアリルアルコール、7.2部の水素
化ナトリウムおよび177.6部のテトラヒドロフラン
を仕込み、撹拌した。これに51.3部の臭化ベンジル
を滴下したところ、反応によって臭化ナトリウムが沈殿
するのが認められた。これをろ過し、ついで減圧蒸留に
より、沸点95℃/20Torrの無色透明な液状物78.
2部を得た。NMRによって、生成物がアリルベンジル
エーテルであることを確認した。
【0051】ついで、この液状物に357部のジエチル
エーテル、50.0部のジメチルクロロシラン及び0.
2部の塩化白金酸を加え、撹拌しつつジエチルエーテル
の還流温度に加熱した。ジエチルエーテルを留去し、減
圧蒸留により、沸点100℃/1Torrの黄色透明な液状
物49.9部を得た。NMRにより、生成物が3−ベン
ジルオキシプロピルメチルクロロシランであることを確
認した。1 H NMR δ値(ppm): 0.3(s,6H), 0.8(t,2H), 1.
6(m,2H),3.3(t,2H), 4.4(s,2H), 7.2(s,5H)
【0052】実施例2 3−ベンジルオキシプロピル末端ポリシロキサンスター
ポリマーの合成 実施例1で合成したリチウム末端ポリシロキサンスター
ポリマー23.3部を含むテトラヒドロフラン溶液を撹
拌しながら、参考例2で合成した3−ベンジルオキシプ
ロピルジメチルクロロシラン3.0部を滴下した。滴下
終了後、さらに撹拌を2時間続けて反応を完結させた
後、減圧で溶媒を除去して、23.6部の生成物を得
た。NMRにより、生成物が3−ベンジルオキシプロピ
ル末端ポリシロキサンであることを確認した。1 H NMR δ値(ppm): 0.3(s,333H), 0.8(t,6H),
1.6(m,6H),3.3(t,6H), 4.4(s,6H), 7.2(m,15H),7.3
(s,6H)
【0053】実施例3 3−ヒドロキシプロピル末端ポリシロキサンスターポリ
マーの合成 実施例2で合成した3−ベンジルオキシプロピル末端ポ
リシロキサンスターポリマー20.0部を237部のエ
タノールに溶解させて、反応容器に仕込んだ。10重量
%のパラジウムを含有するパラジウム/活性炭0.1部
を加え、水素ガスを満たし、20℃で8時間撹拌して反
応させた。反応終了後、パラジウム/活性炭をろ過し、
減圧下に溶媒を留去して、19.8部の生成物を得た。
【0054】NMRにより、ベンジルオキシ基が脱離し
てヒドロキシル基が生成していることを確認した。1 H NMR δ値(ppm): 0.3(s,333H), 0.8(t,6H),
1.6(m,6H),3.3(t,6H), 3.8(s,6H), 7.3(s,3H)
【0055】参考例3 4,4−ビス(ベンジルオキシメチル)ブチルジメチル
クロロシランの合成 5.7部のナトリウムと158部のエタノールをベンゼ
ンの存在下に加熱し、生成水をベンゼンとの共沸によっ
て除去する方法で調製したナトリウムエトキシドのエタ
ノール溶液に、40.0部のマロン酸ジエチルを加えた
後、32.0部の臭化アリルを滴下した。撹拌しつつ反
応溶液を20℃より徐々に加温して、80℃に2時間保
持した。生じた沈殿をろ過し、溶媒を減圧下で留去し、
残留物を減圧蒸留して、沸点112〜115℃/25To
rrのモノアリルマロン酸エチル41.0部を得た。収率
は理論量に対して82%であった。1 H NMR δ値(ppm): 1.2(t,6H), 2.5(t,2H), 3.
3(m,1H),4.0(q,4H), 4.9(m,2H), 5.6(m,1H)
【0056】47.0部のリチウムアルミニウムハイド
ライドを444部のテトラヒドロフランに懸濁させ、こ
れを撹拌しつつ、上記のようにして得られた41.0部
のモノアリルマロン酸エチルを滴下した。滴下後、65
℃で8時間還流させ、ついで過剰の硫酸ナトリウムを加
えてリチウムアルミニウムハイドライドを失活させ、沈
殿をろ過した後、溶媒を減圧下で除去し、残留物を減圧
下で蒸留して、沸点83〜86℃/0.5Torrの残留物
18.2部を得た。NMRにより、生成物が4,4−ビ
ス(ヒドロキシメチル)−1−ブテンであることを確認
した。収率は理論量に対して79%であった。1 H NMR δ値(ppm): 1.9(m,1H), 3.5(m,4H), 4.
0(s,2H),4.9(m,2H), 5.7(m,1H)
【0057】上記のようにして得られた21.0部の
4,4−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブテンを8
8.8部のテトラヒドロフランに溶解し、これに10部
の水素化ナトリウムを加え、ついで撹拌しつつ65.0
部の臭化ベンジルを滴下した。反応により、臭化ナトリ
ウムの沈殿を生じたので、これをろ過し、減圧下で溶媒
を留去した後、減圧蒸留により、沸点170〜178℃
/0.5Torrの生成物32部を得た。
【0058】NMRにより、生成物が4,4−ビス(ベ
ンジルオキシメチル)−1−ブテンであることを確認し
た。収率は理論量に対して62%であった。1 H NMR δ値(ppm): 2.0(m,3H), 3.4(d,4H), 5.
4(s,4H),5.7(m,1H), 5.9(m,2H), 7.2(m,10H)
【0059】ついで、この生成物に、35.7部のジエ
チルエーテル、12部のジメチルクロロシランおよび
0.1部の塩化白金酸を加え、撹拌しつつジエチルエー
テルの還流温度に2時間加熱して、ヒドロシリル化反応
を行った。反応後、ジエチルエーテルを留去し、減圧蒸
留により、沸点180〜185℃/0.5Torrの無色透
明な液状物35部を得た。
【0060】NMRにより、得られた液状物が4,4−
ビス(ベンジルオキシメチル)ブチルジメチルクロロシ
ランであることを確認した。収率は理論量に対して83
%であった。1 H NMR δ値(ppm): 0.3(s,6H), 0.8(m,2H), 1.
7(m,6H),1.8(m,1H), 3.4(d,4H), 4.4(s,4H)7.2(m,
10H)
【0061】実施例4 4−4−ビス(ベンジルオキシメチル)ブチル末端ポリ
シロキサンスターポリマーの合成 実施例1で合成したリチウム末端ポリシロキサンスター
ポリマー23.3部を含有するテトラヒドロフラン溶液
を撹拌しつつ、参考例3で合成した4,4−ビス(ベン
ジルオキシメチル)ブチルジメチルクロロシラン4.5
部を滴下した。滴下終了後、ろ過を行い、溶媒を減圧で
留去して、23.6の生成物を得た。NMRにより、生
成物が4,4−ビス(ベンジルオキシメチル)ブチル末
端ポリシロキサンスターポリマーであることを確認し
た。1 H NMR δ値(ppm): 0.2(s,342H), 0.8(m,6H),
1.7(m,12H),1.8(m,3H), 3.4(d,12H)4.4(s,12H),7.2
(m,30H),7.3(s,3H)
【0062】実施例5 4,4−ビス(ヒドロキシメチル)ブチル末端ポリシロ
キサンスターポリマーの合成 実施例4で合成したポリシロキサンスターポリマー2
0.0部を237部のエタノールに溶解させて、反応容
器に仕込んだ。10重量%のパラジウムを含有するパラ
ジウム/活性炭0.1部を加え、水素ガスを満たし、2
0℃で8時間撹拌して反応させた。反応終了後、パラジ
ウム/活性炭をろ過し、減圧下に溶媒を留去して、1
9.7部の生成物を得た。
【0063】NMRによりベンジルオキシ基が離脱して
ヒドロキシル基が生成していることを確認した。1 H NMR δ値(ppm): 0.2(s,342H), 0.8(m,6H),
1.7(m,12H),1.8(m,3H), 3.4(d,12H),3.8(s,6H), 7.
3(s,3H)
【0064】実施例6 実施例3で合成した3−ヒドロキシプロピル末端ポリシ
ロキサンスターポリマー3.68部を43.3部のトル
エンに溶解させ、これに1.6Nのn−ブチルリチウム
を含むn−ヘキサン溶液0.62部を加え、室温で撹拌
して反応させることにより、末端をリチウム化した。こ
の溶液に3.68部のε−カプロラクトンを加え、室温
で1時間撹拌して、ε−カプロラクトンの開環重合を行
った。反応後、トルエンを減圧で畄去し、残存物を水洗
し、ついで減圧により乾燥して、無機透明の固体を得
た。NMRにより、ジメチルシリル基、ジメチレン基、
メチレンオキシ基、メチレンカルボニル基およびベンゼ
ン環の存在を確認した。1 H NMR δ値(ppm): 0.1(s,強度比1), 1.65
(m,0.45),2.35(m,強度比0.215), 4.1 (m,強度比0.21
5),7.3(s,強度比0.015)
【0065】この重合体の熱分析を行ったところ、−4
8.9℃および−41.9℃の2つの温度でTgが観測
され、融点は54.3℃であった。比較のためにε−カ
プロラクトンの高重合体について同様の熱分析を行った
ところ、Tgは12.1℃、融点は65.6℃であっ
た。このように、2つのTgが存在することは、得られ
た重合体が2種類のセグメントからなるブロック共重合
体であることを示唆している。
【0066】得られた共重合体は、ベンゼン環の1,
3,5−位から、式(Va)のような分子鎖が3本延び
ている分子構造を含むポリシロキサン・ポロラクトン共
重合体スターポリマーと判断される。
【0067】
【化14】
【0068】実施例7 実施例5で合成した4,4−ビス(ヒドロキシメチル)
ブチル末端ポリシロキサンスターポリマーを用いて、同
様の実験を行った。すなわち、該ポリマー3.74部を
84.7部のトルエンに溶解させ、これに1.6Nのn
−ブチルリチウムを含むn−ヘキサン溶液1.25部を
加えた。この溶液に7.36部のε−カプロラクトンを
加え、以下実施例6と同様にして無色透明の固体を得
た。
【0069】得られた共重合体は、ベンゼン環の1,
3,5−位から、式(Vb)のような、結合部で分岐し
てそれぞれ2本のポリラクトン鎖を含む分子鎖が3本延
びている分構造を含むポリシロキサン・ポリラクトン共
重合スターポリマーと判断される。
【0070】
【化15】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/44 C08G 77/445 C08G 77/50 C08G 77/52

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、xは5〜100の数を表わし;Meはメチル基
    を表わす)で示されるポリシロキサンブロックと、その
    シロキサン鎖の先端に 【化2】 または 【化3】 (式中、Meは前述のとおりであり;aは3〜5の数を
    表わし;ケイ素原子はシロキサン鎖に結合する)で示さ
    れる結合部を介して結合した、式 【化4】 (式中、Eは、リチウム原子、水素原子および炭素原子
    1〜4のアルキル基からなる群より選ばれる末端基を表
    わし;bは3〜5の数を表わし;yは1〜200の数を
    表わす)で示されるポリラクトンセグメントからなるこ
    とを特徴とするポリシロキサン・ポリラクトンブロック
    共重合体。
  2. 【請求項2】 1,3,5−ベンゼントリス(リチウム
    ジメチルシラノラート)を開始剤として、ヘキサメチル
    シクロトリシロキサンを開環重合させる工程;得られた
    シロキサン鎖の先端に、炭素官能性を有するジメチルク
    ロロシラン誘導体またはジメチルメトキシシラン誘導体
    を反応させて、式 【化5】 または式 【化6】 (式中、Meおよびaは前述のとおり)で示される結合
    部を形成させる工程;及びラクトンをアニオン開環重合
    させる工程を含むことを特徴とする、請求項1記載のポ
    リシロキサン・ポリラクトンブロック共重合体の製造方
    法。
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