JPH04330711A - X線マスク材料 - Google Patents

X線マスク材料

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JPH04330711A
JPH04330711A JP3011180A JP1118091A JPH04330711A JP H04330711 A JPH04330711 A JP H04330711A JP 3011180 A JP3011180 A JP 3011180A JP 1118091 A JP1118091 A JP 1118091A JP H04330711 A JPH04330711 A JP H04330711A
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ray
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thermal expansion
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英明 三ッ井
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洋一 山口
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稔 菅原
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  • Glass Compositions (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線リソグラフィーに
用いられるX線マスク材料に関し、詳しくは平坦性の向
上、パターンシフトに影響をおよぼすマスクメンブレン
内のひずみ(以下、面内ひずみということがある)を低
減させたX線マスク材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体産業において、シリコン基
板等に微細パターンからなる集積回路を形成する技術に
は、露光用電磁波として、可視光や紫外光を用いて微細
パターンを転写するフォトリソグラフィー法が用いられ
てきた。しかし近年、半導体技術の進歩とともに、超L
SIなどの半導体装置の高集積化が著しく進み、このよ
うな背景にともない、従来のフォトリソグラフィー法に
用いてきた可視光や紫外光での転写限界を越えた高精度
の微細パターンの転写技術が要求されるに至った。この
ような微細パターンを転写させるために、より波長の短
いX線を露光用電磁波として用いるX線リソグラフィー
法が試みられている。このX線リソグラフィー法におい
て、X線マスクは従来のフォトリソグラフィー法におけ
るフォトマスクと同様に、ステッパーへの装着などのさ
まざまな取扱いを受ける。このような取扱いの際のマス
ク破損の危険性を減少させ、取扱い上の安全性を付与す
ることを考慮し、X線マスク基板に支持枠(支持体)を
固定する必要がある。従来、このための支持枠接着はエ
ポキシ樹脂などに代表される有機高分子系の接着剤を用
いて行っていた。あるいは、接着剤を使用しない方法と
しては、陽極接合の技術を用いて硼珪酸ガラス(例えば
重量%表示でSiO2 :81.0%、Al2 O3 
:2.0%、Na2 O:4.0%およびB2 O3 
:13.0%からなる熱膨張係数が3.1×10−6/
℃の硼珪酸ガラスが従来より用いられている)からなる
ガラス支持枠をX線マスク基板に接着する方法も試みら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、X線リソグラ
フィー法におけるX線マスクは、感光面に対して10〜
50μmの微小な間隔でパターン露光する近接露光法で
使用されるため、先に述べたような接着剤によりマスク
基板と支持枠の接着を行うと、接着剤自体の厚みのばら
つきがコントロールできないことにより、X線ステッパ
ーにおける微細パターンの転写において、ウェーハー上
の感光面に対して垂直方向の間隔精度(以下、ギャップ
精度ということがある)を得ることが困難になった。さ
らに、X線マスクを使用して高強度X線照射により微細
パターンの転写を行うにあたって、接着剤の耐熱性、耐
放射線性が十分でなく、接着剤の経時劣化による耐久性
の低下やこれにより発生するダストの問題等も、従来の
接着剤使用における欠点であった。一方、陽極接合の技
術を用いての接着は、接着剤による厚みのばらつきがな
いので、垂直方向の間隔精度の制御には効果があったが
、ガラス支持枠に使用する、前記従来の硼珪酸ガラスの
熱膨張による伸び率(硼珪酸ガラスの熱膨張係数:3.
1×10−6/℃)とマスク基板に使用するシリコンウ
ェーハーの熱膨張による伸び率(シリコン結晶板の熱膨
張係数:3.4×10−6/℃)が異なることが問題と
なった。すなわち、室温〜250℃付近までは上述の硼
珪酸ガラスの熱膨脹による伸び率の方がシリコン結晶の
伸び率より大きいのに対し、これ以上の温度領域ではシ
リコン結晶のそれの方が大きくなり、硼珪酸ガラスとシ
リコン結晶の熱膨張による伸び率の差の符号が250℃
付近にて逆転するために、接着時およびマスク製作にお
ける熱履歴によりマスクひずみが生じてパターンの転写
精度を低下させるという欠点がある。
【0004】すなわちX線マスクの製造において従来法
では、いずれの方法を用いてもX線リソグラフィー法に
おけるパターンの転写精度に影響をおよぼし、垂直方向
のギャップ精度の制御、およびマスク面内ひずみの低減
を同時に達成できないという欠点があった。
【0005】本発明の目的は、前述の従来法における課
題を解決するためになされたものであり、高精度のギャ
ップ精度が得られ、マスク面内ひずみを低減したX線マ
スク材料を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するためになされたものであり、本発明は、X線透
過膜を有するシリコン基板のシリコン部のシリコン表面
の一部又は全部と支持枠とを陽極接合法により接合させ
たX線マスク材料において、前記支持枠として、SiO
2 が50〜70wt%、Al2 O3 が14〜28
wt%、Na2 Oが1〜5wt%、MgOが1〜13
wt%であり、前記SiO2 とAl2 O3 とNa
2 OとMgOとの合量が少なくとも80wt%であり
、前記以外の他の酸化物を20%未満含有するガラスで
あって、室温から400℃の温度域の各温度において、
前記ガラスの熱膨張による伸び率α1 と前記シリコン
の熱膨張による伸び率α2との比率(α1 /α2 )
が0.8〜1.2の範囲であり、かつ前記温度域の各温
度において、前記ガラスの熱膨張による伸び率α1 と
前記シリコンの熱膨張による伸び率α2 との差(α1
−α2 )の符号が同一であるガラスを使用することを
特徴とするX線マスク材料である。
【0007】このX線マスク材料において、前記支持枠
を構成するガラス中の他の酸化物は、ZnO、B2 O
3 、Y2 O3 、La2 O3 、Gd2 O3 
、BaO、SrO、CaO、PbO、K2 O、Li2
 O、ZrO2 、TiO2 、P2 O5 、As2
 O3 、Sb2 O3 から選ばれた少なくとも一種
であるのが好ましい。また、このX線マスク材料におい
て、前記支持枠として、SiO2 が56〜64wt%
、Al2 O3 が18〜24wt%、Na2 Oが2
〜3wt%、MgOが2〜6wt%、ZnOが2〜11
wt%であり、前記SiO2 とAl2 O3 とNa
2 OとMgOとZnOとの合量が少なくとも85wt
%であり、前記の他の酸化物(但しZnOを除く)を1
5%未満含有するガラスを使用するのが特に好ましい。 さらに前記ガラスはフッ素を含有しても良い。
【0008】本発明における「X線マスク材料」とは、
シリコン基板にX線透過膜が設けられたX線マスクメン
ブレン、X線マスクメンブレンにX線吸収膜が設けられ
たX線マスクブランクおよびX線マスクブランクのX線
吸収膜がパターン化されたX線マスクの三者を包含する
ものである。
【0009】先ず支持枠を構成するガラスの各成分の限
定理由を述べる。SiO2 はガラスの基本成分であり
、50wt%未満では膨張係数が大きくなり過ぎるばか
りでなく化学的耐久性が劣化し、70wt%を超えると
粘性が高くなり過ぎて溶融が困難となるので50〜70
wt%に限定され、最適な範囲は56〜64wt%であ
る。Al2 O3 はシリコン結晶と近似した伸び率曲
線を得るのに必須な成分であるが、14wt%未満では
分相傾向が増大するとともに高温域の粘性が増大するの
で14%wt以上必要であり、28wt%を超えると耐
失透性が悪化する。最適な範囲は18〜24wt%であ
る。Na2 Oは陽極接合するのに必須な成分で、添加
量が多いほど電気伝導度が大きくなり低温での接合が可
能になるが、5wt%を超えると膨張係数が大きくなり
過ぎるので5wt%以下に限定される。また1wt%未
満では電気伝導度が小さくなって陽極接合が困難になり
、かつ膨張係数が小さくなり過ぎるとともに溶融が困難
になる。最適な範囲は2〜3wt%である。MgO及び
ZnOは安定なガラスを得るのに有効な成分であり、陽
極接合の際のキャリアイオンとなるNa2 Oを最大限
に導入することを可能ならしめる。MgOは1%未満で
耐失透性が悪化するとともに分相傾向が増大し、13w
t%を超えると膨張係数が大きくなり過ぎる。最適な範
囲は2〜6wt%である。またMgOは粘性を下げ溶融
性を良くする効果も有する。ZnOは必須成分ではない
が、膨張係数を小さくする効果がMgOよりも大きく、
化学的耐久性も良くするので好ましい成分であるが、1
4wt%を超えると分相傾向が大きくなるとともに粘性
が大きくなり過ぎる。なお、最適な範囲は2〜11wt
%である。B2 O3 は必ずしも必要としないが、溶
融性を良くするので有効である。しかし添加量の増大と
ともに化学的耐久性を悪化するので15wt%を限度と
する。好ましくは2wt%未満である。La2 O3 
は粘性を下げ、化学的耐久性を良くする効果があるが、
比較的高価なので5wt%を超えて添加するのは得策で
ない。また、これ等の成分以外にも特性を悪化させない
範囲でY2 O3 、Gd2 O3 、BaO、SrO
、CaO、PbO、K2 O、Li2 O、ZrO2 
、TiO2 、P2 O5 さらに、ガラス成分として
フッ素を所望量含有することができる。また、溶融の際
の脱泡剤としてAs2 O3 、Sb2 O3 及び塩
化物等を適宜加えることもできる。
【0010】次に、本発明においては、室温から400
℃の温度域の各温度に於いて、支持枠を構成するガラス
の熱膨張による伸び率α1 と、このガラスと接合され
るシリコンの熱膨張による伸び率α2 との比率α1 
/α2 を0.8〜1.2の範囲の値にするものである
が、このような限定を設けた理由は、この範囲をはずれ
ると、ガラスとシリコンの熱膨張による伸び率に大きな
差を生じ、熱膨張特性に於けるガラスとシリコンとの整
合性が悪くなるからである。
【0011】次に室温から400℃の温度域の各温度に
おいて、α1 とα2 との差(α1 −α2 )の符
号が同一であることを要件とした理由は、この符号があ
る温度を境にして同一でなくなる(ガラスの熱膨張によ
る伸び率α1 とシリコンの熱膨張による伸び率α2 
が逆転する)と、熱履歴によるマスクひずみが生じてし
まうからである。
【0012】本発明のX線マスク材料において支持枠の
ガラスに使用される原料は通常使用されている硅石粉、
アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸ソーダ、硝酸ソー
ダ、炭酸マグネシウム、亜鉛華、酸化ランタン、硼酸及
び硼砂等を適宜選択して用いることが出来る。これ等の
原料を所定量秤量し混合して得られた調合バッチを、白
金製坩堝等の耐熱性容器中に投入し、1500〜160
0℃に加熱、溶融し、撹拌して均質化及び脱泡を行った
後、適当な温度に予熱した金型に鋳込み、徐冷すること
により支持枠のガラスを得ることが出来る。
【0013】本発明のX線マスク材料は、X線透過膜を
有するシリコン基板のシリコン部のシリコン表面の一部
又は全部と支持枠とを陽極接合法により接合させたもの
である。陽極接合法は、以下のような方法で行なわれる
。すなわち、X線透過膜をシリコン基板片面上に形成し
たX線マスクメンブレンの場合には、膜を形成していな
いシリコン面にガラス支持枠を重ね、二枚の電極板の間
に挾み込む。このとき、接合する両者は接触面で静電的
に吸着するような平面度を持つことが望ましい。つぎに
大気中、真空中あるいは接合されるX線マスク材料とガ
ラス支持枠に対して化学変化などの影響をおよぼさない
任意の雰囲気中において直流電圧印加および加熱をおこ
なうことで、前記マスク基板とガラス支持枠とを接合さ
せることができる。さらに、この時、必要に応じて加圧
することができる。またX線透過膜をシリコン基板両面
上に形成した場合には、ガラス支持枠と接合する側のX
線透過膜の一部または全部を除去した後に、マスクメン
ブレンとの接合を行なう必要がある。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。 実施例1 (i)図1(A)は、シリコン(Si)基板1aの片面
上にX線透過膜1bとして炭化ケイ素または窒化ケイ素
の膜を成膜して作成したX線マスクメンブレン1を示す
ものである。なお、シリコン基板1aとしては結晶方位
(110)のシリコン基板を用いた。またX線透過膜1
bとしての炭化ケイ素膜は、ジクロロシランとアセチレ
ンを用いてCVD法により成膜されたものであり、また
窒化ケイ素膜は、使用するガスを変えた以外は炭化ケイ
素膜の場合と同様に成膜されたものである。
【0015】(ii)図1(A)に示すX線マスクメン
ブレン1においてX線透過膜1bが成膜されていない面
はシリコン基板1aのシリコン面であるが、本実施例に
おいては、ガラス支持枠との接合前にシリコン基板1a
の中央部を除去してX線透過膜1bを図1(B)に示す
ように自立させた。なお、このシリコン基板1aの中央
部を除去する方法としては、例えば、シリコン基板1a
の表面をリング状に耐エッチング物質を塗布し、80〜
100℃に加熱した10〜50wt%NaOH水溶液に
浸漬する方法が用いられた。
【0016】(iii)本実施例においては、支持枠を
構成するガラスとして、表1に示すようにSiO2 が
58.8wt%、Al2 O3 が22.3wt%、N
a2 Oが2.5wt%、MgOが4.9wt%、Zn
Oが10.0wt%であり、SiO2 とAl2 O3
 とNa2 OとMgOとZnOとの合量が98.5w
t%であり、他の酸化物としてB2 O3 を1.5w
t%、As2 O3 を0.3%含有するガラス(熱膨
張係数3.4×10−6/℃)を用いた。そして図1(
C)に示すように中央部がぬき穴になっているガラス支
持枠2を、中央部が除去されたシリコン基板1aとX線
透過膜1bとからなるX線マスクメンブレン1に重ね合
せた。支持枠を構成するガラスとシリコンの、室温から
500℃における伸び率の変化直線を図3に示す。図3
より、ガラスとシリコンの室温から500℃における伸
び率の変化曲線はほぼ一致していることから、ガラスの
伸び率(α1 )とシリコンの伸び率(α2 )との比
率(α1 /α2 )は各温度において0.8〜1.2
の範囲にあることおよび各温度において、α2 がα1
 よりもきわめてわずかではあるが、大きいことから、
(α1 −α2 )は同符号(負)であることが明らか
である。
【0017】(iv)次に重ね合せたX線マスクメンブ
レン1とガラス支持枠2を図1(D)に示すように電極
板3aおよび3bで挾み込んだ。なお電極板3aはX線
透過膜1bの自立した部分を保護するために中央に凹部
を設けたものを用いた。
【0018】(v)次に図1(E)に示すように電極板
3aを正極(X線マスクメンブレン側)に、電極板3b
を負極(ガラス支持枠側)になるように配線して直流電
圧を印加した。そして加熱用ヒーター5により絶縁用石
英板4を介して加熱し、また荷重6を用いて加圧した。 なお、装置は保温用カバー7の中で精密に温度コントロ
ールされた。1kVの電圧を60〜120分印加し、温
度200〜500℃、荷重35〜350g/cm2 の
条件でX線マスクメンブレン1とガラス支持枠との陽極
接合を行なったところ、従来のエポキシ接着剤による接
着よりも接着強度に優れ、引っ張り強度試験において5
0kg/cm2 以上の値を示す十分な接合を達成する
ことができた。
【0019】また本実施例で作成したマスクにおいて、
フィゾー干渉測定法により、マスクの平坦度が10μm
 以下であることを確認した。さらに、面内ひずみをレ
ーザー測長器(光波2I)にて測定し、十分な面内精度
が得られていることを確認した。そして上記特性により
、X線ステッパーへの適用において、平坦度、耐熱性、
耐久性等に優れていることが確認された。また、従来の
硼珪酸ガラス支持枠を用いて上記接合法を行った場合に
比べても、はるかに広い温度領域において良好な結果を
得ることができた。
【0020】実施例2 X線マスクメンブレンとして、シリコン基板の両面にX
線透過膜を成膜したものを用い、一方のX線透過膜を、
CF4 等のフッ素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用
いる反応性イオンエッチングによってその中心部をエッ
チング除去した。次に、得られたリング状X線透過膜を
マスクとして、実施例1と同様にNaOH水溶液を用い
るエッチング処理によって、シリコン基板の中央部を除
去して、図2(A)に示すような断面形状を有する、シ
リコン基板1aとX線透過膜1bとからなるX線マスク
メンブレン1を得た。次にX線透過膜1bのガラス支持
枠と接合する部分を、上述と同様の反応性イオンエッチ
ングによって除去して、図2(B)に示すような断面形
状を有するX線マスクメンブレン1を得た。次に、この
X線マスクメンブレン1とガラス支持枠2とを、図2(
C)に示すように重ね合せた。なお、支持枠を構成する
ガラスとしては、実施例1と同様に表1のNo. 1の
組成のものを用いた。次に重ね合せたX線マスクメンブ
レン1とガラス支持枠2とを、実施例1と同様の条件で
陽極接合法により接合した。
【0021】本実施例によれば、従来のエポキシ接着剤
による接着よりも接着強度に優れ、引っ張り強度試験に
おいて50Kg/cm2 の値を示す十分な接合を達成
することができた。本実施例で作成したマスクにおいて
、フィゾー干渉測定法により、マスクの平坦度が10μ
m 以下であることを確認した。さらに、面内ひずみを
レーザー測長器(光波2I)にて測定し、十分な面内精
度が得られていることを確認した。そして上記特性によ
り、X線ステッパーへの適用において、平坦度、耐熱性
、耐久性等に優れていることが確認された。また、従来
の硼珪酸ガラス支持枠を用いて上記接合法を行った場合
に比べても、はるかに広い温度領域において良好な結果
を得ることができた。
【0022】実施例3 (i)支持枠を構成するガラスとして、表1のNo. 
2に組成を示し、図3に温度に対する伸び率を示したガ
ラスを用いた。このガラスは、室温から500℃の温度
域の各温度においてα1 /α2 は0.8〜1.2の
範囲にあり、(α1 −α2 )は同符号(負)であっ
た。上記ガラスを用いた以外は、実施例1と同様にして
実施したところ、従来のエポキシ接着剤による接着より
も接着強度に優れ、引っ張り強度試験において50Kg
/cm2 以上の値を示す十分な接合を達成することが
できた。本実施例で作成したマスクにおいて、フィゾー
干渉測定法により、マスクの平坦度が10μm 以下で
あることを確認した。 さらに、面内ひずみをレーザー測長器(光波2I)にて
測定し、十分な面内精度が得られていることを確認した
。そして上記特性により、X線ステッパーへの適用にお
いて、平坦度、耐熱性、耐久性等に優れていることが確
認された。また、従来の硼珪酸ガラス支持枠を用いて上
記接合法を行った場合に比べても、はるかに広い温度領
域において良好な結果を得ることができた。
【0023】(ii)同じように、このガラスを実施例
2に示した方法で接合したところ、接合特性およびX線
ステッパーへの適用において、良好な結果を得ることが
できた。
【0024】実施例4 表1のNo. 3〜7および表2のNo. 8〜12に
示す組成を有し、室温から400℃に亘ってα1 /α
2 が0.8〜1.2の範囲にあり、(α1 −α2 
)が同符号であるガラスを支持枠として用い、これを実
施例1と同様の陽極接合法によりX線マスク基板と接合
させたが、その接合特性およびX線ステッパーへの適用
において、いずれも従来の硼珪酸ガラス支持枠を用いた
ときに比べて良好な結果を得ることができた。また、接
着剤を用いたときに比べて、平坦度、耐熱性、耐久性等
において優れていた。
【0025】比較例 支持枠を構成するガラスとして、従来の硼珪酸ガラス(
組成は表2に示すようにSiO2 :81.0wt%、
Al2 O3 :2.0wt%、Na2 O:4.0w
t%、B2 O3 :13.0wt%から成り、熱膨張
係数がおおよそ3.1×10−6/℃の硼珪酸ガラス)
製のガラス支持枠を用い、実施例1と同様の方法により
、印加電圧1kV−60〜120分、温度265±5℃
、荷重350g/cm2 の条件下にX線マスクメンブ
レンとガラス支持枠とを接合させた。この場合、硼珪酸
ガラス支持枠を用いているため、面内ひずみを低減させ
るためには、硼珪酸ガラスとシリコン基板の熱膨張によ
る伸び率が等しくなるように温度を厳密に制御する必要
がある。この温度は、本比較例においては265℃付近
であった。しかし、図3に示すように硼珪酸ガラスとシ
リコンの熱膨張による伸び率の差が大きいこと、および
265℃以下ではシリコンよりも硼珪酸ガラスの方が、
熱膨張による伸び率が大きいが、265℃以上ではシリ
コンより硼珪酸ガラスの方が、熱膨張による伸び率が小
さくなり、この関係が逆転し、かつその差が拡大してし
まうため、接合時およびマスク製作における熱履歴に対
して結果的には面内ひずみを十分に低減させることはで
きなかった。
【0026】本比較例で作成したマスクにおいて、フィ
ゾー干渉測定法により、マスクの平坦度が50μm 以
上であることを確認した。さらに、面内ひずみをレーザ
ー測長器(光波2I)にて測定し、十分な面内精度が得
られないことを確認した。そして上記特性により、X線
ステッパーへの適用が困難であることが確認され、上記
実施例に比較して良好な結果は得られなかった。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】以上、X線マスクメンブレンについて実施
例を挙げ、比較例と対比しつつ説明てきたが、本発明は
、図4(A)および同5(A)に示すように、X線透過
膜1b上にX線吸収膜8aが設けられたX線マスクブラ
ンクおよび図4(B)および図5(B)に示すように、
X線透過膜1b上にX線吸収膜パターン8bが設けられ
たX線マスクについて適用可能であり、これらのX線マ
スクブランクおよびX線マスクに陽極接合法により支持
枠を接合することができる。また、本実施例ではX線透
過膜を自立させる方法としてNaOHによるシリコンの
エッチングを行ったが、エッチングはこの方法に限るも
のではなく、フッ硝酸(例えばHF:HNO3 =9:
1)等も用いることができる。さらに、本実施例ではX
線透過膜を自立させた後に、シリコンと支持枠とを接合
させたが、シリコンと支持枠とを接合させた後にX線透
過膜等を自立させても良い。すなわち、本発明において
X線マスクメンブレンとはX線透過膜が自立しているも
のと、自立していないものの両方を含むものであり、X
線マスクブランク、X線マスクも同様に自立しているも
のと自立していないものの両方を含むものである。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、シリ
コン基板に接合される支持枠として、SiO2 、Al
2 O3 、Na2 O、MgOを必須成分とし、その
熱膨張による伸び率α1 がシリコンの熱膨張による伸
び率α2 との関係で室温から400℃の温度域の各温
度でα1 /α2 =0.8〜1.2、(α1−α2 
)=同符号を満たすガラスを用いることにより、高精度
のギャップ精度が得られ、面内ひずみを低減したX線マ
スクを得ることができる。さらに、シリコン基板と支持
枠との接合に接着材を使用してないので、耐薬品性、耐
熱性、耐放射線性に優れたX線マスクを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線マスクメンブレンの作製を示す工
程図。
【図2】本発明の他のX線マスクメンブレンの作製を示
す工程図。
【図3】本発明のNo. 1および2のガラス、比較例
1のガラスおよびシリコンの、温度に対する伸び率の変
化を示す図。
【図4】本発明が適用されるX線マスクブランクおよび
X線マスクを示す図。
【図5】本発明が適用される他のX線マスクブランクお
よびX線マスクを示す図。
【符号の説明】
1a    シリコン基板 1b    X線透過膜 1      X線マスクメンブレン 2      ガラス支持枠 8a    X線吸収膜 8b    X線吸収膜パターン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  X線透過膜を有するシリコン基板のシ
    リコン部のシリコン表面の一部又は全部と支持枠とを陽
    極接合法により接合させたX線マスク材料において、前
    記支持枠として、SiO2 が50〜70wt%、Al
    2O3 が14〜28wt%、Na2 Oが1〜5wt
    %、MgOが1〜13wt%であり、前記SiO2 と
    Al2 O3 とNa2 OとMgOとの合量が少なく
    とも80wt%であり、他の酸化物を20%未満含有す
    るガラスであって、室温から400℃の温度域の各温度
    において、前記ガラスの熱膨張による伸び率α1 と前
    記シリコンの熱膨張による伸び率α2 との比率(α1
     /α2 )が0.8〜1.2の範囲であり、かつ前記
    温度域の各温度において、前記ガラスの熱膨張による伸
    び率α1 と前記シリコンの熱膨張による伸び率α2 
    との差(α1 −α2 )の符号が同一であるガラスを
    使用することを特徴とするX線マスク材料。
  2. 【請求項2】  前記支持枠を構成するガラス中の他の
    酸化物が、ZnO、B2 O3 、Y2 O3 、La
    2 O3 、Gd2 O3 、BaO、SrO、CaO
    、PbO、K2 O、Li2 O、ZrO2 、TiO
    2 、P2 O5 、As2 O3 、Sb2 O3 
    から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載のX
    線マスク材料。
  3. 【請求項3】  前記支持枠として、SiO2 が56
    〜64wt%、Al2 O3 が18〜24wt%、N
    a2 Oが2〜3wt%、MgOが2〜6wt%、Zn
    Oが2〜11wt%であり、前記SiO2 とAl2 
    O3 とNa2 OとMgOとZnOとの合量が少なく
    とも85%であり、前記の他の酸化物(但しZnOを除
    く)を15%未満含有するガラスを使用する、請求項2
    に記載のX線マスク材料。
  4. 【請求項4】  前記ガラスがフッ素を含む、請求項1
    〜3のいずれか一項に記載のX線マスク材料。
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