JPH0433062Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、パフ収納室と化粧料収納室とを同一
平面内に有するコンパクト容器に関する。

［従来の技術］ 化粧の方法によつては水を含ませたパフを使用
する場合があるが、この水を含んだパフをコンパ
クト容器のパフ収納室に収納すると、パフから放
出される水分によつて鏡が曇つてしまう。２段式
のコンパクト容器において、パフ収納室は容体に
配されている場合は化粧料収納用の中皿が曇り止
めの役割を果たすし、パフ収納室が中皿に配され
る場合は、中皿の裏面に鏡を配することによつて
鏡が曇ることを防止できる。ところが、平面式の
コンパクト容器においてはパフ収納室内のパフと
鏡とが対向せざるを得ない。そこで、このような
コンパクト容器においては、化粧料飛散防止用の
プラスチツクシートよりなるカバーをパフ収納室
の上方へ延長して鏡が曇るのを防いでいる。

［考案が解決しようとする問題点］ 前記のコンパクト容器においては、化粧料又は
パフを使用する場合にカバーを取り除かねばなら
ないのでカバーを紛失しやすい。本考案はこの欠
点を除くことを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本考案に係るコンパクト容器は、パフ収納室と
化粧料収納室とを隔壁を介して同一平面内に有す
るコンパクト容器であつて、パフ収納室の上方に
プラスチツクよりなるパフカバーを配し、このパ
フカバーの化粧料収納室側にある端部から取付部
を突出させ、この取付部は上方又は下方への傾斜
部と、傾斜部端部において方向をパフ収納室側に
変換した折返し部とからなり、パフ収納室と化粧
料収納室側との隔壁に前記取付部を嵌入する係合
口を設け、化粧料収納室と隔壁との間に、隔壁に
嵌入された前記取付部が回動できる空間を有する
ものである。

［作用］ 本考案に係るコンパクト容器は、パフカバーの
取付部が傾斜部と折返し部を有しているので、取
付部が係合口に嵌入された状態において、取付部
は折返し部の高さだけの大きな肉厚を付与された
のと同じ結果となるので、先に挿入された係合部
からはもはや離脱が不可能である。

また、取付部は傾斜部と端壁との間に逃げが与
えられ、さらに、隔壁を嵌入された前記取付部が
回動できる空間を有しているので、パフカバーは
上方へ回動することができる。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

１は本考案に係るコンパクト容器であつてパフ
収納室１２および化粧料収納室１４を有する容体
１０と、蓋２０とによりなる。容体１０と蓋２０
とは後部においてヒンジ２２を介してヒンジ結合
されている。１８は容体１０前縁の中央に設けら
れた凹部１６内に配された操作部材であつて、前
記凹部１６の側壁に枢着されている。不図示の蓋
２０前縁における係合部材が前記凹部１６後壁に
設けられた係合突条１７と係合して蓋２０の閉合
状態を保持する。そして、前記操作部材１８が回
動することによつて、操作部材１８の上面が蓋２
０前縁の下面を押し上げて前記の係合を解除す
る。

３２はプラスチツクシートよりなる化粧料飛散
防止用の保護カバーであつて、この保護カバー３
２の前方は垂下し、パフ収納室１２の化粧料収納
室側の端壁３０を形成している。この端壁３０の
下端はパフ収納室の方に屈曲して延びており、そ
の屈曲部の両端において、係合用切欠部３４，３
４が設けられている。３６，３６は保護カバー支
持壁であつて、容体１０の両側縁の内側略中央に
おいて対設されている。この保護カバー支持壁３
６，３６の下端に設けられた係合用凹部３８，３
８に前記係合用切欠部３４，３４が係合すること
により、保護カバー３２は容体１０に固定され
る。

４０はプラスチツクシートよりなるパフカバー
であつて、パフ収納室１２の上方に配されてい
る。４２はこのパフカバー４０の取付部であつ
て、パフカバー４０の後縁中央部が後方の斜め下
方に延びてなる傾斜部４４と、この傾斜部４４の
下端が斜め上方に延びてなる折返し部４６とより
なる。３１は端壁３０の上部に設けられた係合口
であつて、前記取付部４２が嵌入されている。こ
の場合において、第２図に示すように、取付部４
２の基部を延ばし、かつ、傾斜部４４と折返し部
４６とを折畳むようにして取付部４２を係合口３
１に嵌入する。嵌入された状態において、第３図
に示すように、前記の傾斜部４４および折返し部
４６は元の姿勢に戻る。その結果、取付部４６は
折返し部４６の高さｈだけの大きな肉厚が付与さ
れたのと同じ結果となり、その高さｈが係合口３
１の高さよりも大きくなつて、取付部４２は係合
口３１から離脱することができない。また、取付
部４２は傾斜部４４と端壁３０との間において逃
げ角αが与えられるので、パフカバーを図におい
て時計方向に回動することができる。なお、必須
ではないが、傾斜部４４において係合用突子４
５，４５を外方へ突設し、係合口３１の下部を前
記係合用突子４５，４５が通過し得るように拡大
しておけば、取付部４２が嵌入された状態におい
て、係合用突子４５，４５が下方に移動し端壁３
０の係合口に係合するから、取付部４２の離脱を
いつそう有効に防止できる。

前記実施例においては、取付部４２は直線状に
延長されていたが、第５図に示すように、カール
状に延長してもよい。また、パフカバーはプラス
チツクシートにより形成しないで、プラスチツク
製の成形品により形成してもよい。さらに、前記
実施例においては、保護カバー３２を延長して端
壁３０を形成したが、これに代えて第５図に示す
ように、パフ収納室１２と化粧料収納室１４との
間において容体１０の両側縁に端壁３０を架設し
てもよい。この場合において端壁３０を中空にし
て前記取付部４２を収納し得るようにしておく
と、美感上好ましい。

［考案の効果］ 本考案のコンパクト容器によると、パフカバー
の取付部が端壁の係合口に係合して離脱が防止さ
れるので、パフカバーを紛失することがない。

また、パフを使用する場合に、パフカバーを容
器から取り除かないで、回動させるだけでパフを
パフ収納室から取り出すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例であるコンパクト
容器の分解斜視図、第２図は、取付部を係合口へ
嵌入する状態を示す断面図、第３図は、取付部を
係合口へ嵌入した状態を示す断面図、第４図は、
本考案の一実施例であるパフカバーの斜視図、第
５図は、本考案の他の実施例であるコンパクト容
器の分解斜視図である。 符号の説明、１……コンパクト容器、１０……
容体、１２……パフ収納室、１４……化粧料収納
室、２０……蓋、３０……端壁、３１……係合
口、４０……パフカバー、４２……取付部、４４
……傾斜部、４６……折返し部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 パフ収納室と化粧料収納室とを隔壁を介して同
   一平面内に有するコンパクト容器において、 パフ収納室の上方にプラスチツクよりなるパフ
   カバーを配し、 このパフカバーの化粧料収納室側にある端部か
   ら取付部を突出させ、この取付部は上方又は下方
   への傾斜部と、傾斜部端部において方向をパフ収
   納室側に変換した折返し部とからなり、 パフ収納室と化粧料収納室側との隔壁に前記取
   付部を嵌入する係合口を設け、 化粧料収納室と隔壁との間に、隔壁に嵌入され
   た前記取付部が回動できる空間を有する ことを特徴とするコンパクト容器。