JPH04330454A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH04330454A
JPH04330454A JP12828491A JP12828491A JPH04330454A JP H04330454 A JPH04330454 A JP H04330454A JP 12828491 A JP12828491 A JP 12828491A JP 12828491 A JP12828491 A JP 12828491A JP H04330454 A JPH04330454 A JP H04330454A
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重教 植田
Koji Yamazaki
晃司 山崎
Toshiyuki Ebara
俊幸 江原
Hitoshi Murayama
仁 村山
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関する
ものであり、さらに詳しく述べると、光導電部材の基体
(すなわち支持体)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体に用いる素子部材
として、非単結晶堆積膜、例えば水素またはハロゲン(
例えば弗素、塩素等)で補償されたアモルファスシリコ
ン等のアモルファス堆積膜が提案され、その幾つかは実
用に付されている。
【0003】こうした堆積膜の形成方法として従来、ス
パッタリング法、熱により原料ガスを分解する方法(熱
CVD法)、光により原料ガスを分解する方法(光CV
D法)、プラズマにより原料ガスを分解する方法(プラ
ズマCVD法)等、多数知られている。中でも、プラズ
マCVD法、すなわち原料ガスを直流または高周波、マ
イクロ波グロー放電等によって分解し、ガラス、石英、
耐熱性合成樹脂フイルム、ステンレス、アルミニウムな
どの基体上に薄膜状の堆積膜を形成する方法は、電子写
真用アモルファスシリコン堆積膜の形成方法等において
現在実用化が非常に進んでおり、そのための装置も各種
提案されている。特に近年、堆積膜形成方法としてマイ
クロ波グロー放電分解を用いたプラズマCVD法すなわ
ちマイクロ波プラズマCVD法が工業的にも注目されて
いる。
【0004】マイクロ波プラズマCVD法は、他の方法
に比べて高いデポジション速度と高い原料ガス利用効率
という利点を有している。こうした利点を生かしたマイ
クロ波プラズマCVD技術の1つの例が、米国特許第4
,504,518号明細書に記載されている。この特許
に記載された技術は、0.1Torr以下の低圧でのマ
イクロ波プラズマCVD法により、高い堆積速度で良質
の堆積膜を得るというものである。
【0005】更に、マイクロ波プラズマCVD法により
原料ガスの利用効率を改善するための技術が特開昭60
−186849号公報に記載されている。この公報に記
載された技術は、概略、マイクロ波エネルギーの導入手
段を取り囲むように基体を配置して内部チャンバー(す
なわち放電空間)を形成して、原料ガス利用効率を高め
るようにしたものである。
【0006】また特開昭60−283116号公報には
、半導体部材製造用の改良形マイクロ波技術が開示され
ている。すなわち、この公報は、放電空間中にプラズマ
電位制御用として電極(バイアス電極)を設け、このバ
イアス電極に所定の電圧(バイアス電圧)を印加して堆
積膜へのイオン衝撃を制御しながら膜堆積を行なうよう
ことにより、堆積膜の特性を向上させる技術を開示して
いる。
【0007】これらの従来技術により、比較的厚い光導
電性材料を、ある程度高い堆積速度と原料ガスの利用効
率で製造することが可能となった。例えば図8の縦断面
図、図9の横断面図で示されている電子写真感光体の生
産用の堆積膜形成装置等によって実施される。
【0008】図8、図9において501は反応容器であ
り、真空気密化構造を成している。また、502はマイ
クロ波電力を反応容器内に効率良く透過し、かつ真空気
密を保持し得るような材料(例えば石英ガラス、アルミ
ナセラミックス等)で形成されたマイクロ波導入誘電体
窓である。
【0009】503はマイクロ波電力の伝送を行なう導
波管であり、マイクロ波電源から反応容器近傍までの矩
形の部分と、反応容器に挿入された円筒形の部分からな
っている。導波管503はスタブチューナー(図示せず
)およびアイソレーター(図示せず)とともにマイクロ
波電源(図示せず)に接続されている。誘電体窓502
は、反応容器内の雰囲気を保持するために導波管503
の円筒形の部分の内壁に気密封止されている。504は
一端が反応容器501内に開口し、他端が排気装置(図
示せず)に連通している排気管である。506は基体5
05により囲まれた放電空間を示す。電源511はバイ
アス電極508に直流電圧を印加するための直流電源(
バイアス電源)であり、電極508に電気的に接続され
ている。このように構成された堆積膜形成装置を使用し
た従来の電子写真感光体製造方法による従来の電子写真
感光体の製造は、以下の様にして行なわれる。まず真空
ポンプ(図示せず)により排気管504を介して反応容
器501を排気し、反応容器501内の圧力を1×10
−7Torr以下に調整する。ついでヒーター507に
より、基体505の温度を200℃以上、300℃以下
の温度に加熱保持する。そこで不図示のガス導入手段を
介して、シランガス、水素ガス等の原料ガスが反応容器
501内に導入される。それと同時に、マイクロ波電源
(図示せず)により発生させた周波数2.45GHzの
マイクロ波が、導波管503を通じ、誘電体窓502を
介して反応容器501内に導入される。更に放電空間5
06中のバイアス電極508に、バイアス電源511に
より、基体505に対してバイアス電圧が印加される。 これによって基体505に囲まれた放電空間506にお
いて、原料ガスはマイクロ波のエネルギーにより励起さ
れて解離し、更にバイアス電極511と基体505の間
の電界により定常的に基体505上にイオン衝撃を受け
ながら、基体505表面に堆積膜を形成する。このとき
、基体505が設置された回転軸509をモーター51
0により回転させ、基体505を基体母線方向中心軸の
回りに回転させることにより、基体505全周に渡って
均一に堆積膜が形成される。
【0010】マイクロ波プラズマCVD法以外の従来の
技術として、特開昭56−62254号および特開昭5
7−119356号には、アモルファスシリコンを主体
とする電子写真感光体の堆積膜中に炭素原子を含有させ
ることにより電子写真特性を向上させる技術が開示され
ている。
【0011】また、電子写真感光体等の光導電部材の基
体(支持体)として、板状、円筒状、または無端ベルト
状等の金属体が用いられ、この支持体は、その表面上に
光導電層等の層を形成するため、あらかじめ鏡面化切削
加工あるいは非鏡面化加工等により表面を仕上げられる
。例えば旋盤、フライス盤等を用いたダイヤモンドバイ
ト切削により所定範囲内の平面度に仕上げられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】アモルファスシリコン
感光体は、基体の表面状態の影響を受け易く、この基体
表面の状態によっては光沢むらが発生してしまう。この
様な表面欠陥がある電子写真感光体は、電気的、光学的
、光導電的等の特性の均一性が損われ、高品質な画像が
提供できず、実用に耐えないものとなる。
【0013】上記のような光沢むらの発生原因を観察し
た結果、基体表面に観察される結晶粒の表面粗さの違い
により、入射光の拡散性が結晶粒ごとに変化し、これに
よって斑点状の光沢むらが発生してしまうことがわかっ
た。
【0014】このような光沢むらの原因となる結晶粒表
面に生ずる切削むらの粗さの測定は、測定目標となる結
晶粒が微小で、粗さも1μm以下と微小であり、数値化
することが困難であるために、一般に次の様な方法によ
り切削むらの数値化が行なわれている。
【0015】第1の方法として、レーザーテック(株)
製の「LASER  MICROSCOPE  1LM
11(商品名)」のようなレーザー顕微鏡を用いて反射
光量むらを測定する方法がある。
【0016】第2の方法として、顕微鏡(たとえばユニ
オン光学社製)により、図5に示したような切削むらの
生じた結晶粒の写真を撮影し、この写真上の点Xより矢
印方向へ点Zまで、マイクロデンシトメーターによりラ
イン濃度測定を行ない、正常部との濃度むらの比率によ
り切削むら部の数値化する方法があげられる。この第2
の方法が簡単で、結晶粒群中の切削むらの大きい結晶粒
の比率が求めやすいので、本発明ではこの方法によって
数値化を行なった。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解決し、光沢むらがなく、電気的、光学的、光導電的
に悪影響を及ぼすことのない均一な光沢の電子写真感光
体を提供することを目的とする。
【0018】この目的は、電子写真感光体に用いるアル
ミニウム基体表面において同一結晶粒界内での光学反射
率むらが10%以上の結晶粒の存在率が40%以下であ
るようなアルミニウム基体を使用することにより達成さ
れる。
【0019】上記の条件を満たすアルミニウム基体を得
るための切削手段として、1回の切削工程で3本のバイ
トを同時に送ることによって荒切削、仕上げ切削、上仕
上げ切削と3段階の切削、すなわち1回の荒切削と2回
の仕上げ切削とを同時に行なうという切削方法を適用す
る。
【0020】以下に図面を用いて本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0021】
【実施例】図1は円筒状アルミニウムシリンダーの切削
工程を示す説明図、図2は図1の切削工程で切削された
アルミニウム基体表面の形状を示す説明図である。
【0022】図1において、1は円筒状アルミニウム基
体であり、矢印a方向に回転させながら切削バイト2,
3,4を矢印bの方向へ移動させることによって切削が
行なわれる。この切削工程において、バイト2は図2に
符号cで示す荒切削面を形成し、次にバイト3が図2に
符号dで示す仕上げ面を形成する。またバイト4は、仕
上げ面dと切込量は異なるがピッチは同じになるよう設
定され、これにより仕上げ面eを形成するという切削方
法により切削工程が行なわれる。
【0023】図3は、図1の切削工程によって表面加工
が施された円筒状アルミニウム基体1表面の結晶粒の顕
微鏡写真であり、(a)は倍率100倍、(b)は倍率
200倍、(c)は倍率400倍の写真である。図4は
図1の切削工程によって表面加工が施された円筒状アル
ミニウム基体に光導電部材を堆積成膜して電子写真感光
体を構成した後に、その表面の光沢むらが発生している
部分の顕微鏡写真であり、(a)は倍率100倍、(b
)は倍率200倍、(c)は倍率400倍の写真である
【0024】図3および図4より、光沢むらの原因が切
削工程による結晶粒の粗さむらによるものであることが
わかる。
【0025】図5は、マイクロデンシトメーターによる
ライン濃度の測定方法を示す説明図で、(a)は平面図
、(b)は断面図である。図中の点Xは測定開始点、点
Zは測定終了点である。
【0026】図6および図7はハーフトーン画像の「ガ
サツキ」と称する微小な画像濃度むらと、結晶粒界内に
切削むらを生じた結晶粒の分布を示したもので、図6は
結晶粒を顕微鏡により写真撮影した時の写真上での同一
結晶粒界内の光学反射率むら10%以上である結晶粒A
〜Oの存在率が40%未満の場合であり、図7は顕微鏡
写真上の同一結晶粒界内での光学反射率むらが10%以
上である結晶粒A’〜T’の存在率が40%以上の場合
である。
【0027】図6に示した条件では、顕微鏡写真上の同
一結晶粒界内での光学反射率むらが10%以上である結
晶粒A〜Oは、その1つ1つがミクロンオーダーの微小
なものであり、しかも単独で離れた距離に存在する確率
が高いため、結晶粒G〜Jの様に近接して1つの大きな
欠陥の様に挙動してしまう確率は極めて低く、したがっ
て電位むらとして作用し難く、現像特性上の目視にて感
じられる欠陥として現われないものと考えられる。一方
、図7の条件では、顕微鏡写真上での同一結晶粒界内の
光学反射率むらが10%以上である結晶粒A’〜T’は
、その1つ1つがミクロンオーダーの微小なものであっ
ても、結晶粒A’〜D’、F’〜H’、J’〜N’、Q
’〜T’の様に近接してしまう確率が極めて高く、その
部分は集合して1つの大きな欠陥の様に挙動し、電位む
らとして作用してしまうものと考えられる。この様に顕
微鏡写真上の同一結晶粒界内での光学反射率むらが10
%以上である結晶粒が3つ以上近接した場合に、電位む
らと作用すると考えられ、近接する確率が図7の様に高
いと、電位むらとして作用する部分が多くなり、ハーフ
トーン画像においては、均一な濃度が得られずにまだら
状の微小な濃度むらである「ガサツキ」と称する現像特
性上の欠陥を生じてしまう。
【0028】以下本発明の効果を実験例を用いて具体的
に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定される
ものではない。
【0029】(実験例)ダイヤモンドバイト切削により
表面加工を施した円筒状アルミニウム基体に、マイクロ
波プラズマCVD法によりアモルファスシリコン膜を堆
積形成した後、顕微鏡による表面観察および電子写真装
置による評価を行なった。図1に示すように、純度99
.9%の円筒状アルミシリンダー1を矢印a方向へ25
00rpmの回転数で回転させながら、切削バイト2,
3,4が同時に矢印bの方向へ移動し、図1のバイト2
が0.1mmの切込量で図2に示す荒切削面cを形成し
、次に図1のバイト3が0.04mmの切込量で図2に
示す仕上げ面dを形成する。その後、仕上げ面dの切削
溝に添って0.02mmの切込量で図1のバイト4が図
2に示した上仕上げ面eを形成するという切削方法によ
って、表面の平均粗さRzが0.3μm以下の非鏡面に
仕上げた。この円筒状アルミシリンダー1の表面を顕微
鏡により観察した結果、結晶粒の切削むらは極めて軽微
なものであった。
【0030】次に図8および図9で示す堆積膜形成装置
を用い、後記の表1の条件にしたがって、図10に示す
3層構成の堆積膜を円筒状アルミシリンダー1に形成し
た。この様にして堆積構成を終了した電子写真感光体に
ついて、電子写真装置による画像評価を行なったところ
、良好な画像が得られた。 (比較実験例)図1において、仕上げ切削用バイト4を
使用せず、荒切削バイト2および仕上げバイト3のみで
円筒状アルミ基体1を切削した以外は実験例と同様の切
削方法によって、円筒状アルミ基体1表面の平均粗度R
Zが0.3μm以下の非鏡面に仕上げた。その表面を顕
微鏡により観察したところ、図3に示した様な部分的に
結晶粒表面が粗れている箇所が観察された。図3に示し
た写真を使用し、ライン濃度測定を行ない、濃度むらに
よって結晶粒界内のむらを数値化したところ、図4に示
した様に、均一に切削された結晶粒表面中に20%濃度
むらのある結晶粒が密集している部分があった。
【0031】次に図8および図9に示した堆積膜形成装
置を用い、表1の条件のしたがって、図10に示す3層
構成の堆積膜を円筒状アルミシリンダー1に形成した。 この様にして堆積膜の構成を終了した電子写真感光体表
面を目視観察したところ、光沢むらが発生していた。ま
た電子写真装置による画像評価において、グレーチャー
トをコピーしたところ、微細な濃度むらを有する結晶粒
群による画像の「ガサツキ」が生じてしまい、良好な画
像が得られなかった。
【0032】以上の結果から「ガサツキ」と結晶粒界中
の切削むらに相関があることが判明し、「ガサツキ」の
レベルの悪い「ランク1」とやや悪い「ランク3」、良
い「ランク5」の感光体について各アルミシリンダー表
面の結晶粒界群の中に存在する個々の結晶粒の切削むら
、すなわち光学反射むらと、それぞれの存在率を調べ、
その結果を図11に示した。
【0033】図11は、アルミニウム基体表面を顕微鏡
によって写真撮影した時の同一結晶粒界内をコニカ社製
マイクロデンシトメーターによってライン濃度測定した
時の光学反射率むらと、その結晶粒の存在率との関係を
ガサツキのランク別に示したグラフである。
【0034】図12は、ランク3以上を合格ラインとす
るガサツキのランクとアルミニウム基体表面の顕微鏡写
真に撮影された同一結晶粒界内をコニカ社製マイクロデ
ンシトメーターによりライン濃度測定した時の光学反射
率むらが10%以上の結晶粒の存在率との相関を示すグ
ラフである。
【0035】図11より、光学反射率むらが10%以上
の結晶粒の存在率の増減に伴ってガサツキのランクが変
動することが判明した。また図12に示した様に、光学
反射率むらが10%以上の結晶粒に関してその存在率が
40%以下であれば、ガサツキ等の画像欠陥のない良好
な画像が得られることが本発明の実験において判明した
【0036】次に本発明の実施例および比較例により更
に具体的に説明するが本発明は、これらにより何ら限定
されるものではない。
【0037】(実施例1)ダイヤモンドバイトによる切
削工程とマイクロ波プラズマCVD法により堆積膜を形
成して本発明の電子写真感光体を構成した。
【0038】図1において、純度99.9%の円筒状ア
ルミシリンダー1を矢印a方向へ2500rpmの回転
数で回転させながら、切削バイト2,3,4を同時に矢
印bの方向へ移動させた。図1の荒切削用バイト2(商
品名「CB−19D」、東京ダイヤモンド工具製作所製
)が0.1mmの切込量で図2に示す荒切削面cを形成
し、次に図1のバイト3(商品名「5R」、東京ダイヤ
モンド工具製作所製)が0.04mmの切込量で図2に
示す仕上げ面dを形成する。その後、仕上げ面dの切削
溝に添って0.02mmの切込量で図1のバイト4(商
品名「5R」、東京ダイヤモンド工具製作所製)が図2
に示した上仕上げ面eを形成した。この切削方法によっ
て、表面の平均粗さRzが0.3μm以下の非鏡面に仕
上げた。上記円筒状アルミシリンダー1表面を顕微鏡に
より観察した結果、円筒状アルミシリンダー1表面に前
述測定法により10%以上の光学反射むらのある切削む
らが発生している結晶粒の数は、結晶粒全体の30%と
少なく、切削むらも軽微なものであった。また平均的な
切削むらのある結晶粒の顕微鏡写真を撮影し、コニカ社
製マイクロデンシトメーターによりライン濃度測定を行
なった結果、約10%の濃度むらであった。
【0039】次に切削工程を終了した円筒状アルミ基体
1を用いて、図8および図9に示す堆積膜形成装置によ
り表1の条件により基体505に図10に示す3層構成
のアモルファスシリコン膜を形成した。図10において
602は基体、306は電荷注入阻止層、604は光導
電層、605は表面保護層を示している。
【0040】この様にして形成したアモルファスシリコ
ン感光体の外観を観察した結果、切削むらによる光沢は
観察されなかった。
【0041】上記工程を終了したアモルファスシリコン
感光体をキヤノン製複写機NP−6650に設置しハー
フトーンモードの画質評価を行なった。
【0042】評価結果を表2に示す。表中の記号の意味
は下記のとおりである。 1)光沢むら ○…光沢むらなし △…部分的に光沢むら有り ×…全面に光沢むら有り 2)ハーフトーン画像のガツサキ ○…ガツサキなし △…部分的にガサツキあり ×…全面にガサツキあり。
【0043】(比較例1)図1において、使用する切削
バイトを荒切削用バイト2(商品名「CB−19D」、
東京ダイヤモンド工具製作所製)および仕上げ切削バイ
ト3(商品名「5R」、東京ダイヤモンド工具製作所製
)のみで切削した以外は、実施例1と同様の切削方法に
よって円筒状アルミ基体1の表面を平均粗度Rzが0.
3μm以下の非鏡面に仕上げた。
【0044】上記切削工程の終了した円筒状アルミシリ
ンダー1表面を顕微鏡によって観察した結果、円筒状ア
ルミシリンダー1表面に10%以上の光学反射むらのあ
る切削むらが発生した結晶粒の数は、結晶粒全体の50
%であった。また平均的な切削むらのある結晶粒を顕微
鏡により写真撮影を行ない、図3に示した写真中の結晶
粒の平均的な切削むら部をコニカ社製マイクロデンシト
メーターによりライン濃度測定を行なった結果、15%
の濃度むらであった。
【0045】次に切削工程を終了した円筒形アルミ基体
1を用いて図8および図9に示す堆積膜形成装置により
、表1の条件により基体505に図10に示す3層構成
のアモルファスシリコン膜を形成した。図10において
602は基体、603は電荷注入阻止層、604は光導
電層、605は表面保護層を示している。
【0046】この様にして形成したアモルファスシリコ
ン感光体の外観を観察した結果、部分的に光沢むらが発
生しているのが確認された。
【0047】上記アモルファスシリコン感光体を実施例
1と同様の評価を行ないその結果を表2に示す。
【0048】(実施例2)図1において、切削バイト3
,4として東京ダイヤモンド工具製作所製平バイトを使
用したこと以外は実施例1と同様の切削方法によって、
円筒状アルミ基体1表面の平均粗度Rz0.15μm以
下の鏡面に仕上げた。
【0049】上記円筒状アルミシリンダー1表面を顕微
鏡により観察した結果、円筒状アルミシリンダー1表面
に前述測定法により10%以上の光学反射むらのある切
削むらが発生した結晶粒の数は結晶粒全体の30%と少
なく切削むらも軽微なものであった。また平均的な切削
むらのある結晶粒を顕微鏡写真を撮影し、コニカ社製マ
イクロデンシトメーターによりライン濃度測定を行なっ
た結果、約10%の濃度むらであった。
【0050】次に切削工程を終了した円筒形アルミ基体
1を用いて、図8および図9に示す堆積膜形成装置によ
り、表1の条件により基体505に、図10に示す3層
構成のアモルファスシリコン膜を形成した。図10にお
いて602は基体、603は電荷注入阻止層、604は
光導電層、605は表面保護層を示している。
【0051】この様にして形成したアモルファスシリコ
ン感光体の外観を観察した結果、切削むらによる光沢は
観察されなかった。
【0052】上記アモルファスシリコン感光体を実施例
1と同様の評価を行ない、その結果を表2に示す。
【0053】(実施例3)図1において切削バイト3に
前述5Rバイト、切削バイト4に前述東京ダイヤモンド
工具製作所製平バイトを使用したこと以外は実施例1と
同様の切削方法によって円筒状アルミ基体1表面の平均
粗度Rzが0.15μm以下の鏡面に仕上げた。
【0054】上記円筒状アルミシリンダー1表面を顕微
鏡により観察した結果、円筒状アルミシリンダー1表面
に前述測定法により10%以上の光学反射むらのある切
削むらが発生している結晶粒の数は結晶粒全体の40%
と少なく、切削むらも軽微なものであった。また平均的
な切削むらのある結晶粒の顕微鏡写真を撮影し、コニカ
社製マイクロデンシトメーターによりライン濃度測定を
行なった結果、約10%の濃度むらであった。
【0055】次に切削工程を終了した円筒形アルミ基体
1を用いて図8および図9に示す堆積膜形成装置により
表1の条件により基体505に図10に示す3層構成の
アモルファスシリコン膜を形成した。図10において6
02は基体、603は電荷注入阻止層、604は光導電
層、605は表面保護層を示している。
【0056】この様にして形成したアモルファスシリコ
ン感光体の外観を観察した結果、切削むらによる光沢は
観察されなかった。
【0057】上記アモルファスシリコン感光体を実施例
1と同様の評価を行ないその結果を表2に示す。
【0058】以上の結果、実施例1,2,3では、図3
に示した結晶粒の平均的な切削むらは軽微なものであり
、図6に示した様に光学反射率むらが10%以上の結晶
粒1つ1つは、単独で存在しており、近接して1つの大
きな欠陥の様に挙動する部分がほとんどないため外観、
画像共に光沢むらおよびガサツキのない良好な画像が得
られた。これに対して比較例1では、図3に示した結晶
粒の平均的な切削むらは実施例1よりも大きく、図7に
示した様に光学反射率むらが10%以上の結晶1つ1つ
が単独では存在せずに近接して1つの大きな欠陥の様に
挙動する部分極めて多いため、外観上、全面に光沢むら
が発生し、画像評価においてもハーフトーン画像全面に
ガサツキが発生し、良好な画像が得られなかった。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は基体表面の結
晶粒に発生する10%以上の光学反射むらを有する切削
むらを全結晶粒の40%以下とすることによって、電子
写真用堆積膜を形成した後でも、下地(基体表面)の影
響を何ら受けずに均一な光沢を得ることが可能となる。 また電子写真装置等で全面ハーフトーンモードのコピー
時に発生する微小な画像濃度むら(ガサツキ)のない高
品質な画像が得られる。またアルミニウム基体の切削工
程後の洗浄には、たとえばトリクロルエタン、フレオン
等の有機溶剤が一般的に広く用いられているが、同一ア
ルミニウム基体表面に粗さの異なる結晶粒が存在すると
、表面張力に差が生じ、切削むら等により表面の粗さが
粗くなった結晶粒部分に洗浄液が引き寄せられるのと同
時に、一度洗液によってアルミニウム基体表面から剥離
した微小なダストをも引き寄せてしまい、アルミニウム
基体表面に残存してしまう。上記の様にアルミニウム基
体表面にダスト等が残存すると洗浄機の洗浄液が汚れや
すくなり、頻繁に最終洗浄槽の洗浄液を交換しなければ
ならない。しかし本発明に用いるアルミ基体は同一結晶
粒界内での光学反射率むらが10%以下で、むらの小さ
なものが多いため、表面張力の差はほとんどなく、ダス
トの引き寄せがないため、アルミニウム基体表面の汚れ
が一度でほとんどが洗い流される。このため最終洗浄槽
内の洗浄液の汚れも少なく、洗浄液の交換頻度が大巾に
減り洗浄液の使用量が低減するという効果が得られ、こ
れは予測できない効果である。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真感光体用アルミシリンダーを切削する
工程の説明図。
【図2】図1の工程で切削される段階を示す説明図。
【図3】切削後のアルミシリンダー表面の結晶粒を示す
顕微鏡写真で、(a)は100倍、(b)は200倍、
(c)は400の倍率である。
【図4】切削工程終了後に堆積膜を形成した後の結晶粒
を示す顕微鏡写真で、(a)は100倍、(b)は20
0倍、(c)は400の倍率である。
【図5】切削むら部写真のライン濃度測定により数値化
する方法を説明するための図で、(a)は平面図、(b
)は測定されたライン濃度のチャート図。
【図6】感光体基体表面の結晶粒分布を示す説明図。
【図7】同一結晶粒界内での光学反射率むらが10%以
上である結晶粒A’〜T’の存在率が40%以上の場合
の感光体基体表面の結晶粒分布を示す説明図。
【図8】マイクロ波プラズマCVD法により円筒形基体
上に堆積膜を形成するための堆積膜形成装置図の縦断面
図。
【図9】図8の装置の断面図。
【図10】上記マイクロ波プラズマCVD法により基体
上に堆積膜形成された膜の断面図。
【図11】各ランクの感光体の光学反射むらとその存在
率との相関を示すグラフ。
【図12】ガサツキのランクと反射率むらの存在率との
相関を示すグラフ。
【符号の説明】
2,3,4    ダイヤモンドバイト1,505,6
02    円筒形基体501    反応容器 502    マイクロ波導入窓 503    導入管 504    排気管 506    放電空間 507    ヒーター 508    バイアス電極 509    回転軸 510    モーター 511    直流電源 601    電子写真感光体の断面 603    電荷注入阻止層 604    光導電層 605    表面保護層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  珪素原子を母体とする非単結晶質から
    なる電子写真感光体に用いるアルミニウム基体の切削処
    理後の表面において、同一結晶粒界内での光学反射率む
    らが10%以上の粒界の存在率が40%以下であること
    を特徴とする電子写真用感光体。
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