JPH04330289A - ジグリセリドの製造法 - Google Patents

ジグリセリドの製造法

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JPH04330289A
JPH04330289A JP3007133A JP713391A JPH04330289A JP H04330289 A JPH04330289 A JP H04330289A JP 3007133 A JP3007133 A JP 3007133A JP 713391 A JP713391 A JP 713391A JP H04330289 A JPH04330289 A JP H04330289A
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吾朗 宇治田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジグリセリドの製造法に
関する。より詳しくは酵素法により、グリセリン過剰下
で反応する反応と不溶グリセリンを除去し脱水下で反応
する2段反応によりジグリセリドを製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】グリセ
リドの内、モノグリセリドとトリグリセリドは産業的利
用価値が古くから知られ、その利用面や製造技術に関し
てこれまで多くの提案がなされている。
【0003】しかし、ジグリセリドはあまり注目される
こともなく、むしろモノグリセリドやトリグリセリドに
混入又は中間体として副生するあまり利用価値のない生
成物として取扱われている。そのため、ジグリセリド、
とりわけ高純度のジグリセリドを製造する方法に関して
はこれまで数点の提案がなされているのみである。
【0004】例えば、角田らは微生物アルカリリパーゼ
を用い脱水下でエステル化反応を行なっている。条件と
してはグリセリン1モルに対しオレイン酸1.7 倍モ
ルで、酵素としてリパーゼ−PL 679(名糖産業(
株)製)13.8重量%存在下において40℃、48時
間振とう反応している。この反応液のエステル合成率は
96%と報告されている(特開昭62−25987 号
) 。
【0005】又、廣田らはリパーゼ製剤を用いグリセリ
ン1モルに対し、2倍モルのオレイン酸を脱水下でエス
テル化反応を行ない、40℃, 10時間でエステル合
成率95.3%を得ている(特開昭64−71495 
号) 。
【0006】高濃度ジグリセリド製造法としては上記以
外に油脂のグリセロリシス反応による製造法として山根
ら(特開昭62−201591号)、廣田ら(特開昭6
3−133992号)があるがいずれもジグリセリド濃
度は上記エステル化反応に劣る。
【0007】グリセリンの脂肪酸によるエステル化反応
は下式の如き可逆反応式で表わされる。
【0008】
【化1】
【0009】(式中、Gly はグリセリン、FAは脂
肪酸、MGはモノグリセリド、DGはジグリセリドを示
す。)(1) 、(2)式より水分の多い系では加水分
解側に、また水分の少ない系ではエステル化反応側に反
応が進むことは明らかであり、反応速度を増加させる為
には水分を除去しつつ上記反応を行なわせることが有利
である。
【0010】この水分除去方法としては特公昭63−1
2599 号公報は水又は水及び低級アルコールを排出
する系において部分グリセリド及び遊離脂肪酸又はその
低級アルコールのエステルを含む基質にエステル交換活
性を有する脂質分解酵素を作用させるエステル化法を開
示しており、系外への水又は水及び低級アルコールの排
出法として減圧溜出やゼオライト、シリカゲルなどの吸
収剤を用いることが示されている。反応系内の水分量と
しては0.18%程度以下と記載されている。
【0011】また特開昭60−203196号公報は、
油脂類の加水分解反応に続いてエステル合成反応を行う
リパーゼによるエステル交換方法を開示しており、エス
テル合成反応段階において乾燥した不活性ガスは継続的
に或は断続的に反応系内に通気し、更に反応系外に排気
して反応系内の水分を同伴除去することにより水分を除
去することが述べられている。
【0012】特開昭62−19090 号公報は、グリ
セリンと炭素数2〜22の飽和又は不飽和脂肪酸に、実
質的に水を加えることなく、更に反応によって副生する
水を除きつつ、特定の性状を有するキャンディダ・シリ
ンドラセの変異菌の生成するリパーゼを作用させてジグ
リセリドを製造する方法を開示しており、反応系からの
脱水法としては、吸収剤を用いるか、乾燥した空気や不
活性ガスを反応槽中に通気撹拌して系外へ排気して水分
を除いて反応系の含水率を0.1 %以下にすることが
示されている。
【0013】以上の脱水方法においてゼオライト、シリ
カゲルなどの吸収剤を用いる場合、吸収剤の吸湿能力に
限界があり、飽和後は、新たな吸収剤に交換するか、吸
収剤を再生しなければならず、工業的に不可能である。 又、乾燥気流による系外への通気脱水は大量の乾燥気流
が必要となり工業的には装置の膨大化を招く。
【0014】従って最も工業化に適する脱水法としては
減圧による溜出が考えられる。但し、酵素安定性を考慮
すると低温での脱水が必要となり、高真空、大抽気量の
設備が必要となる。又、反応初期においては、基質濃度
が高く反応速度が大きいため、生成水が多量に発生する
。従って従来の減圧による脱水法では、反応初期におい
て効率的に脱水が行なえず、脱水律速による反応速度の
悪化を招いている。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは、脂肪酸とグリセリンとのエステル化反応の
反応機構を解明する過程において、まったく新しい反応
方法にて高効率にジグリセリド、好ましくは高濃度ジグ
リセリドを得る製造法を見出し本発明を完成するに到っ
た。
【0016】即ち本発明は、炭素数2〜22の飽和もし
くは不飽和脂肪酸とグリセリンとのエステル合成反応に
おいて、グリセリンを該脂肪酸に対して等モル以上加え
反応を行ない(以下、グリセリン過剰域反応という)、
生成目的物であるジグリセリド濃度を高めた状態で反応
を停止し、不溶グリセリンを分離し、その後脱水しなが
ら更に反応を行う(以下脱水反応という)ことを特徴と
するジグリセリドの製造法を提供するものである。
【0017】本発明の反応はグリセリンと脂肪酸による
エステル化反応であるが、双方の相互溶解性が低い為、
不均一反応である。又、生成物であるモノグリセリド、
ジグリセリド、トリグリセリドはグリセリン相にほとん
ど溶解せず脂肪酸相側に溶解すること等により、脂肪酸
相を連続相、グリセリン相を分散相とする反応形態を有
している。即ち、反応場は脂肪酸相であり、グリセリン
は脂肪酸相に溶解したものが反応に関与することが判っ
た。ここで水分について考えると同様に脂肪酸相で水分
が反応に関与しており、この脂肪酸相中の水分を除去す
ることによりエステル化速度は増加する。そこで反応に
直接影響しない分散相であるグリセリン液滴が吸水性を
有しており、これを利用することによって連続相である
脂肪酸相で反応が起こり生成した水分を分散相であり過
剰に加えたグリセリン液滴側に移行させることによりエ
ステル化速度を増加させることに思い到った。研究の結
果、このグリセリン過剰域で反応させることにより従来
の減圧による脱水に比べ脱水速度が増大し、エステル化
速度も増大することが判った。
【0018】更に本発明方法を好適に実施するためには
、反応後半においてはモノグリセリド濃度が増加し、目
的生成物であるジグリセリドが減少するという知見に基
づき、ジグリセリド濃度を高めた状態で、好ましくはジ
グリセリド濃度がピークに達したところで反応を停止し
、脂肪酸相に不溶である生成水を含有したグリセリンを
遠心分離若しくは静置分離にて除去し、得られた軽液で
ある脂肪酸相のみで再度減圧、並びにモレキュラシーブ
ス乾燥気流等の脱水法を用い、可及的に生成水を系外に
除去することにより反応を進行させ、ジグリセリド反応
液を得ることができたのである。
【0019】即ち、上記のようなグリセリン過剰域反応
と脱水反応とを組み合わせた本発明の方法により従来の
方法に比べてエステル合成に要する時間が大幅に短縮で
き、高濃度のジグリセリドを効率良く製造できるのであ
る。
【0020】以下本発明について詳細に説明する。
【0021】本発明で使用する脂肪酸は、炭素数2〜2
2個の飽和または不飽和の脂肪酸であり、例えば酪酸、
吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラル
ゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ゾーマリン酸、ステアリン酸
、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸
、アラキドン酸、ガドレン酸、アラキン酸、ベヘン酸、
エルカ酸などを用いることができる。これらの脂肪酸は
単独または2種以上混合して用いることができる。
【0022】本発明においては、固定化1,3 位選択
的リパーゼまたは菌体内1,3 位選択的リパーゼの存
在下で反応を行うことが好ましく、固定化1,3 位選
択的リパーゼは1,3 位選択的リパーゼを公知の方法
で固定化することにより得られる。固定化のための公知
の方法は例えば「固定化酵素」千畑一郎編集、講談社刊
、9〜85頁及び「固定化生体触媒」千畑一郎編集、講
談社刊、12〜101 頁に記載されているが、イオン
交換樹脂により固定化する方法が好ましいものとして例
示される。固定化に用いられる1,3 位選択的リパー
ゼとしては、リゾプス(Rhizopus)属、アスペ
ルギルス(Aspergillus) 属、ムコール属
(Mucor) 属等の微生物由来のリパーゼ、膵臓リ
パーゼ等がある。例えばリゾプス・デレマー(Rhiz
opus delemar)、リゾプス・ジャポニカス
(Rhizopus japonicus)、リゾプス
・ニベウス(Rhizopus niveus)、アス
ペルギルス・ニガー(Aspergillus nig
er) 、ムコール・ジャバニカス(Mu−cor j
avanicus)、ムコール・ミーハイ(Mucor
 miehei)などを起源とするリパーゼを使用する
ことができる。市販の固定化1,3 位選択的リパーゼ
としては、ノボ・インダストリー・A・S社製の商品名
「Lipozyme3A」がある。菌体内1,3 位選
択的リパーゼは、微生物菌体に1,3 位選択的リパー
ゼが吸着または結合したもので、市販品としては、大阪
細菌研究所製の商品名「オリパーゼ」がある。これらの
固定化もしくは菌体内リパーゼは減圧条件でもその特性
を維持するため、保水力を示すものである必要がある。 このためには、特にイオン交換樹脂で固定化したリパー
ゼが好ましい。
【0023】本発明のより具体的な好ましい方法は以下
に示す通りである。
【0024】まず炭素数2〜22の飽和もしくは不飽和
脂肪酸とグリセリンとを、グリセリンを脂肪酸に対して
等モル以上加えて反応を行なう。好ましくは脂肪酸1モ
ルに対し、グリセリン1 〜50モル、より好ましくは
1.25〜3.33モルとなるように添加し、更に前記
のリパーゼ製剤を添加した混合物を20℃〜100 ℃
、好ましくは40〜70℃で反応を行う。脂肪酸に対す
るグリセリンのモル比は高い程反応場の水分は低くなり
、エステル化速度は増加するが、50モルを超えるよう
な大過剰に加える場合連続相と分散相の転移が起き、反
応終了後不溶含水グリセリンの分離に負荷がかかり、反
応槽の大きさが大きくなるなどの不利益が生ずるため好
ましくない。
【0025】反応系はリパーゼ製剤に含まれる水分を除
き、実質的に非水系で行う。またヘキサン、オクタン、
石油エーテル等の溶剤を用いることもできるが、その除
去、精製を考えると、溶剤を用いない方が好ましい。リ
パーゼ製剤に含まれる水分は0.1 〜20重量%、好
ましくは2〜6重量%である。
【0026】反応経時組成は、グリセリン過剰存在下で
あるため反応後半においてグリセロリシス反応が起こり
、目的生成物であるジグリセリドからモノグリセリドに
平衡が移行してしまう。従ってそのような領域でリパー
ゼ製剤を濾別し、脂肪酸相に不溶解である生成水を含水
したグリセリンを遠心分離あるいは静置分離により除去
する。除去した含水グリセリンはエバポレーターで減圧
蒸留し原料グリセリンとして再使用することができる。 また分離したリパーゼ製剤は繰り返し反応に用いること
ができる。
【0027】以上の反応は常圧下で充分エステル化反応
は進行するが、可及的に生成水を除去する方法と並用し
てもよい。
【0028】得られた脂肪酸相はよりジグリセリド濃度
を高める為、可及的に生成水を除去する状態において前
記リパーゼ製剤を用い更にエステル化反応を行う。
【0029】以上の2段反応終了後、反応物よりリパー
ゼ製剤を濾別し、未反応の脂肪酸及びモノグリセリドは
分子蒸留等、従来周知の分離・精製手段を単独又は適宜
併用することにより容易に除去することができる。かく
して精製ジグリセリドが高純度で収率良く得られる。ま
た、分離したリパーゼ製剤は繰り返し反応に用いること
ができる。
【0030】このジグリセリド製造プロセスを連続化す
る事により本発明をより効果的に応用できる。即ち図1
に示すようなプロセスとなる。
【0031】グリセリン過剰域での反応は6から原料脂
肪酸、7からグリセリンを仕込み、リパーゼ製剤13を
充填した反応塔1を流通管式反応器とし連続的に反応を
行う。即ち、これにより酵素濃度を飛躍的に増大するこ
とが可能であり、反応速度の増大による装置のコンパク
ト化、高効率化、並びに副生物であるトリグリセリドの
抑制などの効果がある。ジグリセリド製造法における従
来技術(特開昭62−25987 号)では脂肪酸1モ
ルに対し0.45〜1モルのグリセリンを用いた1段反
応である為、流通管式反応器を用いた場合、直ちに反応
が平衡に達し、低反応率しか得られない。
【0032】次に脂肪酸相に不溶な含水グリセリン9は
遠心分離器2により連続的に分離し含水グリセリンは減
圧蒸留器5により蒸留し、原料グリセリン10として再
使用する。尚、含水グリセリンの分離は比重差により短
期間で分離するため静置分離により分離してもよい。
【0033】脂肪酸相の脱水反応は脱水器3とリパーゼ
製剤14を充填した反応塔4を循環することにより反応
を進行させ、連続槽型反応器として連続処理し、出口8
から反応終了品を得る。尚、11及び12は真空ライン
である。
【0034】
【実施例】以下に、本発明を実施例、比較例をもって詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0035】実施例1 1,3位選択的リパーゼである市販リパーゼ製剤〔リゾ
プス・ジャポニカス(Rhi−zopus japon
icus)起源のリパーゼ、商品名「リリパーゼA−1
0」、長瀬産業社製〕を中村らによる固定化方法(特開
平1−174384号) により固定化して得た固定化
リパーゼ10g、オレイン酸100 g(0.357m
ol)及びグリセリン43.8g(0.476mol)
を混合し40℃でかきまぜ、1.4 時間反応を行った
。反応終了後固定化リパーゼを濾別した後、不溶グリセ
リンを遠心分離で除き、残った脂肪酸相の一部をアルカ
リ滴定することによりエステル合成率を求めた。又、サ
ンプルを一部取り、トリメチルシリル化してガスクロマ
トグラフィーによりトリグリセリド、ジグリセリド及び
モノグリセリドの組成を求めた。その結果は第1反応と
して表1に示した。
【0036】次にこの反応液100 gに上記固定化リ
パーゼ10gを混合し40℃でかきまぜ1.5時間反応
を行った。 反応の際、ジグリセリド濃度を高めるため5mmHgに
系内を減圧にした。反応後固定化リパーゼを濾別した後
、上記方法にてエステル合成率及びグリセリド組成を求
めた。その結果は第2反応として表1に示した。
【0037】実施例2 実施例1の固定化リパーゼ10g、オレイン酸100 
g(0.357mol)、グリセリン65.7g(0.
714mol)を混合し40℃でかきまぜ1.6 時間
反応を行った。以下実施例1と同じ操作により第2反応
を1.0 時間行った。その結果を表1に示す。
【0038】実施例3 実施例1の固定化リパーゼ10g、オレイン酸100g
(0.357mol)、グリセリン100g(1.08
7mol)を混合し40℃でかきまぜ1.8 時間反応
を行った。以下実施例1と同じ操作により第2反応を0
.5 時間行った。その結果を表1に示す。
【0039】比較例1 実施例1の固定化リパーゼ10g、オレイン酸100 
g(0.357mol)、グリセリン16.4g(0.
179mol)を混合し40℃でかきまぜ系内を5mm
Hgに減圧した状態で6.5 時間反応を行った。その
結果を表1に示す。
【0040】比較例2 比較例1において、反応時間を3.0 時間とする以外
は比較例1と全く同様の反応行った。その結果を表1に
示す。
【0041】
【表1】
【0042】実施例4 実施例1の固定化リパーゼ560 gを図1に示す反応
塔1に投入しオレイン酸を仕込み口6から1590g/
hrで、またグリセリンを仕込み口7から1050g/
hrで流通反応させる。定常状態後反応液をサンプリン
グし、遠心分離後上層を前述の測定法にてエステル合成
率を測定した結果を第1反応品として表2に示す。
【0043】流通管反応塔1から出た反応液を遠心分離
器2により遠心分離し得られた第1反応品を脱水器3に
3kg入れ、固定化リパーゼ400 gを充填した反応
塔4を通し脱水器3に戻す、即ち循環することにより反
応を進行させる。又、脱水器3に第1反応品を1840
g/hrで連続的に仕込み脱水器滞留液量を一定にしな
がら第2反応品を出口8より抜き出す。反応の際ジグリ
セリド濃度を高めるため5mmHgに脱水器3内を減圧
にした。第2反応品のエステル合成率を表2に並記する
【0044】比較例3 実施例4における第2反応方法のみで連続反応を行なう
。プロセスは図2のようになる。即ち、オレイン酸を仕
込み口24から1460g/hrで、またグリセリンを
仕込み口25から240 g/hrで脱水器15に仕込
み、固定化リパーゼ21を充填した反応塔18を通し脱
水器15に戻し、脱水器15の滞留量が一定になるよう
液を抜き出す。この反応液26のエステル合成率を表2
に示す。
【0045】又、この反応液26はエステル合成率が低
い為、同様に次の脱水器16、固定化リパーゼ22を充
填した反応器19に連続的に供給する。同様方法により
得られた反応液27のエステル合成率を表2に示す。
【0046】同様に、この反応液27を次の脱水器17
、固定化リパーゼ23を充填した反応器20に連続供給
した結果を反応液28として表2に示す。
【0047】脱水器15、16、17は5mmHgの減
圧下であり、反応器18、19、20にはそれぞれ40
0 gの固定化リパーゼ21、22、23を充填する。 又、それぞれの系内滞留量は3kgである。尚、29,
 30, 31は真空ラインである。
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明の製造法によれば従来提案の酵素
法に比較して脱水効率がよくエステル化反応速度を増加
することができる。
【0050】また本発明により製造プロセスを高効率な
連続システムにすることが可能であり、装置のコンパク
ト化、副生物の抑制が可能である。
【0051】また、本発明法では、反応生成水が多く発
生する初期段階で生成水の除去を減圧、乾燥気流、シリ
カゲル等の可及的方法を必要とせず、原料であるグリセ
リン液滴に吸水させる為、リパーゼへの影響、即ち酵素
安定性の向上が期待できる。又、反応温度は酵素安定性
を考慮し低温で反応を進行させるが、低温で生成水を除
去する従来の方法に比べグリセリンに吸水させ分離後、
含水グリセリンを高温で減圧蒸留できる本発明による製
造法の方がより省エネルギーである。
【0052】また工業化計画の際、減圧法によると脱水
速度は脱水器液深並びに撹拌強度の影響を受けるが、本
発明法によればその影響を考慮する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の好ましいプロセスを示す図
である。
【図2】比較例3で用いた製造方法のプロセスを示す図
である。
【符号の説明】
1:反応塔 2:遠心分離器 3:脱水器 4:反応塔 5:蒸留器 6:原料脂肪酸仕込み口 7:原料グリセリン仕込み口 8:反応終了品出口 9:含水グリセリン出口 10:蒸留後回収グリセリン 11:真空ライン 12:真空ライン 13:固定化リパーゼ 14:固定化リパーゼ 15:脱水器 16:脱水器 17:脱水器 18:反応塔 19:反応塔 20:反応塔 21:固定化リパーゼ 22:固定化リパーゼ 23:固定化リパーゼ 24:原料脂肪酸仕込み口 25:原料グリセリン仕込み口 26:反応液 27:反応液 28:反応液 29:真空ライン 30:真空ライン 31:真空ライン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  炭素数2〜22の飽和もしくは不飽和
    脂肪酸とグリセリンとのエステル合成反応において、グ
    リセリンを該脂肪酸に対して等モル以上加え反応を行な
    い(以下、グリセリン過剰域反応という)、生成目的物
    であるジグリセリド濃度を高めた状態で反応を停止し、
    不溶グリセリンを分離し、その後脱水しながら更に反応
    を行う(以下脱水反応という)ことを特徴とするジグリ
    セリドの製造法。
  2. 【請求項2】  炭素数2〜22の飽和もしくは不飽和
    脂肪酸とグリセリンとの添加割合が該脂肪酸1モルに対
    し、グリセリン1〜50モルである請求項1記載のジグ
    リセリドの製造法。
  3. 【請求項3】  固定化リパーゼまたは菌体内リパーゼ
    の存在下で反応を行う請求項1又は2記載のジグリセリ
    ドの製造法。
  4. 【請求項4】  固定化リパーゼまたは菌体内リパーゼ
    を管に充填し、グリセリン過剰域での反応においては流
    通管反応器として1passで連続的に処理し、又、後
    段の脱水反応においては脱水器と酵素充填器を循環し、
    脱水器を減圧にすることにより脱水反応を行ない、連続
    槽型反応器として連続的に反応を行なう請求項3記載の
    ジグリセリドの製造法。
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