JPH04328180A - 親水性多孔膜形成用組成物 - Google Patents

親水性多孔膜形成用組成物

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JPH04328180A
JPH04328180A JP9777191A JP9777191A JPH04328180A JP H04328180 A JPH04328180 A JP H04328180A JP 9777191 A JP9777191 A JP 9777191A JP 9777191 A JP9777191 A JP 9777191A JP H04328180 A JPH04328180 A JP H04328180A
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JP
Japan
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ring
hydrophilic
monomers
block
polyethylene oxide
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JP9777191A
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English (en)
Inventor
▲かせ▼村 知之
Tomoyuki Kasemura
Tsunehisa Yamada
倫久 山田
Yoshihiro Oshibe
押部 義宏
Hiroshi Omura
大村 博
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料組成物や医療用の
分離膜等として利用できる親水性多孔膜形成用組成物に
関する。さらに詳しくは、表面に親水性でしかも多孔を
有する塗膜を形成する目的や親水性多孔フィルム等を作
成する目的で使用される親水性多孔膜形成用組成物に関
する。例えば、親水性多孔塗膜を種々のプラスチック材
料や金属材料の表面に形成することにより、水の保持力
に優れたきわめて親水持続性の良好な表面に改質するこ
とが出来る組成物である。
【0002】また、親水性多孔フィルム又は膜は、生体
適合性に優れた医療用の物質分離膜としての利用、種々
の物質の分離機能膜、あるいは気体、液体分離膜の支持
膜等としての利用、さらには各種材料の保護あるいは包
装用としての利用が可能であり、応用範囲は極めて広い
ものである。
【0003】
【従来の技術】多孔性膜は、従来より種々の物質の濾過
膜として使用されており、テトラフルオロエチレン膜、
セルロース膜などが代表的な例である。熱可塑性ポリマ
ーを素材として多孔性膜を得るには次の3通りの方法が
知られている。(1)  フィルム、あるいは繊維状の
ポリマーを延伸して物理的に孔をあける方法。
【0004】(2)  ポリマーを水溶性溶剤に溶解し
て塗膜を形成し、水中でポリマーの固化と溶剤抽出を行
う湿式成膜法。 (3)  成型用樹脂に有機物質を含有させて成型後、
有機物質を水や溶剤で除去して孔を発生させる方法。ま
た、特開昭59−62648号公報、特開昭63−22
7638号公報には、電子線または紫外線硬化を行うこ
とによる多孔性架橋膜の作成方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来公
知の方法で全ての重合体を素材に用いて多孔膜を形成で
きるわけではなく、特に親水性重合体で多孔質化できる
のはセルロース膜などに限定されている。また、多孔膜
には、機械的強度、耐溶剤性、耐薬品性に優れることが
求められている。さらに、孔径が任意に調整でき、均一
に作成できることが必要とされている。
【0006】ところが、セルロース膜のような熱可塑性
ポリマーを素材とした多孔性膜は線状ポリマーであるた
めに、耐溶剤性、耐薬品性において実用面での欠点を有
している。また、孔径をコントロールするには成膜条件
等の厳密な管理が必要で、工程も複雑なものとなってい
る。一方、これまでに提案されている多孔性架橋膜にお
いては網目構造をとるため、耐溶剤生、耐薬品性が改善
されている。
【0007】しかし、孔径の任意な調整という点で難し
さを抱えており、また親水性能との両立が困難であると
いう問題点があった。さらに、セルロース膜のように湿
式成膜法によって多孔膜を作成する場合は、各種基材上
に塗膜として固着させることが難しい。また、特開平2
−202945号公報で提案された方法では、ポリエチ
レンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック
共重合体に占めるポリエチレンオキサイドの割合が低い
時には、有効な多孔を形成する事ができず、塗膜表面の
親水性がやや劣るという問題点があった。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、膜やフィルムを作成すること
も各種基材上に塗膜として形成することもでき、三次元
架橋反応も可能な親水性多孔膜形成用組成物を提供する
ことにある。また、孔径が成膜を行う際の管理の仕方に
依存することなく、組成物に含有される成分の構成ある
いは成分間の配合比率によって再現よく設定できるよう
にし、その結果、孔径を容易な操作で自由に調節できる
親水性多孔膜形成用組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明では、下記(a)、(b)で示されるブ
ロック又はグラフト共重合体及び(c)で示されるポリ
エチレンオキサイドを含有し、前記(a)/(b)と(
c)の合計量の重量比が99/1〜50/50である親
水性多孔膜形成組成物をその要旨としている。
【0010】(a):2−ピロリドン環、ピリジン環、
モルホリン環、ピロリジン環、ピペリジン環、アジリジ
ン環、アゼチジン環のいずれかの環を側鎖に有する親水
性でかつラジカル重合性の単量体からなるA群から選ば
れる単量体の1種又は2種以上を構成単位とする親水性
重合体部分と、ラジカル重合性単量体の1種又は2種以
上を構成単位とする疎水性重合体部分とからなるブロッ
ク又はグラフト共重合体。
【0011】(b):ポリエチレンオキサイド及びポリ
プロピレンオキサイドからなるブロック共重合体。 (c):ポリエチレンオキサイドまた、第2の発明では
、前記第1の発明における(a)で示されるブロック又
はグラフト共重合体が下記(a1 )で示されるもので
ある親水性多孔膜形成用組成物をその要旨としている。
【0012】(a1 ):前記A群から選ばれる単量体
の1種又は2種以上40重量%以上、A群の単量体と共
重合性を有する単量体の1種又は2種以上60重量%以
下より形成される親水性重合体部分と、ラジカル重合性
単量体の1種又は2種以上より形成される疎水性重合体
部分とからなるブロック又はグラフト共重合体。次に、
第1の発明及び第2の発明について詳細に説明する。
【0013】本発明の組成物が、特定構造のブロック又
はグラフト共重合体である前記(a)成分と、特定構造
のブロック共重合体である前記(b)成分を含有するの
は、本発明の組成物から塗膜あるいはフィルムを形成す
る際に、容易な操作で孔の大きさを自由に調節しながら
多孔を発生させるために不可欠であり、いずれか一方が
含有されない場合には孔が生じない。
【0014】また、(b)成分のポリエチレンオキサイ
ドの含有量が50%以下の場合は、孔径が小さく、また
数も少なく有効な孔が得られない。しかし、(b)成分
のポリエチレンオキサイドの含有量が50%以下の場合
でも(c)成分のポリエチレンオキサイドを添加すれば
有効な孔が生じる。さらに(b)成分のポリエチレンオ
キサイドの含有量が50%を越える場合でも(c)成分
のポリエチレンオキサイドを添加するとより明確な孔を
生じさせることができる。このように、孔径は(a)、
(b)、(c)の重量比率によって変化する。従って、
これらの配合割合を変化させることにより、孔径を容易
に調節することが可能である。
【0015】また、多孔膜の親水性は、主に(a)成分
の親水性の度合に依存するが、(c)成分を配合するこ
とによっても付与される。従って、親水性と多孔性との
両立は前記(a)、(b)及び(c)成分が同時に含有
されてはじめて達成される。前記(a)、(b)及び(
c)成分の割合は、重量比で(a)/(b)+(c)=
99/1〜50/50である。(a)、(b)及び(c
)成分の全量に対する(b)及び(c)成分の合計量の
重量割合が1%に満たない場合は孔径が小さすぎて実用
的に不適である。一方、(a)、(b)及び(c)成分
の全量に占める(b)と(c)の合計重量の割合が増加
するに従って孔径は大きくなる。しかし、50%を越え
ると孔径が大きくなりすぎ、これに伴って膜強度が低下
するので不適当である。
【0016】また、(b)成分と(c)成分の重量比は
(b)/(c)=1/99〜99/1であることが好ま
しい。(b)と(c)の合計量に占める(b)の重量割
合が1%に満たない場合は孔径が小さすぎて実用的に好
ましくない。また、(b)成分中のポリエチレンオキサ
イドの含有量が50%以下の場合、(b)と(c)の合
計量に占める(c)成分の重量割合が1%に満たない場
合は孔径が小さすぎて実用的に好ましくない。
【0017】本発明の前記(a)成分の代わりに、(a
)成分と同一の単量体を構成単位とするランダム共重合
体を用いた場合には、膜成形時に孔が生じない。また、
(a)成分の親水性重合体部分が前記A群の単量体から
なる構成単位を含有しない場合にも孔の発生がみられな
い。この現象は、次の2点に関係すると推定される。即
ち、1)(a)成分が成膜時に親水性ドメインと疎水性
ドメインからなる相分離構造をとる。2)特定の環状官
能基が存在する親水性ドメインと(b)成分間のポリプ
ロピレンオキサイド部分との相溶性が低い。
【0018】即ち、成膜初期に(a)成分の親水性重合
体部分と疎水性重合体部分が相分離をひきおこし、同時
に(b)成分が凝集体を形成する。そして、親水性ドメ
イン中に存在する特定の環状官能基と(b)成分のポリ
プロピレンオキサイドとの相溶性が低いために、(b)
成分の凝集体は膜表面に移動する。この結果、(b)成
分より成る径の均一な集合体が膜内に均等に点在するに
いたる。
【0019】しかし、(b)成分のポリエチレンオキサ
イドの含有量が50%に満たない場合、十分な凝集体を
形成できないため集合体が膜内に点在する形はとれなく
なる。このとき、第3成分として(c)成分が存在する
と(b)成分のポリエチレンオキサイド部分との相互作
用により凝集体を形成し、(b)成分及び(c)成分よ
り成る集合体が膜内に均等に点在するにいたる。そして
、後述する操作により、膜内に点在する(b)成分又は
、(b)及び(c)成分を除去すると多孔膜が形成され
るものと推定される。
【0020】本発明の(a)成分であるブロック又はグ
ラフト共重合体の親水性重合体部分は、塗膜あるいはフ
ィルムに親水性が付与されしかも多孔を生じさせるため
に、2−ピロリドン環、ピリジン環、モルホリン環、ピ
ロリジン環、ピペリジン環、アジリジン環、アゼチジン
環のいずれかの環を側鎖に有する親水性でかつラジカル
重合体性の単量体からなるA群の単量体から選ばれる単
量体の1種又は2種以上に基づく構成単位とするか、あ
るいは当該構成単位を40重量%以上含有する必要があ
る。40重量%に満たない場合には孔が生じない。上記
環状の官能基のうち、モルホリン環を有する単量体が好
適である。この単量体は、ポリプロピレンオキサイドに
対する相溶性が低く、(b)成分が凝集体を形成し、こ
れが膜表面に移動するためと推定される。
【0021】前記孔が生じる40重量%以上の範囲の中
でこの構成単位の存在量が増大するほど孔径は大きくな
り、必要とする孔径に応じて構成単位の存在量を設定す
ることができる。また、親水性重合体部分は前記A群以
外の単量体を60重量%以下の範囲で構成単位とするこ
とができる。前記A群以外の単量体は、A群の単量体と
ラジカル共重合性を有するものの中から多孔性膜の用途
により適宜選択される。すなわち親水性重合体部分の親
水性が保持される限り、この単量体は親水性であっても
疎水性であってもよく、また架橋性官能基を有するもの
であってもよい。尚、親水性重合体部分のみからなるポ
リマーより作成した膜表面の水に対する接触角が65°
以下であることが、親水性重合体部分が親水性であるこ
との尺度となる。
【0022】本発明の(a)成分であるブロック又はグ
ラフト共重合体の疎水性重合体部分の組成には特に限定
はないが、合成面を考慮するとラジカル重合性単量体を
構成単位とすることが適切である。疎水性重合体部分の
みからなるポリマーより成膜した膜表面の水に対する接
触角が65°を越えることが疎水性の尺度である。この
範囲の疎水度合となるようにラジカル重合性単量体を適
宜選択し、疎水性重合体部分の構成単位とすることが適
切である。
【0023】本発明の(a)成分であるブロック又はグ
ラフト共重合体の親水性重合体部分と疎水性重合体部分
の一方もしくは両方に架橋性官能基を含有させることは
、3次元架橋膜を形成するうえで有効である。また、両
重合体部分の比率は親水性多孔膜に求める種々の物性を
考慮しながら設定できる。親水性重合体部分の比率が増
大するほど孔径は増大する傾向を示す。ただし、本発明
の組成物より形成される多孔膜は、水に対する接触角が
65°以下の親水性を有する必要があるため、親水性重
合体部分の重量比率が30%以上であることが好ましい
。また、相分離構造をとることが必要なため上限は90
%であることが好ましい。
【0024】本発明の(a)成分であるブロック又はグ
ラフト共重合体の分子量は、膜の親水性、多孔性には影
響しないが、強度面で影響を及ぼす。このため、GPC
測定装置で測定されるポリスチレンもしくはポリエチレ
ンオキサイド換算の数平均分子量が5000以上である
ことが好ましく、特に、多孔フィルム用途の場合100
00以上であることがより好ましい。
【0025】本発明の前記A群の単量体としては例えば
、N−ビニル2−ピロリドン、4−ビニルピリジン、N
−(メタ)アクリロイルモルホリン〔(メタ)アクリロ
イルモルホリンとは、メタアクリロイルモルホリンもし
くはアクリロイルモルホリンをいう。以下同様。〕、N
−(メタアクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリ
ロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルアジリジ
ン、N−(メタ)アクリロイルアゼチジン等がある。 これらの単量体は市販品として入手することもできるし
、公知の方法にしたがって合成して使用することもでき
る。
【0026】本発明で用いられるラジカル重合性単量体
のうち、親水性単量体としては例えば(メタ)アクリル
酸、イタコン酸、クロトン酸等のラジカル重合性不飽和
カルボン酸、及びそれら不飽和カルボン酸のアルカリ金
属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、スチレンスルホ
ン酸やスルホプロピル(メタ)アクリル酸エステル、ス
ルホプロピルイタコン酸エステルのようなスルホン酸基
を有するラジカル重合性不飽和単量体、及びそれらのア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、メタク
リロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルト
リメチルアンモニウムクロライドのような(メタ)アク
リル酸から誘導される第四級アンモニウム塩、メタアク
リル酸ジエチルアミノエステルのような第三級アミノ基
を有するアルコールのメタアクリル酸エステル、および
それらの第四級アンモニウム塩、(メタ)アクリルアミ
ド、ジメチルアクリルアミド等、アミノ基を有するラジ
カル重合性不飽和単量体、メタアクリル酸とジアミンか
ら得られるアミドアミンから誘導される第四級アンモニ
ウム塩、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチルエステ
ル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル、
(メタ)アクリル酸−3−クロル−2−ヒドロキシプロ
ピルエステルのような(メタ)アクリル酸のヒドロキシ
エステル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール
エステル、(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール
エステルのような(メタ)アクリル酸のポリエチレング
リコールやポリプロピレングリコールのエステル、(メ
タ)アクリル酸モノグリセライドのような(メタ)アク
リル酸の多価アルコールエステル、モノ(2−ヒドロキ
シルエチルアクリレート)アシッドフォスフェートのよ
うな(メタ)アクリル酸の隣酸塩、N−(3−スルホプ
ロピル)−N−メタクロイロキシエチル−N,N−ジメ
チルアンモニウムベタイン、N−(3−スルホプロピル
)−N−メタクロイルアミドプロピル−N,N−ジメチ
ルアンモニウムベタイン、1−(3−スルホプロピル)
−2−ビニルピリジニウムベタインのようなベタイン型
のラジカル重合性不飽和単量体、及びその塩などである
【0027】また、本発明で用いられるラジカル重合性
単量体のうち、疎水性単量体としては、例えば(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ
)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソ
プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)
アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert
−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウ
リル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アク
リル酸エステル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチ
ルスチレンなどの芳香族ビニル型単量体、ギ酸ビニル、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル
等カルボン酸ビニルエステル、ブタジエン、塩化ビニル
、塩化ビニリデン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ
)アクリルグリシジルエーテル等である。
【0028】また、架橋性官能基を有する単量体として
は、例えば(メタ)アクリル酸グリシジル、N−メチロ
ール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチロール
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、イタコ
ン酸等がある。
【0029】本発明においては、前記のラジカル重合性
単量体の中から目的に応じて適宜選択することが必要で
ある。例えば、多孔塗膜を形成する目的の場合は、塗膜
強度、基材との密着性の考慮が重要である。また、多孔
フィルム等を作成する場合は、強度、可撓性などを考慮
した単量体の選択が必要である。本発明の親水性重合体
部分と疎水性重合体部分からなるブロック共重合体及び
グラフト共重合体は、従来公知の方法で合成できるが、
特に工業的な生産性の容易さ、多義にわたる性能的な面
より、ポリメリックペルオキシド、ポリアゾ化合物、ラ
ジカル共重合性基含有ペルオキシドを使用したラジカル
重合により製造されることが好ましい。この場合の重合
方法としては通常の塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合
法、乳化重合法等が採用される。
【0030】本発明のブロック共重合体の代表的な製造
例をポリメリックペルオキシドを重合開始剤として説明
すると以下の通りになる。まず、ポリメリックペルオキ
シドを用いて親水性重合体部分を形成するビニル型単量
体の重合を行うと、連鎖中にペルオキシ結合が導入され
たペルオキシ結合含有親水性ビニル重合体が得られ、こ
れに疎水性重合体部分を形成するビニル型単量体を加え
て重合を行うと、ペルオキシ結合がその含有するペルオ
キシ結合において開裂し、効率よくブロック共重合体が
得られる。
【0031】また、本発明のグラフト共重合体は、例え
ばラジカル共重合体基含有ペルオキシドを用いて次のよ
うに合成することができる。まずラジカル共重合性基含
有ペルオキシドのペルオキシ結合が開裂しない条件で通
常の遊離基重合開始剤により親水性重合体部分を形成す
るビニル型単量体と共重合することにより、ペルオキシ
結合を含有する親水性共重合体が得られる。
【0032】次に、このペルオキシ結合が開裂する条件
で、これに疎水性重合体部分を形成するビニル型単量体
を加えて重合を行うと、ペルオキシ結合が開裂し、効率
よくグラフト共重合体が得られる。このようにして得ら
れるブロック共重合体、グラフト共重合体は、親水性重
合体部分、疎水性重合体部分の比率及び分子量を自由に
調節することが可能である。
【0033】本発明の(b)成分であるポリエチレンオ
キサイドとポリプロピレンオキサイドからなるブロック
共重合体は公知の方法により合成することができ、また
市販品としても入手できる。ポリエチレンオキサイド部
分及びポリプロピレンオキサイド部分の数平均分子量は
特に制限がないが、輪郭の明確な孔を形成するために、
それぞれが1000以上であることが好ましい。
【0034】本発明の(c)成分であるポリエチレンオ
キサイドの数平均分子量は特に制限はないが、輪郭の明
確な孔を形成するために300以上であることが好まし
い。本発明の組成物には、前記(a)成分、(b)成分
及び(c)成分の他に、必要に応じて(a)成分、(b
)成分及び(c)成分を溶解する有機溶剤、あるいはレ
ベリング剤等の添加剤を含有することができる。また、
多孔膜の架橋性を促進する目的でメラミン系、イソシア
ネート系等の架橋剤、金属キレート型架橋剤等を含有す
ることができ、また、架橋性官能基を有する重合体を含
有することもできる。
【0035】本発明の組成物を用いて多孔膜を得るには
、組成物から成膜を行い、次いでこの膜より(b)及び
(c)成分の一部もしくは全部を除去する操作が必要で
ある。この操作を進める方法には特に制限がなく、従来
公知の方法によって行うことができる。例えば、多孔塗
膜を得ようとする場合、メチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブ、ブチルゼロソルブ、メチルカルビトール、エチ
ルカルビトール、メチルイソブチルケトン等のケトン系
溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、等のエス
テル系溶剤、ベンセン、トルエン、キシレン、等の芳香
族炭化水素系溶剤、ホルムアミド、ジメチルホルムアミ
ド等のアミド系溶剤、アセトニトリル、アセチルニトル
等のニトリル系溶剤等を含有させた本発明の組成物を、
通常の塗料における塗布手段、例えば、ロールコート法
、スプレー法、浸漬法、ハケ塗り法、スピンコート法等
を用いることによって各種基材上に塗布する。
【0036】次いで、加熱乾燥等を行って塗膜とする。 尚、架橋塗膜を得る場合は、本発明の(a)成分に含有
される架橋性官能基や、組成物中に含まれる架橋剤に適
した加熱を行う必要がある。次に、得られた塗膜を、(
b)成分を溶解しかつ塗膜を溶解しにくい有機溶剤、例
えばトリクロロエチレン、アルコール、メチルセロソル
ブ、ジメチルホルムアミド、その他水等に浸漬して(b
)成分を除去することによって多孔膜を得ることができ
る。
【0037】また、多孔フィルムも同様の操作で得るこ
とができる。すなわち、形成する膜が容易に剥離しやす
い基材上で多孔塗膜を作成する場合と同様の操作で成膜
し、膜を剥離する前後のいずれかで浸漬を行い多孔フィ
ルムを得ることができる。
【0038】
【実施例】次に、本発明を製造例、実施例及び比較例を
あげて説明する。尚、各製造例、実施例、比較例におけ
る部数及び%は全て重量基準である。 (製造例1〜8、ブロック共重合体の製造)(1)第1
段重合温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた反応器
にメチルセロソルブ200部を仕込み、窒素ガスを吹き
込みながら所定温度に加熱し、それに表1に示す混合液
を2時間かけて仕込み、さらに表1に示した時間の重合
反応を行ってペルオキシ結合含有重合体の溶液を得た。 これらを製造例イ〜ヘとする。重合結果を表1にあわせ
て示す。 (2)第2段重合第1段重合と同じ反応装置に、表2に
示したように、第1段重合で得たポリマー溶液の所定量
と、単量体およびメチルセロソルブを仕込み窒素ガスを
吹き込みながら重合反応を行い、ブロック共重合体を合
成した。反応終了後にメチルセロソルブで希釈し固形分
濃度が20%のポリマー溶液に調整した。重合条件と結
果を表2に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】上記表1及び表2における略号は、次の意
味を表す。 注1)重合時間のうち、最初の2時間は混合液の滴下に
かかった時間である。 注2)2種以上の単量体を共重合した場合、転化率の低
い方の単量体の数値を記載した。 注3)25℃における重合溶液粘度(cp)である。 注4)重合時間のうち最初の0.5時間は混合液の滴下
にかかった時間である。 注5)全重合体量に占める第1段重合で合成された重合
体の割合である。
【0042】(1)メチルセロソルブ(2)
【0043
【化1】
【0044】  (3)N−ビニル−2−ピロリドン     (4)
N−アクリロイルモルフォリン (5)メタクリル酸ヒ
ドロキシエチル   (6)アクリル酸ヒドロキシプロ
ピル (7)アクリル酸ブチル           
    (8)メタクリル酸グリシジル (9)メタク
リル酸メチル            (10)スチレ
ン  (11)アクリロニトリル          
    (12)アクリル酸(製造例9〜12、グラフ
ト共重合体の製造)(1)第1段重合製造例1と同じ反
応器にジメチルホルムアミド200部を仕込み、窒素ガ
スを吹き込みながら所定温度に加熱し、それに表3に示
す混合液を2時間かけて仕込み、さらに表3に示した時
間の重合反応を行ってペルオキシ結合含有重合体の溶液
を得た。これらを製造例ト〜ヌとする。前記表1と同じ
方法で測定した重合結果を表3にあわせて示す。 (2)第2段重合第1段重合と同じ反応装置に、表4に
示したように、第1段重合で得たポリマー溶液の所定量
と、単量体およびジメチルホルムアミドを仕込み窒素ガ
スを吹き込みながら重合反応を行い、ブロック重合体を
合成した。反応終了後にトルエンで希釈し固形分濃度が
20%のポリマー溶液に調整した。重合条件と結果を表
4に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】上記表3及び4における略号は前記表1及
び2の略号と同じ意味又は次の意味を表す。 (13)ジメチルホルムアミド (14)
【0048】
【化2】
【0049】 (15)N−アクリロイルピリジン       (1
6) N−メタアクリロイルアジリジン(17)N−メ
タアクリロイルアゼチジン  (18)
【0050】
【化3】
【0051】(製造例13,14、ランダム共重合体の
製造)製造例1と同じ反応器にメチルセロソルブ(製造
例26〜28)またはジメチルホルムアミド(製造例2
9)を70部仕込み、窒素ガスを吹き込みながら所定温
度に加熱し、それに表5に示す混合液を2時間かけて仕
込み、さらに表5に示した時間の重合反応を行ってラン
ダム共重合体を合成した。重合結果を表5に示す。
【0052】
【表5】
【0053】(製造例15〜20、ポリエチレンオキサ
イドとポリプロピレンオキサイドからなるブロック共重
合体の合成)アルカリ触媒を用いて、ポリプロピレンオ
キサイドを得、次いでポリプロピレンオキサイドの両末
端にエチレンオキサイドを付加させる公知の技術に従っ
て表6に示すポリエチレンオキサイドとポリプロピレン
オキサイドからなるブロック共重合体を合成した。
【0054】
【表6】
【0055】表7には使用した市販品ポリエチレンオキ
サイドの平均分子量を示した。
【0056】
【表7】
【0057】(実施例1〜10、比較例1〜15)本発
明の組成物を用いてアルミニウム板上に作成した多孔塗
膜の諸特性を評価した。まず、製造例1〜14で合成し
た重合体の20%溶液100部にチタネートT−50(
日本曹達株式会社製商品名)10部および製造例15〜
20で合成したポリエチレンオキサイドとポリプロピレ
ンオキサイドのブロック共重合体と表7で示したポリエ
チレンオキサイドを所定量配合してコーティング溶液を
調整した。
【0058】次いで、充分に脱脂したアルミニウム板(
日本テストパネル社製A1050P、0.2mm厚)上
に乾燥膜圧が5μmとなるようにバーコーター用いて成
膜し、120℃、40分の加熱硬化を行って塗膜を作成
した。さらにこの塗膜を50℃の水あるいはトリクロロ
エチレンに5分間浸漬してポリエチレンオキサイドとポ
リプロピレンオキサイドのブロック共重合体及びポリエ
チレンオキサイドを除去して多孔塗膜とした。
【0059】次に、多孔塗膜の表面を走査型電子顕微鏡
で観察して孔径を測定した。なお、この測定は20個以
上の孔に対して行った。また、多孔塗膜の水に対する接
触角を測定し、アルミニウム板に対する密着性をJIS
  D−0202法に準じたセロテープ剥離試験により
評価した。コーティング溶液の配合組成と諸特性の評価
結果を表8〜12に示す。
【0060】
【表8】
【0061】
【表9】
【0062】
【表10】
【0063】
【表11】
【0064】
【表12】
【0065】
【発明の効果】以上詳述したように、第1の発明の親水
性多孔膜形成用組成物は、親水性の膜やフィルムを作成
したり、各種基材上に親水性塗膜を形成することができ
、三次元架橋反応も可能であり、さらに生成する孔の孔
径が成膜を行う際の管理の仕方に依存することなく、組
成物に含有される成分の構造又は成分間の比率によって
確実に設定でき、従って容易な操作で自由に調節できる
という優れた効果を奏する。
【0066】また、第2の発明の親水性多孔膜形成用組
成物は、ブロック共重合体の親水性重合体部分と疎水性
重合体部分とが所定量の割合で構成されることにより、
前記第1の発明の効果が特に有効に発揮されるという効
果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  下記(a)、(b)で示されるブロッ
    ク又はグラフト共重合体及び(c)で示されるポリエチ
    レンオキサイドを含有し、前記(a)/(b)と(c)
    の合計量の重量比が99/1〜50/50であることを
    特徴とする親水性多孔膜形成組成物。 (a):2−ピロリドン環、ピリジン環、モルホリン環
    、ピロリジン環、ピペリジン環、アジリジン環、アゼチ
    ジン環のいずれかの環を側鎖に有する親水性でかつラジ
    カル重合性の単量体からなる群(以下A群という)から
    選ばれる単量体の1種又は2種以上を構成単位とする親
    水性重合体部分と、ラジカル重合性単量体の1種又は2
    種以上を構成単位とする疎水性重合体部分とからなるブ
    ロック又はグラフト共重合体。 (b):ポリエチレンオキサイド及びポリプロピレンオ
    キサイドからなるブロック共重合体。 (c):ポリエチレンオキサイド
  2. 【請求項2】  前記請求項1に記載の(a)で示され
    るブロック又はグラフト共重合体が下記(a1 )で示
    されるものである親水性多孔膜形成用組成物。(a1 
    ):前記A群から選ばれる単量体の1種又は2種以上4
    0重量%以上、A群の単量体と共重合性を有する単量体
    の1種又は2種以上60重量%以下より形成される親水
    性重合体部分と、ラジカル重合性単量体の1種又は2種
    以上より形成される疎水性重合体部分とからなるブロッ
    ク又はグラフト共重合体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07196977A (ja) * 1993-12-28 1995-08-01 Dainippon Toryo Co Ltd 塗料組成物及び被覆アルミニウム材
JP2007269968A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Tokyo Institute Of Technology N−メタクリロイルアゼチジン系重合体ならびにその重合体の製造方法
JP2008266490A (ja) * 2007-04-23 2008-11-06 Tokyo Institute Of Technology N−メタクリロイルアゼチジン系ブロック共重合体
JP2009091376A (ja) * 2007-10-03 2009-04-30 Tokyo Institute Of Technology N−アクリロイルアゼチジン系重合体およびその製造方法

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