JPH0432646B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は加熱手段を有し、かつ湯の注出を電動
式で行なう給湯装置に関するものである。

従来の技術 従来、この種の加熱手段を有する電動式の給湯
装置は、モータ、あるいは電磁石等で駆動するベ
ローズポンプによつて空気を容器内に圧送して容
器内の湯を注出するようにしたものが一般的であ
つた。なお、加熱手段をもたない魔法瓶において
は、遠心ポンプにより直接湯を取出すようにした
ものが知られている。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、従来の電動式の給湯装置は空気
を容器内に圧送し容器内の空気を加圧することに
よつて湯を吐出させるため、特に湯が沸騰直後の
場合には湯の蒸気圧によつて容器内の圧力が異常
に高くなつており、少量の空気を圧送しても予想
以上に多量の湯が吐出する。一方、容器内の残り
湯が少なくなると、今度は容器の中の圧力を上昇
させる時間が必要で、吐出するまでの時間遅れが
ある。また残り湯が極く少量のときには空気と湯
とが混つた状態で吐出口より出てくるため、湯が
飛散し火傷をすることが生じる。

このため、発明者らは遠心ポンプにより湯を定
量づつ吐出させる給湯装置を提案している。しか
し、水中に溶けていた気泡が成長して遠心ポンプ
内に空気が充満すると、吐出不能となり使用でき
ない問題があつた。これは、湯の温度が高ければ
高いほど湯中に空気が入り込んでいるために、沸
騰直後の使用の場合にその傾向が強いものであつ
た。なお、遠心ポンプを備えた魔法瓶にあつても
同様な問題を有しているものであつた。ただ魔法
瓶は加熱手段で湯を高温に保つものではないた
め、湯温が低い場合は、遠心ポンプによる吐出は
可能なものである。

本発明は加熱手段を有し、かつ遠心ポンプを用
いた給湯装置にあつて、湯の流れをスムーズにし
て気泡の発生を極力抑えて実使用に支障がないよ
うにしたものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために、本発明は水を貯
める容器と、容器内の水を加熱する加熱手段と、
加熱手段により加熱された容器内の湯を吐出する
遠心ポンプとを備え、前記遠心ポンプは、その吸
込口を前記容器の底に接続するとともに、インペ
ラを吸込口に設けたインペラ支持部により回転支
持し、かつこのインペラ支持部の湯の流れと対向
する端部形状を球面もしくは円錐面としたもので
ある。

作 用 上記構成によれば、容器の底に接続された遠心
ポンプの吸込口での湯は、インペラ支持部の湯の
流れと対向する端部形状の球面もしくは円錐面で
案内され、何ら抵抗なく遠心ポンプ内に流れる。
したがつて、水中に溶け込んでいた気泡が成長す
ることは極力抑えられ、熱湯を直接給湯すること
ができる。

実施例 以下、本発明の一実施例を添付図面に基づいて
説明する。図において１は遠心ポンプ、２はその
インペラである。インペラ２は放射状に羽根３と
磁石４を埋設して構成され、このインペラ２の外
周に沿つて同心円上にポンプ室５を形成してい
る。そしてインペラ２の磁石４はポンプ室５を構
成する隔壁板６を介して駆動側の磁石７と対向せ
しめている。また、前記駆動側の磁石７はモータ
８の軸に固着されおり、磁石７と９とにより磁気
結合されモータ８の動力が伝達されるようになつ
ている。

ここで、遠心ポンプ１の構造を詳記すると、ポ
ンプ室５はケーシング９と隔壁板６とからなり、
ケーシング９の中央の吸込口１０にはインペラ支
持部１１が装着されている。そしてインペラ支持
部１１の湯の流れと対向する端部形状は球面もし
くは円錐面１１ａとしている。１６はインペラ支
持部１１を吸込口１０の中央に支持した支持体
で、湯の流れに対向する側の端面に曲面にしてい
る。１７はインペラ支持部１１に固定された固定
軸である。１８はインペラ２の軸受部で、固定軸
１７を軸として回動自在な有底の軸受孔１９を有
する。さらに、この軸受部１８の外端形状は球面
１８ａをしており、前記した磁気結合によりイン
ペラ２は駆動側の磁石７に吸引され常時は球面１
９は隔壁板６に当接している。この構成により、
インペラ２は固定軸１７を軸としてインペラ支持
部１１に回転支持されている。２０はポンプ室５
と連らなる吐出口である。２１はモータ８側のケ
ーシングで、モータ８に固定具２２で固定してい
る。このケーシング２１の開口端には段部２１ａ
を形成していて、ここに隔壁板６を設置し、リン
グ状のパツキング２３を介してケーシング９をネ
ジ２４により固定している。

上記遠心ポンプの組立は、モータ８を上向き状
態にし、その上にケーシング２１を固定し、その
後、順次各部材を重ね、最終的にネジ２４により
ケーシング１，２２を固定することにより、第１
図のように組立が完了するものである。

そして、上記遠心ポンプ４は、第３図のよう
に、給湯装置本体２５内の下部に設置されてい
て、水を貯める容器２６の底に吸込口１０を接続
している。遠心ポンプ４の吐出口２０はパイプを
介して注水口２７に接続されている。したがつて
別に設けたスイツチ操作により遠心ポンプ４を駆
動すれば、容器２６内の水は湯水されて注水口２
７から注がれるものである。なお、容器２６の下
部外周には加熱手段２８が施されており、容器２
６の水を加熱し沸騰させることができるようにな
つている。

次に遠心ポンプ１自体の動作を説明する。遠心
ポンプ１のモータ８に通電すると、モータ８の軸
に固着されている磁石７が回転し、インペラ２は
磁気結合されているので回転する。そして遠心ポ
ンプ１の吸込口１０より湯が吸い込まれ、吸込口
１０の中央に設けた球面もしくは円錐面１１ａお
よび支持体１６の曲面に沿つて乱流を起こさずイ
ンペラ２の羽根３内に流れ込み、遠心力によつて
加圧され、吐出口２０より湯が吐出される。

なお、湯の流れにおいて、とくにインペラ支持
部１１の端部形状が球面もしくは円錐面１１ａで
なく平坦面であれば、ここに湯が衝突して流れが
乱流になり、水中に溶け込んでいる気泡が成長
し、遠心ポンプ内に空気が充満するようなことに
なるが、球面もしくは円錐面１１ａであるため、
極力そのようなことが抑えられるものである。し
たがつて、高温の湯であつても遠心ポンプで揚水
できるものである。また支持体１６の曲面も球面
もしくは円錐面１１ａと同様な作用をするが巾が
小さいので必ず曲面にしなければならないもので
はない。

発明の効果 以上の実施例より明らかなように、本発明によ
れば遠心ポンプにより湯を直接吐出する給湯装置
を提供しているものであり、容器の底に接続した
遠心ポンプの吸込口におけるインペラ支持部の端
部形状を球面もしくは円錐面にすることにより、
湯の流れをスムースにインペラ内に供給すること
ができ、気泡の発生が極力抑えられ実使用に支障
のない良好な運転が可能となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例装置に用いる遠心ポ
ンプの断面図、第２図は同要部の平面図、第３図
は給湯装置の一部を切欠断面して示した側面図で
ある。 １……遠心ポンプ、２……インペラ、４，７…
…磁石、６……隔壁板、１０……吸込口、１１…
…インペラ支持部、２６……容器、２７……注水
口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 水を貯める容器と、容器内の水を加熱する加
   熱手段と、加熱手段により加熱された容器内の湯
   を吐出する遠心ポンプとを備え、前記遠心ポンプ
   は、その吸込口を前記容器の底に接続するととも
   に、インペラを吸込口に設けたインペラ支持部に
   より回転支持し、かつこのインペラ支持部の湯の
   流れと対向する端部形状を球面もしくは円錐面と
   した給湯装置。