JPH04325915A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH04325915A
JPH04325915A JP12187391A JP12187391A JPH04325915A JP H04325915 A JPH04325915 A JP H04325915A JP 12187391 A JP12187391 A JP 12187391A JP 12187391 A JP12187391 A JP 12187391A JP H04325915 A JPH04325915 A JP H04325915A
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清美 江尻
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度の塗布型磁気記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオ
テープ、コンピューターテープ、ディスクなどとして広
く用いられている。磁気記録媒体は年々高密度化され、
記録方式もアナログ方式から、デジタル方式まで検討さ
れている。この高密度化の要求に対して、磁性層に金属
薄膜を用いた磁気記録媒体が提案されているが、生産性
、腐食等の実用信頼性の点で磁性粉末を結合剤中に分散
して、支持体上に塗布したいわゆる塗布型の磁気記録媒
体が優れる。しかしながら、金属薄膜に対して塗布型媒
体は磁性物の充填度が低いために、電磁変換特性が劣る
【0003】塗布型媒体の電磁変換特性の向上には、磁
性体の磁気特性の改良、表面の平滑化などがあり種々の
方法が提案されているが、高密度化に対しては充分なも
のではない。
【0004】またデジタル用の媒体の性能向上に対して
は、磁性層の薄層化が知られている。しかし原理的には
有効ながら、塗布型媒体の薄層化には生産上の問題点が
ある。それは磁性層の薄層化によってピンホール、すじ
と言った塗布欠陥が発生し易く、充分な歩留まりが得ら
れない。またカレンダーによる成形効果が小さくなるた
めに表面性が悪く、電磁変換特性が良くない。
【0005】この様な問題を解決するためには、ある程
度の厚みを有する非磁性層の上に1μm以下の薄い磁性
層を同時に形成させた後に、カレンダー処理を行なうこ
とが考えられる。この様な目的に使用できる手段として
非磁性の粒状研磨剤、またはフィラーを下塗層に含ませ
ることが提案されている。(特開昭62−222427
号、特開平2−257424号)しかしながらこれらの
技術の問題点として、磁性層と非磁性層を同時に塗布し
、上層の磁性体を配向するときに、磁場による磁性体の
回転運動のため上下層の界面での混合が発生し、充分な
表面性がえられないばかりか、配向が充分に行なわれな
いので充分な電磁変換特性が得られなかった。
【0006】そこで本出願人らは非磁性の鱗片状粒子で
非磁性下層を形成させることによって、上層の磁性粒子
の配向性を改善しようと試みた。非磁性の鱗片状粒子層
を設けることに関してはグラファイトを用いた導電性中
間層が提案されている。(特開昭55−55438号)
しかしながらこの様な物質では、配向性の改善はなされ
るが、グラファイト自身には膜の補強効果がないため耐
久性上不十分である。この問題には、モース硬度5以上
の無機粉体を混合する提案がなされている。(特開昭6
0−125926号)又、本出願人らは非磁性の針状粒
子で非磁性下層を形成させることによって、上層の磁性
粒子の配向性を改善しようと試みた。非磁性の針状粒子
層を設けることに関しては針状の蓚酸塩を用いた補強層
が提案されている。(特公昭58−51327号)。
【0007】これら提案により配向性向上と耐久性の確
保はなされるが、実際に媒体を製造する段階では鱗片状
粒子はスタッキングをおこしやすく、また、蓚酸塩のよ
うな物質は結合剤への分散性がよくないため、磁性面の
平滑性を損なうことが判明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的は
、優れた電磁変換特性を有し、生産性の優れた磁気記録
媒体を提供することにある。本発明の第2の目的は、R
F出力が高く、かつ走行耐久性に優れドロップアウトが
少なく、ブロックエラーレート(BER)が低い磁気記
録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の上記目
的は、下記■〜■に記載の発明により達成できる。 ■  非磁性支持体上に少なくとも非磁性粉末と結合剤
を含む下層非磁性層を塗布し、前記下層非磁性層が湿潤
状態のうちに、強磁性粉末と結合剤を含む上層磁性層を
塗布した磁気記録媒体において、前記上層磁性層の乾燥
厚みが1μm以下であり、かつ前記下層非磁性層と前記
上層磁性層の間に混合領域がないことを特徴とする磁気
記録媒体。 ■  非磁性支持体上に少なくとも非磁性粉末と結合剤
を含む下層非磁性層を塗布し、前記下層非磁性層が湿潤
状態のうちに、強磁性粉末と結合剤を含む上層磁性層を
塗布した磁気記録媒体において、前記上層磁性層の乾燥
厚みが1μm以下であり、かつ前記非磁性粉末の最も長
い軸長r1 と最も短い軸長r2 との比r1 /r2
 が2.5以上であることを特徴とする磁気記録媒体。 ■  非磁性支持体上に少なくとも非磁性粉末と結合剤
を含む下層非磁性層を塗布し、前記下層非磁性層が湿潤
状態のうちに、強磁性粉末と結合剤を含む上層磁性層を
塗布した磁気記録媒体において、前記非磁性粉末が針状
比が2.5以上であり、かつ前記上層磁性層の乾燥厚み
が1μm以下であり、前記強磁性粉末の最も長い軸長の
平均径が0.3μm以下であることを特徴とする磁気記
録媒体。 ■  非磁性支持体上に少なくとも非磁性粉末と結合剤
を含む下層非磁性層を塗布し、前記下層非磁性層が湿潤
状態のうちに、強磁性粉末と結合剤を含む上層磁性層を
塗布した磁気記録媒体において、前記下層非磁性層が鱗
片状の非磁性粉末と分子量3万以上のエポキシ基を含む
結合剤を含み、かつ前記上層磁性層は針状の強磁性粉末
又は板状の強磁性粉末を含むことを特徴とする磁気記録
媒体。
【0010】すなわち本発明は下層非磁性層が湿潤状態
のうちに上層磁性層を同時または逐次に塗布した、いわ
ゆるウエット−オン−ウエットの塗布により複数層を設
けた磁気記録媒体の改良を図ったものである。つまりウ
エット−オン−ウエット塗布では界面が柔らかいために
互いに他の層の影響を受けやすく、例えば、塗布後配向
すると上層磁性層の強磁性粉末が回転運動するが、その
回転運動によって下層非磁性層がその影響を受け、界面
で混合が生じる。これを本発明では下層非磁性層に工夫
を加えることにより、界面で混合が生じない。従って、
混合領域がない磁気記録媒体を初めて得たものである。 この下層非磁性層と上層磁性層との界面において混合領
域が生じないようにするための1つの発明は下層非磁性
層に針状非磁性粉末を用いることである。従来の粒状の
非磁性粉末に比べ、針状の非磁性粉末が整列して存在す
ると未乾燥状態でも強固な塗膜を形成し、上層磁性層の
強磁性粉末が回転しても、その界面で混合を生じない。 混合領域が生じないようにするためのもう1つの発明は
下層非磁性層に鱗片状の非磁性粉末を用いて、いわばタ
イル状に敷きつめることであり、上記と同様、上層磁性
層の強磁性粉末が回転してもその界面で混合が生じない
。このタイル状に敷き詰めることは、分散性を改良する
ため分子量3万以上のエポキシ基を含む結合剤を用いる
ことによって達成できるものである。即ち、本発明は下
層非磁性層に形状的に特徴のある非磁性粉末を用いるこ
とによって上層磁性層を設けても、界面に混合領域が生
じず、従って、極めて薄層な、かつ平滑な磁性層が得ら
れたものである。
【0011】このように本発明の基本思想は、下層非磁
性層用塗布液として非磁性粉末を結合剤に分散した分散
液と強磁性粉末が結合剤に分散された上層磁性層用磁性
塗料を使用し、非磁性支持体上に該下層非磁性層用塗布
液を塗設して、これが湿潤状態のうちにこの上に上層磁
性層用磁性塗料を重層塗布することにより製造され得る
と言う点であり、特に上層磁性層厚を薄膜化、例えば、
1μm以下に歩留り良く調製できる点にある。
【0012】本発明■は、該上層磁性層の乾燥厚みは1
μm以下であり、かつ下層非磁性層と上層磁性層の間に
混合領域がない磁気記録媒体である。ここで、下層非磁
性層と上層磁性層の間に混合領域がないとは、具体的に
は、下層非磁性層と上層磁性層との界面においては、上
層磁性層成分と下層非磁性層成分とが混在する領域がな
いこと、具体的には上層磁性層成分の強磁性粉末と下層
非磁性層成分の非磁性粉末とが該界面において混在しな
いことをいう。従って、界面近傍での強磁性粉末および
非磁性粉末の配向の乱れも少なく、表面性を改善すると
共に配向性が改善されるのでRF出力を高くし、BER
(ブロックエラーレート)、ドロップアウト等を効果的
に低減する。また、磁性層を1μm以下にすることで短
波長記録に適する磁気記録媒体を安定に得ることができ
る。本発明の磁気記録媒体を製造するための具体的方法
は特に制限されないが、特に■〜■の発明において使用
する手段を適用することができる。即ち、強磁性粉末お
よび/または非磁性粉末の形状、サイズ等の規定、結合
剤の種類の選定等を種々選択することにより製造できる
【0013】本発明■の特徴は、該上層磁性層の乾燥厚
みは1μm以下であり、かつ該下層非磁性層にr1 /
r2 (即ち軸比)を2.5以上に規定した非磁性粉末
を含有するものである。このように形状を規定すること
により、塗布時の流動配向で長手方向に非磁性粉末が配
向するので、上層磁性層の強磁性粉末への磁場配向によ
る回転運動を抑止することができ、結果的に該下層非磁
性層と上層磁性層との界面の乱れを抑え、強磁性粉末の
配向も改善することができる。ここで、r1 は最も長
い軸長、r2 は最も短い軸長であるが、非磁性粉末の
具体的形状は、基本的には任意であり、針状でも板状で
もよく、電子顕微鏡等により実測される。また、該軸と
は厳密な意味での対称軸を意味するものではない。針状
の場合、r1 は通常、即ち長軸長といわれるもので、
3μm以下、好ましくは1.5  μm以下の範囲であ
り(即ちr2 は単軸長あるいは太さである)、好まし
い軸比は5〜20である。鱗片状あるいは板状の場合は
、r1 は通常板径といわれるものをさし、その値とし
ては、0.01〜3μm、好ましくは0.05〜1.5
μmの範囲であり(即ちr2 は板厚である)、好まし
い板状比は5〜20である。また、上層磁性層の強磁性
粉末の物性、形状、サイズは特に制限はないが、好まし
くは最も長い軸長の平均径が0.3μm以下の針状強磁
性粉末、板状強磁性粉末で具体例として針状強磁性粉末
は、γ−Fe2 O3 、Fe3 O4 、Co−γ−
Fe2 O3 、CrO2 、Fe−Ni合金、Fe−
Ni−Co合金等の合金強磁性粉末、板状強磁性粉末は
バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の六
方晶フェライト、及びCo合金粉末であり、時に好まし
くはFeを主体とした合金あるいは六方晶フェライトが
挙げられる。
【0014】本発明■の特徴は、該上層磁性層の乾燥厚
みは1μm以下であり、かつ該該下層非磁性層に針状比
を2.5以上に規定した非磁性粉末を含有し、かつ上層
磁性層に平均粒径を0.3μm以下に規定した強磁性粉
末を含有するものであり、特に■と相違する点は下層非
磁性層の非磁性粉末の形状を針状に限定すると共に上層
磁性層の強磁性粉末の最も長い軸長の平均径を0.3μ
m以下に限定した点であり、微粒子化による充填度の向
上、出力の向上を計ることができる。ここで、針状比と
は、前記r1 /r2 において定義した場合の非磁性
粉末の形状を針状に限定した場合と同じ意味であるが、
前記と区別するためにR1 /R2 と記す。ここで、
R1 は最も長い軸長、R2 は最も短い軸長である。 R1 としては、3μm以下、好ましくは1.5μm以
下の範囲であり、軸比としては好ましくは5以上である
。針状非磁性粉末としては、非磁性の金属(Cu、Cr
、Ag、Al、Ti、W等)あるいは酸化物が好ましく
、例えば、Al2 O3 (α、γ)、Cr2 O3 
、αフェライト、ゲーサイト、SiO2 (ガラスも含
む)、ZrO2 、CeO2 、TiO2 (ルチル、
アナターゼ)等が挙げられる。また、下層非磁性層の厚
みは0.5μm以上、好ましくは0.5〜5.0μmで
ある。下層非磁性層が0.5μmより薄いと生産性が低
下すると共にカレンダー成形性が劣化し充分な電磁変換
特性が得られにくくなる。 強磁性粉末の形状は任意であり、例えば、針状でも板状
でもよい。この場合の平均粒径の定義も前記発明■の軸
比:r1 /r2 で定義したことがあてはまり、物の
違いを除きr1 と同じ意味である。以下、r1 /r
2 にならって強磁性粉末の軸比をφ1 /φ2 と記
す。強磁性粉末が針状の場合、φ1 は、0.3μm以
下、好ましくは0.25μm以下の範囲であり、かつφ
1 /φ2 は2.5以上、板状の場合は、φ1 /φ
2 は2.5以上で、φ1 は0.01〜0.3μm、
好ましくは0.05〜0.2μmの範囲である。
【0015】本発明■は、形状を鱗片状に規定した非磁
性粉末と官能基としてエポキシ基を有する結合剤を含む
下層非磁性層と形状を針状又は板状に規定した強磁性粉
末を含む上層磁性層からなる。ここで、非磁性粉末の鱗
片状は、前記■発明のr1 /r2 の定義において規
定した形状の概念を鱗片状に限定すれば、同様な軸比の
定義が可能である。この軸比を以下r3 /r4 と記
す。r3 は、0.1〜5μm、好ましくは0.1〜2
μm以下の範囲であり、かつr3 /r4 は2.5以
上が好ましい。 鱗片状非磁性粉末としては、特に制限はないがグラファ
イト、雲母、窒化硼素等が好ましい。この発明は強磁性
粉末の形状を針状、板状に規定したが、前記■に規定し
た強磁性粉末の軸比φ1 /φ2 を使用することがで
きるが、前記発明と区別するためにφ3 /φ4 と記
す。針状の場合は、φ3 は、0.3μm以下であり、
かつφ3 /φ4 は2.5以上、板状の場合は、φ3
 /φ4 は2.5以上で、φ3 は0.3μm以下で
ある。針状強磁性粉末としては、γ酸化鉄、Co変成酸
化鉄、CrO2 、Feを主成分とした合金粉末等が挙
げられる。板状強磁性粉末としては、六方晶フェライト
系強磁性粉末(Baフェライト、Srフェライト等)、
Co合金粉末等が挙げられる。強磁性粉末を分散、結合
する結合剤は公知のものが使用できる。また必要に応じ
て研磨材、カーボンブラック、潤滑剤等を使用してもよ
い。下層非磁性層に使用される結合剤は、エポキシ基を
有する分子量3万以上の樹脂を少なくとも使用するもの
で、該エポキシ基は、非磁性粉末の表面に分布するOH
基と反応して非磁性粉末のスタッキングを防止して分散
性を改善するものと考えられ、かつ非磁性粉末を鱗片状
に規定したために下層非磁性層に非磁性粉末が例えばタ
イルを敷き詰めるように流動配向するために上層磁性層
の強磁性粉末は塗布、磁場配向を行っても下層非磁性層
と上層磁性層の界面に存在する整列した非磁性粉末の規
制を受けて互いの成分の混合を来すことなく、良好な強
磁性粉末の配向を得ることができる。従って、充填性、
表面性が改善され出力を向上できる。これら非磁性粉末
を分散、結合するために用いる結合剤は、エポキシ基を
含有し分子量3万以上のものである。エポキシ基は1×
10−5〜20×10−4eq/g、好ましくは4×1
0−5〜16×10−4eq/g含有される。エポキシ
基の導入方法は公知の技術が適応できる。例えば、グリ
シジル基を有するビニルモノマーを他のモノマーと共重
合させるなどがあげられる。その他、このエポキシ基を
含有する分子量3万以上の樹脂の製造方法は下記エポキ
シ基含有塩化ビニル系樹脂の記載を適用できる。
【0016】また、この発明■は、モース硬度5以上の
研磨剤を下層非磁性層に非磁性粉末との配合比が、非磁
性粉末/研磨剤=95/5〜60/40となるように混
在させることが好ましく、これにより下層非磁性層、引
いては磁気記録媒体の機械的強度を増強し、いわゆる粉
落ちを防止して、BER(ブロックエラーレート)、ド
ロップアウトを低減すると共に耐久性を向上させること
ができる。モース硬度5以上の研磨材としてはα−Al
2 O3 、Cr2 O3 、α−Fe2 O3 、Z
rO2 、TiO2 、TiC、SiO2 、SiC、
CeO2 などが挙げられる。該研磨材の粒子サイズは
塗布される下塗の厚み以下が好ましく、0.1〜5μ程
度、更に好ましくは0.1〜2μである。粒子の形状は
粒状、針状どちらでも使用出来る。該鱗片状非磁性粉体
と研磨材の混合比は95/5〜60/40である。研磨
材量が少ないと充分な耐久性が得られず、多すぎると鱗
片状粒子の上層磁性体配向効果が損なわれる。
【0017】以下、本発明■〜■の規定に従って選択可
能な一般的事項を挙げる。本発明において上層磁性層お
よび下層非磁性層は通常各々単層で構成されるが、各々
単層構成でも複層構成でも上記組成、規定条件を満足す
ればかまわない。以下、上層磁性層、下層非磁性層を単
に上層、下層という場合がある。上記の非磁性粉末は必
ずしも100%純粋である必要はなく、目的に応じて表
面を他の化合物で処理してもよい。その際、純度は70
%以上であれば効果を減ずることにはならない。例えば
、酸化チタンを用いる場合、表面をアルミナで処理する
ことが一般的に用いられている。強熱減量は20%以下
であることが好ましい。上層の強磁性粉末含有率は70
%以上が好ましい。強磁性粉末含有率が70%未満では
、充填度が低下して電磁変換特性が劣化する。ここでい
う強磁性粉末含有率とは(強磁性粉末)/(強磁性粉末
+結合剤+添加剤等の磁性層に含有されるもの)の重量
%を表している。本発明の磁気記録媒体の磁気特性は磁
場5KOeで測定した場合、角型比が各層とも0.7以
上、好ましくは0.8以上、さらに好ましくは0.9以
上が好ましい。本発明に使用される強磁性粉末のσS 
は50emu/g以上、好ましくは70emu/g以上
であり、金属微粉末の場合は100emu/g以上が好
ましい。また、含水率は0.01〜2%とするのが好ま
しい。結合剤の種類によって強磁性粉末の含水率は最適
化するのが好ましい。本発明の強磁性粉末としてコバル
ト変成酸化鉄を用いる場合は、2価の鉄の3価の鉄に対
する比は好ましくは0〜33.3%であり、さらに好ま
しくは5〜10%である。また鉄原子に対するコバルト
原子の量は0〜15%、好ましくは3〜8%である。強
磁性粉末のpHは用いる結合剤との組合せにより最適化
することが好ましい。その範囲は4〜12である。強磁
性粉末はAl、Si、Pまたはこれらの酸化物などで表
面処理を施してもかまわない。その量は強磁性粉末に対
し0.1〜10%である。上層の強磁性粉末は、可溶性
のNa、Ca、Fe、Ni、Sr等の無機イオンを含む
場合があるが500ppm以下であれば特に影響を与え
ない。強磁性粉末としてはγ−FeOx(x=1.33
〜1.5)、Co変性γ−FeOx(x=1.33〜1
.5)、FeまたはNiまたはCoを主成分(75%以
上)とする強磁性合金微粉末など公知の強磁性粉末が使
用できる。これらの強磁性粉末には所定の原子以外にA
l、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo
、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、
W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr
、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの
原子を含んでもかまわない。これらの強磁性微粉末には
あとで述べる分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤
などで分散前にあらかじめ処理を行ってもかまわない。 上記強磁性粉末の中で強磁性合金微粉末については少量
の水酸化物、または酸化物を含んでもよい。強磁性合金
微粉末の公知の製造方法により得られたものを用いるこ
とができ、下記の方法をあげることができる。複合有機
酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で
還元する方法、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元し
てFeあるいはFe−Co粒子などを得る方法、金属カ
ルボニル化合物を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液
に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒド
ラジンなどの還元剤を添加して還元する方法、金属を低
圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得る方法などで
ある。このようにして得られた強磁性合金粉末は公知の
徐酸化処理、すなわち有機溶剤に浸漬したのち乾燥させ
る方法、有機溶剤に浸漬したのち酸素含有ガスを送り込
んで表面に酸化膜を形成したのち乾燥させる方法、有機
溶剤を用いず酸素ガスと不活性ガスの分圧を調整して表
面に酸化皮膜を形成する方法のいずれを施したものでも
用いることができる。また、本発明に用いられる強磁性
粉末は空孔が少ないほうが好ましくその値は20容量%
以下、さらに好ましくは5容量%以下である。本発明に
用いられる強磁性粉末は公知の方法に従って製造するこ
とができる。
【0018】本発明の下層非磁性層、上層磁性層に使用
される結合剤としては従来公知の熱可塑系樹脂、熱硬化
系樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。 尚、本発明■にあっては該エポキシ基含有樹脂にこれら
を併用することができ、逆に本発明■〜■においても該
エポキシ基含有樹脂を用いることができる。熱可塑系樹
脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数
平均分子量が1000〜200000、好ましくは10
000〜100000、重合度が約50〜1000程度
のものである。このような例としては、塩化ビニル、酢
酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸
、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニト
リル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン
、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルア
セタール、ビニルエーテル、等を構成単位として含む重
合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹
脂がある。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂として
はフエノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型
樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリ
ル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂
、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソ
シアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオ
ールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポ
リイソシアネートの混合物等があげられる。これらの樹
脂については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブッ
ク」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化
型樹脂を使用することも可能である。これらの例とその
製造方法については特開昭62−256219号に詳細
に記載されている。以上の樹脂は単独または組合せて使
用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化
ビニル酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルビニルア
ルコール樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共
重合体、中から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン
樹脂の組合せ、またはこれらにポリイソシアネートを組
合せたものがあげられる。ポリウレタン樹脂の構造はポ
リエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、
ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネ
ートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリ
ウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタンなど公知の
ものが使用できる。ここに示したすべての結合剤につい
て、より優れた分散性と耐久性を得るためには必要に応
じ、COOM、SO3 M、OSO3 M、P=O(O
M)2 、O−P=O(OM)2、(以上につきMは水
素原子、またはアルカリ金属塩基)、OH、NR2 、
N+ R3 、Rは炭化水素基)、SH、CN、などか
ら選ばれる少なくとも一つ以上の極性基を共重合または
付加反応で導入したものを用いることが好ましい。この
ような極性基の量は10−1〜10−8モル/gであり
、好ましくは10−2〜10−6モル/gである。塩化
ビニル系共重合体としては、好ましくは、エポキシ基含
有塩化ビニル系共重合体が挙げられ、塩化ビニル繰返し
単位と、エポキシ基を有する繰返し単位と、所望により
−SO3 M、−OSO3 M、−COOMおよび−P
O(OM)2 (以上につきMは水素原子、またはアル
カリ金属塩基)等の極性基を有する繰返し単位とを含む
塩化ビニル系共重合体が挙げられる。エポキシ基を有す
る繰返し単位との併用では、−SO3 Naを有する繰
返し単位を含むエポキシ基含有塩化ビニル系共重合体が
好ましい。極性基を有する繰返し単位の共重合体中にお
ける含有率は、通常0.01〜5.0モル%(好ましく
は、0.5〜3.0モル%)の範囲内にある。エポキシ
基を有する繰返し単位の共重合体中における含有率は、
通常1.0〜30モル%(好ましくは1〜20モル%)
の範囲内にある。そして、塩化ビニル系重合体は、塩化
ビニル繰返し単位1モルに対して通常0.01〜0.5
モル(好ましくは0.01〜0.3モル)のエポキシ基
を有する繰返し単位を含有するものである。エポキシ基
を有する繰返し単位の含有率が1モル%より低いか、あ
るいは塩化ビニル繰返し単位1モルに対するエポキシ基
を有する繰返し単位の量が0.01モルより少ないと塩
化ビニル系共重合体からの塩酸ガスの放出を有効に防止
することができないことがあり、一方、30モル%より
高いか、あるいは塩化ビニル繰返し単位1モルに対する
エポキシ基を有する繰返し単位の量が0.5モルより多
いと塩化ビニル系共重合体の硬度が低くなることがあり
、これを用いた場合には磁性層の走行耐久性が低下する
ことがある。また、特定の極性基を有する繰返し単位の
含有率が0.01モル%より少ないと強磁性粉末の分散
性が不充分となることがあり、5.0モル%より多いと
共重合体が吸湿性を有するようになり耐候性が低下する
ことがある。通常、このような塩化ビニル系共重合体の
数平均分子量は、1.5万〜6万の範囲内にある。この
ようなエポキシ基と特定の極性基を有する塩化ビニル系
共重合体は、例えば、次のようにして製造することがで
きる。例えばエポキシ基と、極性基として−SO3 N
とが導入されている塩化ビニル系共重合体を製造する場
合には、反応性二重結合と、極性基として−SO3 N
aとを有する2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸ナトリウム(反応性二重結合と極性
基とを有する単量体)およびジグリシジルアクリレート
を低温で混合し、これと塩化ビニルとを加圧下に、10
0℃以下の温度で重合させることにより製造することが
できる。上記の方法による極性基の導入に使用される反
応性二重結合と極性基とを有する単量体の例としては、
上記の2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸ナトリウムの外に2−(メタ)アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン
酸およびそのナトリウムあるいはカリウム塩、(メタ)
アクリル酸−2−スルホン酸エチルおよびナトリウムあ
るいはカリウム塩、(無水)マレイン酸および(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸−2−リン酸エステル
を挙げることができる。 また、エポキシ基の導入には、反応性二重結合とエポキ
シ基とを有する単量体として一般にグリシジル(メタ)
アクリレートを用いる。なお、上記の製造法の外に、例
えば、塩化ビニルとビニルアルコールなどとの重合反応
により多官能−OHを有する塩化ビニル系共重合体を製
造し、この共重合体と、以下に記載する極性基および塩
素原子を含有する化合物とを反応(脱塩酸反応)させて
共重合体に極性基を導入する方法を利用することができ
る。
【0019】 ClCH2 CH2 SO3 M、 ClCH2 CH2 OSO3 M、 ClCH2 COOM、 ClCH2 PO(OM)2  また、この脱塩酸反応を利用するエポキシ基の導入には
通常はエピクロルヒドリンを用いる。なお、該塩化ビニ
ル系共重合体は、他の単量体を含むものであってもよい
。他の単量体の例としては、ビニルエーテル(例、メチ
ルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ラウリ
ルビニルエーテル)、α−モノオレフィン(例、エチレ
ン、プロピレン)、アクリル酸エステル(例、(メタ)
アクリル酸メチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート等の官能基を含有する(メタ)アクリル酸エステル
)、不飽和ニトリル(例、(メタ)アクリロニトリル)
、芳香族ビニル(例、スチレン、α−メチルスチレン)
、ビニルエステル(例、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル等)が例示される。本発明に用いられるこれらの結合
剤の具体的な例としてはユニオンカーバイト社製:VA
GH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD、VR
OH、VYES、VYNC、VMCC、XYHL、XY
SG、PKHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信
化学工業社製:MPR−TA、MPR−TA5、MPR
−TAL、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−
TS、MPR−TM、電気化学社製:1000W、DX
80、DX81、DX82、DX83、日本ゼオン社製
:MR110、MR100、400X110A、日本ポ
リウレタン社製:ニッポランN2301、N2302、
N2304、大日本インキ社製:パンデックスT−51
05、T−R3080、T−5201、バーノックD−
400、D−210−80、クリスボン6109、72
09、東洋紡社製:バイロンUR8200、UR830
0、RV530、RV280、大日精化社製:ダイフエ
ラミン4020、5020、5100、5300、90
20、9022、7020、三菱化成社製:MX500
4、三洋化成社製:サンプレンSP−150、旭化成社
製:サランF310、F210などがあげられる。 本発明に用いられる結合剤は上層にあっては、強磁性粉
末に対し、5〜50重量%の範囲、好ましくは10〜3
5重量%の範囲で用いられる。また、塩化ビニル系樹脂
を用いる場合は、5〜30重量%、ポリウレタン樹脂を
用いる場合は2〜20重量%、ポリイソシアネートは2
〜20重量%の範囲でこれらを組合せて用いるのが好ま
しい。本発明■〜■に用いられる結合剤は下層にあって
は、非磁性粉末に対し、合計で5〜50重量%の範囲、
好ましくは10〜35重量%の範囲で用いられる。また
、塩化ビニル系樹脂を用いる場合は、3〜30重量%、
ポリウレタン樹脂を用いる場合は3〜30重量%、ポリ
イソシアネートは0〜20重量%の範囲でこれらを組合
せて用いるのが好ましい。また、本発明■にあっては、
分子量3万以上のエポキシ基含有樹脂を非磁性粉末に対
し、3〜30重量%使用でき、かつエポキシ基含有樹脂
以外の樹脂を非磁性粉末に対し3〜30重量%使用でき
、ポリウレタン樹脂を用いる場合は3〜30重量%、ポ
リイソシアネートは0〜20重量%使用できるが、エポ
キシ基は、結合剤(硬化剤を含む)全重量に対し、4×
10−5〜16×10−4eq/gの範囲で含まれるこ
とが好ましい。本発明において、ポリウレタン樹脂を用
いる場合はガラス転移温度が−50〜100℃、破断伸
びが100〜2000%、破断応力は0.05〜10K
g/cm2 、降伏点は0.05〜10Kg/cm2 
が好ましい。本発明に用いるポリイソシアネートとして
は、トリレンジイソシアネート、4−4′−ジフエニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,
5−ジイソシアネート、o−トルイジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、トリフエニルメタントリ
イソシアネート等のイソシアネート類、また、これらの
イソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、
イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシア
ネート等を使用することができる。これらのイソシアネ
ート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレ
タン社製:コロネートL、コロネートHL、コロネート
2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミ
リオネートMTL、武田薬品社製:タケネートD−10
2、タケネートD−110N、タケネートD−200、
タケネートD−202、住友バイエル社製:デスモジュ
ールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デス
モジュールHL等があり、これらを単独または硬化反応
性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合せで下層
、上層ともに用いることができる。
【0020】本発明においては、上層および/または下
層に必要に応じて任意の添加剤、例えば、カーボンブラ
ック等の帯電防止剤、研磨剤、着色剤、潤滑剤、分散剤
等を使用できる。カーボンブラックはゴム用フアーネス
、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラ
ック、等を用いることができる。カーボンブラックを分
散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用
しても、表面の一部をグラフアイト化したものを使用し
てもかまわない。また、カーボンブラックを磁性塗料に
添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない
。これらのカーボンブラックは単独、または組合せで使
用することができる。カーボンブラックは上層磁性層の
帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上など
の働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより
異なる。従って本発明に使用されるこれらのカーボンブ
ラックはその種類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸
油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目
的に応じて使い分けることはもちろん可能である。本発
明で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブ
ラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にする
ことができる。
【0021】本発明に用いられる研磨剤としてはα化率
90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素
、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム
、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素チタンカーバ
イト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主と
してモース硬度6以上の公知の材料が単独または組合せ
で使用される。また、これらの研磨剤どうしの複合体(
研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用しても
よい。これらの研磨剤には主成分以外の化合物または元
素が含まれる場合もあるが主成分が90%以上であれば
効果にかわりはない。これら研磨剤の粒子サイズは0.
01〜2μmが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの
異なる研磨剤を組合せたり、単独の研磨剤でも粒径分布
を広くして同様の効果をもたせることもできる。本発明
に用いられる研磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状、
のいずれでも良いが、形状の一部に角を有するものが研
磨性が高く好ましい。本発明に用いられる研磨剤の具体
的な例としては、住友化学社製:AKP−20,AKP
−30,AKP−50,HIT−50、日本化学工業社
製:G5,G7,S−1、戸田工業社製:100ED,
140ED、などがあげられる。これらの研磨剤はあら
かじめ結合剤で分散処理したのち磁性塗料中に添加して
もかまわない。研磨剤の使用量は、本発明■〜■におい
ては、上層磁性層にあっては強磁性粉末の20重量%以
下、下層非磁性層にあっては非磁性粉末の20重量%以
下で使用される。
【0022】潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑
効果、などをもつ添加剤としては下記のものが列挙され
る。二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラフア
イト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、カーボンブラック等の
固体潤滑剤。シリコーンオイル、極性基をもつシリコー
ン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フ
ッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフ
イン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステルおよびそ
のアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステルおよびそのア
ルカリ金属塩、ポリフエニルエーテル、フッ素含有アル
キル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、炭素数1
0〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、ま
た分岐していてもかまわない)、および、これらの金属
塩(Li,Na,K,Cuなど)または、炭素数12〜
22の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール
(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわな
い)、炭素数12〜22のアルコキシアルコール、炭素
数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも
、また分岐していてもかまわない)と炭素数2〜12の
一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいず
れか一つ(不飽和結合を含んでも、また分岐していても
かまわない)とからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂
肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオ
キシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル
、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂
肪族アミン、などの有機質潤滑剤が使用できる。これら
の具体例としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、
オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、
ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリ
ン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ステアリン
酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレ
ート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒド
ロソルビタントリステアレート、オレイルアルコール、
ラウリルアルコール、があげられる。また、アルキレン
オキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキ
ルフエノールエチレンオキサイド付加体、等のノニオン
界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アン
モニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホ
ニウムまたはスルホニウム類、等のカチオン系界面活性
剤、カルボン酸、スルフォン酸、燐酸、硫酸エステル基
、燐酸エステル基、などの酸性基を含むアニオン界面活
性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコ
ールの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベダイン型
、等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活
性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会
社発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑剤、帯
電防止剤等は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以
外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、等
の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は3
0%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下であ
る。本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面活性剤は
下層非磁性層、上層磁性層でその種類、量を必要に応じ
使い分けることができる。例えば、下層非磁性層、上層
磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出し
を制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面
へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節するこ
とで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を中間
層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられ、無
論ここに示した例のみに限られるものではない。また本
発明で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、下
層非磁性層用塗料、上層磁性塗料製造のどの工程で添加
してもかまわない、例えば、混練工程前に強磁性粉末と
混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工
程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に
添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
【0023】本発明で用いられる有機溶媒は任意の比率
でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホ
ロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノール
、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチル
アルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘ
キサノール、などのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブ
チル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル
、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチル
エーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン
、などのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、
キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、などの芳香族
炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド
、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン
、ジクロルベンゼン、等の塩素化炭化水素類、N,N−
ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のものが使用できる
【0024】本発明の磁気記録媒体の厚み構成は非磁性
支持体が1〜100μm、好ましくは6〜20μm、上
層磁性層は1μm以下、好ましくは1〜0.2μm、下
層非磁性層が0.5μm以上で好ましくは0.5〜5μ
mである。上層磁性層1μmを越えると電磁変換特性に
対する薄膜化の効果がなくなり、下層非磁性層が0.5
μmより薄いと生産性が低下すると共にカレンダー成形
性が劣化し充分な電磁変換特性が得られなくなる。また
、非磁性支持体性と下層非磁性層の間に密着性向上のた
めの下塗り層を設けてもよい。これらの厚みは0.01
〜2μm、好ましくは0.05〜0.5μmである。 また、非磁性支持体性の磁性層側と反対側にバックコー
ト層を設けてもかまわない。この厚みは0.1〜2μm
、好ましくは0.3〜1.0μmである。これらの下塗
り層、バックコート層は公知のものが使用できる。
【0025】本発明に用いられる非磁性支持体はポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リフェニレンサルファイド、ポリアラミド、ポリカーボ
ネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、
ポリスルフオン、アラミド、芳香族ポリアミドなどの公
知のフイルムが使用できる。これらの支持体にはあらか
じめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処
理、除塵処理、などをおこなっても良い。非磁性支持体
として中心線平均表面粗さは0.1μm以下、好ましく
は0.05μm以下である。また、これらの非磁性支持
体は単に中心線平均表面粗さが小さいだけではなく、1
μm以上の粗大突起がないことが好ましい。また表面の
粗さ形状は必要に応じて支持体に添加されるフイラーの
大きさと量により自由にコントロールされるものである
。これらのフイラーとしては一例としてはCa,Si,
Tiなどの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機
微粉末があげられる。本発明に用いられる非磁性支持体
のテープ走行方向のF−5値は好ましくは5〜50kg
/mm2 、テープ幅方向のF−5値は好ましくは3〜
30kg/mm2 であり、テープ長手方向のF−5値
がテープ幅方向のF−5値より高いのが一般的であるが
、特に幅方向の強度を高くする必要があるときはその限
りでない。
【0026】また、支持体のテープ走行方向および幅方
向の100℃30分での熱収縮率は好ましくは3%以下
、さらに好ましくは1.5%以下、80℃30分での熱
収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5
%以下である。破断強度は両方向とも5〜100kg/
mm2 、弾性率は100〜2000kg/mm2 が
好ましい。
【0027】本発明の磁気記録媒体の磁性塗料、非磁性
塗料を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程
、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合
工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわか
れていてもかまわない。本発明に使用する強磁性粉末、
非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電
防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最
初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原
料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。 例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の
粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。
【0028】本発明の目的を達成するためには、従来の
公知の製造技術を一部の工程として用いることができる
ことはもちろんであるが、混練工程では連続ニーダや加
圧ニーダなど強い混練力をもつものを使用できる。連続
ニーダまたは加圧ニーダを用いる場合は各粉末と結合剤
のすべてまたはその一部(ただし全結合剤の30%以上
が好ましい)および粉末100部に対し15〜500部
の範囲で混練処理される。これらの混練処理の詳細につ
いては特願昭62−264722号、特願昭62−23
6872号に記載されている。
【0029】本発明では、特開昭62−212933号
に示されるような同時重層塗布方式を用いることにより
、より効率的に生産することができる。本発明の媒体を
得るためには強力な配向を行う必要がある。1000G
以上のソレノイドと2000G以上のコバルト磁石を併
用することが好ましく、さらには乾燥後の配向性が最も
高くなるように配向前に予め適度の乾燥工程を設けるこ
とが好ましい。
【0030】さらに、カレンダ処理ロールとしてエポキ
シ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐
熱性のあるプラスチックロールを使用する。また、金属
ロール同志で処理することもできる。処理温度は、好ま
しくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上である
。線圧力は好ましくは200kg/cm、さらに好まし
くは300kg/cm以上である。
【0031】本発明の磁気記録媒体の上層磁性層面およ
びその反対面のSUS420Jに対する摩擦係数は好ま
しくは0.5以下、さらに0.3以下、表面固有抵抗は
好ましくは10−5〜10−12 オーム/sq、磁性
層の0.5%伸びでの弾性率は走行方向、幅方向とも好
ましくは100〜2000kg/mm2 、破断強度は
好ましくは1〜30kg/cm2 、磁気記録媒体の弾
性率は走行方向、長手方向とも好ましくは100〜15
00kg/mm2 、残留のびは好ましくは0.5%以
下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は好まし
くは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下、もっと
も好ましくは0.1%以下である。
【0032】上層磁性層中に含まれる残留溶媒は好まし
くは100mg/m2 以下、さらに好ましくは10m
g/m2 以下であり、上層磁性層に含まれる残留溶媒
が下層非磁性層に含まれる残留溶媒より少ないほうが好
ましい。
【0033】上層磁性層が有する空隙率は好ましくは3
0容量%以下、さらに好ましくは10容量%以下である
。本発明の磁気記録媒体の磁気特性は磁場5KOeで測
定した場合、テープ走行方向の角形比は0.70以上で
あり、好ましくは0.80以上さらに好ましくは0.9
0以上である。テープ走行方向に直角な二つの方向の角
型比は走行方向の角型比の80%以下となることが好ま
しい。上層磁性層のSFDは0.6以下であることが好
ましい。
【0034】
【実施例】次に実施例と比較例を示し、本発明を更に具
体的に説明する。各例において、「部」は特に指定しな
い限り「重量部」を意味する。
【0035】以下の処方で磁性塗布液、及び非磁性塗布
液を調整した。 実施例1−1  上層磁性層用磁性塗布液処方    
  強磁性粉末:Fe合金粉末(Fe−Ni−Co) 
     100部            組成;F
e:Ni:Co=92:6:2           
                         
Hc1600Oe、σS 135emu/g     
         長軸長0.18μm,針状比9  
    塩化ビニル共重合体            
                      10部
            −SO3 Na,エポキシ基
含有                       
               ポリウレタン樹脂  
                         
           5部            
−SO3 Na含有,分子量45000       
                         
αアルミナ(平均粒径0.2μm)         
             5部      シクロヘ
キサノン                     
             150部      メチ
ルエチルケトン                  
              150部上記組成物をサ
ンドミル中で6時間混合分散したのち、ポリイソシアナ
ート(コロネートL)及びステアリン酸5部、ステアリ
ン酸ブチル10部を加えて磁性塗布液を得た。
【0036】   下層非磁性層用塗布液処方       針状α−Fe2 O3         
                         
 100部        長軸長0.5μm         針状比10       カーボンブラック           
                         
    5部        平均粒径20μm   
                         
                         
 塩化ビニル共重合体               
                       8部
            −SO3 Na,エポキシ基
含有                       
                   分子量450
00                       
                         
    ポリウレタン樹脂             
                         
  5部            −SO3 Na含有
、分子量45000                
                シクロヘキサン  
                         
           100部      メチルエ
チルケトン                    
              100部上記組成物をサ
ンドミル中で4時間混合分散したのち、ポリイソシアナ
ート(コロネートL)及びステアリン酸5部、ステアリ
ン酸ブチル10部を加えて下層非磁性層用塗布液を得た
【0037】上記の塗布液をギャップの異なる2つのド
クターを用いて、湿潤状態で塗布したのち、永久磁石に
て配向処理後、乾燥した。その後にスーパーカレンダー
処理を行なった。塗布厚みは磁性層0.3μm、非磁性
層3.0μmであった。この様にして得られた原反を3
.81mm幅に裁断しデジタルオーディオテープ(DA
T)を作成した。
【0038】その他実施例、比較例は実施例1に対して
、表1、2に示す因子を変更してテープを作成した。 尚、逐次重層とは、下層非磁性層を塗布し、乾燥後上層
磁性層を塗布することを言う。また、Baフェライトの
物性値は以下の通りである。
【0039】強磁性粉末:BaフェライトHc1100
Oe、σS   70emu/g板径  0.05μm
,板状比  5 これらテープは以下の方法で評価し、結果を表1、表2
に示した。
【0040】使用デッキ:SONY製DTC−1000
混合領域の有無の判別: ■  サンプルの調製 サンプルテープをエポキシ樹脂ではさみ液体窒素で冷却
し、これをテープの長手方向、巾方向にミクロトームを
用いて切断する。
【0041】■  観察 TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて倍率50000倍
で上記切断面を観察した。
【0042】■  評価 i)粒子形状が異なる場合 例えば、上層磁性層の強磁性粉末が針状で下層非磁性層
の非磁性粉末が粒状または鱗片状である場合、又は上層
磁性層の強磁性粉末が板状で下層非磁性層の非磁性粉末
が粒状又は針状の場合は形状の異なるものの混ざり具合
をみて混合領域の有無を評価した。
【0043】ii)粒子形状は同じだが最も長い軸長の
平均径が異なる場合 例えば、上層磁性層の強磁性粉末、下層非磁性層の非磁
性粉末が共に針状だが、前記平均径が異なる場合、又は
上層磁性層の強磁性粉末が板状で、下層非磁性層の非磁
性粉末が鱗片状であるような場合は、その平均径の異な
るものがどの程度混ざっているかによって混合領域の有
無を評価した。
【0044】iii)粒子形状、平均径ともに等しい場
合 上層磁性層と下層非磁性層の界面付近をマイクロオージ
ェ電子分光分析法にて各層に含まれる特有な元素を検知
することにより、混合領域の有無を評価した。
【0045】再生出力:4.7MHz単一周波数の信号
を入力し、再生信号をスペクトラムアナライザーに出力
させ、信号のピーク値を読みとった。スペアナはHP−
3585A  OdBは比較例1の磁性層単層のテープ
BER(ブロックエラーレート):自作のBER測定機
にて測定   ドロップアウト:4.7MHz単一周波数の信号を
入力、スレッシュホールド    (DO)     
 レベル−10dBで長さ0.5μSECのドロップア
ウトを                  ドロップ
アウトカウンターで測定した。
【0046】尚、本実施例においては、上層磁性層の乾
燥厚みは、混合領域の有無の判断方法と同様にしてサン
プルを調整し、TEMで観察した切断面より測定した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】実施例2−1  上層磁性層用塗布液  
強磁性粉末  Fe合金粉末(Fe−Ni−Co)  
          100部           
 組成;Fe:Ni:Co=92:6:2      
                         
     Hc16000e,σS 135emu/g
,                        
        長軸長0.18μm,針状比9   
                         
      塩化ビニル共重合体          
                         
     10部            −SO3 
Na,エポキシ基含有               
                   ポリウレタン
樹脂                       
                     5部  
          −SO3 Na含有,分子量45
000                      
      αアルミナ              
                         
           5部            
平均粒径0.2μm                
                         
   シクロヘキサノン              
                         
 150部  メチルエチルケトン         
                         
    150部上記組成物をサンドミル中で6時間混
合分散したのち、ポリイソシアナート(コロネートL)
及びステアリン酸5部、ステアリン酸ブチル10部を加
えて磁性塗布液を得た。
【0050】     下層非磁性層用塗布液   グラファイト                 
                         
    90部    粒径0.5μm       
                         
                        α
−Al2 O3                  
                         
  10部    平均粒径0.2μm       
                         
                    塩化ビニル
共重合体                     
                   15部   
 エポキシ基含有量8×10−4eq/g      
                         
       分子量45000          
                         
                   ポリウレタン
樹脂                       
                     5部  
  −SO3 Na含有、分子量45000     
                         
      シクロヘキサン            
                         
     100部  メチルエチルケトン     
                         
        100部上記組成物をサンドミル中で
4時間混合分散したのち、ポリイソシアナート(コロネ
ートL)及びステアリン酸5部、ステアリン酸ブチル1
0部を加えて下層非磁性層用塗布液を得た。
【0051】上記の塗布液をギャップの異なる2つのド
クターを用いて、湿潤状態で塗布したのち、永久磁石に
て配向処理後、乾燥した。その後にスーパーカレンダー
処理を行なった。塗布厚みは磁性層0.3μm、非磁性
層3.0μmであった。この様にして得られた原反を3
.81mm幅に裁断しデジタルオーディオテープ(DA
T)を作成した。
【0052】その他実施例、比較例は実施例2−1に対
して、表3に示す因子を変更してテープを作成した。 尚、逐次重層とは、下層非磁性層を塗布し、乾燥後上層
磁性層を塗布することを言う。また、Baフェライトの
物性値は以下の通りである。
【0053】強磁性粉末:BaフェライトHc1100
Oe、σS   70emu/g板径  0.05μm
,板状比  5 これらテープは以下の方法で評価し、結果を表3、4に
示した。
【0054】使用デッキ:SONY製DTC−1000
混合領域の有無の判別:前記実施例と同様再生出力:4
.7MHz単一周波数の信号を入力し、再生信号をスペ
クトラムアナライザーに出力させ、信号のピーク値を読
みとった。
【0055】スペアナはHP−3585A  OdBは
比較例2−1の磁性層単層のテープ BER(ブロックエラーレート):自作のBER測定機
にて測定   ドロップアウト:4.7MHz単一周波数の信号を
入力、スレッシュホールド    (DO)     
 レベル−10dBで長さ0.5μSECのドロップア
ウトを                  ドロップ
アウトカウンターで測定した。
【0056】ドロップアウト増加:上記デッキで室温(
23℃70%)で100パス走行させたのちに再生のみ
行なったときのDOの初期に対するDO増加。
【0057】上層磁性層の乾燥厚みの測定は前記実施例
と同様である。
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】表1〜表4の結果より明らかな如く、本発
明の針状非磁性粉末を用いたサンプルNo.実施例1−
1〜1−7はRF出力の改善と同時にドロップアウトが
少なく、かつ低いBER(ブロックエラーレート)を示
すことがわかった。また本発明の鱗片状非磁性粉末を用
いたサンプル実施例2−1〜2−9は耐久性(ドロップ
アウト増加)が改良されることがわかった。本発明の範
囲に入らないサンプルNo.比較例1−1〜1−6、比
較例2−1〜2−9はBER、ドロップアウト、RF出
力の少なくとも何れかが良好な結果が得られなかった。 尚、BERの目標レベルは10−4以下、ドロップアウ
トは100個以下、RF出力は3.0dB以上である。
【0061】
【発明の効果】下層非磁性層が湿潤状態の内に上層磁性
層を同時又は逐次に塗布した、いわゆるウエット  オ
ン  ウエットの塗布により複数層を設けた磁気記録媒
体において、その界面において混合領域を生じない磁気
記録媒体、具体的には下層非磁性層に針状又は鱗片状の
非磁性粉末を用いることにより電磁変換特性が良好で生
産性に優れ、具体的にはRF出力が高く、走行耐久性に
優れ、ドロップアウトがすくなくかつブロックエラーレ
ートの低い磁気記録媒体が得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  非磁性支持体上に少なくとも非磁性粉
    末と結合剤を含む下層非磁性層を塗布し、前記下層非磁
    性層が湿潤状態のうちに、強磁性粉末と結合剤を含む上
    層磁性層を塗布した磁気記録媒体において、前記上層磁
    性層の乾燥厚みが1μm以下であり、かつ前記下層非磁
    性層と前記上層磁性層の間に混合領域がないことを特徴
    とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】  非磁性支持体上に少なくとも非磁性粉
    末と結合剤を含む下層非磁性層を塗布し、前記下層非磁
    性層が湿潤状態のうちに、強磁性粉末と結合剤を含む上
    層磁性層を塗布した磁気記録媒体において、前記上層磁
    性層の乾燥厚みが1μm以下であり、かつ前記非磁性粉
    末の最も長い軸長r1 と最も短い軸長r2 との比r
    1 /r2 が2.5以上であることを特徴とする磁気
    記録媒体。
  3. 【請求項3】  非磁性支持体上に少なくとも非磁性粉
    末と結合剤を含む下層非磁性層を塗布し、前記下層非磁
    性層が湿潤状態のうちに、強磁性粉末と結合剤を含む上
    層磁性層を塗布した磁気記録媒体において、前記非磁性
    粉末が針状比が2.5以上であり、かつ前記上層磁性層
    の乾燥厚みが1μm以下であり、前記強磁性粉末の最も
    長い軸長の平均径が0.3μm以下であることを特徴と
    する磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】  前記非磁性粉末が金属又はその酸化物
    であり、かつ前記下層非磁性層の厚みが0.5μm以上
    であることを特徴とする請求項3記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】  非磁性支持体上に少なくとも非磁性粉
    末と結合剤を含む下層非磁性層を塗布し、前記下層非磁
    性層が湿潤状態のうちに、強磁性粉末と結合剤を含む上
    層磁性層を塗布した磁気記録媒体において、前記下層非
    磁性層が鱗片状の非磁性粉末と分子量3万以上のエポキ
    シ基を含む結合剤を含み、かつ前記上層磁性層は針状の
    強磁性粉末又は板状の強磁性粉末を含むことを特徴とす
    る磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】  前記下層非磁性層が前記鱗片状の非磁
    性粉末の他にモース硬度5以上の研磨剤を重量混合比で
    95/5〜60/40含むことを特徴とする請求項5記
    載の方法。
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