JPH04325558A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH04325558A
JPH04325558A JP12280691A JP12280691A JPH04325558A JP H04325558 A JPH04325558 A JP H04325558A JP 12280691 A JP12280691 A JP 12280691A JP 12280691 A JP12280691 A JP 12280691A JP H04325558 A JPH04325558 A JP H04325558A
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JP
Japan
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ppe
polyamide
polyphenylene ether
modified
group
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Pending
Application number
JP12280691A
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English (en)
Inventor
Toru Tsukahara
徹 塚原
Michiharu Kihira
紀平 道治
Yuusuke Araki
安良城 雄介
Yoshio Katou
加藤 容志夫
Mitsutoshi Aritomi
有富 充利
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変性ポリフェニレンエ
ーテルとポリアミドとからなる熱可塑性樹脂組成物に関
し、詳しくは、成分樹脂間の相溶性が極めて優れ、かつ
成形品の外観、耐溶剤性及び耐熱剛性が優れた工業材料
として有用な熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル(以下、PPE
と略す)は優れた耐熱性、寸法安定性、非吸湿性、電気
特性などを有するエンジニアプラスチックとして知られ
ているが、溶融流動性が悪く、成形加工が困難であり、
かつ耐溶剤性、耐衝撃性が劣るという欠点がある。
【0003】一方、ポリアミドは、耐熱性、耐溶剤性、
成形加工性などが優れた代表的なエンジニアプラスチッ
クの一つとして使用されている。しかしながら、本樹脂
は寸法安定性、吸湿性、高荷重下での耐熱変形性、耐衝
撃性などの性質が劣るという欠点を有するため、その使
用用途は制限されている。
【0004】このため、PPEとポリアミドの良好な性
質を併せ持ち、望ましくない点を補う組成物が得られれ
ば利用分野の広い優れた樹脂材料の提供が可能となり、
その工業的意味は非常に大きい。そこで両者の長所を損
なわずに欠点を相補った、成形材料を提供する目的で、
例えば両樹脂を単純に溶融混合した組成物が、米国特許
第3379792号、同第4338421号各明細書、
特公昭45−997号及び同59−41663号各公報
等に開示されている。しかしながら、このような単純な
ブレンド系では、PPEとポリアミドとは、本質的には
相溶性に乏しいため、この二相構造の界面の接着性は良
好ではなく、この二相は均一かつ微細な分散形態となり
難く、射出成形などの成形加工時に、せん断応力を受け
たとき、層状剥離(デラミネーション)を生じ易く、得
られた成形品は外観が悪化したり、二相界面が欠陥部と
なったりして、機械的強度及び耐衝撃性が優れた組成物
は得られない。
【0005】上記の問題を解決するために考えられる一
般的方法の一つは、二成分相互の親和性を改良するため
に、ポリアミドとは化学反応的に不活性なPPEを、ポ
リアミドと反応する官能基で変性し、高温で溶融反応さ
せることにより、化学結合を介したPPEとポリアミド
からなるブロック又はグラフト共重合体を得る方法であ
る。このような観点から、PPEとポリアミドの親和性
を改良するために、官能基を有するPPEとポリアミド
とからなる樹脂組成物が提案されている。例えばその官
能化による変性の例としては、エポキシ基変性PPEを
用いる方法(特開昭62−257957号、特公昭63
−503388号各公報等)、アミド基、イミド基変性
PPEを用いる方法(特公昭63−500803号公報
等)、アルコキシシリル基変性PPEを用いる方法(特
公昭63−503392号各公報等)、カルボキシル基
又はカルボン酸無水物変性PPEを用いる方法(特開昭
56−26913号、特公昭62−500456号、特
開昭63−10656号、同63−54427号各公報
等)等が開示されている。
【0006】しかしながら、これらの方法を用いてもP
PEとポリアミドの両者の相溶性を改良するには不十分
である場合が多い。これらの中で、ポリアミドとPPE
の相溶性を改善するための官能化剤として無水マレイン
酸を用いる方法は、或る程度有効な方法であり近年注目
を集めているが、依然としてその相溶化効果は不十分で
ある。これはPPEの無水マレイン酸による官能化にお
いて、PPEに結合した無水マレイン酸の量が少ない(
PPEに対し0.2〜0.3重量%)ということ、すな
わち、PPEの官能化の度合いが低いことのためと考え
られる。この点を改良することは、更に良好な相溶性と
機械的物性を有するポリアミドとPPEの組成物を製造
するために極めて重要な技術的ポイントである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来と比較
してより多くのα,β−不飽和カルボニル化合物で変性
したPPEとポリアミドとの溶融混練を行い、これまで
の技術では到達し得なかった安定な微細分散構造を有し
、優れた耐衝撃性を有する成形品を与える熱可塑性樹脂
組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、共重合によ
って構造を制御した、側鎖に後記アルケニル置換基を有
するPPEとα,β−不飽和カルボニル化合物とを反応
させて得られるα,β−不飽和カルボニル化合物変性P
PEとポリアミドとが極めて良好な相溶性を示すことを
発見し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、下記の成分(a)及
び(b)からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物
である。 (a)  主鎖芳香族環に一般式(I)−CR1 ・R
2 −CR3 =CR4 ・R5       (I)
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 は
各々水素原子、ハロゲン原子、アリール基、炭素数1〜
20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシル基
を表す)で示されるアルケニル置換基を有するポリフェ
ニレンエーテルに、α,β−不飽和カルボニル化合物を
反応させて得られるα,β−不飽和カルボニル化合物変
性ポリフェニレンエーテル (b)  ポリアミド 以下、本発明を詳細に説明する。本発明で使用するα,
β−不飽和カルボニル化合物変性PPEは、主鎖芳香族
環に一般式(I)   −CR1 ・R2 −CR3 =CR4 ・R5 
          (I)(式中、R1 、R2 、
R3 、R4 及びR5 は各々水素原子、ハロゲン原
子、アリール基、炭素数が1〜20のアルキル基又は炭
素数1〜20のアルコキシル基を表す)で示されるアル
ケニル置換基を有するPPEに、α,β−不飽和カルボ
ニル化合物を反応させて得られる。
【0010】主鎖芳香族環にアルケニル置換基を有する
PPEは、その芳香族環構造単位のうち少なくとも1個
は、一般式(I)で示されるアルケニル置換基を有し、
他にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ハロアル
キル基、アルコキシル基又はハロゲン原子と酸素原子が
少なくとも2個の炭素原子を介して結合したハロ炭化水
素オキシ基等の置換基を有し、具体的には下記A群に例
示するアルケニル置換基を有するフェノール誘導体の1
種以上と、フェノール又は次の置換基を有するフェノー
ル誘導体とを酸化共重合させたものである。該フェノー
ル誘導体の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アリ
ール基、ハロアルキル基、アルコキシル基又はハロゲン
原子と酸素原子が少なくとも2個の炭素原子を介して結
合したハロ炭化水素オキシ基が置換されていてもよいフ
ェノール誘導体であって、下記B群に示す化合物である
。 A群:2−アリルフェノール、2,6−ジアリルフェノ
ール、2−アリル−6−メチルフェノール、2−アリル
−5−クロロフェノール、2−アリル−3−メトキシフ
ェノール、2−アリル−3−イソブチル−6−メチルフ
ェノール又は2−アリル−6−エチルフェノール等であ
り、好ましくは2,6−ジアリルフェノール、2−アリ
ル−6−メチルフェノール又は2−アリル−6−エチル
フェノール等 B群:フェノール;  o−,m−若しくはp−クレゾ
ール;  2,6−、2,5−、2,4−若しくは3,
5−ジメチルフェノール;  2,6−ジフェニルフェ
ノール;  2,6−ジエチルフェノール;  2,3
,5−若しくは2,3,6−トリメチルフェノール又は
2−メチル−6−t−ブチルフェノール等であり、好ま
しくは2,6−ジメチルフェノール等
【0011】アルケニル置換基を有するPPEの製造は
、通常のPPEの酸化重合と同様に行うことができ、例
えば米国特許第3422062号、同第3306874
号、同第3306875号、同第3257257号又は
同第3257358号各明細書に記載されている。
【0012】重合度範囲は特に限定はされないが、重合
度が低過ぎると相溶化能の低下が問題となるため、クロ
ロホルム溶液中で測定した30℃における極限粘度が0
.1dl/g 程度が実用の下限であり、好ましくは0
.2dl/g 以上である。
【0013】PPE中のアルケニル基の数は、特に制限
はないが、PPE中の芳香族環数を基準にして、アルケ
ニル基の割合は1〜40モル%であることが好ましく、
更に、1〜20モル%がより好ましい。本発明で使用す
るα,β−エチレン性不飽和カルボニル化合物の具体例
を下記C群に示す(ここで、カルボニル化合物とは、カ
ルボニル基>C=0の他、カルボキシル基−COOH、
ホルミル基−CH=0、エステル基−COO−の基を有
する化合物も含む)。 C群:マレイン酸、クロロマレイン酸、シトラコン酸、
イタコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸;  アク
リル酸、フランカルボン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、
メタクリル酸、ペンテン酸、アンゲリカ酸等の不飽和モ
ノカルボン酸;  これらのα,β−不飽和ジカルボン
酸又は不飽和モノカルボン酸の酸無水物、酸ハロゲン化
物、アルカリ若しくはアルカリ土類金属塩;  エピク
ロルヒドリンと上記α,β−不飽和ジカルボン酸又は不
飽和モノカルボン酸との反応生成物であって、グリシジ
ルマレート、グリシジルアクリレート又はグリシジルメ
タクリレート等の不飽和エポキシ化合物、あるいはこれ
らより誘導されるα,β−不飽和カルボニル残基を有す
る化合物等であり、これらの中で好ましいものは、マレ
イン酸、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、
グリシジルメタクリレート又はグリシジルアクリレート
であり、更に好ましいものは、無水マレイン酸である。
【0014】本発明で、変性PPE(a)中のα,β−
不飽和カルボニル化合物の量は、相溶化剤としての機能
から、変性PPE(a)の0.1重量%以上で、好まし
くは0.5重量%以上であり、一方コスト面からは、2
0重量%以下が好ましい。
【0015】本発明で、主鎖芳香族環にアルケニル置換
基を有するPPEと、α,β−不飽和カルボニル化合物
との反応は、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベ
ンゼン、デカリン、テトラリン、クロロホルム、テトラ
ヒドロフラン等の溶媒中で実施する。
【0016】この反応は、上記PPE中のアルケニル置
換基とα,β−不飽和カルボニル化合物をモル比で1:
1〜1:20の範囲で、更に好ましくは1:2〜1:1
5の範囲で均一に混合溶解して行う。この際、溶媒中の
PPE濃度は1〜30重量%が好ましく、5〜20重量
%がより好ましい。
【0017】この変性反応を速やかに進めるために、反
応系にメチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキ
サノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオ
キサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−
ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2
−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハ
イドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイ
ド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、
2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキ
サイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロ
パーオキサイド、ジ−t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパー
オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、
【0018】ア
セチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド
、m−トルイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;
  2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´
−アゾビスイソバレロニトリル、2,2´−アゾビス(
2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2´−アゾビ
ス(2−メチルプロパン)、2,2´−アゾビス(2−
メチルプロピオンアミド)ジハイドレート等のアゾ化合
物等のラジカル開始剤を存在させることが有効な方法で
ある。反応温度は30〜250℃の範囲が好ましく、5
0〜150℃がより好ましい。反応時間は温度、濃度、
ラジカル開始剤等の諸条件に依存するが、0.5〜10
時間が好ましく、2〜6時間がより好ましい。
【0019】また、本発明での主鎖芳香族環にアルケニ
ル置換基を有するPPEとα,β−不飽和カルボニル化
合物との反応は、ラジカル開始剤存在下又は非存在下で
押出機、バンバリミキサー又はニーダー等を用いた溶融
混練法によっても行うことができる。この場合、主鎖芳
香族環にアルケニル置換基を有するPPEとα,β−不
飽和カルボニル化合物及びラジカル開始剤は上述したも
のと同等のものを使用することができる。この溶融混練
反応においては、α,β−不飽和カルボニル化合物の使
用量はPPEに対して0.1〜20重量%が好ましい。 反応温度は150〜380℃の範囲で実施可能であるが
、好ましくは220〜320℃の範囲である。反応時間
は0.3〜15分が好ましい。
【0020】本発明で用いるポリアミドの具体例を挙げ
ると、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン
、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−若しくは2,
4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−
若しくは1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン
、ビス(p−アミノシクロヘキシルメタン)、m−若し
くはp−キシリレンジアミン等の脂肪族、脂環族又は芳
香族ジアミンと、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸
、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸等のジカ
ルボン酸又はその誘導体との重縮合によって得られるポ
リアミド;  ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタ
ム等のラクタムから得られるポリアミド;
【0021】
ε−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸の縮
合によって得られるポリアミド;  あるいは、これら
ポリアミドの混合物等である。これらの中で、ポリカプ
ロアミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサ
メチレンセバカミド、ポリドデカンアミド又はこれらを
主成分とする共重合ポリアミドが好ましい。更に、融点
、剛性、成形性が優れたポリカプロアミド(ナイロン6
)及びポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)
が特に好ましい。
【0022】ポリアミド(b)の分子量の制限は特にな
いが、通常、相対粘度(JIS  K6810)が2〜
5の範囲のポリアミドを用いる。必要に応じてタフナイ
ロンとして知られるようなエラストマー補強ポリアミド
を用いることもできる。またガラス繊維等の各種繊維、
タルク等の各種無機充填剤を含有するポリアミドを用い
ることができる。
【0023】<付加的成分>本発明による熱可塑性樹脂
組成物には、他の付加成分を添加することができる。例
えば、ポリアミドに周知の酸化防止剤、耐候性改良剤、
造核剤、難燃剤等の添加剤を;  PPEに周知の酸化
防止剤、耐候性改良剤、可塑剤、流動改良剤等を付加的
成分として使用できる。また有機・無機充填剤、補強剤
、特にガラス繊維、マイカ、タルク、ワラストナイト、
チタン酸カリウム、炭酸カルシウム、シリカ等の添加は
剛性、耐熱性、寸法精度等の向上に有効である。実用の
ために各種着色剤及びそれらの分散剤なども周知のもの
が使用できる。
【0024】更に耐衝撃強度向上剤の添加、特にスチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴム若しくはその水素化物、エ
チレン−プロピレン−(ジエン)共重合体ゴム又はそれ
らのα,β−不飽和カルボン酸無水物変性体、不飽和グ
リシジルエステル変性体若しくは不飽和グリシジルエー
テル変性体、不飽和エポキシ化合物とエチレンからなる
共重合体又は不飽和エポキシ化合物、エチレン及びエチ
レン系不飽和化合物からなる共重合体、ポリスチレン、
ポリスチレン系エラストマー、ゴム変性ポリスチレン、
ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、
あるいはニトリルゴム等の添加は組成物の耐衝撃強度向
上に有効である。上記の耐衝撃強度向上剤は単独で用い
てもよいし、2種以上を併用してもよい。耐衝撃強度改
良剤の配合量は、目標とする物性値により異なるが、例
えば組成物の剛性と耐衝撃強度のバランスの改良の場合
は、組成物の樹脂成分100重量部あたり5〜30重量
部である。
【0025】<構成成分の組成比>本発明の熱可塑性樹
脂組成物におけるα,β−不飽和カルボニル化合物変性
PPE(a)とポリアミド(b)の組成比はいかなる値
であっても良好な相溶性が得られるが、耐熱剛性と耐溶
剤性のバランスから成分(a)と成分(b)の組成比は
重量比で、好ましくは90:10〜10:90の範囲、
更に好ましくは80:20〜20:80である。成分(
a)の一部を未変性のポリフェニレンエーテル(c)で
置き換えてもよい。その場合、樹脂組成物中の各成分は
次の通りである。成分(a)、(b)及び(c)の合計
は100重量%である。 (a)変性PPE    10〜90重量%(b)ポリ
アミド    10〜90重量%(c)未変性PPE 
   0〜80重量%
【0026】<混合組成物の製法
及び成形法>本発明の熱可塑性樹脂組成物を得るための
溶融混練の方法としては、熱可塑性樹脂について一般に
実用されている混練方法が適用できる。例えば、粉状又
は粒状の各成分を、必要であれば、付加的成分の項に記
載の添加物等と共に、ヘンシェルミキサー、リボンブレ
ンダー、V型ブレンダー等により均一に混合した後、一
軸又は多軸混練押出機、ロール、バンバリーミキサー等
で混練することができる。更に各構成ポリマーの溶融混
練に関しては各々を逐次に混練することや同一反応器内
で同時に混練することが可能である。また、α,β−不
飽和カルボニル化合物、側鎖にアルケニル置換基を有す
るPPE、PPEポリアミドを逐次に混練することも、
また、同一反応器内で同時に混練することも可能である
【0027】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形
加工法は特に限定されているものではなく、熱可塑性樹
脂について一般に用いられている成形法、すなわち射出
成形、中空成形、押出成形、シート成形、熱成形、回転
成形、積層成形、プレス成形等の成形法が適用できる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳しく説明す
る。これにより本発明の範囲は特に限定されるものでは
ない。また、部及び%は重量によるものとする。使用し
た各成分は次のとおりである。 ポリアミド:ポリアミド−6(BASF社製、商品名:
ウルトラミッドKR4411);予め80℃、15時間
真空乾燥したものを用いた。 PPE:ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン
エーテル)(日本ポリエーテル社製、H−30グレード
【0029】〈アリル化PPE製造〉合成例12,6−
ジメチルフェノール960部、2−アリル−6−メチル
フェノール49部、水酸化ナトリウム16部をキシレン
3636部、メタノール965部に溶解させた後、ジエ
タノールアミン25部、ジブチルアミン13部、メタノ
ール167部に溶かした塩化マンガン四水和物0.4部
をそれぞれ加えた。重合反応は2段階に分かれており、
前段は温度を40℃に保ち、140ml/ 分の流量の
酸素ガスを導入して反応させ、固体が析出する迄行った
。後段は、温度を30℃に保ち、100ml/ 分の流
量の酸素ガスと1000ml/ 分の流量の窒素ガスを
導入して反応させ、ポリマーの析出が止まる迄行った。 この後、ポリマーを多量のメタノールで再沈殿させ、塩
酸酸性のメタノールで洗浄し、触媒を失活させることに
より、目的の2,6−ジメチルフェノールと2−アリル
−6−メチルフェノールの共重合体を得た。結果は表1
に示した。 収率:92%
【0030】
【表1】
【0031】合成例2 2,6−ジメチルフェノールを900部、2−アリル−
6−メチルフェノールを121部に代えた以外、合成例
1と同条件で反応及び処理を行った。結果は表1に示し
た。 収率:90% 無水マレイン酸変性PPE:側鎖にアルケニル置換基を
有するPPEとして合成例1及び2で得た表1に示すポ
リマーを用いた。また、無水マレイン酸の定量はクロロ
ホルムに試料を溶かし赤外線分光法により光路長1mm
の溶液セルを用いて内部標準法により決定した。
【0032】合成例3 窒素ガス雰囲気下、表1のNo.1ポリマー1000部
と無水マレイン酸220部をトルエン8670部に溶か
した。85℃にて、濃度2.3%の2,2′−アゾビス
イソブチロニトリルのトルエン溶液444部をゆっくり
滴下し、5時間反応させた。多量のアセトニトリルで再
沈洗浄することにより目的の無水マレイン酸変性PPE
を得た。 収率;  89% 無水マレイン酸含量;  0.7%
【0033】合成例4 表1のNo.2ポリマー1000部、無水マレイン酸4
40部及び2,2′−アゾビスイソブチロニトリルのト
ルエン溶液を888部用い、合成例1と同様に行い、無
水マレイン酸変性PPEを得た。 収率;  87% 無水マレイン酸含量;  2.0%
【0034】合成例5 PPE1000部と無水マレイン酸250部をクロロベ
ンゼン11070部に溶かし、130℃にて7時間反応
させた。多量のアセトンで再沈洗浄することにより目的
の無水マレイン酸変性PPEを得た。 収率;  84% 無水マレイン酸含量;  0.3%
【0035】合成例6 表1のNo.1ポリマー100部と無水マレイン酸10
部を、東洋精機(株)製ラボプラストミル中で温度28
0℃にて6分間、溶融混練反応を行った。 無水マレイン酸含量;  0.9%
【0036】実施例1及び2 総量が約50g となるように合成例3及び4で得た変
性PPEと上記ポリアミドを重量比40:60の割合で
各々ドライブレンドした。これを東洋精機(株)製ラボ
プラストミルを用い、温度250℃の条件で10分間混
練した。得られた熱可塑性樹脂組成物を250℃でプレ
ス成形して2mm厚のシートを得た。このシート中のP
PEの分散粒径と成形体の外観を調査し表2に示した。
【0037】
【表2】
【0038】実施例3及び4 総量が約50g となるように、実施例1及び2で得た
樹脂組成物とPPEと上記ポリアミドを重量比20:3
2:48の割合で各々ドライブレンドした。これを東洋
精機(株)製ラボプラストミルを用い、温度250℃の
条件で5分間混練した。得られた熱可塑性樹脂組成物に
ついて、実施例1及び2と同様に分散粒径及び外観を調
査し、表2に示した。
【0039】実施例5 合成例3の変性PPEの代わりに合成例6の変性PPE
を用いた以外は、実施例1と同様に行った。得られた熱
可塑性樹脂組成物について、実施例1及び2と同様に分
散粒径及び外観を調査し、表2に示した。
【0040】比較例1 合成例3の変性PPEの代わりに合成例5の変性PPE
を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られた熱可
塑性樹脂組成物について、実施例1と同様に分散粒径及
び外観を調査し、表2に示した。
【0041】
【発明の効果】実施例及び比較例に示したように共重合
によって構造制御した側鎖にアルケニル置換基を有する
PPE樹脂に、α,β−不飽和カルボニル化合物を反応
させ、従来より多くの1.0〜10重量%にα,β−不
飽和カルボニル化合物を導入した変性PPE樹脂とポリ
アミドの両者を組み合わせて配合することによって、組
成物は大幅に分散粒径が微細化し、本来非相溶な成分の
相溶性が格段に向上した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  下記の成分(a)及び(b)からなる
    ことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 (a)  主鎖芳香族環に一般式(I)−CR1 ・R
    2 −CR3 =CR4 ・R5       (I)
    (式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 は
    各々水素原子、ハロゲン原子、アリール基、炭素数1〜
    20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシル基
    を表す)で示されるアルケニル置換基を有するポリフェ
    ニレンエーテルに、α,β−不飽和カルボニル化合物を
    反応させて得られるα,β−不飽和カルボニル化合物変
    性ポリフェニレンエーテル (b)  ポリアミド
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006219563A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Toray Ind Inc ポリアミド樹脂組成物およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006219563A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Toray Ind Inc ポリアミド樹脂組成物およびその製造方法

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