JPH04309995A - 液晶表示装置とそれを用いた液晶投写型テレビ - Google Patents

液晶表示装置とそれを用いた液晶投写型テレビ

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JPH04309995A
JPH04309995A JP3076171A JP7617191A JPH04309995A JP H04309995 A JPH04309995 A JP H04309995A JP 3076171 A JP3076171 A JP 3076171A JP 7617191 A JP7617191 A JP 7617191A JP H04309995 A JPH04309995 A JP H04309995A
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drive
crystal panel
voltage
circuit
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博司 高原
Hideki Omae
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として小型の液晶パ
ネルに表示された画像をスクリーン上に拡大投映する投
写型テレビ(以後、液晶投写型テレビと呼ぶ)および主
としてこの液晶投写型テレビに用いる液晶表示装置およ
びその駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は軽量、薄型など数多くの
特徴を有するため、研究開発が盛んである。しかし、大
画面化が困難であるなどの問題点も多い。そこで近年、
小型の液晶パネルの表示画像を投写レンズなどにより拡
大投映し、大画面の表示画像を得る液晶投写型テレビが
にわかに注目をあつめてきている。現在、商品化されて
いる液晶投写型テレビには液晶の施光特性を利用したツ
イストネマステック(以後、TNと呼ぶ)液晶表示装置
が用いられている。
【0003】まず、一般的な液晶パネルについて説明す
る。(図29)は液晶パネルの平面図である。(図29
)において、221はスイッチング素子としての薄膜ト
ランジスタ(以後、TFTと呼ぶ)などが形成されたガ
ラス基板(以後、アレイ基板と呼ぶ)、222はITO
などからなる透明電極が形成された基板(以後、対向基
板と呼ぶ)、203はアレイ基板221上のゲート信号
線に接続されたTFTのオンオフを制御する信号を印加
するドライブIC(以後、ゲートドライブICと呼ぶ)
、202はアレイ基板221上のソース信号線にデータ
信号を印加するためのドライブIC(以後、ソースドラ
イブICと呼ぶ)、223は偏光板フィルム、224は
封止樹脂である。
【0004】(図30)にTN液晶パネルの動作説明図
を示す。(図30)において、231a,231bは偏
光板、232は偏光方向、233は透明電極(以後、I
TOと呼ぶ)、234は液晶分子、235は信号源、2
36はスイッチである。(図30)に示すように、オフ
状態では入射偏光が90度回転し、オン状態では回転せ
ずに透過する。したがって、2枚の偏光板231a,2
31bの偏光方向が直交していれば、オフ状態では光が
透過、オン状態では遮光される。ただし偏光方向が互い
に互いに平行であればその逆になる。以上のようにTN
液晶パネルは光を変調し画像を表示する。
【0005】以下、従来の液晶表示装置について説明す
る。(図28)は従来の液晶表示装置のブロック図であ
る。(図28)において、211はビデオ信号を増幅す
るアンプ、212は正極性と負極性のビデオ信号を作る
位相分割回路、213はフィールドごとに極性が反転し
た交流ビデオ信号を出力する出力切り換え回路、207
は液晶パネル、214はソースドライブIC202およ
びゲートドライブIC203の同期および制御を行なう
ためのドライブ制御回路である。
【0006】以下、従来の液晶表示装置の動作について
説明する。まず、ビデオ信号はアンプ211によりビデ
オ出力振幅が液晶の電気光学特性に対応するように利得
調整が行なわれる。次に、利得調整されたビデオ信号は
位相分割回路212に入り、正極性と負極性の2つのビ
デオ信号が作られる。この2つのビデオ信号は出力切り
換え回路213に入り、フィールドごとに極性を反転し
たビデオ信号が出力される。このようにフィールドごと
に信号の極性を反転させるのは、交流電圧を印加し液晶
が劣化することを防止するためである。次に出力切り換
え回路213からのビデオ信号はソースドライブIC2
02に入力され、ソースドライブIC202はドライブ
制御回路213からの制御信号により、ビデオ信号のレ
ベルシフト、サンプルホールドなどの処理を行ない、ゲ
ートドライブIC203と同期をとって液晶パネル20
7のソース信号線に所定電圧を印加する。
【0007】(図27)はさらに詳しく従来の液晶表示
装置を説明するための説明図である。(図27)におい
て、201はX制御回路、203a,203b,203
cはゲートドライブIC、204,205,206は液
晶パネルの一画素の構成要素であり、それぞれTFT、
付加容量、表示画素としての液晶である。なお、(図2
7)は(図28)のドライブ制御回路214、ゲートド
ライブIC203、ソースドライブIC202および液
晶パネル207の一部を抽出した図である。
【0008】(図31)は従来の液晶表示装置の動作を
説明するためのタイミングチャート図である。X制御回
路201はゲートドライブIC203aのスタートパル
ス信号線ST1にスタートパルスを出力する。ゲートド
ライブIC203aはクロック信号線に印加されるクロ
ックの立ち上がりで前記スタートパルスを内部のシフト
レジスタ回路に取り込む。このシフトレジスタに取り込
まれたデータ位置に対応して液晶パネル207のゲート
信号線にTFTを動作状態にする電圧(以後、オン電圧
と呼ぶ)を出力する。つまり、最初のクロックでゲート
信号線G1にオン電圧が出力される。このオン電圧の出
力位置はクロックにより順次シフトされる。したがって
(図31)に示すようにクロックと同期してオン電圧出
力位置がゲート信号線G2、G3、G4・・・・・とシ
フトされている。なお、オン電圧が出力されていない他
の出力信号線からはTFTを非動作状態にする電圧(以
後、オフ電圧と呼ぶ)が出力される。ソースドライブI
C202からは前述のクロックと同期して映像信号が出
力され、オン電圧位置の画素に映像信号が書きこまれる
。なお、本明細書ではゲート信号線の方向を行方向と呼
び、ソース信号線の方向を列方向と呼ぶ。
【0009】以下、(図32)を参照しながら従来の液
晶パネルの駆動方法について説明する。(図32)は従
来の液晶パネルの駆動方法の説明図である。(図32)
ではゲート信号線Gm(ただしmは整数)に接続された
TFTが駆動する画素をXm行、ソース信号線Sn(た
だしnは整数)に接続されたTFTが駆動する画素をY
n列とよぶ。先の液晶表示装置の駆動方法でも述べたよ
うに、ゲート信号線G1にオン電圧が印加されるとそれ
と同期してソースドライブICから映像信号が出力され
X1行に信号ai(ただしi=1〜n)が書き込まれる
。 次に同様にゲート信号線G2にオン電圧が印加されると
同期してソースドライブICから映像信号が出力されX
2行に信号biが書きこまれる。以上の処理が順次繰り
返され、1画面の表示画像が完成する。
【0010】なお、テレビ画像は1フレームで1画面の
表示が行われる。1フレームは2フィールドである。通
常、第1フィールドと第2フィールドにはそれぞれ24
0本の走査線つまり行に該当する映像信号がある。フィ
ールドにおいて1行を書き込む期間を1水平走査期間と
呼び、1フィールドを書き込む期間を1垂直走査期間と
呼ぶ。(図32)は液晶パネルが240本以下のゲート
信号線しかもたない場合の駆動方法を示している。つま
り第1フィールドおよび第2フィールドは同様にX1行
から表示画像データが書き込まれる。
【0011】以下、従来の液晶投写型テレビについて図
面を参照しながら説明する。(図33)は従来の液晶投
写型テレビの構成図である。(図33)において、26
1は集光光学系、262は赤外線を透過させる赤外線カ
ットミラー、263aは青色光反射ダイクロイックミラ
ー(以後、BDMと呼ぶ)、263bは緑色光反射ダイ
クロイックミラー(以後、GDMと呼ぶ)、263cは
赤色光反射ダイクロイックミラー(以後、RDMと呼ぶ
)、264a,264b,264c,266a,266
b,266cは偏光板、265a,265b,265c
は透過型のTN液晶表示装置、267a,267b,2
67cは投写レンズ系である。なお、説明に不要な構成
物、たとえばフィールドレンズなどは図面から省略して
いる。
【0012】以下、従来の液晶投写型テレビの動作につ
いて(図33)を参照しながら説明する。まず集光光学
系261から出射された白色光はBDM263aにより
青色光(以後、B光と呼ぶ)が反射され、このB光は偏
光板264aに入射される。同様にBDM263aを透
過した光はGDM263bにより緑色光(以後、G光と
呼ぶ)が反射され偏光板264bに、また、RDM26
3cにより赤色光(以後、R光と呼ぶ)が反射され偏光
板264cに入射される。偏光板では各色光の縦波成分
または横波成分の一方の光のみを透過させ、光の偏光方
向をそろえて各液晶表示装置に照射させる。この際、5
0%以上の光は前記偏光板で吸収され、透過光の明るさ
は最大でも半分以下となってしまう。
【0013】各液晶表示装置は映像信号により前記透過
光を変調する。変調された光はその変調度合により各偏
光板266a,266b,266cを透過し、各投写レ
ンズ系267a,267b,267cに入射して、前記
レンズ系によりスクリーン(図示せず)に拡大投映され
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前述の説明でも明らか
なように、TN液晶を用いた液晶表示装置では、前述液
晶へは直線偏光にして光を入射させる必要がある。した
がって液晶表示装置の前後には偏光板を配置する必要が
ある。前述偏光板は理論的に50%以上の光を吸収して
しまう。したがって、第1の課題としてスクリーンに拡
大投映した際、低輝度画面しか得られないという課題が
ある。この課題を解決するため、TN液晶のかわりに高
分子分散液晶を用いる方法があり、高分子分散液晶を用
いた液晶パネルは偏光板を用いないため光利用効率を非
常に高くできる。
【0015】以下簡単に高分子分散液晶について説明し
ておく。高分子分散液晶は、液晶と高分子の分散状態に
よって大きく2つのタイプに分けられる。1つは、水滴
状の液晶が高分子中に分散しているタイプである。液晶
は、高分子中に不連続な状態で存在する。以後、このよ
うな液晶をPDLCと呼び、また、前記液晶を用いた液
晶パネルをPD液晶表示装置と呼ぶ。もう1つは、液晶
層に高分子のネットワークを張り巡らせたような構造を
採るタイプである。ちょうどスポンジに液晶を含ませた
ような格好になる。液晶は、水滴状とならず連続に存在
する。以後、このような液晶をPNLCと呼び、また、
前記液晶を用いた液晶表示装置をPN液晶表示装置と呼
ぶ。前記2種類の液晶表示装置で画像を表示するために
は光の散乱・透過を制御することにより行なう。
【0016】PDLCは、液晶が配向している方向で屈
折率が異なる性質を利用する。電圧を印加していない状
態では、それぞれの水滴状液晶は不規則な方向に配向し
ている。この状態では、高分子と液晶に屈折率の差が生
じ、入射光は散乱する。ここで電圧を印加すると液晶の
配向方向がそろう。液晶が一定方向に配向したときの屈
折率をあらかじめ高分子の屈折率と合わせておくと、入
射光は散乱せずに透過する。
【0017】これに対して、PNLCは液晶分子の配向
の不規則さそのものを使う。不規則な配向状態、つまり
電圧を印加していない状態では入射した光は散乱する。 一方、電圧を印加し配列状態を規則的にすると光は透過
する。なお、前述のPDLCおよびPNLCの液晶の動
きの説明はあくまでもモデル的な考え方である。本発明
においてはPD液晶表示装置とPN液晶表示装置のうち
一方に限定するものではないが、説明を容易にするため
PD液晶表示装置を例にあげて説明する。また、PDL
CおよびPNLCを総称して高分子分散液晶と呼び、P
D液晶表示装置およびPN液晶表示装置を総称して高分
子分散液晶表示装置と呼ぶ。また、高分子分散液晶表示
装置に注入する液晶を含有する液体を総称して液晶溶液
または樹脂と呼び、前記液晶溶液中の樹脂成分が重合硬
化した状態をポリマーと呼ぶ。
【0018】高分子分散液晶の動作について(図3(a
)(b))を用いて簡単に述べる。(図3(a)(b)
)は高分子分散液晶パネルの動作の説明図である。(図
3(a)(b))において、31はアレイ基板、32は
画素電極、33は対向電極、34は水滴状液晶、35は
ポリマー、36は対向基板である。画素電極32にはT
FT等が接続され、TFTのオン・オフにより画素電極
に電圧が印加されて、画素電極上の液晶配向方向を可変
させて光を変調する。(図3(a))に示すように電圧
を印加していない状態では、それぞれの水滴状液晶34
は不規則な方向に配向している。この状態ではポリマー
35と液晶とに屈折率差が生じ入射光は散乱する。ここ
で(図3(b))に示すように画素電極に電圧を印加す
ると液晶の方向がそろう。液晶が一定方向に配向したと
きの屈折率をあらかじめポリマーの屈折率と合わせてお
くと、入射光は散乱せずにアレイ基板31より出射する
【0019】以上のように、高分子分散液晶パネルは偏
光板を用いないため、光利用効率が高く、非常に高輝度
の表示画像が得られる。しかし、前記液晶パネルを液晶
表示装置に用いようとすると以下の課題がある。それは
高分子分散液晶のヒステリシス特性である。ヒステリシ
ス特性を(図4)に示す。(図4)に示すように高分子
分散液晶は印加電圧の絶対値を徐々に上昇させた時の印
加電圧対透過率のカーブと、印加電圧の絶対値を徐々に
下降させた時とが同一軌跡とならない。つまりヒステリ
シス特性を有する。したがって、印加の電圧V1からV
0に変化させた時の透過率はT2であるが、印加電圧V
2からV0に変化させた時の透過率はT1となる。この
現象は表示画像の階調表示に大きな支障をきたす。
【0020】以上のことより、高分子分散液晶を用いれ
ば光利用率が高くなり高輝度の表示画像が得られる。し
かし、ヒステリシス特性があるため所望の良好な階調表
示が行なえない。このことより、従来では高分子分散液
晶を用いて高画質の液晶表示装置および液晶投写型テレ
ビを構成することは困難であった。
【0021】
【課題を解決するための手段】TN液晶を用いると偏光
板により50%以上の光が吸収されてしまうため光利用
効率が低く、高輝度画像表示が行なえず、また、大画面
の表示画像が得られないという課題がある。そこで、本
発明では高分子分散液晶を用いる。その際に高分子分散
液晶のヒステリシス特性の影響がないようにして用いる
ところに特徴がある。
【0022】第1の本発明の液晶表示装置はアクティブ
マトリックス型の高分子分散液晶パネルと、前記液晶パ
ネルのゲート信号線に接続された複数のゲートドライブ
ICと、前記複数のゲートドライブICのうち任意のI
Cを選択し、選択されたICのすべての出力端子をオフ
電圧出力状態にする選択回路と、対向電極電圧(以降、
コモン電圧と呼ぶ)を出力する電圧発生回路と、1水平
走査期間の2分の1の期間に映像信号を、残りの2分の
1の期間にコモン電圧を交互に切りかえ出力する切り換
え回路を具備するものである。
【0023】第2の本発明の液晶表示装置は第1の本発
明ゲートドライブICに奇遇数フィールド端子を付加し
、第1フィールドと第2フィールドでオン電圧の出力開
始端子位置が異なるように制御できるようにしたもので
ある。また、隣接した2本のゲート信号線は2本ずつ同
時にオン電圧が出力される。
【0024】第3の本発明の液晶表示装置は一画素に2
個のTFTを形成したアクティブマトリックス型の高分
子分散液晶パネルと、前記液晶パネルの2n(ただしn
は整数)番目に位置するゲート信号線を左あるいは右端
に引出し、2n−1番目に位置するゲート信号線を右あ
るいは左端に引きだし、左端に引き出されたゲート信号
線に接続された第1のゲートドライブICと、右端に引
き出されたゲート信号線に接続された第2のゲートドラ
イブICと、コモン電圧を出力する電圧発生回路と、1
水平走査期間の2分の1の期間に映像信号を、残りの2
分の1の期間にコモン電圧を交互に切り換え出力する切
り換え回路と、第1のゲートドライブICとゲートドラ
イブICを2分の1水平走査期間で交互にイネーブル状
態とディセーブル状態を切りかえるX制御回路を具備す
るものである。
【0025】本発明の液晶パネルの駆動方法はアクティ
ブマトリックス型の高分子分散液晶のi行目の画素に表
示画像データを書き込み、i行目以外のj行目の画素に
コモン電圧を1水平走査期間に書き込むものである。駆
動順序としてはj行目の画素にコモン電圧を書き込んだ
後、所定期間経過後に前記j行目の画素に表示画像デー
タを書き込むように駆動するものである。
【0026】本発明の液晶投写型テレビは、第1または
第2もしくは第3の本発明の液晶表示装置を用いて構成
したものであり、また、緑光変調用の液晶表示装置に印
加する映像信号極性を赤および青光変調用の液晶表示装
置に印加する映像信号極性と逆極性の信号を印加して駆
動する。また、投写光学系としては、シュリーレン光学
系を用い、散乱光を遮光し、平行光をスクリーンに投写
することにより、高輝度・高コントラストの表示画像を
実現できるものである。
【0027】
【作用】高分子分散液晶は(図4)でも明らかなように
ヒステリシス特性をもっている。したがって、電圧V0
印加時の透過率はV2からV0にするときとV1とV0
にするときでは異なる。しかし、一度V3の電圧を印加
し立ちあがり方向のみを用いるようにすればV0の電圧
印加時はかならず透過率はC点のT2とすることができ
る。 逆にV4にして立ち下がり方向のみを用いればかならず
d点のT1とすることができる。本発明ではまず1行ま
たは2行分の画素にコモン電圧を印加し、液晶の透過率
をさげ、所定期間経過後、前記行分の画素に表示画像デ
ータを書き込む、つまり立ちあがり方向のみを用いる。 したがって、ヒステリシス特性を除去することができ、
良好な階調表示を行なうことができる。
【0028】
【実施例】以下、図面を参照しながら、第1の本発明の
液晶表示装置について説明する。(図2)は第1の本発
明の液晶表示装置のブロック図であり、(図1)は(図
2)のソースドライブIC13,液晶パネル18,ゲー
トドライブIC14およびドライブ制御回路26の一部
を抜きだして詳細に図示したものである。
【0029】本発明の液晶表示装置に用いる液晶パネル
の液晶材料としてはネマチック液晶、スメクチック液晶
、コレステリック液晶が好ましく、単一もしくは2種類
以上の液晶性化合物や液晶性化合物以外の物質も含んだ
混合物であっても良い。なお、先に述べた液晶材料のう
ちシアンビフェニル系のネマスチック液晶が最も好まし
い。樹脂材料としては透明なポリマーが好ましく、熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂のいずれであっ
ても良いが、製造工程の容易さ、液晶相との分離等の点
より紫外線硬化タイプの樹脂を用いるのが好ましい。 具体的な例として紫外線硬化性アクリル系樹脂が例示さ
れ、特に紫外線照射によって重合硬化するアクリルモノ
マー、アクリルオリゴマーを含有するものが好ましい。 これらは、紫外線を照射することによって樹脂のみ重合
反応を起こしてポリマーとなり、液晶のみ相分離する。 この際、樹脂分と比較して液晶の量が少ない場合には独
立した粒子状の水滴状液晶が形成されるし、一方、液晶
の量が多い場合は、樹脂マトリクスが液晶材料中に粒子
状、または、ネットワーク状に存在し、液晶が連続層を
成すように形成される。この際に水滴状液晶の粒子径、
もしくはポリマーネットワークの孔径がある程度均一で
、かつ大きさとしては0.1μm〜数μmの範囲でなけ
れば入射光の散乱性能が悪くコントラストが上がらない
。なお、好ましくは水滴状液晶の粒子径もしくはポリマ
ーネットワークの孔径は0.5μm〜1.5μmの範囲
がよい。この為にも紫外線硬化樹脂のように短時間で硬
化が終了しうる材料でなければならない。また、液晶材
料と樹脂材料の配向比は9:1〜1:9であり、中でも
2:1〜1:2の範囲が好ましい。
【0030】電圧発生回路22はコモン電圧と同一電位
の電圧を発生させる回路である。具体的には前記電圧は
所定電位を有する電圧源から抵抗の分圧比により取り出
す。ただし、アクティブマトリックス型液晶パネルは内
部に寄生容量等があり、画素電極に印加するOV電位は
コモン電圧とはならない。そのため前記抵抗をボリウム
抵抗に構成し、電圧調整して出力できるようにしている
。前記電圧はコモン電圧から1V程度ずれる場合が多い
。ここでは説明を容易にするために画素電極にコモン電
圧を印加した時、画素電極の上の液晶層には全く電圧が
印加されないとして説明していく。つまりコモン電圧で
液晶への印加電圧はOVと見なす。
【0031】切り換え回路23は1水平走査期間(以後
、1Hと呼ぶ)の2分の1の時間のクロックに同期して
ゲインコントロール回路21から出力されるビデオ信号
と電圧発生回路22が出力するコモン電圧を交互に切り
換え出力する。したがって、映像信号とコモン電圧が交
互に繰り返す信号を出力する。
【0032】ゲートドライブIC14a,14b,14
cは内部にシフトレジスタを有しており、シフトレジス
タの中のデータはクロック信号線CKに印加されるクロ
ックの立ち上がりで1ビットシフトされる。また、クロ
ックの立ち上がりでスタートパルス信号線に印加された
スタートパルスをシフトレジスタにデータとして取り込
む。イネーブル信号線には“H”レベルのロジック信号
が加わったときシフトレジスタ内のデータが反映され、
該ゲート信号にオン電圧が出力される。“L”レベルの
ロジック信号の時はシフトレジスタ内のデータによらず
前記ゲートドライブICの出力端子に接続されたすべて
のゲート信号線にはオフ電圧が出力される。クロックに
同期してシフトレジスタ内のデータはシフトされるが、
最終段までシフトされるとキャリーパルス信号線より出
力され、次のゲートドライブICのスタートパルスとな
る。
【0033】選択回路12には、1/2 Hのクロック
で動作し、X制御回路11のデータよりマルチプレクサ
の動作を行ない、任意のイネーブル信号線に“H”また
は“L”のロジック信号を送出する。また選択回路12
は切り換え回路23と同期をとって動作する。
【0034】X制御回路11は1垂直走査期間(以後1
Vと呼ぶ)の開始前にクリアーパルスを出力し、前記パ
ルスはゲートドライブIC14aのスタートパルスとな
る。このクリアーパルスはゲートドライブICのシフト
レジスタ回路内をクロックに同期してシフトされていく
が、ゲートドライブIC14aからキャリーパルスが出
力され、このパルスがゲートドライブIC14bのスタ
ートパルスとなった時定でスタート信号線にスタートパ
ルス(以後Vスタートパルスと呼ぶ)が出力される。前
記VスタートパルスはゲートドライブIC14aのスタ
ートパルスとなる。Vスタートパルスは1垂直走査期間
の表示画像データがある時点に一致させるようにして出
力される。
【0035】ゲインコントロール回路21は入力された
ビデオ信号を液晶パネルの電気光学特性範囲に適含する
ように増幅するアンプである。通常、高分子分散液晶パ
ネルは立ち上がり電圧が1.5〜2.0Vであり、最大
透過率になる電圧はほぼ6.0V〜7.0Vであるから
、前記範囲に適合するように映像信号の信号振幅を調整
する。
【0036】以下、(図1),(図2)および(図5)
を参照しながら、第1の本発明の液晶表示装置の動作に
ついて説明する。(図5)は、第1の本発明の液晶表示
装置のタイミングチャートである。なお、液晶パネルの
ゲート信号線は240本以下として説明する。
【0037】まず、ビデオ信号は先に述べたようにゲイ
ンコントロール回路21によりゲイン調整される一方、
電圧発生回路22はコモン電圧を出力する。切り換え回
路23は1/2 Hのクロックで映像信号とコモン電圧
を切り換える。切り換え回路23の出力信号波形を(図
5)の映像信号(S1)に示している。ここで映像信号
(S1)とはソース信号線S1に印加される信号を想定
している。前記信号は位相分割回路24に入力される。 位相分割回路24は入力された映像信号の正極性と負極
性の2つのビデオ信号を出力する。次に、位相分割回路
24から出力される2つの正負のビデオ信号は出力切り
換え回路25に入力される。出力切り換え回路25はフ
ィールドごとに極性を反転させたビデオ信号を出力し、
このビデオ信号をソースドライブIC13に出力する。 ソースドライブIC13は、ドライブ制御回路26から
の制御信号により映像信号のレベルシフト、A/D変換
などを行ない、ゲートドライブIC14と同期をとって
液晶パネル18に映像信号を印加する。
【0038】なお、切り換え回路23を(図2)のa点
に挿入し、a点で電圧発生回路22が発生するコモン電
圧と出力切り換え回路25が出力する映像信号とを合成
しても(図5)の映像信号(S1)が実現できることは
明らかである。
【0039】液晶パネル18はゲート信号線Giが該当
する位置から画像を表示する。まず画面の下部、つまり
ゲートドライブIC14cが表示画像データを液晶パネ
ル18に書き込んでいる時、X制御回路11からクリア
ーパルスがゲートドライブIC14aにスタートパルス
として入力される。選択回路12は1/2 Hの周期で
ゲートドライブIC14aと14cのイネーブル端子に
ロジック信号を印加し、交互にシフトレジスタ回路のデ
ータにもとづき、ゲート信号線にオン電圧またはオフ電
圧を出力する状態(以後、アクティブ状態と呼ぶ)とす
べてのゲート信号線にオフ電圧を出力する状態(以後、
ノンアクティブ状態と呼ぶ)とを切り替える。ソース信
号線に表示画像データが印加されている時、ゲートドラ
イブIC14cがアクティブ状態に、コモン電圧が印加
されている時にゲートドライブIC14aがノンアクテ
ィブ状態に制御される。
【0040】したがって、前記スタートパルスがゲート
ドライブIC14bのスタートパルスになる時点でゲー
トドライブIC14aの出力端子に接続された画素はす
べてコモン電圧が印加され、液晶に電圧がかからず次第
に光散乱状態となる。次に、ゲートドライブIC14b
にクリアーパルスが入力された後に、映像信号の第1行
目の表示画素データのタイミングでVスタートパルスが
出力され、このパルスはゲートドライブIC14aのス
タートパルスとして入力される。今度は、選択回路12
にはゲートドライブIC14aと14bを1/2 Hの
周間で交互にアクティブ状態とノンアクティブ状態に切
り換える。ソース信号線に表示画素データが印加されて
いる時はゲートドライブIC14aがアクティブ状態に
、コモン電圧が印加されている時はゲートドライブIC
14bがアクティブ状態にされる。ゲートドライブIC
14cはたえずノンアクティブ状態にされる。
【0041】以上のようにして、ゲート信号線G1に接
続された画素から順に画像が表示される。なお、クリア
ーパルスがゲートドライブIC14bのスタートパルス
となった時点でVスタートパルスをゲートドライブIC
14aに印加するとしたが,これに限定するものではな
い。高分子液晶の立ち下がり時間は高速のものであれば
1ミリ秒程度であるので、クリアーパルスとVスタート
パルスの送出時間は1ミリ秒以上の間隔をあければよい
【0042】以下、図面を参照しながら本発明の第1の
実施例における液晶パネルの駆動方法について説明する
。第1の実施例は主として第1の本発明の液晶表示装置
の液晶パネルの駆動方法である。(図6)(図7)(図
8)は本発明の実施例における液晶パネルの駆動方法の
説明図である。(図6)(図7)(図8)において1つ
の四角形は1画素を示し、X印はコモン電圧が印加され
ている画素を示している。なお、説明を容易にするため
、ブランク表示の画素の表示内容は問わないものとする
。以上のことは以下の図面に対しても同様である。
【0043】まず、クリアーパルスがゲートドライブI
C14aに印加され、このクリアーパルスのシフトと同
期して各ソース信号線にはコモン電圧が出力されている
。したがって、液晶パネルの画面上部の行からコモン電
圧が画素に書き込まれていく、コモン電圧を書き込まれ
た各表示画素は液晶の立ち下がり特性により次第に光を
散乱するようになる。本実施例では光の散乱状態で画素
は黒表示となるとして説明する。クリアーパルスが印加
されてから0.5ミリ秒以上、好ましくは1ミリ秒以上
経過後、VスタートパルスがゲートドライブIC14a
に印加される。しかし、クリアーパルスとVスタートパ
ルスの間隔があまりに長いと表示画像の黒表示部が大き
くなり相対的に表示画像が暗くなってしまう。黒表示部
が小さければ表示画像は暗くならず、また、前記黒表示
部は1/60秒の周期で移動するため視覚的にはみえな
い。実験によれば(図4)のヒステリシス特性は立ちあ
がり方向のみを用いれば良好な階調表示が行なえる。 また、表示画像は動画であっても次フィールドの表示画
像とそう大きくは変化しない。つまり一つの画素のみに
注目すれば書き込まれる電圧の変化量は大きくはない。 したがって一度コモン電圧を画素に書き込み、所定量分
だけ画素の液晶の散乱を大きくすればたえず立ち上がり
方向のみで画像表示でき、完全に散乱状態までする必要
はない。
【0044】次に(図6)に示すように、今度は液晶パ
ネルの上部より表示画像をaj,bjと順次書き込む。 コモン電圧を書き込む行も順次シフトさせる。以上のよ
うにして画像は表示される。したがって、各画素はコモ
ン電圧が書き込まれ所定時間経過後、表示画像データが
書き込まれる。(図8)はある時刻での表示画像の状態
を示している。
【0045】本発明の液晶パネルの駆動方法をさらに定
性的に示したのが(図34)である。(図9)において
、イ行はコモン電圧を書き込んでいる行であり、ア行は
表示画像データを書き込んでいる行である。したがって
、Aの領域の行はコモン電圧が書き込まれている領域、
Bは現フィールドの表示画像が表示されている領域、C
は前フィールドの表示画像が表示されている領域である
。ア行とイ行は所定間隔の距離はなれて走査方向に動い
ていく。先にも述べたように、液晶パネル18にはフィ
ールドごとに極性を反転させた信号を印加する。 それに加えて隣接したソース信号線には互いに逆極性の
信号を印加する。この逆極性とは、ある時刻に第1のソ
ース信号線に正極性の信号が印加されておれば、第1の
ソース信号線に隣接した第2のソース信号線には負極性
の信号が印加されていることを意味する。当然のことな
がら、第1と第2のソース信号線に印加される信号は極
性が異なるだけでなく、表示画像によって映像信号の振
幅値は異なることは言うまでもない。その時の状態を(
図24)に示す。(図24)において、1つの四角形は
1画素を意味し、+表示は正極性の電圧を保持している
ことを、また、一表示は負極性の電圧を保持しているこ
とを示している。(図24(a))の状態をある時刻つ
まりあるフィールドでの駆動状態とすると、1フィール
ド後の駆動状態は(図24(b))のごとくなる。以上
の駆動を行なうことにより、フリッカが大幅に低減でき
る。この駆動方式を本発明の液晶表示装置および液晶パ
ネルの駆動方法として用いている。なお、(図24)は
画素の列方向に対して隣接する画素の極性をかえるもの
であったが、行方向に隣接する画素の極性をかえてもよ
いことは明らかである。
【0046】次に、第2の本発明の液晶表示装置につい
て説明する。第2の本発明は第1の本発明と同様に(図
2)のブロックで示される点では同一であるので、差異
部分を重点に説明する。(図9)は第1の発明の(図1
)に該当する部分を示す図である。なお、液晶パネル1
8のゲート信号線は240本以上形成されているものと
する。
【0047】ゲートドライブICの動作タイミングチャ
ートを(図10)に示す。(図1)に示すゲートドライ
ブ14Cとの差はフィールド信号線FDがあることであ
る。フィールド信号線FDが“H”レベルのロジック信
号が印加されているとき、クロックによりゲート信号線
G1,G2、G3,G4と2本ずつオン電圧が出力され
る。 また、“L”レベルのロジック信号が印加されている時
は最初の1クロック時はゲート信号線G1のみにオン電
圧が印加され、以後はクロックに同期してゲート信号線
G2,G3,G4,G5と2本ずつオン電圧が出力され
ている。他の点、たとえばイネーブル信号線のロジック
信号によりアクティブ状態とノンアクティブ状態と切り
換える点などは同一である。
【0048】(図11)は第2の本発明の液晶表示装置
の動作を説明するためのタイミングチャートである。画
面の下部、つまり、ゲートドライブIC71Cが表示画
像を行ごとに画素に書き込んでいる時にクリアーパルス
がゲートドライブIC71aにスタートパルスとして入
力される。選択回路12は1/2 Hの周期でゲートド
ライブIC71aと71cのイネーブル端子EN1,E
Nxにロジック信号を印加し、交互にアクティブ状態と
ノンアクティブ状態とを切りかえる。ソース信号線にコ
モン電圧が印加されている時、ゲートドライブIC71
aがアクティブ状態に、ソース信号線に表示画像データ
が印加されている時はゲートドライブIC71cがアク
ティブ状態にされる。なお、(図10)に示すように、
ゲート信号線にオン電圧が出力される本数は2本ずつで
あることから2行分の画素に信号が書きこまれ、また、
1Hに2ゲート信号線ずつシフトされる。
【0049】前記クリアーパルスがゲートドライブIC
71bのスタートパルスになる時点では、ゲートドライ
ブIC71aの出力端子に接続された画素はすべてコモ
ン電圧が印加され、画素の液晶17に電圧がかからず、
液晶の立ち下がり特性にあわせて徐々にに光散乱状態と
なる。次にゲートドライブIC71bにクリアーパルス
が入力された後、VスタートパルスがゲートドライブI
C71aのスタートパルスとして入力される。この際、
第1行目の画素に書き込まれるべき表示画像データがソ
ース信号線に印加されるようにタイミング調整されてい
ることは言うまでもない。選択回路12はゲートドライ
ブIC71aと71bを1/2 Hの周期で交互にアク
ティブ状態とノンアクティブ状態に切り換える。ソース
信号線に表示画像データが印加されている時は、ゲート
ドライブIC71aがアクティブ状態に、ソース信号線
にコモン電圧が印加されている時はゲートドライブIC
71bがアクティブ状態にされる。アクティブ状態の時
は隣接した2本のゲート信号線が同時にオン状態となる
。ゲートドライブIC71cはたえずノンアクティブ状
態にされる。
【0050】このように2本のゲート信号線を同時にオ
ン状態にし、2行の画素に同一信号を書き込むのは、1
フィールドでは240行の表示画像データしかなく、2
フィールドで1画面が完成されることによる。CRT方
式テレビでは一本とばしで画像を表示していく。液晶パ
ネルはマトリックス型表示パネルであるので、1本ごと
の飛び越し走査はやりにくく、また行なったとしても表
示画面が暗くなることから用いられない。以上のように
第1フィールドでは、ゲート信号線G2i−1,G2i
(ただし、iは整数)が組となって同時にオン状態にさ
れる。 コモン電圧が画素に印加され、所定時間経過後、表示画
像データが前記コモン電圧が印加された画素に書き込ま
れていく。また、第2フィールドではゲート信号線G2
i−2,G2i−1(ただし、G0は存在しない)が組
となって同時にオン状態にされ、コモン電圧が画素に印
加されて所定時間経過後、表示画像データが前記コモン
電圧が印加された画素に書き込まれていく。したがって
各行の画素の表示画像は第1フィールドと第2フィール
ドのデータを平均したもの表示画像となる。以上のよう
に第2の本発明の液晶表示装置ではゲートドライブIC
にフィールド判定信号線を設け、X制御回路72で制御
を行なうことにより、ゲート信号線が240本以上とな
っても基本クロックは1/2 Hで駆動を行なうことが
できる。
【0051】以下、図面を参照しながら、本発明の第2
の実施例における液晶パネルの駆動方法について説明す
る。ただし、第2の実施例は本発明の液晶表示装置の液
晶パネルの駆動方法である。(図12)は本発明の第2
の実施例における液晶パネルの駆動方法の説明図である
。まず、クリアーパルスがゲートドライブIC71aに
印加され、このクリアーパルスのシフトと同期して各ソ
ース信号線にはコモン電圧が出力される。この際ゲート
信号線はG1,G2、G3,G4、・・・、G2i−1
,G2iと2本ずつオン電圧が印加される。シフトされ
る同期は1Hである。以上のように2行分の画素にコモ
ン電圧が書き込まれていく。コモン電圧を書き込まれた
画素は液晶の立ち下がり特性により徐々に光を散乱する
。液晶が光を散乱するとシュリーレン光学系により遮光
されるから画素は黒表示となる。  今、液晶パネルの
ゲート信号線が480本、ゲートドライブICの出力端
子数が60本とすると、液晶パネルには480/60=
8個のゲートドライブICが使用される。1Vは1/6
0≒16ミリ秒である。したがって、ゲートドライブI
C内をデータがシフトされる時間は16/8≒2ミリ秒
となる。そこでゲートドライブIC71aに入力された
クリアーパルスがゲートドライブIC71bのスタート
パルスとなる時間はクリアーパルスがX制御回路72か
ら出力されてから約2ミリ秒後となる。クリアーパルス
がゲートドライブIC71bのスタートパルスとなった
のち、X制御回路72からVスタートパルスが出力され
、ゲートドライブIC71aのスタートパルスとなる。 つまり、2ミリ秒経過後にVスタートパルスが出力され
る。したがって、コモン電圧が書き込まれている表示領
域の範囲は2ミリ秒であり、画素表示の1/8の領域と
なる。
【0052】次に、液晶パネルの上部より、先と同様に
ゲート信号に線G1,G2、G3,G4、・・・、G2
i−1,G2iと2本ずつオン電圧が出力され、表示画
像がVスタートパルスがシストレジスタ内を移動してい
くことにより書き込まれていく。(図11)のタイミン
グチャートの映像信号(Si)から明らかなように、1
Hの前半の期間で表示画像データが画素に書き込まれ、
後半の期間でコモン電圧が書き込まれる。したがって、
表示画像を書き込まれている行およびコモン電圧を書き
込まれている行が順次シフトされているように見える。 なお、表示画像データとコモン電圧の書き込み順は順で
もよい。これは他の本発明においても同様である。(図
12)はある時刻での表示画像の状態を示している。(
図12)においてAはコモン電圧を書き込まれている領
域、Bは現フィールドの表示画像データが書き込まれて
いる領域、Cは前フィールドの表示画像データが書き込
まれている領域である。
【0053】クリアーパルスが最終段のゲートドライブ
ICのキャリーパルスとなると次フィルードが開始され
る。まず、先と同様にX制御回路72から出力されるク
リアーパルスがゲートドライブIC71aのスタートパ
ルスとなる。まず、最初にゲート信号線G1のみがオン
となり、次からはG2,G3、G4,G5と2本ずつオ
ン電圧が印加され、各画素にコモン電圧が書き込まれて
いく、シフトされる周期は1Hである。前記スタートパ
ルスが次段のゲートドライブIC71bのスタートパル
スとなると、VスタートパルスがゲートドライブIC7
1aに印加される。クリアーパルスの移動にともない、
列方向にコモン電圧が書き込まれ、Vスタートパルスの
移動にともない、列方向に画像表示が行なわれていく、
したがって、前フィールドと今回のフィールドは一行ず
つずれて表示するため、たとえばx2行は前フィールド
のx2行と今回フィールドのx2行の画素表示がまざり
あった表示となる。(図13)はある時刻での表示画素
の状態を示している。以上のようにして2フィールドで
1フレームが完成し一画面の表示が終了する。
【0054】次に第3の本発明の液晶表示装置ついて説
明する。第3の本発明は第1の本発明と(図2)のブロ
ック図はほぼ同一であるので、第1または第2の本発明
の液晶表示装置との差異部分を重点に説明する。(図1
4)は第1の本発明の(図1)に該当する部分を示す図
である。なお、液晶パネル18のゲート信号線は240
本以上形成されているものとする。(図15)および(
図16)は第3の本発明の液晶表示装置の動作を説明す
るためのタイミングチャートである。
【0055】1つの画素には、2つのスイッチング素子
としてのTFTが形成されている。この2つのTFTは
互いに異なるゲート信号線に接続されている。2つのT
FTのソース端子は同一ソース信号線に接続されている
。液晶パネルの左右には、ゲートドライブICが積載さ
れる。ゲート信号線は1本おきに左右にひきだされ、ゲ
ートドライブICに接続されている。(図10)では奇
数番目のゲート信号線は左に積載されたゲートドライブ
IC(以後、左ゲートドライブICと呼ぶ)に、偶数番
目のゲート信号線は右ゲートドライブIC(以後、右ゲ
ートドライブICと呼ぶ)に接続されている。
【0056】X制御回路103は、左・右ゲートドライ
ブICに対応するスタートパルス信号線、クロック信号
線およびイネーブル信号線を有している。なお、クロッ
ク信号線は共通にしてもよい。
【0057】以下、第3の本発明の液晶表示装置の動作
について説明する。映像信号には垂直ブランキング時間
(以後、Vブランキングと呼ぶ)がある。通常、Vブラ
ンキングは1Vの約10%であるから、その時間は約2
ミリ秒弱である。Vブランキングの開始とともにスター
トパルスが左ゲートドライブIC101aに印加される
。同時に各ソース信号線にはコモン電圧が印加される。 まず、第1番目クロックでゲート信号線G11がオンと
なり、このゲート信号線G11に接続されたTFTにコ
モン電圧が書きこまれる。つまり、1行分の画素にコモ
ン電圧が書き込まれる。次のクロックでゲート信号線G
13がオンとなり、このゲート信号線に接続された画素
にコモン電圧が書き込まれる。つまり2行分の画素にコ
モン電圧が書きこまれる。このように順次奇数番目のゲ
ート信号線がオンとなり、2行分ずつコモン電圧が画素
に書き込まれていく。
【0058】Vブランキングが終了すると映像信号には
表示画像データがあるようにタイミング調節されている
。X制御回路103はスタートパルスを右ゲートドライ
ブIC101cに印加する。同時に各ソース信号線には
コモン電圧と表示画像データが1/2 H周期でくりか
える信号が印加される。ソース信号線に表示画像データ
が印加されている時、偶数番目のゲート信号線がオンと
なり、2行分の画素に表示画像データを書き込む。たと
えば、ゲート信号線G12がオンとなればこのゲート信
号線に接続されているTFTがオンとなり、表示画像デ
ータが書き込まれる。次のクロックで1ビットシフトさ
れ、ゲート信号線G14がオンとなり、このゲート信号
線に接続されているTFTがオンとなり、表示画像デー
タが書き込まれる。したがって、左ゲートドライブIC
でコモン電圧が行ごとに画素に書きこまれ、それを追う
ようにして右ドライブICで表示画像データが行ごとに
画素に書き込まれる。コモン電圧が書きこまれている行
に表示画像データが書き込まれる時までの時間はVブラ
ンキンク時間である。なお、(図15)の映像信号(S
1)は極性が負極性であらわしているが、正極性であっ
てもよい。ただし、次フィールドでは逆極性の表示画像
データを画素に書きこみ、見かけ上、画素は交流駆動す
る必要がある。
【0059】次フィールドでは、タイミングチャートは
(図16)のごとくなる。まずVブランキングの開始と
ともにスタートパルスが右ゲートドライブIC101c
に印加される。同時に各ソース信号線にはコモン電圧が
印加される。スタートパルス印加後、第1番目のクロッ
クで、ゲート信号線G12がオンとなり、このゲート信
号線G12に接続された画素にコモン電圧が書き込まれ
る。 以後、クロックに同期して偶数番目のゲート信号線がオ
ンとなり、このゲート信号線に接続された画素にコモン
電圧が書き込まれる。つまり2行ずつコモン電圧が書き
込まれていく。
【0060】Vブランキングが終了すると、X制御回路
103はスタートパルスを左ゲートドライブIC101
aのに印加する。同時に各ソース信号線にはコモン電圧
と表示画像データが1/2 H周期でくりかえされる信
号が印加される。ソース信号線に表示画像データが印加
されている時、奇数番目のゲート信号線がオン状態であ
り、コモン電圧が印加されている時、偶数番目のゲート
信号線がオン状態となる。つまり、コモン電圧と表示画
像データが交互に画素に書き込まれる。その状態をタイ
ミングチャート(図16)に示す。第3の本発明の液晶
表示装置ではVブランキングを利用し、画素にコモン電
圧を書きこみ、その後、表示画像データを書きこむ。ま
たゲート信号線も交互に左右にひきだしている。したが
って、第2の発明と比較してゲートドライブICの制御
信号線が少なくてすみ、また駆動も容易となる。なお、
画素にコモン電圧を書き込んでから、前記画素に表示画
像データを書き込むまでの時間はVブランキングよりも
短くともまた長くしてもよい。これはX制御回路の動作
を変化することにより対応できる。
【0061】以下し、図面を参照しながら、本発明の第
3の実施例における液晶パネルの駆動方法について説明
する。ただし、第3の実施例は本発明の液晶表示装置の
液晶パネルの駆動方法である。(図17)(図18)(
図19)は本発明の第3の実施例における液晶パネルの
駆動方法の説明図である。まず、第1フィールド前のV
ブランキングの開始とともに奇数番目のゲート信号線が
順次オン状態となる、前記ゲート信号線に接続された画
素にはコモン電圧が書き込まれていく。その状態を(図
17)に示す。Vブランキングが終了すると、偶数番目
のゲート信号線と奇数番目のゲート信号線は交互にオン
状態となり、各ソース信号線には偶数番目のゲート信号
線がオンのとき表示画像データが印加され、奇数番目の
ゲート信号線がオンのときはコモン電圧が印加される。 この状態を(図18)に示す。(図18)において、A
はコモン電圧を書き込まれている表示画像領域、Bは現
フィールドの表示画像データが書き込まれている表示画
像領域、Cは前フィールドの表示画像データが書き込ま
れている表示画像領域である。
【0062】次フィールドでは、Vブランキングの開始
とともに偶数番目のゲート信号線が順次オン状態となり
、このゲート信号線に接続された画素にはコモン電圧が
書き込まれていく。Vブランキングが終了すると、奇数
番目のゲート信号線と偶数番目のゲート信号線は1/2
 Hの周期で交互にオン状態となる。各ソース信号線に
は奇数番目のゲート信号線オンのとき、表示画像データ
が印加され、偶数番目のゲート信号線がオンのときコモ
ン電圧がソース信号線に印加される。つまり、偶数番目
ゲート信号線に隣接された画素にはコモン電圧が、奇数
番目のゲート信号線に接続された画素には表示画像デー
タが書き込まれる。この状態を(図19)に示す。 (図18)に比較して表示画像データの書き込み位置が
1行ずれていることがわかる。
【0063】以下、図面を参照しながら本発明の液晶投
写型テレビについて説明する。(図20)は本発明の液
晶投写型テレビの構成図である。ただし、説明に不要な
構成要素は省略している。(図20)において、131
は集光光学系であり、内部に凹面鏡および光発生手段と
してのメタルハライドランプの250Wを有している。 また凹面鏡は有視光のみを反射させるように構成されて
いる。さらに集光光学系131の出射端には紫外線カッ
トフィルタが配置されている。132は赤外線を透過さ
せ有視光のみを反射させる赤外線カットミラーである。 ただし、赤外線カットミラー132は集光光学系131
の内部に配置してもよいことは言うまでもない。また、
133aは青色ダイクロイックミラー(以後BDMと呼
ぶ)、133bは緑色ダイクロイックミラー(以後GD
Mと呼ぶ)、133cは赤色ダイクロイックミラー(以
後RDMと呼ぶ)である。なお、BDM133aからR
DM133cの配置は同図の順序に限定するものではな
く、また、最後のRDM133cは全反射ミラーにおき
かえてもよいことは言うまでもない。
【0064】134a,134bおよび134cは上述
した第1または第2もしくは第3の本発明の液晶表示装
置の液晶パネルである。なお、前記液晶パネルのうち、
R光を変調する液晶パネル134cは他の液晶パネルに
比較して水滴状液晶粒子径を大きく、もしくは液晶膜厚
も厚めにして構成している。これは光が長波長になるほ
ど散乱特性が低下するためである。水滴状液晶の粒子径
は、重合させるときの紫外線光を制御すること、あるい
は使用材料を変化させることにより制御できる。液晶膜
厚はビーズ径を変化することにより調整できる。135
a,135bおよび135cはレンズ、137a,13
7bおよび137cは投写レンズ、136a,136b
および136cはしぼりとしてのアパーチャである。な
お、135,136および137でシュリーレン光学系
を構成している。ただし、本発明でいうシュリーレン光
学系とはアパーチャを有するものであり、本来のシュリ
ーレン光学系とは構成が異なっている。また、特に支障
のないかぎり135,136および137の組を投写レ
ンズ系と呼ぶ。また、アパーチャはレンズ135のFN
o.が大きいとき必要がないことは明らかである。
【0065】投写レンズ系の配置等は、以下のとおりで
ある。まず、液晶表示装置の高分子分散液晶パネル13
4とレンズ135との距離Lと、レンズ135とアパー
チャ136までの距離はほぼ等しくなるように配置され
る。また、レンズ135は集光角θが約8度以下になる
ものが選ばれる。また、アパーチャ136の開口径Dは
前述の距離Lが10cmとすると1cm程度に設定され
る。以上のような投写レンズ系は各液晶パネルを透過し
た平行光線を透過させ、各液晶パネルで散乱した光を遮
光させる役割を果たす。その結果、スクリーン上に高コ
ントラストのフルカラー表示が実現できる。アパーチャ
の開口径Dを小さくすればコントラストは向上する。し
かし、スクリーン上の画像輝度は低下する。
【0066】本発明の液晶パネルの液晶層の膜厚が、1
0〜15μmの時、少なくともレンズの集光角θは8度
以下にする必要があった。中でも6度前後が最適であり
、その時、コントラストは画面中心部で200:1であ
り、リア方式テレビで40インチスクリーンに投写した
際、スクリーンゲイン5で400ft以上であり、CR
T投写型テレビと比較して、同等以上の画面輝度を得る
ことができた。なお、その時のアパーチャの開口径は1
cm、距離Lは10cm前後であった。より具体的には
(図20)の構成図は(図21)に示す斜視図で示され
る。(図21)において、141,142はレンズ、1
43はミラー、144a,144bおよび144cは投
写レンズまたは投写レンズ系である。
【0067】以下、本発明の液晶投写型テレビの動作に
ついて説明する。なお、R,G,B光のそれぞれの変調
系については、ほぼ同一動作であるのでB光の変調系に
ついて例にあげて説明する。まず、集光光学系131か
ら白色光が照射され、この白色光のB光成分はBDM1
33aにより反射される。このB光は高分子分散液晶パ
ネル134aに入射する。高分子分散液晶パネル134
aは、(図3(a)(b))に示すように画素電極に印
加された信号により入射した光の散乱と透過状態とを制
御し、光を変調する。
【0068】散乱した光はアパーチャ136aで遮光さ
れ、逆に平行光または所定角度内の光はアパーチャ13
6aを通過する。変調された光は投写レンズ137aに
よりスクリーン(図示せず)に拡大投映される。以上の
ようにして、スクリーンには画像のB光成分が表示され
る。同様に高分子分散液晶パネル134bはG光成分の
光を変調し、また、高分子分散液晶パネル134cはR
光成分の光を変調して、スクリーン上にはカラー画像が
表示される。
【0069】以下、本発明の液晶投写型テレビの駆動回
路および駆動方法について説明する。(図22)は本発
明の液晶投写型テレビの駆動回路の説明図である。(図
22)において、134cはR光を変調する液晶パネル
、134bはG光を変調する液晶パネル、134aはB
光を変調する液晶パネル、また、R1とR2およびトラ
ンジスタQでベースに入力されたビデオ信号の正極性と
負極性のビデオ信号を作る位相分割回路を構成しており
、(図2)の24が該当する。151a,151bおよ
び151cはフィールドごとに極性を反転させた交流ビ
デオ信号を液晶パネルに出力する出力切り換え回路であ
り、(図2)では25が該当する。ビデオ信号は所定値
に利得調整されたのち、R,G,B光に対応する信号に
分割される。このビデオ信号をそれぞれビデオ信号(R
),ビデオ信号(G),ビデオ信号(B)とする。 それぞれのビデオ信号(R),(G),(B)は各位相
分割回路に入力され、この回路により正極性と負極性の
2つのビデオ信号が作られる。
【0070】次に上述した3つのビデオ信号はそれぞれ
の出力切り換え回路151a,151b,151cに入
力され、この回路によりフィールドごとに極性を反転さ
せたビデオ信号を出力する。このようにフィールドごと
に極性を反転させるのは、先にも述べたように液晶に交
流電圧が印加されるようにして液晶の劣化を防止するた
めである。次にそれぞれの出力切り換え回路から出力さ
れるビデオ信号はソースドライブIC13に入力される
。ドライブ制御回路26はソースドライブIC13とゲ
ートドライブIC14との同期をとり、液晶パネルに画
像を表示させる。
【0071】次に人間の眼の視感度について説明する。 人間の眼は波長555nm付近が最高感度となっている
。光の3原色では緑が一番高く、次が赤で、青がもっと
も鈍感である。この感度に比例した輝度信号を得るため
には、赤色を30%、緑色を60%、青色を10%加え
ればよい。したがって、テレビ映像で白色を得るために
はR:B:G=3:6:1の比率で加えればよい。また
、先にも述べたように液晶は交流駆動を行なう必要があ
る。交流駆動は液晶パネルの対向電極に印加する電圧(
つまりコモン電圧)に対して正極性と負極性の信号が交
互に印加されることにより行なわれる。本実施例では液
晶パネルに正極性の信号が印加し視感度nの強さの光を
変調している状態を+n、負極性の信号が印加し視感度
nの強さの光を変調している状態を−nとあらわす。
【0072】たとえば、R:G:B=3:6:1の光が
液晶パネルに照射されており、RとB用の液晶パネルに
正極性の信号が印加され、G用の液晶パネルに負極性の
信号が印加されておれば、+3・−6・+1とあらわす
ものとする。なお、R:G:B=3:6:1はNTSC
のテレビ映像の場合であって、液晶投写型テレビでは光
源のランプ・ダイクロイックミラーの特性などにより上
記比率は異なってくる。(図15)では、+3・−6・
+1と示されているとおり、R:G:B=3:6:1の
光が照射され、RとB用の液晶パネルには正極の信号が
G用の液晶パネルには負極性の信号が印加されていると
ころを示している。1フィールド後は、−3・+6・−
1と表現される信号印加状態となる。
【0073】(図23)に各液晶パネルへの印加信号波
形を示す。(図23(a))はR光を変調する液晶パネ
ル134cの信号波形、(図23(b))はG光を変調
する液晶パネル134bの信号波形、(図23(c))
はB光を変調する液晶パネル134cの信号波形である
。(図23(a)(b)(c))から明らかなように、
G光変調用の信号波形をR・B光変調用の信号波形と逆
極性にしている。通常、液晶表示装置には同一信号が印
加されていても偶数フィールドと奇数フィールドでわず
かに画素に保持される電圧に差が生じる。これは、TF
Tのオン電流およびオフ電流が映像信号の極性により異
なる、あるいは配向膜などの正電界と負電界での保持特
性が異なることなどにより生じる。この違いによりフリ
ッカという現象があらわれる。しかし、本発明の液晶投
写型テレビでは(図24(a)(b))に示すように、
隣接したソース信号線間の信号の極性をかえ、また(図
23)に示すようにG光変調用の信号をR,B光変調用
の信号と逆極性にすることにより、フリッカが視覚的に
見えることを防止している。なお、G光変調用の信号を
他と逆極性にしたのは、光の強度がR:G:B=3:6
:1であり、信号の極性および人間の視覚を考慮したと
き(R+B):G=(3+1):6=4:6となり、ほ
ぼ1:1となりつりあうようにするためである。
【0074】なお、本実施例の液晶表示装置においては
透過型液晶パネルのように表現して説明したが、これに
、限定するものではなく、反射型の構造を取ってもよい
ことは明らかである。その際は画素電極は金属物質で形
成すればよい。
【0075】また、(図14)において、1画素に接続
された2つのTFTの各ソース端子は同一ソース信号線
に接続するとしたがこれに限定するものではなく(図2
5)のごとく異なるソース信号線に接続してもよい。
【0076】また、本発明の液晶表示装置および液晶パ
ネルの駆動方法においてはコモン電圧を画素に書きこむ
としたがこれに限定するものではなく、絶対値の大きな
電圧とおきかえてもよいことは明らかである。これは(
図4)でもわかるとおり、電圧V4を印加し、液晶分子
を一度立ちあがらせ、立ち下がり方向(図の下への矢印
方向)を用いても良好な階調表示が行なわれるためであ
る。この場合、本発明の液晶投写型テレビにおいては(
図26)の投写光学系を採用し、透過光を遮光するよう
に構成することが望ましい。
【0077】また、(図23)においては投写レンズ系
をシュリーレン光学系としたがこれに限定するものでは
なく、たとえば(図26)に示すように平行光を集光し
遮光体192で遮光し、散乱光をスクリーンに投映する
中心遮へい型の光学系を用いてもよいことは言うまでも
ない。
【0078】また、本発明の液晶表示装置の構成はTF
Tに限定するものではなく、ダイオードなどの2端子素
子をスイッチング素子として用いる液晶表示装置でも有
効である。
【0079】また、(図23)においては光はアレイ基
板側から入射させるとしたが、これに限定するものでは
なく、対向基板から入射させても同様の効果が得られる
ことは明らかである。以上のように、本発明の液晶装置
および液晶投写型テレビは光の入射方向に左右されるも
のではない。
【0080】また、本発明の液晶投写型テレビの実施例
においてはリア型液晶投写型テレビのように表現して説
明したが、これに限定するものではなく反射型スクリー
ンに画像を投映するフロント型液晶投写型テレビでもよ
いことは言うまでもない。さらに、本実施例の液晶投写
型テレビにおいては、ダイクロイックミラーにより色分
離を行なうとしたがこれに限定するものではなく、たと
えば吸収型色フィルタを用いて、色分離を行なってもよ
い。
【0081】また、本実施例の液晶投写型テレビにおい
ては、R,GおよびB光の変調系において投写レンズ系
をそれぞれ1つずつ設けているが、これに限定するもの
ではなく、たとえばミラーなどを用いて液晶パネルによ
り変調された表示画像を1つにまとめてから1つの投写
レンズ系に入射させて投映する構成であってもよいこと
は言うまでもない。
【0082】
【発明の効果】以上のように、本発明の液晶表示装置は
高分子分散液晶を用いているためTN液晶を用いた液晶
表示装置に比較して2倍以上の高輝度画面を得ることが
できる。また、その液晶パネルの光の散乱特性と透過特
性は良好であり、コントラストは200:1以上得るこ
とができる。したがって、本発明の液晶表示装置を用い
て液晶投写型テレビを構成することにより、100イン
チ以上の大画面ディスプレイを容易に実現できる。
【0083】また、本発明の液晶表示装置と液晶パネル
の駆動方法では、画素にコモン電圧を一度書き込み液晶
を立ち下がらせてから、表示画像データを書き込む。し
たがって、液晶の立ち上がり方向のみを用いて画像表示
を行なう。高分子分液晶は立ち上がりと立ち下がり時の
電圧−透過特性カーブが同一軌跡でないという課題があ
り、従来では階調表示特性が劣っていたが、本発明によ
り階調表示特性は良好となり、CRT以上の画像品位を
実現できる。中でも第2の本発明の液晶表示装置はゲー
トドライブICにフィールド信号線を設け、奇数フィー
ルドと偶数フィールドでゲート信号線の駆動開始信号線
位置を変化させ、かつ2本ずつゲート信号線をオン状態
とさせていくので、ゲート信号線が480本あっても、
従来のノンインタレース走査と同一の1/2 Hのクロ
ックで良好な画像表示を実現できる。
【0084】また第3の本発明の液晶表示装置ではゲー
ト信号線を一本おきに左右にひきだし、表示画像を書き
込むのに先だってVブランキングの開始とともに画面上
端の画素からコモン電圧を書きこむ方法をとる。したが
って、第2の本発明の液晶表示装置に比較して、ゲート
ドライブICの制御が容易になり構成も簡単となる。
【0085】本発明の液晶投写型テレビでは、本発明の
液晶表示装置を用いているため、画面の高輝化が実現で
き、高分子分散液晶特有のヒステリシス特性もないので
高品位の画像を実現できる。また、G光の変調用の液晶
パネルの信号位相とR・B光の変調用の液晶パネルの信
号位相とを逆位相にし、かつ隣接する行また列の位相を
も互いに逆位相とすることにより全くフリッカのない画
像表示を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の本発明の液晶表示装置の説明図である。
【図2】第1の本発明の一実施例における液晶表示装置
のブロック図である。
【図3】高分子分散液晶パネルの動作説明である。
【図4】高分子分散液晶の電圧−透過率特性図である。
【図5】第1の本発明の液晶表示装置に係る各種信号波
形のタイミングチャートである。
【図6】本発明の第1の実施例における液晶パネルの駆
動方法の説明図である。
【図7】本発明の第1の実施例における液晶パネルの駆
動方法の説明図である。
【図8】本発明の第1の実施例における液晶パネルの駆
動方法の説明図である。
【図9】第2の本発明の一実施例における液晶表示装置
の説明図である。
【図10】第2の本発明の液晶表示装置に係る各種信号
波形のタイミングチャートである。
【図11】第2の本発明の液晶表示装置に係る各種信号
波形のタイミングチャートである。
【図12】本発明の第2の実施例における液晶パネルの
駆動方法の説明図である。
【図13】本発明の第2の実施例における液晶パネルの
駆動方法の説明図である。
【図14】第3の本発明の一実施例における液晶表示装
置の説明図である。
【図15】第3の本発明の液晶表示装置に係る各種信号
波形のタイミングチャートである。
【図16】第3の本発明の液晶表示装置に係る各種信号
波形のタイミングチャートである。
【図17】本発明の第3の実施例における液晶パネルの
駆動方法の説明図である。
【図18】本発明の第3の実施例における液晶パネルの
駆動方法の説明図である。
【図19】本発明の第3の実施例における液晶パネルの
駆動方法の説明図である。
【図20】本発明の一実施例における液晶投写型テレビ
の説明図である。
【図21】本発明の一実施例における液晶投写型テレビ
の説明図である。
【図22】本発明の液晶投写型テレビの一部回路図であ
る。
【図23】本発明の液晶投写型テレビの駆動方法の説明
図である。
【図24】本発明の液晶投写型テレビの駆動方法の説明
図である。
【図25】本発明の液晶表示装置の他の実施例の説明図
である。
【図26】本発明の液晶投写型テレビの他の実施例の説
明図である。
【図27】従来の液晶表示装置の説明図である。
【図28】従来の液晶表示装置のブロック図である。
【図29】液晶パネルの外観図である。
【図30】TN液晶の動作の説明図である。
【図31】(図28)に示す従来の液晶表示装置のタイ
ミングチャートである。
【図32】従来の液晶パネルの駆動方法の説明図である
【図33】従来の液晶投写型テレビの説明図である。
【図34】本発明の液晶投写型テレビの駆動方法の説明
図である。
【符号の説明】
11,72,103,201  X制御回路12  選
択回路 14,71,101  ゲートドライブIC22  電
圧発生回路 23  切り換え回路 31  アレイ基板 33  対向電極 34  水滴状液晶 35  ポリマー 36  対向電極 134  高分子分散液晶パネル 136  アパーチャ 192  遮光体 265  TN液晶表示装置 271  表示画面

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  スイッチング素子が形成された液晶パ
    ネルと、前記スイッチング素子の動作状態と非動作状態
    を制御する複数のXドライブICと、前記複数のXドラ
    イブICのうち任意のICを選択する選択回路と、所定
    電圧を発生する電圧発生回路と、映像信号と前記電圧発
    生回路が発生する電圧を第1の所定期間よりも短い周期
    で相互に切り換え出力する切り換え回路と、前記Xドラ
    イブICにデータを供給するデータ供給回路とを具備し
    、前記XドライブICは供給されるクロックにより内部
    に有するシフトレシスタ回路内のデータをシフトさせる
    機能と、前記データにもとづき出力端子からスイッチン
    グ素子を動作状態にさせる信号または非動作状態させる
    信号を出力する第1の動作と前記選択回路からの信号に
    よりシフトレジスタ回路内のデータによらずすべての出
    力端子からスイッチング素子を非動作状態にさせる信号
    を出力する第2動作を行なう機能を有し、前記選択回路
    は前記切り換え回路と同期をとり前記第1の所定期間に
    複数のXドライブICを選択し、前記XドライブICに
    前記第1の動作または第2の動作を行なわせる機能を有
    し、前記データ供給回路は第2の所定期間に複数のデー
    タをXドライブICのシフトレジスタ回路に供給する機
    能を有することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】  XドライブICのシフトレジスタ回路
    に供給されたデータが少なくとも1つのXドライブIC
    のシフトレジスタ回路内に複数個保持されないように所
    定間隔あけて供給されていることを特徴とする請求項1
    記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】  所定間隔は0.5ミリ秒以上であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】  電圧発生回路が出力する電圧は液晶パ
    ネルの対向電極電位またはその近傍の電位の電圧である
    ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】  液晶パネルは高分子分散液晶パネルで
    あることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】  スイッチング素子が形成された液晶パ
    ネルと、前記スイッチング素子の動作状態と非動作状態
    を制御する複数のXドライブICと、前記複数のXドラ
    イブICのうち任意のICを選択する選択回路と、所定
    電圧を発生する電圧発生回路と、映像信号と前記電圧発
    生回路が発生する電圧を第1の所定期間よりも短い周期
    で相互に切り換え出力する切り換え回路と、Xドライブ
    ICにデータを供給するデータ供給回路とを具備し、前
    記XドライブICは供給されるクロックにより内部に有
    するシフトレジスタ回路内のデータをシフトさせる機能
    と、前記データにもとづき複数の出力端子からスイッチ
    ング素子を動作状態にする信号または非動作状態にさせ
    る信号を出力する第1の動作と、前記選択回路からの信
    号によりシフトレジスタ回路内のデータによらずすべて
    の出力端子からスイッチング素子を非動作状態にさせる
    信号を出力する第2の動作と、奇偶数フィールド判定信
    号によりスイッチング素子を動作状態にされる信号を出
    力する出力端子位置を変化させる第3の動作を行なう機
    能を有し、前記選択回路は前記切り換え回路と同期をと
    り前記第1の所定期間に複数のXドライブICを選択し
    、前記複数のXドライブICのうち1つに前記第1の動
    作を行わせている際は他のXドライブICは前記第2の
    動作を行わせる機能を有し、前記データ供給回路は第2
    の所定期間に複数のデータをXドライブICのシフトレ
    ジスタ回路に供給する機能を有することを特徴とする液
    晶表示装置。
  7. 【請求項7】  XドライブICのシフトレジスタ回路
    に供給されたデータが少なくとも1つのXドライブIC
    のシフトレジスタ回路内に複数個保持されないように所
    定間隔あけて供給されていることを特徴とする請求項6
    記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】  一画素に複数のスイッチング素子が形
    成され、かつ前記複数のスイッチング素子のうち少なく
    とも1つが第1のゲート信号線に接続され、また少なく
    とも他の1つが前記スイッチング素子と異なる第2のゲ
    ート信号線に接続された液晶パネルと、前記第1のゲー
    ト信号線と接続され前記スイッチング素子の動作状態と
    非動作状態を制御する第1のXドライブICと、前記第
    2のゲート信号線と接続され前記スイッチング素子の動
    作状態と非動作状態を制御する第2のXドライブICと
    、所定電圧を発生させる電圧発生回路と、映像信号と前
    記電圧発生回路が発生する電圧を第1の所定期間よりも
    短い周期で相互に切り換え出力する切り換え回路と、前
    記第1および第2のXドライブICにデータを供給する
    データ供給回路と、X制御回路とを具備し、前記Xドラ
    イブICは供給されるクロックにより内部に有するシフ
    トレジスタンスタ回路内のデータをシフトさせる機能と
    、前記データにもとづき出力端子からスイッチング素子
    を動作状態にさせる信号または非動作状態にさせる信号
    を出力する第1の動作と前記X制御回路からの信号によ
    りシフトレジスタ回路内のデータによらずすべての出力
    端子からスイッチング素子を非動作状態にさせる信号を
    出力する第2の動作を行なわせる機能を有し、前記X制
    御回路は前記切り換え回路と同期をとり前記第1の所定
    期間に前記第1のXドライブICと前記第2のXドライ
    ブICを選択し、前記一方のXドライブICが第1の動
    作を行なわせている際は他方のXドライブICは第2の
    動作を行なわせる機能を有し、前記データ供給回路は前
    記第2の所定期間に前記第1および第2のXドライブI
    Cのシフトレジスタ回路に各々少なくとも1つ以上デー
    タを供給する機能を有し、かつ前記第1のXドライブI
    Cに供給するデータと前記第2のXドライブICに供給
    するデータの間隔は所定期間隔で供給することを特徴と
    する液晶表示装置。
  9. 【請求項9】  所定間隔は0.5ミリ秒以上であるこ
    とを特徴とする請求項6または請求項8記載の液晶表示
    装置。
  10. 【請求項10】  電圧発生回路が出力する電圧は液晶
    パネルの対向電極電位またはその近傍の電位の電圧であ
    ることを特徴とする請求項6または請求項8記載の液晶
    表示装置。
  11. 【請求項11】  液晶パネルは高分子分散液晶パネル
    であることを特徴とする請求項6または請求項8記載の
    液晶表示装置。
  12. 【請求項12】  n行(ただしnは整数)を有する液
    晶表示装置であって、i行目(1≦i≦n,ただしiは
    整数)の画素に表示画像データを、j行目の画素(1≦
    j≦n,j≠i,j≠i±1  ,ただしiは整数)に
    所定閾値の信号データを所定走査期間に書き込み、順次
    、所定走査期間ごとに書きこみ位置をシフトさせること
    を特徴とする液晶パネルの駆動方法。
  13. 【請求項13】  液晶パネルは高分子分散液晶パネル
    であることを特徴とする請求項12記載の液晶表示装置
  14. 【請求項14】  所定閾値の信号データは液晶パネル
    の対向電極電圧または近傍の前記電圧であることを特徴
    とする請求項12記載の液晶パネルの駆動方法。
  15. 【請求項15】  液晶パネルは各画素電極にスイッチ
    ング素子が形成されたアクティブマトリックス型液晶パ
    ネルであることを特徴とする請求項12記載の液晶パネ
    ルの駆動方法。
  16. 【請求項16】  所定閾値の信号データを書きこまれ
    た画素に少なくとも0.5ミリ秒経過した後に表示画像
    データを書きこむように駆動することを特徴とする請求
    項12記載の液晶パネルの駆動方法。
  17. 【請求項17】  請求項1または請求項6もしくは請
    求項8記載の液晶表示装置と、光発生手段と、前記光発
    生手段が発生した光を前記液晶表示装置に導く第1の光
    学要素部品と、前記液晶表示装置で変調された光を投映
    する第2の光学要素部品を具備することを特徴とする液
    晶投写型テレビ。
  18. 【請求項18】  光発生手段が発生する光は色フィル
    タで青色光,緑色光および赤色光の3つの所定範囲の波
    長の光に分離され、かつ、前記3つの所定範囲の波長の
    光に対して少なくとも1つに液晶表示装置が配置されて
    いることを特徴とする請求項17記載の液晶投写型テレ
    ビ。
  19. 【請求項19】  色フィルタはダイクロイックミラー
    であることを特徴とする請求項18記載の液晶投写型テ
    レビ。
  20. 【請求項20】  青色光を変調する液晶パネルの光学
    像と、緑色光を変調する液晶パネルの光学像と、赤色光
    を変調する液晶パネルの光学像とが光学要素部品により
    、スクリーンの同一位置に投映されることを特徴とする
    請求項17記載の液晶投写型テレビ。
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