JPH04305591A - シクロペンタジエニル鉄(ii)アレーンの改良された製造方法 - Google Patents

シクロペンタジエニル鉄(ii)アレーンの改良された製造方法

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JPH04305591A
JPH04305591A JP3228917A JP22891791A JPH04305591A JP H04305591 A JPH04305591 A JP H04305591A JP 3228917 A JP3228917 A JP 3228917A JP 22891791 A JP22891791 A JP 22891791A JP H04305591 A JPH04305591 A JP H04305591A
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arene
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lewis acid
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    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F15/00Compounds containing elements of Groups 8, 9, 10 or 18 of the Periodic Table
    • C07F15/02Iron compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F17/00Metallocenes
    • C07F17/02Metallocenes of metals of Groups 8, 9 or 10 of the Periodic System

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の重合反応のため
の光活性化触媒として有用な有機金属錯体、特にシクロ
ペンタジエニル鉄(II) アレーン(arene) 
錯体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シクロペンタジエニル鉄(II) アレ
ーン(arene) 錯体の製造方法は、ルイス酸の存
在下でのイータ−5−ジシクロペンタジエニル鉄(II
)(一般にフェロセンと称する) とアレーンとのリガ
ンド交換反応にほとんど頼っている。この反応は式(I
):
【0003】
【化1】
【0004】により記載され、ここでCpはシクロペン
タジエニルアニオンであり、Arはアレーンであり、そ
してLはルイス酸である。この反応は記載されているよ
うにルイス酸によるフェロセンからの1個のシクロペン
タジエニルアニオンリガンドの除去を含むと言われてお
り、その構造は例えばJournal of Orga
nometallic Chemistry Libr
ary 1977,3,311、及びTetrahed
ron  1983,39,4037 に記載されてい
る。この反応は配位不飽和(coordinately
unsaturated)シクロペンタジエニル鉄 (
II) カチオン及びシクロペンタジエニルアニオン−
ルイス酸錯体(アニオン−酸錯体)を生成することが理
論付けられる。
【0005】次に、シクロペンタジエニル鉄(II) 
カチオンがアレーンと配位してシクロペンタジエニル鉄
(II) アレーン錯体生成物を与える。シクロペンタ
ジエニルアニオン−ルイス酸錯体はさらなる化学反応を
経験し、その性質は使用される特定のルイス酸に依存す
る。 しかしながら、当業界において知られているいかなる反
応においてもこの錯体はシクロペンタジエニル鉄(II
) アレーンカチオンの形成に寄与しない。
【0006】これらの反応のために最も一般的に使用さ
れるルイス酸は塩化アルミニウム(AlCl3)である
。 さらに、臭化アルミニウム、塩化ガリウム、四塩化ジル
コニウム、四塩化ハフニウム、三弗化硼素及び四塩化錫
も使用することができる。四塩化ジルコニウム又は四塩
化ハフニウムと塩化アルミニウム及び四塩化チタンとの
混合物が記載されている(EP−A  314,618
及び米国特許No. 4,868,288を参照のこと
)。
【0007】さらに、リガンド交換反応はしばしば還元
性金属の添加により有利にされることが報告されている
。還元性金属の使用は生成物の収量を塩化させるのみな
らず、それは典型的にはリガンド交換を伴う副反応の量
を有利に低下せしめる。最も一般に使用される還元性金
属は微粉のアルミニウム粉末である。還元剤を使用する
反応の例及び詳細はTetrahedron ,198
3,39,4037 に記載されている。塩化アルミニ
ウムにより触媒される反応への少量の水の添加が生成物
の収量を改善し得ると言われている。
【0008】塩化アルミニウムによるリガンド交換が従
来技術の方法に従って行われる場合、中間体シクロペン
タジエニルアニオン(シクロペンタジエニドとも称する
)−塩化アルミニウム錯体(アレーン−酸錯体)は反応
条件下で不安定である。さらなる反応が主としてポリマ
ー物質及びフェロセンアルキル化生成物を導く(Jou
rnal of Organometallic Ch
emistry ,1976,111 ,339を参照
のこと) 。
【0009】しかしながら、使用されるルイス酸が四塩
化ジルコニウム又は四塩化ハフニウムである場合、シク
ロペンタジエニド−ルイス酸錯体(アニオン−酸錯体)
は安定な単離可能な錯体に転換される。例えば、四塩化
ジルコニウムの使用が二塩化ジルコノセン(zirco
nocene dichloride)の形成を導く(
EP−A  314,618を参照のこと)。
【0010】幾つかの従来技術の文献においては、関連
する反応で第一鉄イオンが使用される。例えば、前記の
Tetrahedron は、関連する反応において第
一鉄イオン又は第二鉄イオンがルイス酸触媒の存在下で
2分子の中性アレーンと配位してビス−アレーン鉄(I
I) ジ−カチオンを生成することを開示している。こ
の反応は一般に知られたFischer−Haffne
r 反応の例である。Fischer−Haffner
 反応において最も一般に使用されるルイス酸は塩化ア
ルミニウムであり、そして式(II) により示される
【0011】
【化2】
【0012】他の例において、シクロペンタジエニド塩
と第一鉄イオンとの反応によりフェロセンを製造するこ
とができることが教示される。フェロセンを製造するた
めのこの方法はOrganic Syntheses 
Collective Volume IV,Rabj
ohn,N. 編;Wiley,ニューヨーク,196
3,p473に記載されている。記載されておりそして
式 (III)により示されるフェロセンの製造は通常
、冷テトラヒドロフラン中でシクロペンタジエニド及び
塩化第一鉄を用いて行われる。しかしながらこの製造方
法においてはルイス酸触媒は典型的には要求されない。     Fe+++ 2Cp− → (Cp) n F
e                        
      (III)しかしながら、これらの従来技
術のいずれもルイス酸錯体から第一鉄イオンへのシクロ
ペンタジエニルアニオンリガンドの移行を記載していな
い。
【0013】
【発明の概要】本発明は、有機金属錯塩のクラス、特に
シクロペンタジエニル鉄(II) アレーンカチオン錯
塩の2つの改良された方法を記載する。両方法は中間体
としてシクロペンタジエニル鉄(II) アニオン−ル
イス酸錯体を用いる。この錯体はアレーンの存在下での
第一鉄イオンへのシクロペンタジエニルアニオンリガン
ド移行を提供する。改良された方法はシクロペンタジエ
ニルアニオン−ルイス酸錯体の源において相互に異なる
【0014】要約すれば、この発明はシクロペンタジエ
ニル鉄(II) アレーン錯体の第一の合成方法を提供
し、この場合シクロペンタジエニルアニオンがフェロセ
ンから誘導される。この反応において、シクロペンタジ
エニル鉄(II) アレーン生成物は部分的にフェロセ
ンに由来しそして部分的に中間体第一鉄塩に由来し、こ
の方法は、 1)アレーン、ルイス酸、場合によっては不活性希釈剤
、場合によっては還元性金属、及び反応を完成するのに
十分な量の第一鉄イオンの混合物を用意し、そして2)
錯体を単離する、 ことを含んで成る。
【0015】他の観点において、本発明はCp鉄(II
) アレーンを提供するための第二合成法を提供し、こ
の方法においてはシクロペンタジエニルアニオン−ルイ
ス酸錯体がルイス酸と無機シクロペンタジエニド塩との
直接反応により形成される。この反応のシクロペンタジ
エニル鉄(II) アレーン生成物が第一鉄塩から完全
に由来し、この方法は、 1)M+b(Cp− ) b (ここで、Mは原子価b
の金属カチオンであり、そしてbは整数1,2又は3で
ある)により示される構造を有するシクロペンタジエニ
ド金属塩、ルイス酸、アレーン、第一鉄塩、場合によっ
ては還元性金属、場合によっては不活性希釈剤を混合し
、そして 2)錯体を単離する、 ことを含んで成る。
【0016】他の観点において、1種の第一鉄イオン及
び第二鉄イオンの少なくとも1つと組合わされたシクロ
ペンタジエニル鉄(II) アレーン錯塩を含む新規な
組成物が開示される。これらの錯体は種々の重合反応の
ための光活性化触媒として有用である。この明細書にお
いて使用される場合、“Ar”はイータ6 錯形成アレ
ーンを意味し、これは後記のように置換されていてもよ
い。
【0017】「触媒的に活性な量」は、少なくとも組成
物の粘度を増加させる程度まで、重合性材料の重合を行
うのに十分な量を意味する。「Cp」は、イータ5 錯
形成シクロペンタジエニルアニオン又はイータ5 錯形
成インデニルアニオンを意味し、このいずれも後記のご
とく置換されていることができる。
【0018】「シクロペンタジエニルアニオン」及び「
シクロペンタジエニド」は互換的に使用される用語であ
る。「フェロセン」は、次の一般式:(Cp)−Fe−
(Cp) (式中、各Cpは独立にパイ−アレーンアニオンである
)により表わされるジシクロペンタジエニル鉄(II)
 を意味する。
【0019】「不活性希釈剤」は、前記反応において妨
害せず又は関与しない、すなわち非極性でありそして反
応に対して非反応性である任意の希釈液体を意味する。 「有機金属錯体」は、有機基の少なくとも1個の炭素原
子が少なくとも1個の金属原子に直接結合している化合
物質を意味する(Hawley’s Condense
d ChemicalDictionary,N.Ir
ving Sife,Richard H.Lewis
 Sr.1987,11th ed.p858) 。「
光活性化触媒」又は「光開始触媒」は、光への暴露に続
く重合過程を行い又は助ける物質を意味する。本発明は
従来技術の方法に対する有意な改良を提供し、この改良
は式(I)で示されるタイプの反応に無機第一鉄イオン
源を導入することにより得られるものである。
【0020】従って、第一の合成方法については、第一
鉄イオンの存在下で出発物質であるフェロセンからのシ
クロペンタジエニルアニオンがルイス酸錯体を介して第
一鉄イオンに移りシクロペンタジエニル鉄(II) カ
チオンを生成せしめると予想される。次にこのカチオン
はパイ−アレーンリガンドと配位して追加のシクロペン
タジエニル鉄(II) アレーンカチオン生成物を形成
する。全体反応は、フェロセンの分子、第一鉄イオン、
及び2個のパイ−アレーン分子の、2分子のシクロペン
タジエニル鉄(II)アレーンカチオンへの効率的な転
換であり、次の式(IV) により示される。
【0021】
【化3】
【0022】第二の合成方法については、ルイス酸とシ
クロペンタジエニド塩との直接反応によりシクロペンタ
ジエニルアニオン−ルイス酸錯体が生成することにより
説明される。有利には、シクロペンタジエニル鉄(II
) アレーン生成物は第一鉄塩のみに由来する。全体反
応はシクロペンタジエニルアニオン、第一鉄イオン及び
アレーン分子のシクロペンタジエニル鉄(II) アレ
ーンカチオンへの転換であり、次の式(V)により示さ
れる。
【0023】
【化4】
【0024】
【具体的な説明】フェロセンからの単一のシクロペンタ
ジエニル鉄(II) アレーンカチオン錯体の形成は従
来技術に見られる。これに対して、本発明の第一の反応
方法はフェロセンのより一層非常に効率的な使用をもた
らす。理論的には、所与量のフェロセンから2倍量の生
成物が生成し得る。実際には、第一鉄イオンが存在する
場合に有意に大量の生成物が得られることが見出された
。 第一鉄イオンの非存在下で同じ条件下で行われた対照反
応を超える改良が観察される。
【0025】他の観点において、この発明は第二の反応
方法を提供する。しかしながら、この第二の反応方法は
出発物質としてフェロセンを使用しない。むしろ、第一
鉄イオンとシクロペンタジエニルアニオン及びパイ−ア
レーンリガンドとの直接反応によりシクロペンタジエニ
ル鉄(II) アレーンカチオンが形成される。第一の
反応方法における様に、この方法はルイス酸により援助
される。
【0026】本発明の第二の反応方法は、既知方法によ
るシクロペンタジエニル鉄(II) アレーンカチオン
の形成が後に続く、式(III)に記載されるようなフ
ェロセンの形成以上のものの様である。典型的には、従
来技術においては反応の最後において有意量の未反応フ
ェロセンが残る。第二の反応方法におけるフェロセン副
産物の欠如が、フェロセンがこの方法における中間体で
はないことを示唆している。第二の反応からの唯一の検
出可能な副産物は水不溶性ポリマーである。この水不溶
性ポリマーはシクロペンタジエニル塩に由来することが
示唆される。
【0027】第一の製造方法を用いる反応においてシク
ロペンタジエニルアニオンはフェロセンに由来する。シ
クロペンタジエニル鉄(II) アレーン生成物は部分
的にフェロセンに由来し、そして部分的に第一鉄塩に由
来する。この反応は前記式(IV)により示される。
【0028】第一の方法の反応において、ルイス酸によ
るフェロセン分子からの1個のシクロペンタジエニルリ
ガンドの除去がシクロペンタジエニルアニオン−ルイス
酸錯体(アニオン−酸錯体)及びシクロペンタジエニル
鉄(II)カチオンを生成せしめる。従来技術において
知られている様にしてシクロペンタジエニル鉄 (II
) カチオンはアレーンと錯形成してシクロペンタジエ
ニル鉄 (II) アレーンカチオン生成物を形成する
。シクロペンタジエニルアニオン−ルイス酸錯体はまた
シクロペンタジエニルアニオンを第一鉄塩から得られた
第一鉄イオンに移す。次に、この移行に続いてアレーン
錯形成が起こり、従来知られていない態様で追加の生成
物が生ずる。
【0029】第二の方法を用いる反応においては、ルイ
ス酸とシクロペンタジエニド無機塩との直接反応により
シクロペンタジエニルアニオン−ルイス酸錯体が形成さ
れる。次に、従来技術においてまだ知られていない態様
でシクロペンタジエニルリガンドが第一鉄イオンに移さ
れる。この発明のシクロペンタジエニル−鉄(II) 
アレーン生成物は、式(V)により示されるように第一
鉄塩のみに由来する。
【0030】これらの反応の両者は、最終生成物を形成
するための鉄源として第一鉄イオンを用いる点において
従来技術と異なる。従来技術において知られている化合
物のすべての製造方法は鉄源として幾つかの形のオルガ
ノ−鉄化合物、典型的にはフェロセンを用いる。フェロ
センの幾らか又はすべてを安価な第一鉄塩で置き換える
ことは、製造コストの点で有意な利点である。
【0031】正確な反応機構に拘束されるわけではない
が、両方法における最初の段階はシクロペンタジエニル
アニオン−ルイス酸錯体の形成であると仮定される。次
にこの錯体はシクロペンタジエニルアニオンを第一鉄イ
オン−ルイス酸錯体の形成である。次に、この錯体はシ
クロペンタジエニルアニオンを第一鉄イオンに移してシ
クロペンタジエニル鉄(II) カチオンを形成する。 次に、このカチオンがパイ−アレーンと配位してシクロ
ペンタジエニル−鉄カチオン錯生成物を与える。本発明
の2つの反応はシクロペンタジエニルアニオン−ルイス
酸錯体源の点で異なる。
【0032】シクロペンタジエニル鉄(II) アレー
ンカチオン錯体の生成に関与すると仮定される第一の方
法の反応系列は次の通りである。      (Cp)−Fe−(Cp) + L  → 
(Cp)−L − + (Cp)−Fe+      
     (A)     (Cp)−L − + F
e ++  → (Cp)−Fe +  + L   
             (B)     2(Cp
)−Fe + + 2Ar  → 2(Cp)−Fe−
(Ar)+                 (C)
ここで反応(A)はルイス酸(L)によるシクロペンタ
ジエニルアニオンの抽出を示し、式(B)はルイス酸(
L)から第一鉄イオン(Fe++)へのシクロペンタジ
エニルアニオンの移行を示し、そして式(C)はアレー
ン(Ar)とシクロペンタジエニル鉄(II) カチオ
ン((Cp)−Fe+ )との錯形成によるシクロペン
タジエニル鉄(II) アレーンカチオン((Cp)−
Fe−(Ar) + )の形成を示す。
【0033】最後に、式(D)は全体反応を示し、ここ
では2モルのシクロペンタジエニル鉄(II) アレー
ンカチオンが生成する。      (Cp)−Fe−(Cp) + Fe ++
  + 2Ar  → 2(Cp)−Fe−(Ar)+
     (D)同様に、シクロペンタジエニル鉄(I
I) アレーンカチオン錯体の生成に関与すると仮定さ
れる第二の方法の反応系列は次の通りである。      (Cp) − + L  → (Cp)−L
 −                       
      (E)     (Cp)−L − + 
Fe ++  → (Cp)−Fe +  + L  
              (F)     (Cp
)−Fe+ + Ar → (Cp)−Fe−(Ar)
 +                     (G
【0034】ここで、式(E)はルイス酸(L)によ
るシクロペンタジエニド無機塩の錯形成を示し、そして
式F及びGは第一の方法における式(B)及び(C)に
類似して記載され、ここでシクロペンタジエニル鉄(I
I) アレーンカチオンが中間体シクロペンタジエニル
アニオン−ルイス酸錯体から第一の反応方法におけるよ
うにして生成される。要約すれば、式(H)が全体反応
を示す。      (Cp) − + Fe ++  + Ar
 → (Cp)−Fe−(Ar) +        
     (H)
【0035】本発明のさらに一般的な
記載においては、本発明は次の式(VI) :       (Cp)−Fe−(Ar)  + b X
 b−                      
         (VI) により示される構造を有
する化合物の製造方法を記載し、ここでCpはイータ5
 錯形成した置換されているか又は非置換のシクロペン
タジエニル又はインデニルアニオンであり、Arはイー
タ6 錯形成した置換されているか又は非置換のパイ−
アレーンリガンドであり、そしてXは原子価bのアニオ
ンであってbは整数1,2又は3である。
【0036】可能性あるパイ−アレーンリガンドArに
は炭素原子数6〜100個の芳香族基及び炭素原子数3
〜100及びヘテロ原子数1〜10の複素芳香族基、特
に非−過酸化(non−peroxidic) 酸素、
窒素又は硫黄ヘテロ原子を単独で又は組合わせて含有す
るものが含まれる。芳香族基は単核、縮合多核、又は非
縮合多核であることができる。芳香族基は、同一の又は
異なる一価基、例えばハロゲン、直鎖もしくは分枝鎖ア
ルキルもしくはフルオロアルキル、フェニルもしくは他
のアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチ
オ、アリールチオ、シアノ、アルカノイル、ベンゾイル
、又はカルボン酸エステルにより一置換もしくは多置換
されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。パ
イ−アレーンは純粋な化合物でもよく、又は幾つかの化
合物の混合物でもよい。
【0037】適当なパイ−アレーンリガンドには、例え
ば、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン
、p−キシレン、混合異性体キシレン、メシチレン、ズ
レン(durene)、エチルベンゼン、ジエチルベン
ゼン、プロピルベンゼン、ヘキサメチルベンゼン、クメ
ン、ジイソプロピルベンゼン、イソブチルベンゼン、ク
ロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン
、p−クロロトルエン、アニソール、エトキシベンゼン
、p−ジメトキシベンゼン、ナフタレン、メチルナフタ
レン、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、メトキシ
ナフタレン、1,2−ジヒドロナフタレン、1,2,3
,4−テトラヒドロナフタレン、ビフェニル、ジフェニ
ルメタン、トリフェニルメタン、ジフェニルエーテル、
ジフェニルスルフィド、スチルベン、ビフェニレン、パ
ラシクロファン、アンスラセン、フェナンスレン、9,
10−ジヒドロアンスラセン、フルオレン、トリフェニ
レン、ピレン、ペリレン、クリセン、クロメン、コロネ
ン、ナフタセン、キサンセン、チオキサンセン、ピリジ
ン、ピコリン、キノリン、キナルジン、ピロール、フラ
ン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ベンゾピラン、カ
ルバゾール、チオフェン、ベンゾチオフェン、インドー
ル、インデン、アクリジン及びベンゾキサジンが含まれ
る。アリールリガンドとして機能し得る適当な芳香族化
合物の他の例は多くの化学ハンドブックから見出される
であろう。
【0038】可能性あるパイ−アレーンリガンド置換基
には、例えば、塩素、臭素、メチル、エチル、プロピル
、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル
、2−エチルヘキシル、n−オクチル、メトキシ、エト
キシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ
、フェノキシ、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピル
チオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、カルボン酸
−メチル−、−エチル−、−プロピル−、−イソプロピ
ル−及びn−ブチル−エステル、アセチル、プロピオニ
ル、ブチリル、並びにシアノが含まれる。
【0039】Cpはイータ5 結合パイ−アレーンアニ
オンである。これは、非置換の、一置換の又は多置換の
シクロペンタジエニル又はインデニルアニオンであるこ
とができる。置換基は同一の又は異なる1価基、例えば
1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキ
ル又はフルオロアルキル、アリール、炭素原子数1〜1
0個のカルボン酸エステル又はアルカノイル、ベンゾイ
ル、クロロ又はシアノであることができる。
【0040】好ましいパイ−アレーンアニオンは非置換
のインデニルアニオン及びシクロペンタジエニルアニオ
ン、特にシクロペンタジエニルアニオンである。しかし
ながら、他の適当な例にはメチルシクロペンタジエン、
エチルシクロペンタジエン、n−プロピルシクロペンタ
ジエン、n−ブチルシクロペンタジエン、イソブチルシ
クロペンタジエン、1,2−ジメチルシクロペンタジエ
ン、1,3−ジメチルシクロペンタジエン、トリフルオ
ロメチルシクロペンタジエン、フェニルシクロペンタジ
エン、シクロペンタジエンカルボン酸メチル及びエチル
エステル、アセチルシクロペンタジエン、ベンゾイルシ
クロペンタジエン、クロロシクロペンタジエン、並びに
シアノシクロペンタジエンの各アニオンが含まれる。
【0041】適当なアニオンXb−には、P,As,S
b,Bi,B,Al,Ga,In,Sc,Ti,Zr,
V,Cr,Mn,Fe,Co,Cu,Zn,Sn及びC
eの弗素化、ヒドロキシル化、アルキル化及びアリール
化アニオンが含まれる。アルキル又はアリール基を含有
するアニオンの場合、これらの基は置換されていてもよ
く又は非置換でもよい。
【0042】他の適当なアニオンの例には、(フェニル
)4B−、(フェニル)3、(アルキル)B− 、(ア
ルキル)4B− (ここで、アルキルはエチル、プロピ
ル、ブチル、イソブチル、ヘキシル等であることができ
る)、(フェニル)3(ベンジル)B− 、BF4 −
 ,PF6 − ,AsF6 − ,SbF6 − ,
FeCl4 − ,SnCl5 − ,AlF4 − 
,GaCl4 − ,TiCl4 − ,SbF5 O
H− が含まれる。好ましくは、アニオンはBF4 −
 ,PF6 − ,SbF6 − ,SbF5 OH−
 ,AsF6 −、及びSbCl6 である。
【0043】追加の適当なアニオンXb−には有機スル
ホネートが含まれる。適当なスルホネート含有アニオン
の例はメタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホ
ネート、ベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネ
ート、p−クロロベンゼンスルホネート、p−トリフル
オロメチルベンゼンスルホネート等である。トリフルオ
ロメタンスルホネートが好ましい。
【0044】追加の適当なアニオンには強酸のアニオン
、例えばパークロレート、サルフェート、及びニトレー
トが含まれる。次に第一の製造方法及び第二の製造方法
の両者に適用され得る多くの反応パラメーターを記載す
る。これらは後記の幾つかの例においてさらに示される
。しかしながら、パラメーター及び例は本発明の例示で
あって本発明を限定するものではない。
【0045】本発明において記載される第一の方法の反
応において、式(VI) に記載される化合物は式(V
II):     (Cp)−Fe−(Cp)    
                         
            (VII) (式中、Cpは
独立に前記のパイ−アレーンアニオンである)により記
載されるフェロセン又はフェロセン誘導体から製造され
る。本発明において化合物フェロセンに言及する場合は
いつでも、式(VII)により記載されるすべてのフェ
ロセン誘導体を含むものと理解すべきである。示される
量はフェロセン1モルに対するものである。
【0046】少なくとも2モルの前記のアレーン。5〜
10倍モル過剰のアレーンを用いるのが好ましい。アレ
ーンは、それが望ましい反応温度において液体である場
合、反応溶剤として使用される。少なくとも0.2モル
の第一鉄塩。1モルが好ましい量である。単一化合物と
して又は2以上の化合物の混合物としての1モル以上、
好ましくは1.5〜3モルのルイス酸。
【0047】場合によっては0.1〜1モルの還元性金
属。微細アルミニウム粉末が好ましい。場合によっては
不活性の非極性溶剤、例えば反応温度において液体であ
るアルカン又はシクロアルカン。反応中に存在する湿度
は可能な限り少量であるべきである。反応を無水条件下
、例えば乾燥窒素雰囲気中で行うのが好ましいが、通常
の大気条件下で反応を行うこともできる。
【0048】すべての成分を任意の順序で添加すること
ができる。反応成分を混合し、そして反応を典型的には
加熱により開始する。開始熱源は内的、すなわち発熱反
応によることができ、又は外的、例えば加熱マントルに
よることができる。非常に急速な又は発熱的である反応
においては、反応体を徐々に混合するのが有利である。 例えば、フェロセンを残りの反応体に徐々に添加するこ
とが奨められる。
【0049】反応は20℃〜250℃の範囲の温度にお
いて行うことができ、80℃〜140℃の温度が好まし
い。反応時間は0.1〜24時間の範囲で異なることが
でき、2〜6時間が好ましい。温度範囲及び反応時間は
可変的であり、そして後記の例に示すように出発成分に
依存する。反応の終了は典型的には反応生成物の収率(
%)により決定される。しかしながら、反応の終了を確
認するための当業界において知られている任意の手段を
用いることができる。反応の完了の後、反応生成物又は
混合物を冷却し、そして典型的にはルイス酸の水和によ
って反応を停止させる。
【0050】反応は、水、アルコール−水混合物、又は
純アルコール及びこれに続く水を徐々に添加することに
より停止させることができる。同時に外部冷却を反応容
器に適用する。好ましい方法は、メタノール、エタノー
ル又はイソプロパノールのごとき純アルコールの添加及
びこれに続く水の添加である。さらに好ましい反応停止
方法は、温度が約60℃以下に保持されるような速度で
フェロセン1モル当り0.5リットルの純アルコールを
添加することを含む。次に、反応混合物を氷/水混合物
に移し、この場合フェロセン1モル当り2リットルの氷
/水を用いる。氷/水混合物は2相混合物をもたらす。 目的とする最終生成物は水相に含まれる。
【0051】生成しているかも知れないフェロセニウム
(ferrocenium) イオンを還元するために
この時点で生成物に穏和な還元剤を添加するのが時とし
て好ましい。還元剤はフェロセニウムイオンをフェロセ
ンに還元する。 一般に、還元剤としてアスコルビン酸が好ましい。しか
しながら、亜硫酸ナトリウムも還元剤として使用するこ
とができる。
【0052】相分離を複雑にするであろう残留する還元
性金属粉末を除去するためにこの時点で反応混合物を濾
過するのもしばしば好ましい。次に、水相及び有機相の
生ずる混合物を分離する。生成物を含有する水相を適当
な有機溶剤又は溶剤混合物で抽出する。抽出が存在する
不純物を除去する。好ましい抽出溶剤はフェロセン及び
アレーンを溶解する非極性水混和性溶剤である。好まし
い溶剤の例にはシクロヘキサン及びジクロロメタンが含
まれる。得られる水溶液は一般に生成物をそのハロゲン
化物、又はハライド−ルイス酸錯塩、例えばAlCl4
 − 等として含有する。
【0053】この時点でアニオンを交換することにより
、光開始重合触媒として機能的に一層有用な非−親核性
アニオンを有する生成物を得るのがしばしば好ましい。 例えば、親核性アニオン、例えばCl− は鉄を錯化し
そしてモノマーの錯形成を回避することにより光触媒の
作用を妨害する。非−親核性アニオン、例えばPF6 
− ,SbF6 − ,BF4 − は触媒としてのそ
れらのより高い活性のために好ましい。イオン交換は前
記のようにして行うことができるが、イオン交換は当業
界において知られている任意の方法により行うことがで
き、なお本発明の本質又は範囲内である。
【0054】所望のイオン交換された生成物は、所望の
アニオンの水溶性塩の添加により沈澱され得る。この例
には、ヘキサフルオロリン酸のアンモニウム、ナトリウ
ムもしくはカリウム塩又はヘキサフルオロリン酸による
ヘキサフルオロホスフェート塩(PF6 − )の沈澱
、あるいはヘキサフルオロアンチモン酸ナトリウムによ
るヘキサフルオロアンチモン酸塩(SbF6 − )の
沈澱、あるいはテトラフルオロ硼酸によるテトラフルオ
ロ硼酸塩の沈澱が含まれる。所望の生成物はまた、ジク
ロロメタンのごとき適当な有機溶剤による抽出によって
も取り出すことができる。このアニオン交換法は特に、
生成物がかなりの水溶性を有する場合に特に有利である
【0055】反応に使用される第一鉄塩には、反応媒体
中で十分な溶解性を有するもの、又はCpアクセプター
として機能するのに十分な表面反応性を有するもの、す
なわちルイス酸−Cp錯体と反応するもの、のすべてが
含まれる。しかしながら、第一鉄塩のアニオン成分はC
pアニオンと競争しないことが必要である。ルイス酸の
助けによりアレーン又はシクロペンタジエニルアニオン
リガンドによりアニオンが置き換えられ得ないように続
く第一鉄イオンを錯化しないように十分に低い塩基性度
を前記アニオン成分は有すべきである。第一鉄塩はまた
無水物形又はほとんど無水の形であり、そしてシクロペ
ンタジエニルアニオンをプロトン化するのに十分な酸性
の官能性を有すべきである。
【0056】好ましい第一鉄塩は塩化第一鉄である。し
かしながら、他の適当な第一鉄塩の例には弗素塩、塩素
塩、臭素塩、ヨウ素塩、硫酸塩及び硝酸塩が含まれる。 特に好ましい技法においては、反応に使用されるアレー
ンと無水塩化第二鉄とを加熱することにより反応の直前
に塩化第一鉄を調製する。塩化第一鉄の生成が完了した
後、他の反応体を添加する。次に、例4に教示するよう
に反応が進行する。
【0057】他の好ましい技法においては、クロロベン
ゼン中還流温度において無水塩化第二鉄を3時間加熱す
ることにより塩化第一鉄を調製する。生成した塩化第一
鉄を濾過により取り出し、適当なアレーンですすいで残
留するクロロベンゼンを除去し、そして目的の反応混合
物に湿りを加える。すなわちアレーンにより湿められる
。次に、後記の例に示すようにして塩化第一鉄を用いる
反応を行う。無水塩化第二鉄を金属鉄粉と反応せしめる
ことにより、行われる一次反応に先立って塩化第一鉄を
調製することができることも知られている。
【0058】反応のルイス酸成分は単一化合物でもよく
、又は2以上の化合物の混合物でもよい。単一のルイス
酸を使用する場合、このものはCpアニオンを第一鉄イ
オンに移す反応条件下で十分に反応性であるCpアニオ
ンと錯体を形成する。好ましいルイス酸は、ハロゲン化
アルミニウム特に塩化アルミニウム及び臭化アルミニウ
ム、三弗化硼素並びにハロゲン化ガリウムを含むルイス
酸の第一グループから選択され、ここで昇華した又は精
製された塩化アルミニウムが最も好ましい。
【0059】ルイス酸の第二グループには錫、チタン、
ジルコニウム及びハフニウムの四塩化物が含まれる。こ
れらは第一グループの酸より反応性であるため単独で使
用するためには一般に不適当である。これらは、第一鉄
イオンとの最終生成物−Cp反応に先立ってCpアニオ
ンと共に安定な中間体生成物錯体を形成する傾向がある
。しかしながら、速度増強添加剤としての第二グループ
のより反応性のルイス酸の少量と第一グループのルイス
酸との混合物を使用することができる。フェロセンの量
に対して0〜0.2モルの量のより反応性のルイス酸が
好ましく、0.1モルが最も好ましい。
【0060】ルイス酸の混合物を用いる技法は特に、塩
化アルミニウムを単独で用いて高収率及び純度で製造す
ることが困難な化合物を製造する場合に有利である。特
に好ましい態様においては、3モルの塩化アルミニウム
と0.1モルの四塩化ジルコニウムとの混合物を用いて
シクロペンタジエニル鉄(II) クメンカチオンを調
製することができる。この技法は例5に記載する。
【0061】還元性金属を抗酸化剤として反応混合物に
加えることができる。好ましい還元性金属はアルミニウ
ム粉末である。大きな表面積を与えるためこの金属は微
粉形であることが好ましい。しかしながら、当業界にお
いて知られている他の還元性金属、例えばマグネシウム
及び亜鉛も反応において有用である。高反応条件に耐え
ることができる他の抗酸化剤も本発明の範囲内であると
考えられる。
【0062】反応液又は希釈剤としてアレーンを用いて
反応を行うのが好ましい。例えばアレーンのコストが高
いためにこれが実行可能でない場合、不活性希釈剤を使
用することができる。有用な希釈剤はルイス酸の錯形成
を回避するほど十分に非塩基性であり、そして鉄との錯
形成についてアレーンと競争しないものである。好まし
い希釈剤は非極性で且つ非反応性の液体、例えばアルカ
ン又はシクロアルカンであり、純粋な化合物又は混合物
である。
【0063】不活性希釈剤の例にはシクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ヘプタン
、オクタン並びに類似の直鎖及び分枝鎖アルカン、並び
に混合物、例えば市販のオクタン分画が含まれる。アレ
ーンが希釈剤による競争的鉄錯体形成を排除するのに十
分に富電子的である(electron−rich) 
である場合には、芳香族液体、例えばベンゼン、トルエ
ン、クロロベンゼン、キシレン等を用いることができる
【0064】本発明において記載される第二の反応方法
においては、式 (VI) において記載される化合物
は次の式(VIII) :     M b+(Cp)b −          
                         
        (VIII) で表される金属シクロ
ペンタジエニド塩から製造され、ここでMは金属カチオ
ン、例えば原子価bが1,2又は3である周期律表IA
族アルカリ金属及び周期律表IIA族のアルカリ土類金
属であり、そしてCpは前記のようなシクロペンタジエ
ニルアニオンである。
【0065】金属シクロペンタジエニドに加えて、次の
成分の存在下で反応が行われる。前に記載した少なくと
も1モルのアレーン。2〜5倍モル過剰量のアレーンを
使用するのが好ましい。アレーンは、それが所望の反応
温度において液体である場合には、しばしば反応溶剤と
して使用される。前記の少なくとも0.1モル、そして
好ましくは1モルの第一鉄塩。少なくとも0.5モル、
好ましくは1〜3モル、そして最も好ましくは2モルの
ルイス酸。
【0066】場合によっては0.1〜1モルの還元性金
属。微粉アルミニウム金属が好ましい。場合によっては
、反応温度において液体であるアルカン又はシクロアル
カンのごとき希釈剤。乾燥窒素のごとき不活性雰囲気下
で反応を行うのが好ましいが、乾燥空気中で反応を行う
こともできる。好ましくは、シクロペンタジエニルアニ
オンのプロトン化を回避する無水条件又はそれに近い条
件下で反応を行う。
【0067】成分のすべてを任意の順序で添加すること
ができ、そして反応は加熱により開始される。非常に急
速で且つ発熱的な反応においては、反応中に反応体を徐
々に一緒にするのが好ましい。例えば、残りの反応体の
混合物への金属シクロペンタジエニドのゆるやかな添加
が推奨される。反応は20℃〜250℃の温度において
行われ、そして80℃〜140℃の範囲が好ましい。
【0068】反応時間は0.1〜24時間で異なること
ができる。好ましい反応時間は2〜6時間である。第一
反応方法において示したように、温度範囲及び反応時間
は可変的であり、そして使用される出発成分に依存する
。アルカリ金属及びアルカリ土類金属シクロペンタジエ
ニド塩を使用することができる。リチウム、ナトリウム
及びカリウムが好ましいアルカリ金属であり、他方マン
ガンが好ましいアルカリ土類金属である。
【0069】反応の完了の後、混合物の反応生成物を冷
却し、そして第一反応製造法の反応について前記したの
と同じ技法により反応停止される。同様に2相混合物が
得られる。目的とする生成物を含有する水相を該2相混
合物から分離する。次に、水相を濾過してすべての高分
子生成物、及び残留還元性金属粉末を除去する(これら
が存在すれば)。水溶液はまた、有機溶剤で抽出して有
機可溶性不純物を除去することができる。第一の反応方
法と異なり、第二の反応法においては水溶液の十分な抽
出は一般に要求されない。
【0070】この時点で、第一の製造方法の反応のため
に前記したのと同じ技法を用いてアニオン交換を行うこ
とができた。本反応のために有用な第一鉄塩は、第一の
製造方法について前記したものと同じである。無水塩化
第一鉄は好ましい第一鉄塩であり、そして商業的に入手
可能であり、又は前記のいずれかの技法に基いて製造さ
れる。
【0071】使用することができるルイス酸には、シク
ロペンタジエニルアニオンと錯形成せず、反応条件下で
安定であり、そしてシクロペンタジエニルアニオンを第
一鉄アニオンに移すことができるものが含まれる。これ
らにはハロゲン化アルミニウム、特に塩化物及び臭化物
、三弗化硼素、並びにハロゲン化ガリウムが含まれ、塩
化アルミニウムが好ましいルイス酸である。これらの反
応において場合によっては第一の反応方法について記載
した還元性金属も使用することができる。微粉アルミニ
ウムが好ましい。
【0072】場合によってはこれらの反応において第一
の反応について記載したのと同じ溶剤又は希釈剤を使用
することができ、同じ要件が適用される。可能な場合に
はいつでも、反応溶剤としてアレーンを用いるのが好ま
しい。本発明を用いて製造された有機金属錯体カチオン
はいずれも、ポリウレタンを得るためのポリオール及び
ポリイソシアネートの重合、エポキシ樹脂を得るための
エポキシドの重合、ポリトリアジンを得るためのシアネ
ートの重合、及びポリビニルエーテルを得るためのビニ
ルエーテルの重合を含めて、種々の重合反応のための光
活性化触媒として有用であることが知られる。
【0073】例えば、有機金属錯体カチオンの無機塩を
用いてのポリウレタン前駆体の重合は、大部分のポリウ
レタン前駆体のために室温にて行うことができるが、そ
れぞれ重合の発熱を抑制し、又は重合を促進するために
低温(例えば−10℃)又は上昇した温度(例えば、3
0℃〜200℃)を用いることができる。重合の温度及
び触媒の量は異なり、そして使用される特定のポリウレ
タン前駆体、及び重合され又は硬化される製品の所望の
用途に依存するであろう。触媒として使用されるべき有
機金属錯体カチオンのイオン塩の量は所望の使用条件下
でポリウレタン前駆体の重合を行うのに十分な量(すな
わち、触媒的有効量)であるべきである。この様な量は
一般にポリウレタン前駆体の重量に基き約0.01〜2
0重量%、好ましくは0.1〜5.0重量%、そして最
も好ましくは0.5〜2.0重量%である。
【0074】ポリウレタン前駆体にはポリイソシアネー
ト及びイソシアネート反応性基含有化合物が含まれる。 イソシアネート反応性基含有化合物の使用にはポリエス
テル、カルボン酸及びその誘導体、多価アルコール、ポ
リエーテル、幾つかのポリチオエーテル、ポリアセター
ル、ポリカーボネート、ポリヒドロキシ(メタ)クリル
樹脂、ポリエステルアミド、及びポリアミドが含まれる
。有用なポリイソシアネート及びイソシアネート反応性
基含有化合物の例のより完全なリストは米国特許No.
 4,740,577に記載されている。
【0075】一般に、カチオン感受性モノマーの重合は
ポリウレタンの重合の例において前に記載したようにし
て行うことができる。本発明を用いて製造された有機金
属錯体カチオンにより硬化又は重合され得る重合成物質
の例には1,2−、1,3−及び1,4−環状エーテル
、ビニルエーテル、ピロリドンのごときN−ビニル化合
物、エチレン性不飽和炭化水素、環状ホルマール及び環
状オルガノシロキサン。カチオン性重合性モノマーの広
範なリストは米国特許No. 3,347,676及び
No. 3,842,019、並びにヨーロッパ特許出
願No. 364,073に記載されている。
【0076】さらに、錯体カチオンは2段階重合(硬化
)のために有用である。硬化工程は、まず開始剤を活性
化し、そして次にこうして得られた活性化された前駆体
を熱硬化させることにより進行する。照射温度は理想的
には引続いての熱硬化のために用いられる温度より低い
。これらの活性化された前駆体は通常、直接熱硬化のた
めに要求される温度より実質的に低く、50℃〜110
℃の範囲が有利である。この2段階硬化はまた、特に簡
単なそして有利な態様で重合を制御することを可能にす
る。
【0077】本発明の観点及び利点を次の例によりさら
に説明する。本発明の一層完全な理解を与えるために具
体的な詳細な記載する。しかしながら、これらの例に記
載する特定の物質及びその量、並びに他の条件及び詳細
は本発明を不当に限定するものと解してはならない。他
の例においては、本発明を不必要に不明瞭にしないため
に周知の方法及び反応体は記載しなかった。
【0078】
【実施例】記載されるすべての反応は1リットル又2リ
ットルの反応容器中で行われた。反応混合物は加熱手段
としてサーモスタット制御加熱マントルを用いて加熱し
た。反応混合物は冷却手段として氷/水浴中で冷却した
。加熱手段及び冷却手段の両者はここに具体的に記載す
るもの以外でもよく、なお本発明の本質及び範囲内であ
る。反応容器はまた機械的攪拌機、還流冷却器、追加の
漏斗、及び窒素入口を備えていた。
【0079】次の例におけるすべての成分は商業的に入
手可能であり、そして任意の化学物質供給者、例えばウ
イスコンシン・ミルウォーキーのAldrich Ch
emical Co.Inc.から得ることができる。 例1及び3〜6は第一の製造方法に従って行われ、他方
例7〜9は第二の製造方法に従って行われた。例示され
た例の反応生成物はプロトンNMRにより確認した。
【0080】例1. 次の反応:
【化5】 に従ってフェロセン及び塩化第一鉄からシクロペンタジ
エニル鉄(II)(混合異性体キシレン) ヘキサフル
オロホスフェートを製造した。
【0081】前記の反応容器に46.5g(0.25モ
ル)のフェロセン、6.75g(0.25g原子)の粉
末アルミニウム、100g(0.75モル)の無水塩化
アルミニウム、31.7g(0.25モル)の無水塩化
第一鉄、及び200mlの混合異性体キシレンを添加し
た。反応混合物を攪拌し、窒素でパージし、そして14
0℃にて5時間加熱した。次に、反応混合物を氷/水浴
中で冷却し、そして200mlの純アルコールを徐々に
添加することにより反応停止した。次に、1リットルの
氷/水及び5gのアスコルビン酸を収容したフラスコに
反応混合物を移した。反応生成物を含有する水相を分離
し、そして200mlずつのシクロヘキサンにより3回
抽出して不純物及び未反応の出発物質を除去した。
【0082】140mlの60%ヘキサフルオロリン酸
を添加することにより水相中に残る反応生成物をそのヘ
キサフルオロリン酸塩として沈澱させた。この塩を再溶
解し、そして500ml及び100mlのジクロロメタ
ンによる抽出により単離した。1リットルのシクロヘキ
サンの添加により一緒にしたジクロロメタン抽出物から
反応生成物を結晶化した。結晶化された固体を真空濾過
により取り出し、シクロヘキサンによりすすぎ、そして
真空乾燥して146g(0.36モル)の生成物(フェ
ロセンに対して157%の収率、又は全鉄に対して78
%)を得た。
【0083】例2.(比較例) 1当量の水を用い、塩化第一鉄の非存在下で例1に対す
る対照反応を行った。これらは、次の反応:
【化6】 について最高収率を与える既知反応条件である。
【0084】前記の反応容器に93g(0.5モル)の
フェロセン、14g(0.5g原子)の粉末アルミニウ
ム、200g(1.5モル)の無水塩化アルミニウム及
び400mlの混合異性体キシレンを加えた。反応混合
物を攪拌し、窒素によりパージし、そして9g(0.5
モル)の水を加えた。反応生成物を徐々に140℃に加
熱し、この間かなりの反応熱が発生した。6時間後、反
応混合物を氷/水浴中で冷却し、そして400mlの純
エタノールを徐々に添加することにより反応停止した。
【0085】1リットルの氷/水及び4gのアスコルビ
ン酸を収容したフラスコに反応混合物を移した。水相を
分離し、そして有機相を200mlの水で抽出した。一
緒にした水溶液を250mlずつのシクロヘキサンによ
り4回抽出した。140mlの60%ヘキサフルオロリ
ン酸の添加により水相に残る反応生成物をヘキサフルオ
ロリン酸塩として沈澱せしめた。この塩を再溶解し、そ
して500ml及び100mlのジクロロメタンで抽出
することにより単離した。750mlのシクロヘキサン
を添加することにより、一緒にしたジクロロメタン溶液
から反応生成物を結晶化した。結晶化した固体を真空濾
過により除去し、シクロヘキサン:ジクロロメタン(1
:1)によりすすぎ、そして真空乾燥した。約174.
5g(フェロセンに対して94%の収率)の生成物を得
た。
【0086】例3.(比較例) 反応を例1と同じ条件下で行ったが、無水反応条件の重
要性を示すために塩化第一鉄水和物を用い、次の反応に
従った。
【化7】
【0087】反応は例1における様に行ったが無水塩化
第一鉄の代りに塩化第一鉄二水和物を用い、そしてキシ
レンの量を400mlに増やして攪拌を改善した。反応
時間は6時間であった。例1におけるようにエタノール
により反応を停止した。次に、500mlの氷/水及び
4gのアスコルビン酸を収容したフラスコに反応混合物
を移した。水相を分離し、そして有機相を150mlの
水で抽出した。水溶液を一緒にし、そして150mlず
つのシクロヘキサンで4回抽出した。
【0088】140gの60%ヘキサフルオロリン酸の
添加により一緒にした水溶液から反応生成物を沈澱せし
めた。反応生成物を再溶解し、そして300mlのジク
ロロメタンで1回及び100mlのジクロロメタンで2
回抽出することにより単離した。一緒にしたジクロロメ
タン溶液から、600mlのシクロヘキサンの添加によ
り生成分を結晶化した。次に、結晶個体を真空濾過によ
り除去し、そして真空下で乾燥した。約80.9g(0
.22モル)の生成物を得、フェロシンに対する収率は
87%であった。
【0089】例4.フェロセン及び塩化第一鉄からシク
ロペンタジエニル鉄(II)(混合異性体キシレン) 
キシレンヘキサフルオロホスフェートの製造 次の段階1に示すようにして、反応に先立って塩化第二
鉄から塩化第一鉄を生じさせた。 2FeCl3+C8H10 →2FeCl2+C8H9
Cl+HCl (段階1)反応式は次の通りであった。
【0090】
【化8】
【0091】前記の反応容器に40.5g(0.25モ
ル)の無水塩化第二鉄及び200mlの混合異性体キシ
レンを加えた。窒素のゆるやかな流れのもとに反応混合
物を攪拌し、そして120℃に加熱した。反応混合物を
室温に冷却し、そして10g(0.36g分子)の粉末
アルミニウムを加えた。30分後、46.5g(0.2
5モル)のフェロセン及び100g(0.25モル)の
無水塩化アルミニウムを加えた。反応混合物を窒素でパ
ージし、そして140℃にて6時間加熱した。反応混合
物を冷却し、そして常法によりエタノールで反応を停止
した。
【0092】次に、500mlの氷/水及び4gのアス
コルビン酸を収容したフラスコに反応混合物を移した。 水相を分離し、そして有機相を150mlの水で抽出し
た。 一緒にした水溶液を250mlのシクロヘキサンで3回
抽出し、そして次に濾過してアルミニウム粉末を除去し
た。140gの60%ヘキサフルオロリン酸の添加によ
り反応生成物を水相からヘキサフルオロホスフェート塩
として沈澱させた。
【0093】反応生成物を300ml、100ml及び
50mlのジクロロメタンによる抽出によって単離した
。この塩を、1リットルのシクロヘキサンの添加により
一緒にしたジクロロメタン溶液から結晶化した。結晶固
体真空濾過により除去し、そして真空下で乾燥した。約
153.2g(0.41モル)(フェロセンに対して収
率165%、全鉄に対して82%)の生成物を得た。
【0094】例5.フェロセン及び塩化第一鉄からのシ
クロペンタジエニル鉄(II) クメンヘキサフルオロ
ホスフェートの製造;ルイス酸の組合せ使用の例次の式
に従った。
【0095】
【化9】
【0096】前記の反応容器に46.5g(0.25モ
ル)のフェロセン、6.75g(0.25g)のアルミ
ニウム粉末、100g(0.75モル)の無水塩化アル
ミニウム、31.7g(0.25モル)の無水塩化第一
鉄、及び300mlのクメンを加えた。反応混合物を窒
素でパージし、そして6g(0.025モル)の無水四
塩化ジルコニウムを添加した。反応混合物を3時間10
0℃に加熱した。次に、反応混合物を冷却し、そして2
00mlの純エタノールを徐々に添加することにより反
応を停止した。
【0097】反応混合物を500mlの氷/水に加え、
次に100mlの濃塩酸及び100mlの水を加えた。 混合物を濾過して未反応のアルミニウムを除去し、そし
て水相を除去した。有機相を100mlの水で抽出した
。水溶液を一緒にし、そして200mlずつのシクロヘ
キサンにより3回抽出した。81.5g(0.5モル)
のヘキサフルオロリン酸アンモニウムの添加により一緒
にした水溶液から生成物を沈澱せしめた。生ずる黄色の
固体を真空濾過により取り、200mlの水及び100
mlずつ3回のエチルエーテルによりすすぎ、そして真
空乾燥した。約96.8g(0.25モル)(フェロシ
ンに対して収率100%、全鉄に対して収率50%)の
生成物を得た。
【0098】例6.(比較例) 塩化第一銅の非存在下で例5に対する対照反応を行った
。反応を例5に従って行ったが、塩化第一鉄を略した。 例5に記載したようにして反応を停止し、そして生成物
を単離した。例5に記載したようにして生成物を沈澱さ
せ、濾過し、そして乾燥した。約41.6g(フェロシ
ンに対する収率43%)の不純な黄緑色の固体を得た。
【0099】例7.リチウムシクロペンタジエニドと塩
化第一鉄との反応によるシクロペンタジエニル鉄(II
)(キシレン) ヘキサフルオロホスフェートの製造反
応式は次の通りであった。
【0100】
【化10】
【0101】前記の反応容器に67g(0.5モル)の
無水塩化アルミニウム、6.75g(0.25g原子)
の粉末アルミニウム、31.7g(0.25モル)の無
水塩化第一鉄、及び200mlの混合異性体キシレンを
加えた。混合物を攪拌し、そして窒素でパージした。2
00mlのキシレン中18g(0.25モル)のリチウ
ムシクロペンタジエニドの懸濁液を反応容器に加え、そ
して追加の100mlのキシレンによりすすいだ。反応
混合物を窒素でパージし、そして次に140℃に加熱し
、そしてこの温度に6時間保持した。次に、反応混合物
を50℃に冷却し、そして200mlの純エタノールを
徐々に添加することにより反応を停止した。
【0102】次に、反応混合物を500mlの氷/水に
注入し、懸濁した固体を生成せしめた。次に、懸濁した
固体を真空濾過により除去した。濾液を分液漏斗に移し
、そして水相を取り出しそして300mlのシクロヘキ
サンにより抽出した。50mlの水中41g(0.25
モル)のヘキサフルオロリン酸アンモニウムの添加によ
り水相から反応生成物をヘキサフルオロリン酸塩として
沈澱させた。生ずる黄色固体を真空濾過により除去し、
水及びエーテルによりすすぎ、そして真空下で乾燥した
。目的生成物の収量は50.5g(0.14モル)で理
論収量の54%であった。
【0103】例8.リチウムシクロペンタジエニドと塩
化第一鉄との反応によるシクロペンタジエニル鉄 (I
I) クメンヘキサフルオロホスフェートの製造反応式
は次の通りであった。
【0104】
【化11】
【0105】前記の反応容器に67g(0.5モル)の
無水塩化アンモニウム、6.75g(0.25g原子)
の粉末アルミニウム、31.7g(0.25モル)の無
水塩化第一鉄及び200mlのクメンを加えた。反応混
合物を窒素でパージした。250mlのクメン中18g
(0.25モル)のリチウムシクロペンタジエニドのス
ラリーを反応混合物に加えた。反応混合物を110℃の
温度に加熱し、そしてこの温度で約3時間維持しながら
窒素パージを続けた。
【0106】次に、反応混合物を冷却し、そして200
mlの純アルコールを徐々に添加することにより反応を
停止した。次に、反応混合物を500mlの水に加え、
そして真空濾過して固体を除去した。水相を分離し、そ
して100mlのシクロヘキサンで抽出した。100m
lの水中44gのヘキサフルオロリン酸アンモニウムの
添加により反応生成物を水相から沈澱させた。生ずる黄
色固体を真空濾過により除去し、水及びエーテルですす
ぎ、そして真空乾燥した。約53g(0.14モル)(
理論量の55%の収率)の生成物を得た。
【0107】例9.ナトリウムシクロペンタジエニドナ
トリウムと塩化第一鉄との反応によるシクロペンタジエ
ニル鉄(II) クメン ヘキサフルオロアンチモネートの製造 反応は次の式に従った。
【0108】
【化12】
【0109】前記の反応容器中で、1リットルのクメン
及び250mlのテトラヒドロフラン中1g原子のナト
リウムの分散体(パラフィンワックス中50%、Ald
rich,Milwaukee,WI) に1.2モル
の新たに調製したシクロペンタジエンを添加することに
より1モルのナトリウムシクロペンタジエニドを調製し
た。添加が終了した時、反応混合物を70℃に4時間加
熱した。次に、還流コンデンサーを蒸留ヘッドで置き換
え、そしてテトラヒドロフランを蒸留により除去した。 次に反応混合物を放冷し、そして114g(0.9モル
)の無水塩化第一鉄、13.5g(0.5g原子)の粉
末アルミニウム、及び266g(2.0モル)の無水塩
化アルミニウムを加えた。
【0110】反応混合物を100℃に加熱し、そしてこ
の温度で3時間維持した。次に反応混合物を冷却し、そ
して500mlの純エタノールを徐々に添加することに
より反応を停止した。30分後、反応混合物を2リット
ルの氷/水に加えた。クメン相(有機相)を分離し、そ
して水相を真空濾過して固体を除去した。水性濾液を3
00mlのシクロヘキサンにより抽出した。300ml
の水中スラリーとして210gのナトリウムヘキサフル
オロアンチモネートを加えることにより生成物をヘキサ
フルオロアンチモネート塩として沈澱せしめた。生成し
た沈澱を600mlのジクロロメタンでの抽出により単
離した。
【0111】ジクロロメタン相を分離し、そして水相を
200mlずつのジクロロメタンにより2回再抽出した
。 ジクロロメタン溶液を一緒にし、そして250mlの水
で抽出した。2リットルのシクロヘキサンの添加により
ジクロロメタン溶液から生成物を油状物として沈澱させ
た。シクロヘキサンを油状物からデカントし、そして5
00mlのエチルエーテルを加えて生成物を固化した。 生成物を真空濾過により除去し、エーテルですすぎ、そ
して真空乾燥した。約268g(0.56モル)の生成
物を得、塩化第一鉄に対する収率は62%であった。本
発明の範囲及び本質を逸脱することなく種々の変更を行
うことができ、本発明の範囲は前記の例に限定されるも
のではない。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  シクロペンタジエニル鉄(II) ア
    レーンカチオン錯塩の製造方法であって、 a)フェロセン、アレーン、ルイス酸及び完全な反応を
    行うのに十分な量の第一鉄塩を含んで成る混合物を用意
    し、そして b)該反応の生成物を単離する、 段階を含んで成る方法。
  2. 【請求項2】  前記混合物が不活性非極性希釈剤をさ
    らに含んで成る、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】  前記混合物がさらにアルミニウム、マ
    グネシウム及び亜鉛から成る群から選択された還元性金
    属を含んで成る、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】  前記シクロペンタジエニル鉄(II)
     カチオン錯塩が次の式: ((Cp)−Fe−(Ar))+ b ・X b−(式
    中、Cpはイータ5 錯形成シクロペンタジエニルアニ
    オン又はイータ5 錯形成インデニルアニオンであり、
    Arはイータ6錯形成のアレーンであり、Xは原子価b
    のアニオンであり、そしてbは整数1,2又は3である
    )で表わされる、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】  前記ルイス酸が、塩化アルミニウム、
    臭化アルミニウム、塩化硼素及び塩化ガリウムから成る
    第一群並びに該第一群から選択されたルイス酸と四塩化
    チタン、四塩化ジルコニウム、四塩化ハフニウム及び四
    塩化錫から成る第二群から選択されたルイス酸との組合
    わせ、から選択されたものであり、ここで前記第二ルイ
    ス酸が存在する場合には該酸とフェロセンとの間の0.
    2:1の比率を超えない、ことを特徴とする請求項4に
    記載の方法。
  6. 【請求項6】  さらに、 a)前記生成物を単離するのに先立って前記ルイス酸の
    水和により前記反応段階の反応を停止せしめることを含
    んで成る、請求項1に記載のシクロペンタジエニル鉄(
    II) アレーンカチオン錯塩の製造方法。
  7. 【請求項7】  前記反応停止段階がさらに、a)メタ
    ノール、エタノール又はイソプロパノールである純アル
    コールを添加すること、 b)外的冷却を行うこと、及び c)前記反応混合物を水性混合物に移す、ことを含んで
    成る請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】  前記混合物が少なくとも1モルのフェ
    ロセン、少なくとも2モルのアレーン、少なくとも0.
    2モルの第一鉄塩、少なくとも1モルのルイス数、少な
    くとも0.1モルの還元性金属、及び場合によっては不
    活性非極性希釈剤を含んで成る請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】  前記混合物が少なくとも0.25モル
    のフェロセン、200〜300mlのアレーンであって
    キシレン又はクメン、少なくとも0.75モルの無水塩
    化アルミニウム、少なくとも0.25モルの無水塩化第
    一鉄及び少なくとも0.25g原子の粉末アルミニウム
    を含んで成る請求項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】  さらに、 a)前記単離段階に先立って前記生成物にPF6 − 
    又はSbF6 − を添加し、ここでシクロペンタジエ
    ニル鉄(II) キシレン+ PF6 − 、シクロペ
    ンタジエニル鉄(II) クメン+ PF6 − 、シ
    クロペンタジエニル鉄(II) キシレン+ SbF6
     − 又はシクロペンタジエニル鉄(II)クメンSb
    F6 − の1つが生成物塩として沈澱し、そして b)前記沈澱した生成物を精製する、 ことを含んで成る請求項9に記載のシクロペンタジエニ
    ル鉄(II) アレーンカチオン錯塩の製造方法。
  11. 【請求項11】  フェロセン対無水塩化アルミニウム
    対無水塩化第一鉄対粉末アルミニウムの比率が少なくと
    も1:3:1:1である請求項7に記載の方法。
  12. 【請求項12】  シクロペンタジエニル鉄(II) 
    カチオン錯塩の製造方法であって、 a)シクロペンタジエニド金属塩及びアレーンを含んで
    成る混合物をルイス酸の存在下で反応を完成するのに十
    分な第一鉄塩と反応せしめ、そして b)生ずる生成物を単離する、 ことを含んで成る方法。
  13. 【請求項13】  前記反応段階の反応を不活性雰囲気
    下で行う、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】  前記反応混合物がさらに不活性非極
    性希釈剤を含んで成る、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】  前記反応混合物がさらにアルミニウ
    ム、マグネシウム及び亜鉛から成る群から選択された還
    元性金属を含んで成る、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】  前記シクロペンタジエニド塩が次の
    一般式: M b+(Cp)b −  (式中、Mは原子価bの金属カチオンであり、bは整数
    1,2又は3であり、そしてCpはイータ5 錯形成シ
    クロペンタジエニルアニオン又はイータ5 錯形成イン
    デニルアニオンである)で表わされる、請求項15に記
    載の方法。
  17. 【請求項17】  前記ルイス酸が塩化アルミニウム、
    臭化アルミニウム、塩化硼素及び塩化ガリウムから成る
    群から選択されたものである、請求項16に記載の方法
  18. 【請求項18】  さらに、 a)生成物を単離するに先立って前記ルイス酸の水和に
    より前記反応段階の反応を停止せしめる、請求項12に
    記載の方法。
  19. 【請求項19】  前記反応停止段階がさらに、a)メ
    タノール、エタノール又はイソプロパノールの少なくと
    も1種である純アルコールを添加すること、b)外的冷
    却を行うこと、及び c)前記反応混合物を水性混合物に移すこと、を含んで
    成る、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】  前記混合物が少なくとも1モルの金
    属シクロペンタジエニド、少なくとも1モルのアレーン
    、少なくとも0.5モルの第一鉄塩、少なくとも0.5
    モルのルイス鉄、少なくとも1モルの還元剤であってア
    ルミニウム、マグネシウム又は亜鉛の1つ、及び場合に
    よっては不活性非極性希釈剤を含んで成る、請求項16
    に記載の方法。
  21. 【請求項21】  前記シクロペンタジエニル鉄(II
    ) カチオン錯塩が次の式: ((Cp)−Fe−(Ar))+ b X b−(式中
    、Cpはイータ5 錯形成シクロペンタジエニルアニオ
    ン又はイータ5 錯形成インデニルアニオンであり、A
    rはイータ6錯形成アレーンであり、Xは原子価bのア
    ニオンであり、そしてbは整数1,2又は3である)で
    表わされる、請求項16に記載の方法。
  22. 【請求項22】  前記混合物が少なくとも0.5モル
    の無水塩化アルミニウム、少なくとも0.25g分子の
    粉末アルミニウム、少なくとも0.25モルの無水塩化
    第一鉄、少なくとも200mlのアレーンを含んで成り
    、該アレーンがキシレン又はクメンの1つである、請求
    項16に記載の方法。
  23. 【請求項23】  さらに、 a)前記単離段階に先立って前記生成物混合物に少なく
    とも0.25モルのアンモニウムヘキサフルオロホスフ
    ェート又はナトリウムヘキサフルオロアンチモネートを
    添加し、ここでシクロペンタジエニル鉄(II) キシ
    レンヘキサフルオロホスフェート、シクロペンタジエニ
    ル鉄 (II) クメンヘキサフルオロホスフェート、
    シクロペンタジエニル鉄 (II) キシレンヘキサフ
    ルオロアンチモネート又はシクロペンタジエニル鉄 (
    II) クメンヘキサフルオロアンチモネートの1つが
    沈澱し、そしてb)該沈澱した生成物を単離する、 ことを含んで成る請求項22に記載のシクロペンタジエ
    ニル鉄(II) アレーンカチオン錯塩の製造方法。
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