JPH0430557Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば原子力プラントの燃料集合体
を取扱う場合に使用する締結装置に関する。

〔従来の技術〕

例えば、原子力プラントの燃料集合体は、所定
の燃焼を終えると新しい燃料集合体（以下燃料と
略称する。）と交換される。又寿命中の燃料も、
炉心内の位置が、所定の計画に従つて変更され
る。

従来、燃料を交換するために、吊り上げ移送を
行なうには、クレーン等を使用し、燃料の上部に
真上から接近するグリツパ等によつて燃料を把持
していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

燃料又はこれに類するものは、原子炉容器等内
の深くせまい場所におかれ、又は制御棒組立体等
の内挿物が組合せられたまゝ取扱われる場合があ
る。したがつて、前述のように真上からグリツパ
を挿入するものでは、適確な把持ができない場合
があり、横方向に出退する把持具が好適である
が、本考案はかかる機能をもつ締結装置を提供せ
んとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案において、燃料等の被取扱物の上側部に
セツトされる取付枠には、流体作動のアクチユエ
ータが横向きに枢着されており、アクチユエータ
のピストンロツドに連結されたカムレバーを横方
向から被取扱物内へ挿入し又は引き込む。

カムレバーは、取付枠に一体的に形成されたカ
ム溝に水平方向に案内されかつ上下し、カムレバ
ー先端の爪は、被取扱物に干渉することなく出退
し、被取扱物を好適につかむ。

カムレバーが挿入される被取扱物の空間は、物
によつて異なるが、それに応じたカムレバーの形
状及びカム溝の形状を好適に選択することにより
干渉は起らない。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図乃至第４図に於いて、被取扱物である燃
料の上部ノズル１に本考案の締結装置１０を取付
ける状態を示す。締結装置１０の取付枠１１は、
吊上げ工具の１部を構成する匡枠２と取付案内金
物４とがボルト３で結合されて形成されている。
案内金物４の挾間案内溝４ａには、カムレバー５
が摺動自在に嵌合され、前記挾間案内溝４ａの両
側に削設されたカム溝４ｂに、カムレバー５に固
定されたカムピン６，７が挿通されている。取付
案内金物４に枢動自在にヒンジピン８ａ，８ｂを
介してアクチユエータ２０が取りつけられてい
る。アクチユエータ２０のピストンロツド２１の
先端部にカムレバー５のアーム５ａが回動自在に
ピン９で連結され、ピストン２２及びピストンロ
ツド２１の往復動によつてカムレバー５がカム溝
４ｂに案内されて取付案内金物４の挾間案内溝４
ａを摺動移動する。アクチユエータ２０の内径部
には、摺動自在にピストン２２が嵌合している。
ピストン２２は、ピストンロツド２１にナツト２
３で一体化されて流体圧室２０ａ及び２０ｂが画
成されている。シリンダふた２４は、ボルト２５
でアクチユエータ２０のシリンダに一体固定化さ
れている。

燃料の上部ノズル１に、締結装置１０を取付け
る場合は、第４図の如くアクチユエータ２０流体
圧室２０ａに圧力流体供給口２６から圧力流体を
供給してカムレバー５を取付案内金物４のカム溝
４ｂにそつて後退させた状態で取付ける。

これは、燃料の上部ノズル１の締付部には、干
渉部材１ａがあり、狭隘となつているためで、例
えば第３図のようにカムレバー５が前進した状態
のまゝでは、燃料の上部ノズル１の前述狭隘締付
部に吊上げ工具２を遠隔取付けることは困難であ
る。第４図の如くカムレバー５が後退した状態
で、燃料の上部ノズル１に吊上げ工具２を取付け
セツトした状態で、アクチユエータ２０の流体圧
室２０ｂに圧力流体供給口２７から圧力流体を供
給してカムレバー５を取付案内金物４のカム溝４
ｂにそつて前進させるとカムレバー５と一体化し
たカムピン７が取付案内金物４のカム溝４ｂの下
段部から離脱するまでは、カムレバー５は平行移
動する。このため、燃料の上部ノズル１の干渉部
材１ａには当らない。第３図の状態では、カムレ
バー５と一体化したカムピン６が、カム溝４ｂの
最終端Ｘ部に当接していない状態で締付け作用は
発生していない。この状態から圧力流体を流体圧
室２０ｂに供給し続けると、カムピン６がカム溝
４ｂの最終端Ｘ部に当接し、第２図の如くなる。

この状態では、第２図に示すように、カムピン
７は、カム溝４ｂの中間位置にあり、カムレバー
５がテコ作用によつて水平となり、先端の爪５ｂ
が、ノズル１にひつかかる。又締付け作用を解放
する場合は、流体圧室２０ａに圧力流体を供給す
ると、カム溝４ｂの中間部Ｙからカムピン６がピ
ストンロツド２１の駆動によつて外れるまでは、
カムレバー５の爪５ｂがテコ作用によつて第３図
の如く締付部材１ｂから離脱した状態になる。そ
れからは圧力流体を流体圧室２０ａに供給し続け
ると、カム溝４ｂに案内ピン６，７が案内摺動さ
れ第４図の如き状態になる。

〔考案の効果〕

本考案の締結装置によれば、カム溝によつて案
内されて作動するカムレバーが、被取扱物の上方
側部から挿入されるので、内部の構造物に妨げら
れずに被取扱物をつかむことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の平面図、第２図
は、前記実施例の立断面図、第３図及び第４図は
前記実施例の作用説明図である。 １……上部ノズル、４……取付金物、１０……
締結装置、２０……アクチユエータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部ノズルを有する原子炉用燃料集合体に連結
   されるものにおいて、前記上部ノズルの側面に接
   触される匡枠を備えた取付枠、該取付枠に枢着さ
   れ水平方向にのびたアクチユエータ、該取付枠に
   一体的に形成され水平方向にのびた段付カム溝、
   該アクチユエータのピストンロツドに連結される
   と共に該カム溝に案内されて水平方向に移動され
   る揺動カムレバーを有してなり、該カムレバーの
   先端の爪が、前記匡枠の開口を通つて前記上部ノ
   ズルの開口に係合することを特徴とする原子炉用
   燃料集合体の締結装置。