JPH04303477A - 打撃具およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は野球バット、ゴルフクラ
ブ等の打撃具およびその製造方法に関し、更に詳しくは
、打撃具本体が中空金属からなる打撃具およびその製造
方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、中空金属製の野球バットやク
ラブヘッド本体を中空金属製としたゴルフクラブ、中空
金属製ハンマー等の打撃具が用いられている。この種の
打撃具は重量増を抑えつつ木製のものに比べて打撃面を
硬くできるので、打球時或いは釘等の叩打時にボール、
釘等の反発係数を高めることができる。したがって、打
球具にあってはボールの飛距離を延ばすことができ、ハ
ンマー等にあっては釘等の打込み作業を能率よく行うこ
とができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、中空金
属製の打撃具、特に野球バットや中空金属製のクラブヘ
ッド本体等の打球具は、ボール打撃時に耳ざわりな高音
域の打撃音が生じ、使用者の聴覚傷害の原因になるとい
われている。

【０００４】近年、中空金属製の野球バット本体の中空
部や中空金属製のクラブヘッド本体の中空部を発泡材の
コアで埋めたものが提案されているが、消音効果の点で
は不十分であった。

【０００５】したがって、本発明の目的は消音効果の高
い打撃具とその製造方法を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、請求項１に記載の打撃具は、中空金属製
の打撃具本体の内面に衝撃吸収用粘性材層を設けたこと
を特徴としている。

【０００７】上記構成の打撃具においては、粘性材層が
特に打撃振動の高周波成分に対する吸収性に優れている
ことから、中空金属製打撃具本体による打球音のうち特
に聴覚傷害の原因になると言われている高音域成分を吸
収することができる。

【０００８】前記衝撃吸収用粘性材層としては、その粘
性度を示す針入度が１００〜３００の材料、例えば高粘
性アスファルトを用いて、０．５〜５ｍｍの厚さに形成
することが好ましい。

【０００９】夏期の炎天下での使用等、打撃具が高温下
に晒されたときの前記粘性材層のだれを防止するために
、その表面を弾性塗料の塗膜で被覆するか、或いは、前
記粘性材層の内側の前記打撃具本体の中空部内に弾性発
泡材のコアを設けることが好ましい。

【００１０】また、請求項５に記載の製造方法は、中空
金属製の打撃具本体内に水溶性の衝撃吸収用粘性材を注
入し、打撃具本体を回転若しくは振動させながら加熱し
水分を蒸発させることにより、打撃具本体の内面に衝撃
吸収用粘性材層を塗着形成することを特徴としている。

【００１１】上記構成の製造方法によれば容易に打撃具
本体の内面に粘性材層をほぼ均一厚さに形成することが
できる。また、水溶性粘性材を用いるので作業環境が良
好であり、火災等の危険性がなく安全に打撃具を製造す
ることができる。

【００１２】更に、請求項６に記載の製造方法は、中空
金属製の打撃具本体を回転若しくは振動させながら打撃
具本体の内面に向けて衝撃吸収用粘性材を噴射すること
により、打撃具本体の内面に衝撃吸収用粘性材層を塗着
形成することを特徴としている。

【００１３】上記構成の製造方法においても、容易に打
撃具本体の内面に粘性材層をほぼ均一厚さに形成するこ
とができる。

【００１４】前記各製造方法において、前記粘性材層の
だれ防止のために、前記粘性材層を塗着形成した後、前
記粘性材層の表面に弾性塗料の塗膜を被覆形成するか、
或いは、前記打撃具本体の中空部内で弾性発泡材を発泡
成形することにより、打撃具本体の中空部内に弾性発泡
材のコアを形成することが好ましい。

【００１５】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。

【００１６】図１および図２は本発明を野球バットに適
用した場合の一実施例を示したものである。これらの図
を参照すると、バット本体１０は例えばアルミニウム、
ジュラルミン等の金属からなる中空金属構造を有してい
る。図２に示すように、バット本体１０の内面には衝撃
吸収用粘性材層として、針入度が１００〜３００の高粘
性アスファルト層１１が０．５〜５ｍｍの範囲内のほぼ
均一厚さに形成されており、更に、夏期の炎天下での使
用等、ゴルフクラブヘッドが高温下に晒されたときの粘
性材層１１のだれを防止するため、粘性材層１１の表面
は弾性塗料１２の塗膜で被覆されている。弾性塗料１２
としては例えば株式会社昭和シェル石油製「プレガード
（商品名）」を用いることができる。なお、粘性材層１
１はバット本体１０の内面全体にわたり形成しても良い
が、スイートスポットを中心とした領域に部分的に形成
してもよい。また、バット本体１０の内部には補強用リ
ブを形成しても良い。

【００１７】上記構成のバットにおいては、高粘性アス
ファルト層１１が特に打撃振動の高周波成分に対する吸
収性に優れていることから、中空金属製バット本体１０
による打球音のうち特に聴覚傷害の原因になると言われ
ている高音域成分を効果的に吸収することができる。

【００１８】図３は本発明を野球バットに適用した場合
の他の実施例を示したものである。この実施例では、高
粘性アスファルト層１１のだれを防止するために、高粘
性アスファルト層１１の表面に密着して中空金属製バッ
ト本体１０の中空部内に例えば発泡ウレタンゴム等の弾
性発泡材コア１３が発泡成形により形成されている。

【００１９】図４および図５はそれぞれ上記構成の野球
バットの製造方法における高粘性アスファルト層１１の
形成工程を示したものである。

【００２０】図４に示す方法は遠心成膜法を応用したも
ので、中空金属製のバット本体１０内に水溶性のエマル
ジョン系高粘性アスファルト１１ａを注入し、バット本
体１０を回転させながら加熱し水分を蒸発させることに
より、バット本体１０の内面に高粘性アスファルト層１
１を塗着形成する。なお、高粘性アスファルト層１１を
バット本体１０の例えば内面全体に形成する場合等にお
いては、バット本体の回転時の傾斜角度を適宜に調整す
ることが望ましい。

【００２１】上記方法によれば容易にバット本体１０の
内面に高粘性アスファルト層１１をほぼ均一厚さに形成
することができる。また、水溶性アスファルト１１ａを
用いるので作業環境が良好であり、火災等の危険性がな
く安全にアスファルト層１１を形成することができる。

【００２２】図５に示す方法は吹付成膜法を応用したも
ので、中空金属製のバット本体１０を回転させながら、
且つ、バット本体１０内に挿入した噴射ノズル１４を移
動させながら、高温溶融状態の高粘性アスファルト１１
ａを該噴射ノズル１４からバット本体１１の内面に向け
て噴射することにより、バット本体１０の内面に高粘性
アスファルト層１１を塗着形成する。バット本体１０の
回転および噴射ノズル１４の移動により、バット本体１
０の内面に高粘性アスファルト層１１をほぼ均一厚さに
形成することができる。

【００２３】その後、例えば図５に示した吹付成膜法と
類似した方法で中空金属製のバット本体１０を回転させ
ながら、且つ、バット本体１０内に挿入した噴射ノズル
１４を移動させながら、弾性塗料１２を噴射ノズル１４
からバット本体１１の内面に向けて噴射することにより
、図２に示すように高粘性アスファルト層１１の表面に
弾性塗料１２の塗膜を形成するか、或いは、バット本体
１０の中空部内で弾性発泡材を発泡成形することにより
、図３に示すようにバット本体１０の中空部内に弾性発
泡材コア１２を形成することができる。

【００２４】図６は本発明をゴルフクラブヘッドに適用
した場合の一実施例を示したものである。この図を参照
すると、ヘッド本体２０は例えばステンレス鋼、ジュラ
ルミン等の金属からなる中空金属構造を有している。ヘ
ッド本体２０の内面には衝撃吸収用粘性材層として、針
入度が１００〜３００の高粘性アスファルト層２１が０
．５〜５ｍｍの範囲内のほぼ均一厚さに形成されており
、更に、夏期の炎天下での使用等、ゴルフクラブヘッド
が高温下に晒されたときの粘性材層２１のだれを防止す
るため、粘性材層２１の表面は前記プレガード（商品名
）等の弾性塗料２２の塗膜で被覆されている。なお、粘
性材層２１はヘッド本体２０の内面全体にわたり形成し
ても良いが、スイートスポットを中心としたフェースの
裏側領域に部分的に形成してもよい。また、ヘッド本体
２０の内部には補強用リブを形成しても良い。

【００２５】上記構成のゴルフクラブヘッドにおいては
、高粘性アスファルト層２１が、中空金属製ヘッド本体
２０による打球音のうち特に聴覚傷害の原因になると言
われている高音域成分を効果的に吸収することができる
。

【００２６】図７は本発明をゴルフクラブヘッドに適用
した場合の他の実施例を示したものである。この実施例
では、高粘性アスファルト層２１のだれを防止するため
に、高粘性アスファルト層２１の表面に密着して中空金
属製ヘッド本体２０の中空部内に例えば発泡ウレタンゴ
ム等の弾性発泡材コア２３が発泡成形により形成されて
いる。

【００２７】図８および図９はそれぞれ上記構成のゴル
フクラブヘッドの製造方法における高粘性アスファルト
層２１の形成工程を示したものである。

【００２８】図８に示す方法は遠心成膜法を応用したも
ので、中空金属製のヘッド本体２０内に水溶性のエマル
ジョン系高粘性アスファルト２１ａを注入し、ヘッド本
体２０を回転若しくは振動させながら加熱し水分を蒸発
させることにより、ヘッド本体２０の内面に高粘性アス
ファルト層２１を塗着形成する。

【００２９】上記方法によれば容易にヘッド本体２０の
内面に高粘性アスファルト層２１をほぼ均一厚さに形成
することができる。また、水溶性高粘性アスファルト２
１ａを用いるので作業環境が良好であり、火災等の危険
性がなく安全にアスファルト層２１を形成することがで
きる。

【００３０】図９に示す方法は吹付成膜法を応用したも
ので、中空金属製のヘッド本体２０を回転若しくは振動
させながら、且つ、ヘッド本体２０内に挿入した噴射ノ
ズル２４を移動させながら、高温溶融状態の水溶性高粘
性アスファルト２１ａを噴射ノズル２４からヘッド本体
２１の内面に向けて噴射することにより、ヘッド本体２
０の内面に高粘性アスファルト層２１を塗着形成する。 ヘッド本体２０の回転および噴射ノズル２４の移動によ
り、ヘッド本体２０の内面に高粘性アスファルト層２１
をほぼ均一厚さに形成することができる。

【００３１】その後、例えば図９に示した吹付成膜法と
類似した方法で中空金属製のヘッド本体２０を回転若し
くは振動させながら、且つ、ヘッド本体１０内に挿入し
た噴射ノズル１４を移動させながら、弾性塗料１２を該
噴射ノズル１４からバット本体１１の内面に向けて噴射
することにより、図６に示すように高粘性アスファルト
層２１の表面に弾性塗料２２の塗膜を形成するか、或い
は、ヘッド本体２０の中空部内で弾性発泡材を発泡成形
することにより、図７に示すようにヘッド本体２０の中
空部内に弾性発泡材コア２２を形成することができる。

【００３２】以上、図示実施例につき説明したが、本発
明は上記実施例の態様のみに限定されるものではなく、
特許請求の範囲に記載した発明の範囲内においてその構
成要素に種々の変更を加えることができる。例えば、上
記実施例では、高粘性アスファルト層のだれを防止する
ための手段として、弾性塗料の塗膜および弾性発泡材コ
アを選択的に用いたが、高粘性アスファルト層の表面に
弾性塗料の塗膜を形成し更に中空金属製打撃具本体の内
部に弾性発泡材コアを設けてもよい。また、弾性塗料や
弾性発泡材コアの代わりに、打撃具本体内に例えば内部
を加圧した弾性体密封チューブを挿着してもよい。更に
、野球バットやゴルフクラブヘッド等の打球具以外の例
えばハンマー等であっても、中空金属製の打撃具本体を
有するものであれば同様に本発明構成を適用して優れた
消音効果を奏し得ることは明かである。

【００３３】

【発明の効果】以上の説明から明かなように、本発明に
よれば、金属製打撃具本体の内面に設けた衝撃吸収用粘
性材層によりボール等打撃時の衝撃振動音をよく吸収す
ることができるので、消音効果の高い打撃具を提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】　　本発明の一実施例を示す野球バットの斜視
図。

【図２】　　図１に示す野球バットの図１中２−２線に
沿った断面図。

【図３】　　本発明の他の実施例を示す野球バットの断
面図。

【図４】　　野球バット内面への高粘性アスファルト層
の形成工程に一例を示す断面図。

【図５】　　野球バット内面への高粘性アスファルト層
の形成工程の他の例を示す断面図。

【図６】　　本発明の他の実施例を示すゴルフクラブヘ
ッドの断面図。

【図７】　　本発明の更に他の実施例を示すゴルフクラ
ブヘッドの断面図。

【図８】　　ヘッド本体内面への高粘性アスファルト層
の形成工程の一例を示す断面図。

【図９】　　ヘッド本体内面への高粘性アスファルト層
の形成工程の変形例を示す断面図。

【符合の説明】１０　　　　バット本体（打撃具本体）
１１　　　　高粘性アスファルト層（粘性材層）１２　
　　　弾性塗料 １３　　　　弾性発泡材コア １４　　　　噴射ノズル ２０　　　　ヘッド本体（打撃具本体）２１　　　　高
粘性アスファルト層（粘性材層）２２　　　　弾性塗料 ２３　　　　弾性発泡材コア ２４　　　　噴射ノズル

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　中空金属製の打撃具本体の内面に衝撃
   吸収用粘性材層を設けたことを特徴とする打撃具。
2. 【請求項２】　　前記粘性材層が高粘性アスファルトで
   ある請求項１に記載の打撃具。
3. 【請求項３】　　前記粘性材層の表面を弾性塗料の塗膜
   で被覆した請求項１に記載の打撃具。
4. 【請求項４】　　前記粘性材層の内側の前記打撃具本体
   の中空部内に弾性発泡材のコアを設けた請求項１に記載
   の打撃具。
5. 【請求項５】　　中空金属製の打撃具本体内に水溶性の
   衝撃吸収用粘性材を注入し、打撃具本体を回転若しくは
   振動させながら加熱し水分を蒸発させることにより、打
   撃具本体の内面に衝撃吸収用粘性材層を塗着形成するこ
   とを特徴とする打撃具の製造方法。
6. 【請求項６】　　中空金属製の打撃具本体を回転若しく
   は振動させながら打撃具本体の内面に向けて衝撃吸収用
   粘性材を噴射することにより、打撃具本体の内面に衝撃
   吸収用粘性材層を塗着形成することを特徴とする打撃具
   の製造方法。
7. 【請求項７】　　前記粘性材層を塗着形成した後、打撃
   具本体を回転若しくは振動させながら前記粘性材層の表
   面に向けて弾性塗料を噴射することにより、前記粘性材
   層の表面に弾性塗料の塗膜を被覆形成することを特徴と
   する請求項５又は６に記載の打撃具の製造方法。
8. 【請求項８】　　前記粘性材層を塗着形成した後、前記
   打撃具本体の中空部内で弾性発泡材を発泡成形すること
   により、打撃具本体の中空部内に弾性発泡材のコアを形
   成することを特徴とする請求項５又は６に記載の打撃具
   の製造方法。