JPH0528361U - ゴルフクラブヘツド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ボデイの前面には、打撃プレートとボデイ表
面との間にサンドイッチされた粘弾性層を介して打撃プ
レートが取り付けられる。サンドイッチされた粘弾性層
は、０.１mmから０.５mmの厚さで、大気温での減衰率が
０.４から１.２の間にある薄い粘弾性シートである。 【効果】 インパクトの中心がずれていても、ドライバ
ーの飛距離は落ちない。ボールがあたっている間、プレ
イヤーによって経験される感覚は変化がなく、従って、
プレイヤーは打つことに習熟することができる。加え
て、ボールを打つことによって発生する振動が効果的に
吸収され、プレイヤーに快適さを保証する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、新規なゴルフクラブのヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

ゴルフクラブのヘッドは、ウッド、アイアンまたはパターであるかどうかにか かわらず、通常は、金属的な表面を持ったボデイを具備している。打撃表面は、 ネジ、溶接あるいは類似の手段によってウッドと呼ばれるクラブに取り付けられ ている。

【０００３】 ウッド、アイアンまたはパターであるかどうかにかかわらず、ボデイと打撃プ レートまたは打撃表面とは、異種の材質か同種の材質で構成されるか、あるいは 複合的に構成されてもよい。

【０００４】 アメリカ合衆国第４８８４８１２号特許は、打撃表面にボールがあたっている 間にボールに対する運動エネルギーの伝達を向上させるために、打撃プレートと アイアンのボデイとの間にある厚さを持った弾性ストリップを挟むことを提案し ている。

【０００５】

【考案が解決しようとする問題点】

しかし、この設計では、正確さが低下するだけでなく、ボールの初速および効 率が低下するために、インパクト時に発生するエネルギーを吸収してしまうとい う欠点がある。他方、打撃プレートの局部的かつ限定的なインパクトの歪が発生 するという問題がある。

【０００６】 アメリカ合衆国第２０３４９３６号および同第３９７５０２３号特許明細書に も、クラブヘッドのボデイと打撃プレートとの間に実質的な厚さをもった弾力性 のあるゴムまたはプラスチック層を介在させることが開示されている。しかしな がら、これらの設計も、上記した問題点と同じ問題点をはらんでいる。

【０００７】 本考案の目的は、上記した問題点を解決することである。従来のクラブヘッド で達成し得る飛距離を維持しかつプレイヤーが感じるフィーリングを同じにして 、インパクト時の力を低下させないで、インパクト時に中心を外れた場合の歪を 減らしかつそれによってアマチュアにとっても使いやすいゴルフクラブヘッドを 提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案にかかるクラブヘッドは、打撃プレートを取り付ける前面を備えたボデ イを具備している。このボデイの前面には、打撃プレートとボデイ前面との間に サンドイッチされた弾性層を介して打撃プレートが取り付けられる。サンドイッ チされた弾性層は、０.１ｍｍから０.５ｍｍの厚さで、大気温での減衰率が０. ４から１.２の間にある薄い粘弾性シートである。

【０００９】

【作用】

減衰率が１.２以上の場合、ボールのインパクト時にうけるエネルギーは、吸 収され過ぎるし、それゆえに効率は低下する。また減衰率が０.４以下の場合、 粘性効果は無視し得る。すでに述べたように、使用される粘弾性材料は、ゴルフ クラブが通常用いられる温度、特に大気温の近辺で最適の特性を示す。また粘弾 性シートの厚さが０.１ｍｍ未満の場合には、その効果は極めて小さいものとな る。他方、その厚さが０.５ｍｍを越えると、効率が低下し、さらには、ゴルフ ボールのインパクトによって表面の劣化を来す。シートの厚さは、約０.３ｍｍ でよい結果が得られる。

【００１０】

【実施例】

本考案のゴルフクラブヘッドの他の目的および特徴については、以下のように 、本考案の好ましい実施例の添付図面に関連して述べる。

【００１１】 図１は、本考案のウッドのヘッドの図式的な部分分解組立斜視図である。図２ は、図１のＩＩーＩＩ線に沿う図式的な部分断面図である。図３は、図２に図示 された打撃プレートの構造の拡大詳細断面図である。図４および図５は、それぞ れ本考案の粘弾性シート部材の二つの実施例を示すものである。図６は、本考案 の複合アイアンゴルフクラブヘッドの図式的な部分断面図である。図７は、図式 的に示したウッドボデイと金属打撃プレートとの間にサンドイッチされた粘弾性 シートを具備した本考案のゴルフクラブヘッドの部分的図式的断面図である。粘 弾性シートは、端部よりも中心で薄くするなどのように厚さを変化させてもよい 。

【００１２】 図１において、符号１はウッドのヘッドである。このヘッド１は、一般的に、 木、樹脂または金属などで形成されるボデイ２を具備している。このボデイ２は 、図示しないシャフトに連結されるとともに、カラー７を具備している。ボデイ ２の上面は、実質的に平坦で、多少傾斜している前面３には、ボデイ２に対して 、ネジ５、接着剤あるいはそのような公知の手段で金属打撃プレート４が取り付 けられるようになっている。

【００１３】 打撃プレート４は、公知の材料で、好ましくは金属で構成され、一般的には公 知の方法で水平に溝が形成されている。

【００１４】 本考案によれば、図３により詳細に示すように、粘弾性シート１０は、たとえ ばＩＳＯ １１２または１１３として３Ｍによって販売された、約０.１mmの厚 さの薄いアクリル接着層を両面１１、１２に塗布した約０.３mmの粘弾性シート である。この粘弾性シート１０は、正面の平坦な前面３と打撃プレート４の後面 ６との間にサンドイッチされている。通常、タンジェントδで表わされる２５゜ Ｃにおけるその減衰率は、０.４から１.２の範囲であるが、好ましくは０.６か ら０.８の間である。

【００１５】 実際には、粘弾性シート１０は、ウッドゴルフクラブヘッド１のボデイ２の前 面３上にその接着層１２によって接着されている。打撃プレート４の反対側の後 面６は、外側の接着層１１によって接着されている。

【００１６】 粘弾性材料は、エネルギーが熱となって逃げることにより振幅の大きさを抑制 する。この粘弾性ショックアブソーバー１０は、主として低いヤング係数および 高い減衰率によって特徴づけられ、かつ航空機、自動車およびスキーの分野で広 く用いられている。したがって、それらをここでは詳細には記載しない。本考案 で用いられている粘弾性材料の本質的特徴は、固有の減衰率が０.４から１.２の 範囲にあることである。これが１.２以上の場合、ボールのインパクト時にうけ るエネルギーは、吸収され過ぎるし、それゆえに効率は低下する。またこれが０ .４以下の場合、粘性効果は無視し得る。すでに述べたように、使用される粘弾 性材料は、ゴルフクラブが通常用いられる温度、特に大気温の近辺で最適の特性 を示す。

【００１７】 粘弾性シート１０は、厚さが０.５ｍｍ以下で、好ましくは０.１ｍｍから０. ５ｍｍの厚さでなければならないことが見いだされた。厚さが０.１ｍｍ未満の 場合には、その効果は極めて小さいものとなる。他方、その厚さが０.５ｍｍを 越えると、効率が低下し、さらには、ゴルフボールのインパクトによって表面の 劣化を来す。シートの厚さは、約０.３ｍｍでよい結果が得られる。

【００１８】 粘弾性シート１０としては、たとえばスキーに使用されているような粘弾性材 料が用いられる。 これらの材料としては、ブチルゴムや合成エストラマなどで、それらが単独で用 いられたり混合して用いられたりあるいはフィラーを充填して用いられたりする 。

【００１９】 この特性を有する粘弾性シート１０は、接着層１１・１２によって打撃プレー ト４およびこれに対応するボデイ前面３に接着される。実際には、粘弾性シート １０は、外側のボデイ前面と打撃プレートの後面とにうまく取り付けることがで きるように、両面に接着剤が塗布されている。

【００２０】 一方、この粘弾性シート１０は、一般的には実質上一定の厚さで、その厚さは たとえば約０.３ｍｍである。この粘弾性シート１０は、より薄い粘弾性シート １０を積層したものも含む。この積層体の最適の減衰特性は、ある任意の振動周 波数に対して温度オフセット（temperature-offset）であるか、ある任意の温度 に対して周波数オフセット（frequency-offset）である。図示したように、一枚 の粘弾性シート１０は、１５°Ｃで最適の減衰率を示し、また３０°Ｃで別の最 適の減衰率を示す。その結果、粘弾性シートの積層体の減衰率は、ゴルフクラブ が通常用いられる温度範囲よりもより広い温度範囲以上での最適値または最適値 に近い値を示す。

【００２１】 図４に示すように、粘弾性シート２０は、それぞれが最適の減衰特性を示すゾ ーン２１、２２、２３を併置したものを含む。これらの減衰特性は、たとえば端 部２１、２３は同じで中心２２が異なり、ある振動周波数に対して温度オフセッ ト（temperature-offset）である。

【００２２】 図５に示す実施例において、二つのゾーン２５、２６は軸を共有し、かつ中心 ゾーン２６は、いかなる粘弾性材料も含まない。

【００２３】 図６は、本考案の複合アイアンを示すもので、その表面に打撃プレート３１を 持った複合ボデイ３０を具備している。図１に示すものと同じ材料で、厚さが約 ０.３ｍｍの薄い粘弾性シート３２は、ボデイ３０の前面３３と打撃プレート３ １との間にサンドイッチされている。アイアンは、クラブヘッドのヒールの側面 に、シャフトに連結されるホーゼルを具備している。

【００２４】 一般に粘弾性シート１０の厚さは一定であるけれども、この厚さは、たとえば 凹状や凸状あるいはウエッジのようなＶ字形のように可変であってもよい。

【００２５】 ボールの衝突中心の近くで、厚さが本考案の範囲内であるように、また衝突中 心から遠ざかるにつれて厚さが厚くなるように、厚さを変化させたシートを使用 することも可能である（図７参照）。この場合、ゴルフボールが中心を外れて衝 突すると、力が弱められ、それゆえに弾道がおかしくなることに起因するペナル テイを減らすこともできる。

【００２６】

【考案の効果】

サンドイッチされた望ましい粘弾性シートによって、本考案のゴルフクラブは 、いままで市販されたクラブ以上の多くの利点を提供する。特に、本考案の設計 によれば、ヒットの中心あるいはインパクトの中心がずれていても、ドライバー の飛距離は落ちない。ボールがあたっている間、プレイヤーによって経験される 感覚は変化がなく、従って、プレイヤーは打つことに習熟することができる。加 えて、ボールを打つことによって発生する振動が効果的に吸収され、プレイヤー に快適さを保証する。本考案は、金属打撃プレートを持つウッドの生産に特に適 している。 また、減衰率が１.２以上の場合、ボールのインパクト時にうけるエネルギー は、吸収され過ぎるし、それゆえに効率は低下する。また減衰率が０.４以下の 場合、粘性効果は無視し得る。また粘弾性シートの厚さが０.１ｍｍ未満の場合 には、その効果は極めて小さいものとなる。他方、その厚さが０.５ｍｍを越え ると、効率が低下し、さらには、ゴルフボールのインパクトによって表面の劣化 を来す。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のウッドのヘッドの図式的な部分分解組
立斜視図である。

【図２】図１のＩＩーＩＩ線に沿う図式的な部分断面図
である。

【図３】図２に図示された打撃プレートの構造の拡大詳
細断面図である。

【図４】本考案の粘弾性シート部材の他の実施例を示す
ものである。

【図５】本考案の粘弾性シート部材の他の実施例を示す
ものである。

【図６】本考案の複合アイアンゴルフクラブヘッドの図
式的な部分断面図である。

【図７】図式的に示したウッドボデイと金属打撃プレー
トとの間にサンドイッチされた粘弾性シートを具備した
本考案のゴルフクラブヘッドの部分的図式的断面図であ
る。

【符号の説明】

１ ウッドのヘッド ２ ボデイ ３ 前面 ４ 打撃プレート １０ 粘弾性シート ２０ 粘弾性シート ３０ ボデイ ３１ 打撃プレート ３２ 粘弾性シート ３３ 前面

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 実質的に平坦なクラブフェイス前面を持
   ったボデイと、クラブフェイス前面に取り付けられ、溝
   が形成された打撃プレートと、クラブフェイス前面と打
   撃プレートとの間に挟まれた弾性層とを具備し、前記弾
   性層は０.１ｍｍから０.５ｍｍの範囲の厚さを有し、か
   つ大気温で０.４から１.２の範囲の減衰率を有する粘弾
   性シートであるゴルフクラブヘッド。
2. 【請求項２】 前記打撃プレートと粘弾性層とクラブフ
   ェイス前面は、それぞれ互いに接着して取り付けられて
   いる請求項１に記載されたゴルフクラブヘッド。
3. 【請求項３】 前記粘弾性シートは異なった減衰特性を
   もった複数の粘弾性シートを含み、それらの減衰特性は
   ある任意の振動周波数に対して温度オフセット（temper
   ature offset）であり、またはある任意の温度では振動
   周波数オフセット（vibration frequency offset）であ
   る請求項１に記載されたゴルフクラブヘッド。
4. 【請求項４】 前記粘弾性シートは複数の隣接するゾー
   ンを有し、このゾーンのいくつかは少なくとも異なった
   減衰特性を有している請求項１に記載されたゴルフクラ
   ブヘッド。
5. 【請求項５】 前記ゾーンの少なくともいくつかは異な
   った減衰特性を有し、それらの減衰特性は、ある任意の
   振動周波数において温度オフセット（temperーature of
   fset）であり、ある任意の温度では振動周波数オフセッ
   ト（vibratioーn frequency offset）である請求項４に
   記載されたゴルフクラブヘッド。
6. 【請求項６】 前記粘弾性シートは、その領域全部にわ
   たって実質的に同一の厚さである請求項１に記載された
   ゴルフクラブヘッド。
7. 【請求項７】 前記粘弾性シートの厚さは、その領域の
   異なった部分で変化する請求項１に記載されたゴルフク
   ラブヘッド。
8. 【請求項８】 ボデイとしてウッドを含む請求項１に記
   載されたゴルフクラブヘッド。
9. 【請求項９】 ボデイとして金属を含む請求項１に記載
   されたゴルフクラブヘッド。