JPH04299991A - アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドおよびその製造           法 - Google Patents

アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドおよびその製造           法

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JPH04299991A
JPH04299991A JP3063514A JP6351491A JPH04299991A JP H04299991 A JPH04299991 A JP H04299991A JP 3063514 A JP3063514 A JP 3063514A JP 6351491 A JP6351491 A JP 6351491A JP H04299991 A JPH04299991 A JP H04299991A
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peptide
ace
weight
soybean protein
inhibitory activity
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Tomohiro Shimomura
下村 友広
Mikio Yamada
山田 巳喜男
Masakatsu Asakura
正克 朝倉
Kichiya Kawamura
川村 吉也
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Nakano Vinegar Co Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大豆蛋白を原料として
得られるアンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドおよび
その製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】高血圧の90%を占めるといわれている
本態性高血圧にアンジオテンシン変換酵素(以下「AC
E」という)の阻害剤が効果的であることが明かにされ
、降圧剤としてACE阻害剤であるカプトプリル、エナ
ラプリルなどが開発されてきた。近年、食品各種にもA
CE阻害作用が見いだされ、これらACE阻害作用の原
因物質としてACE阻害ペプチドが数多く報告されるよ
うになった。そして、安全性の高い食品原料由来のAC
E阻害ペプチドを経口投与し高血圧を予防するという観
点から、食品蛋白を蛋白分解酵素で分解しACE阻害ペ
プチドを生成するという試みがなされてきた。
【0003】食品蛋白のうち安定して安価に供給される
大豆蛋白からも蛋白分解酵素で分解しACE阻害ペプチ
ドを得ることが行われている。例えば、大豆蛋白のペプ
シン分解物中より4種類のACE阻害ペプチドが単離さ
れ研究されている(化学と生物Vol.27, No.
12,P766−768,1989)。しかし、食品蛋
白を蛋白分解酵素で分解して得られるペプチドのACE
阻害作用は、ACE阻害作用を有する限られた小数の種
類のペプチドによるものではなく、ACE阻害作用を有
する多種類のペプチドによるものである。このため、1
種当たりの含量が少ない特定のACE阻害作用を有する
ペプチドを単離して使用するよりも、蛋白分解酵素によ
り生成したペプチド混合物をそのままACE阻害ペプチ
ドとして高血圧予防に利用することが望ましい。大豆蛋
白を原料としてACE阻害ペプチドを製造する場合にお
いても、ペプチド混合物が強いACE阻害作用を有し、
かつ高い回収率で得られる製造法が望まれるのである。
【0004】大豆蛋白からACE阻害ペプチドを得る方
法としては、例えば、大豆蛋白を特定の酵素(バチルス
属細菌由来のセリンプロテアーゼ、バチルス属細菌由来
の金属プロテアーゼ、植物由来のチオールプロテアーゼ
)を用いた加水分解物で分子量 300〜1,500 
のペプチドの含有量が40重量%以上である加水分解物
を得る方法(特開昭62−169732)がある。また
、大豆蛋白の各市販蛋白分解酵素製剤による加水分解物
のACE阻害活性を測定しブロメラインF(天野製薬株
式会社製)、ビオプラーゼPN4(ナガセ生化学工業株
式会社製)、プロチンPC10(大和化成株式会社製)
で良好な結果を得たという報告(信州大学農学部紀要 
 第26巻第1・2号,P13−19,  1990)
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これまで知ら
れた上記のペプチドは、ACE阻害活性が高いもののペ
プチド回収率が低かったり、ペプチド回収率が高いもの
のACE阻害活性が低いなど、高いACE阻害活性と高
いペプチド回収率が両立していなかった。また、食品蛋
白分解物のACE阻害ペプチドはカプトプリルなどの降
圧剤に比べ活性が低く高血圧予防のためには多量の摂取
を必要とするため、より高いACE阻害活性を有するペ
プチドが望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれら問題
点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、大豆蛋白を蛋白
分解酵素ブロメラインで蛋白分解率50重量%以上70
重量%以下となるように分解して得られるペプチドが高
いACE阻害活性を有しかつ高回収率で得られること、
二軸エクストルーダー(以下「エクストルーダー」とい
う)で処理した大豆蛋白を蛋白分解酵素ブロメラインで
蛋白分解率50重量%以上70重量%以下となるように
分解して得られるペプチドがさらに高いACE阻害活性
を有しかつ高回収率で得られることを見いだし本発明を
完成するに至った。
【0007】本発明で用いる大豆蛋白は、大豆より熱水
等で抽出して得られる豆乳、脱脂大豆、濃縮大豆蛋白、
分離大豆蛋白等を原料とすることができる。本発明で用
いるエクストルーダー処理した大豆蛋白は、上記大豆蛋
白原料固形分に対して水を20〜50重量%、好ましく
は30〜40重量%添加し、品温 110℃〜190 
℃、好ましくは 150〜190 ℃、圧力が20〜5
0kg/cm2 、好ましくは30〜40kg/cm2
 、滞留時間が5〜180 秒、好ましくは 120〜
180 秒、スクリュー回転数が80〜300rpm、
好ましくは 150〜250rpmに調整してエクスト
ルーダー処理したものでよい。
【0008】本発明では、大豆蛋白原料またはエクスト
ルーダー処理した大豆蛋白原料に蛋白分解酵素ブロメラ
インを作用させ蛋白分解率50重量%以上70重量%以
下となるように分解する。これら大豆蛋白を該分解率に
分解する方法は、一般的に蛋白分解酵素で食品蛋白を加
水分解する工程に用いられる方法でよい。条件は大豆蛋
白原料の種類により異なるが、一般的には蛋白濃度1〜
15重量%でよく、大豆蛋白原料をカッター等で細かく
切断しまたミル等で粉砕化し懸濁・溶解しやすくしても
よい。 蛋白分解酵素ブロメラインの添加量は力価にもよるが、
一般的には原料の大豆蛋白当たり1〜10重量%でよい
。 反応pHは6〜8でよい。反応温度は40〜70℃でよ
いが、特に滅菌工程を経ない場合には雑菌汚染および汚
染菌の産生する蛋白分解酵素による影響を防止するため
に50℃以上でなければならない。pHの調整には食品
に適した酸やアルカリを用いればよい。反応時間は10
分〜24時間でよい。蛋白分解酵素の反応を停止するに
は、加熱処理により蛋白分解酵素を失活させればよい。 このとき、食品に適した酸またはアルカリによりpHを
調整後、加熱処理を行ってもよい。
【0009】本発明は、このようにして大豆蛋白をブロ
メラインで蛋白分解率50重量%以上70重量%以下と
なるように分解して得られる分解液中のペプチド混合物
とエクストルーダー処理した大豆蛋白をブロメラインで
蛋白分解率50重量%以上70重量%以下となるように
分解して得られる分解液中のペプチド混合物であり、こ
れらペプチド混合物が強いACE阻害活性を有し、高回
収率で得られるというものである。エクストルーダー処
理すると大豆蛋白が変性し蛋白分解酵素の作用を受けや
すくなることはよく知られた事実であるが、大豆蛋白を
エクストルーダー処理することにより、その分解物であ
るペプチドのACE阻害活性が向上することは知られて
おらず、本発明において明らかになったものである。こ
の原因はまだ解明されていないが、エクストルーダー処
理によるなんらかの変化のため大豆蛋白のブロメライン
による切断部位が変化するためではないかと考えられる
。  本発明のACE阻害ペプチドを利用する場合、大
豆蛋白分解液をそのまま利用してもよいし、遠心分離ま
たは濾過により沈澱物を除去しペプチドを回収してもよ
い。また、沈澱物除去の際ペプチドの回収を容易にする
ために酸やエタノール等を添加してもよい。さらに、沈
澱物中に残存するペプチドを回収するために、沈澱物残
渣を懸濁し再び固液分離を行ってもよい。
【0010】
【実施例】以下、試験例および実施例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定さ
れるものではない。 〔試験例1〕市販豆乳(蛋白含量 3.7%)を各反応
温度に加温し、塩酸または水酸化ナトリウムで各反応p
Hに調整した。次に各蛋白分解酵素を各々添加し反応さ
せた。 蛋白分解酵素の添加量、反応時間は、適当な蛋白分解率
が得られるように調節した。
【0011】反応の停止は、塩酸または水酸化ナトリウ
ムにより反応液のpHを4.5とし100℃に10分間
加熱することにより行った。ここで各蛋白分解酵素によ
り得られた大豆蛋白分解液の蛋白分解率、ACE阻害活
性、ペプチド回収率を求めた。その結果を表1に示す。
【0012】
【表1】 表1に示すように、ブロメラインによって蛋白分解率5
0重量%以上70重量%以下となるように分解して得ら
れたペプチドは、他の蛋白分解酵素により得られたペプ
チドよりも、高ペプチド回収率で、かつ高いACE阻害
活性を有することがわかる。
【0013】表1のように幅広い蛋白分解率のペプチド
を得、ACE阻害活性、ペプチド回収率を同時に調べる
と、従来の方法( 特開昭62−169732)で選択
されたバチルス属細菌由来のセリンプロテアーゼ、バチ
ルス属細菌由来の金属プロテアーゼ、植物由来のチオー
ルプロテアーゼがACE阻害活性の高いペプチドを高回
収率で生成するわけではないこと、従来の方法では優れ
たACE阻害活性のペプチドを生成しなかったペプシン
によっても比較的高いACE阻害活性のペプチドが高回
収率で得られることがわかる。また、植物由来のチオー
ルプロテアーゼとしては最適とされていたパパインで得
られるペプチドは、ACE阻害活性が比較的高いものの
高回収率で得られないことがわかる。このように単に植
物由来のチオールプロテアーゼといっても起源によりA
CE阻害ペプチドの生成に適・不適があり、ACE阻害
ペプチドの生成に優れている蛋白分解酵素として植物プ
ロテアーゼを一括して選択することはできないのである
【0014】このように蛋白分解率を指標としペプチド
のACE阻害活性だけではなくペプチド回収率をも選択
の対象とすると、ACE阻害ペプチドの生成に最も効率
的な蛋白分解酵素としてブロメラインが選択されるので
ある。 〔試験例2〕フジプロR(分離大豆蛋白、不二製油株式
会社製)を5重量%となるように水に懸濁し60℃に加
熱した後、ブロメライン(ナカライテスク株式会社製)
を大豆蛋白当たり0.1〜30重量%添加し2時間反応
させた。次に100℃に10分間加熱しブロメラインを
失活させ、得られた大豆蛋白分解液の蛋白分解率、AC
E阻害活性、ペプチド回収率、ペプチドの分子量分布を
測定した。その結果を表2に示す。
【0015】
【表2】 表2に示すようにブロメラインによる蛋白分解率50〜
70重量%のとき得られるペプチドは、高ペプチド回収
率でかつ高いACE阻害活性を有することがわかる。こ
れらのペプチドの分子量分布を測定した結果、蛋白分解
率が23.6重量%である大豆蛋白分解液上清から得ら
れる加水分解物は分子量 300〜1,500 のペプ
チドの割合が40重量%以上であるが、それにもかかわ
らずACE阻害活性が低いことがわかる。また、蛋白分
解率が50重量%以上になると分子量 300〜1,5
00 のペプチドの割合が72〜82重量%と大きく変
化しないにもかかわらず、ACE阻害活性は著しく変化
することがわかる。したがって、従来の方法( 特開昭
62−169732)のようにACE阻害活性の高いペ
プチドを高回収率で生成しうる蛋白分解酵素を選択する
条件として単に加水分解物中の分子量300〜1,50
0 のペプチドの割合が40重量%以上であることのみ
を設定していたのではACE阻害活性の高いペプチドが
高回収率で得られる蛋白分解酵素としてブロメラインを
選択できないのであり、幅広い蛋白分解率におけるAC
E阻害活性、ペプチド回収率を調べた本発明において初
めてブロメラインを選択することができたのである。 〔試験例3〕本発明のブロメライン分解によって得られ
るACE阻害ペプチドが、従来の報告(信州大学農学部
紀要  第26巻第1・2号,P13−19,  19
90 )の中で良好な結果を得た大豆蛋白のブロメライ
ン分解物とは異なるものであることを説明するために以
下に試験結果を示す。
【0016】フジプロR(分離大豆蛋白、不二製油株式
会社製)を5重量%となるように0.2Mリン酸バッフ
ァー(pH7.2) に懸濁し37℃に加温し、ブロメ
ラインF(天野製薬株式会社製)を大豆蛋白当たり2重
量%添加し24時間反応させた後、ブロメラインを失活
させるために100℃に5分間加熱した。ここで得られ
た大豆蛋白分解液を遠心分離し上清をブロメライン分解
物溶液として得た(信州大学農学部紀要  第26巻第
1・2号,P13−19,  1990 の方法)。こ
こで得られた大豆蛋白分解液の分解率は76.2%で、
大豆蛋白の分解が過剰に進行しており本発明とは明らか
に異なっていた。
【0017】上清のブロメライン分解溶液は窒素濃度が
6,076ppmであり、報告に従いこの上清溶液をそ
のまま用いて報告に従ったACE阻害活性試験に供する
と報告と同様ACEを100%阻害した。これは報告中
のACE阻害活性試験が、本発明中でACE阻害活性測
定に用いているペプチド溶液のおよそ100倍以上とい
う高濃度のペプチド溶液を用いているためである。尚、
本発明中でのACE阻害活性測定に上記のブロメライン
分解物溶液を供したところID50は窒素濃度17pp
m であった。
【0018】上記の報告では大豆蛋白からブロメライン
等の蛋白分解酵素でペプチドを作成したものの、「蛋白
分解率」のように得られるペプチドの基準となるものが
なかったために望ましいACE阻害ペプチドの生成方法
が明確にできていなかったのである。本発明において、
ACE阻害活性の高いペプチドを高回収率で生成しうる
蛋白分解酵素の選択には、各蛋白分解酵素の幅広い蛋白
分解率におけるACE阻害活性とペプチド回収率を調べ
ることが必要であることが明らかとなり、大豆蛋白をブ
ロメラインで蛋白分解率50重量%以上70重量%以下
となるように分解して得られるペプチドが強いACE阻
害活性を有し、高回収率で得られるということがわかっ
たのである。 〔試験例4〕脱脂大豆をエクストルーダーに供給しなが
ら、脱脂大豆に対して水を30重量%添加し、各品温、
 110℃〜190 ℃で処理した後、ダイから出てき
た処理物をエクストルーダー処理脱脂大豆として得た。
【0019】得られたエクストルーダー処理した脱脂大
豆を蛋白濃度5%となるように水に懸濁し60℃に加熱
した後、ブロメラインF(天野製薬株式会社製)を大豆
蛋白重量当たり2重量%添加し、蛋白分解率約60%と
なるように反応時間を調節し分解した。次に、100℃
に10分間加熱しブロメラインを失活させ遠心分離上清
をペプチド溶液として得、蛋白分解率、ACE阻害活性
を求めた。その結果を表3に示す。
【0020】
【表3】 表3に示すようにエクストルーダー処理した脱脂大豆を
分解して得られたペプチドは、未処理の脱脂大豆から得
られたペプチドに比べACE阻害活性が高いことがわか
る。特に、エクストルーダー処理温度が 150℃以上
の脱脂大豆より得られたペプチドはACE阻害活性がさ
らに高いことがわかる。 〔試験例5〕脱脂大豆をエクストルーダーに供給しなが
ら、脱脂大豆に対して水を30重量%添加し、品温 1
75℃で処理した後、ダイから出てきた処理物をエクス
トルーダー処理脱脂大豆として得た。
【0021】得られらエクストルーダー処理した脱脂大
豆を蛋白濃度5%となるように水に懸濁し60℃に加熱
した後、ブロメライン(ナカライテスク株式会社製)を
大豆蛋白重量当たり1重量%添加し反応させた。一定時
間後、反応液を分取し、100℃に10分間加熱しブロ
メラインを失活させ遠心分離上清をペプチド溶液として
得、蛋白分解率、ACE阻害活性、ペプチド回収率を求
めた。 その結果を表4に示す。
【0022】
【表4】 表4に示すようにエクストルーダー処理した脱脂大豆を
蛋白分解率50〜70重量%となるように分解して得ら
れたペプチドはACE阻害活性が高くかつペプチド回収
率が高いことがわかる。
【0023】以下に、蛋白分解率の測定方法、ACE阻
害活性測定法、ペプチド回収率の測定方法、分子量分布
測定法について説明する。文中の各窒素重量、各窒素濃
度は、全てケールダール法により求めた。 (蛋白分解率の測定方法)蛋白分解率は、蛋白分解酵素
により生じる12%トリクロロ酢酸(以下「TCA」と
いう)可溶性窒素重量の、原料大豆蛋白中の12%TC
A不溶性窒素重量に対する割合をいい、次の計算式で求
めた。 蛋白分解率=〔(大豆蛋白分解液中の12%TCA可溶
性窒素重量)−(大豆蛋白分解反応前の液中の12%T
CA可溶性窒素重量)〕/〔(大豆蛋白原料中の全窒素
重量)−(大豆蛋白分解反応前の液中の12%TCA可
溶性窒素重量)〕×100(%) (ACE阻害活性測定法)大豆蛋白分解液を遠心分離し
て得た上清をペプチド溶液として分取し、ACEを50
%阻害するときの窒素濃度(重量ppm)をID50で
表し、そのペプチドのACE阻害活性とした。
【0024】ACE阻害活性の測定法は Cushma
nら(Biochemical Pharmacolo
gy,Vol.20,P1637−1648,1971
) の方法に準じて行った。ACE溶液は、10gのラ
ビットラングアセトンパウダー(Sigma社)を10
0ml の50mMリン酸カリウムバッファー(pH8
.3) に懸濁・溶解後、遠心(40,000×g)し
て得られた上清を水酸化カリウムでpHを8.3に補正
後、同バッファーで、2.5倍希釈したものを用いた。
【0025】ACEの基質溶液は、ヒプリルヒスチジル
ロイシン(Sigma社)を濃度12.5mM、塩化ナ
トリウム 750mM、pH8.3となるように 17
5mMリン酸カリウムバッファーに溶解したものを用い
た。ACE阻害活性測定に供試したペプチド溶液は、適
当な窒素濃度に50mMリン酸カリウムバッファー(p
H8.3) で希釈し用いた。
【0026】ACE反応は、まずペプチド溶液0.2m
lと基質溶液を0.2mlをチューブ中で混合後、37
℃に保温し、ACE溶液を0.1ml添加し反応を開始
し30分後に1N塩酸0.5mlを加え反応を停止した
。同時に、ACE溶液添加前に1N塩酸を加えたものを
ブランクとした。ACE活性は反応により生成するヒプ
リル酸量とし、反応液中の酢酸エチル抽出物水溶液の 
228nmの吸光度をヒプリル酸量として表した。
【0027】ACE阻害率は次式、 ACE阻害率=[1−〔A228 −A228 (bl
ank)〕/〔AC228−AC228(blank)
〕]×100(%) で求めた。ここで、A228 は
ペプチド添加時の波長 228nmの吸光度、AC22
8はペプチドの代わりに50mMリン酸カリウムバッフ
ァー(pH8.3) を添加した時の波長 228nm
の吸光度、A228 (blank)とAC228(b
lank)はそれぞれA228 とAC228のブラン
クの波長 228nmの吸光度である。
【0028】上記の方法で求めたACE阻害率をもとに
ID50を求めた。 (ペプチド回収率の測定方法)ペプチド回収率は、大豆
蛋白分解後溶液中に溶解して存在する窒素重量が大豆蛋
白原料中の全窒素重量に占める割合をいうが、ここでは
、便宜上次式により求めた。 ペプチド回収率=(大豆蛋白分解液遠心上清中の加水分
解物窒素濃度)/(大豆蛋白分解液中の大豆蛋白原料窒
素濃度)×100(%) (分子量分布測定法)分子量分布の測定はTSKgel
G2000SWXL(東ソー株式会社製)カラムを用い
た高速液体クロマトグラフィーにより行った。高速液体
クロマトグラフィーの条件は次に示す通りである。  
カラム;TSKgelG2000SWXL(7.8mm
ID×30cm)溶離液;45%アセトニトリル+0.
1 %トリフルオロ酢酸流速  ;0.2ml/min 温度  ;25℃ 分子量マーカー; リボヌクレアーゼA(13,700) グルカゴン(3,483) インシュリンB鎖(2,532) アンジオテンシンI(1,297) ブラジキニン(1,062) グルタチオン、酸化型(613) グルタチオン、還元型(307) チロシン(181) グリシン(75) まず、上記分子量マーカーにより較正曲線を作成し、分
子量 300〜1,500 のペプチドの溶出時間を求
めた。次に供試する加水分解物溶液をインジェクトし、
該当分子量区間の溶出液を分取・濃縮乾固後、水に溶解
し窒素重量を求めた。加水分解物中の分子量 300〜
1,500 のペプチドの割合は、該当溶出時間中に溶
出する窒素重量の全溶出液中の窒素重量に対する割合を
算出し求めた。
【0029】
【実施例1】脱脂大豆をエクストルーダーに供給しなが
ら、同時に脱脂大豆に対して水を30重量%添加し、品
温 175℃、圧力30kg/cm2 、スクリュー回
転数200rpm、滞留時間 150秒で処理した。得
られたエクストルーダー処理した脱脂大豆 1.2kg
を水8.8Lに懸濁し60℃に加熱した後、ブロメライ
ンF(天野製薬株式会社製)を10g添加し2時間反応
させた後、80℃に10分間加熱しブロメラインを失活
させ遠心分離上清をペプチド溶液として得た。蛋白分解
率は63.5%で、ACE阻害活性ID50が窒素濃度
6ppmのペプチドが、ペプチド回収率64.0%で得
られた。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、従来の大豆蛋白由来の
ペプチドに比し、高いACE阻害活性を有するペプチド
を高回収率で得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  大豆蛋白を蛋白分解酵素ブロメライン
    で蛋白分解率50重量%以上70重量%以下となるよう
    に分解してペプチドを得ることを特徴とするペプチドの
    製造法。
  2. 【請求項2】  大豆蛋白が二軸エクストルーダー処理
    したものである請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】  請求項1または2に記載の製造法によ
    って製造されるアンジオテンシン変換酵素阻害活性を有
    するペプチド。
JP3063514A 1991-03-27 1991-03-27 アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドおよびその製造           法 Pending JPH04299991A (ja)

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Cited By (7)

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