JPH04298434A - 平ベルトおよびその駆動装置 - Google Patents

平ベルトおよびその駆動装置

Info

Publication number
JPH04298434A
JPH04298434A JP3060321A JP6032191A JPH04298434A JP H04298434 A JPH04298434 A JP H04298434A JP 3060321 A JP3060321 A JP 3060321A JP 6032191 A JP6032191 A JP 6032191A JP H04298434 A JPH04298434 A JP H04298434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
flat belt
roller
meandering
tape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3060321A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuya Yamaguchi
勝也 山口
Susumu Onoe
尾上   勧
Shigeki Okuno
茂樹 奥野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP3060321A priority Critical patent/JPH04298434A/ja
Publication of JPH04298434A publication Critical patent/JPH04298434A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、転写搬送ベルト、感光
体ベルト、定着ベルト、原稿送りベルト等の平ベルト及
びその駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真の分野において、平ベル
トは転写搬送ベルト、感光体ベルト、定着ベルト、原稿
送りベルト等に使用されつつある。例えば、ベルト転写
方式が、ベルトに紙(転写材)が密着した状態で搬送さ
れるので、転写時の紙の位置ずれがない。転写領域の面
積を大きくすることができるので、転写効率が良い。密
着転写なので、高精度の転写ができる。感光体の損傷が
ない。紙分離が良い等の利点があるかることから、広く
採用されている。
【0003】そのようなベルト転写方式の転写搬送ベル
トとして用いられる平ベルトとしては、抗張体を用いな
い低剛性タイプのもの(例えば特開昭55−18633
号公報参照)、抗張体を用いる高剛性タイプのもの(例
えば特開昭56−153356号公報参照)等が知られ
ている。
【0004】
【課題を解決するための手段】ところが、低剛性のタイ
プの平ベルトでは、導電性弾性体に誘電層を設けるよう
にしているので、寸法精度が低くく、永久伸びが大きく
、誘電性層の密着性に劣る。また、弾性体の成形、表面
研磨等の点から、製造コストが大きくなる。
【0005】一方、高剛性のタイプの平ベルトでは、寸
法精度が高く、伸びが小さいという利点はあるが、材料
コストが大きくなり、多品種少量生産に適さない。また
、押出成形、ブロ−成形によるシ−ムレス樹脂ベルトも
同様である。さらに、プラスチックフィルムの端部をジ
ョイントしたフィルムベルトでは、フィルムの継ぎ目が
実用上問題となるおそれがあるし、また、フィルムを巻
き重ねてなるフィルムベルトでは、フィルム巻き重ね時
の接合方法に問題がある。
【0006】また、そのような平ベルトは、通常、複数
本のロ−ラ部材に巻回して駆動されるようになっている
が、上述した如くベルト材料としてプラスチックフィル
ム等の伸びが小さく強度の高い材料が用いられるため、
弾性変形しにくいものであり、各関連部品の寸法誤差、
ロ−ラ部材の取付誤差、ベルト張力のアンバランス、ベ
ルト周長さの不均一等をベルト自体で吸収することがで
きず、この結果、平ベルトの走行時にベルトの片寄り(
いわゆる蛇行)が発生するという課題がある。
【0007】そのような蛇行を規制するものとして、例
えば特開昭56−127501号公報、特開昭59−2
0505号公報に記載されるように、ベルトに蛇行規制
用のガイドを設けたり、特開昭57−60347号公報
に記載されるように、規制部材を設けて平ベルトの蛇行
を強制的に防止することが提案されている。
【0008】しかしながら、そのようなものは、平ベル
トの片寄り力に対向できるようにガイド、規制部材の強
度を大きくする必要があり、そのために、平ベルトの端
部が損傷しないようにベルト端部も強度も高める必要が
る。また、平ベルトは、通常、いずれの方向に片寄るか
は分からないので、いずれの方向に片寄る場合でも対向
できるように、ガイド、規制部材を左右に設けなければ
ならず、構造が複雑となる。
【0009】本発明は、ベルトの厚さが極めて薄く屈曲
性が優れながら、ベルト周方向の伸びが小さく、転写搬
送ベルト、感光体ベルト、定着ベルト、原稿送りベルト
等に適する平ベルト及び、その平ベルトを、蛇行させる
ことなく、駆動することができる装置を提供することを
目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、シ−
ムレスベルトを基帯とする平ベルトを前提とし、上記シ
−ムレスベルトが、多数のモノフィラメントが長さ方向
にほぼ直線的に平行に、かつ、モノフィラメントの平均
直径以下の平均間隔でもって相互に分離配置される共に
、モノフィラメント間に実質的にバインダ−が充填され
てなるテ−プ状部材からなり、テ−プ状部材を構成する
モノフィラメントが、ベルトの周方向に対して、所定の
傾斜角を有し、複数のロ−ラ部材間に巻回されて回動す
るとき、ロ−ラ軸方向のいずれか一方にのみ片寄る特性
を備えている構成とする。
【0011】そのようなロ−ラ軸方向のいずれか一方に
のみ積極的に片寄る特性を持たせるために、請求項2の
発明においては、シ−ムレスベルトを、テ−プ状部材が
奇数層積層されてなるようにし、請求項3の発明におい
ては、シ−ムレスベルトを、テ−プ状部材が偶数層積層
されてなり、各層においてテ−プ状部材を構成するモノ
フィラメントが、ベルト周方向に対して、該各層の外側
又は内側に位置する層のテ−プ状部材のモノフィラメン
トと異なる角度でもって傾斜している構成としている。
【0012】そのような平ベルトがロ−ラ軸方向のいず
れか一方にのみ片寄るいわゆる蛇行現象を防止するため
に、請求項4の発明は、請求項1、請求項2又は請求項
3記載の平ベルトを複数本のロ−ラ部材に巻回して駆動
する平ベルト駆動装置を前提として、上記複数本のロ−
ラ部材のうち少なくとも1本のロ−ラ部材は、上記平ベ
ルトが片寄る側の軸端部付近に鍔形状の蛇行規制部材が
配設されている構成とする。
【0013】請求項5の発明は、複数のロ−ラ部材間に
巻回されて回動するとき、ロ−ラ軸方向のいずれか一方
にのみ片寄る特性を備えている平ベルトを複数本のロ−
ラ部材に巻回して駆動する平ベルト駆動装置を前提とし
、上記複数本のロ−ラ部材の少なくとも1本のロ−ラ部
材で構成される蛇行検出用ロ−ラ部材と、該蛇行検出用
ロ−ラ部材の一方の軸端部に、該蛇行検出用ロ−ラ部材
と独立して回転自在に支持された蛇行検出部材と、前記
蛇行検出用ロ−ラ部材の前記蛇行検出部材が配設された
軸端部を回転軸心と略直交する所定方向に移動可能に支
持するロ−ラ支持部材と、上記蛇行検出部材に連結され
、上記蛇行検出部材に平ベルトが接して回転トルクが作
用したときに、その回転運動を直線運動に変換すること
によって、蛇行検出用ロ−ラ部材の軸端部を所定方向に
変位させるロ−ラ端部変位手段とを備えている構成とす
る。そして請求項6の発明は、そのような平ベルトとし
て、請求項1、請求項2又は請求項3記載の平ベルトを
用いるものである。
【0014】請求項7の発明は、複数のロ−ラ部材間に
巻回されて回動するときロ−ラ軸方向のいずれか一方に
のみ片寄る特性を備えている平ベルトを複数本のロ−ラ
部材に巻回して駆動する平ベルト駆動装置において、上
記複数本のローラ部材のうち少なくとも1本のローラ部
材は、軸部材と、該軸部材に装設された円柱部と、該円
柱部の、平ベルトが片寄る側の端部に連続して上記軸部
材に装設されかつ外側に向って大径となるテ−パコ−ン
部とを備え、上記軸部材の軸端部が変位可能に支持され
ている蛇行防止用ロ−ラ部材であり、該蛇行防止用ロー
ラ部材におけるテ−パコ−ン部側の軸端部が、テ−パコ
−ン部に平ベルトが接したとき、平ベルトの張力を高め
る方向に変位するように構成されている構成とする。請
求項8の発明においては、平ベルトとして、請求項1、
請求項2又は請求項3記載の平ベルトを用いるものであ
る。
【0015】
【作用】請求項1〜請求項3の発明によれば、シ−ムレ
スベルトが、多数のモノフィラメントが長さ方向にほぼ
直線的に平行に、かつ、モノフィラメントの平均直径以
下の平均間隔でもって相互に分離配置される共に、モノ
フィラメント間に実質的にバインダ−が充填されてなる
テ−プ状部材からなり、テ−プ状部材を構成するモノフ
ィラメントが、ベルトの周方向に対して、所定の傾斜角
を有するようにしているので、ベルト厚さが極めて薄く
屈曲性に優れ、ベルト周方向の伸びが特に小さく、寸法
安定性に優れる。また、複数のロ−ラ部材間に巻回され
て回動するとき、ロ−ラ軸方向のいずれか一方にのみ片
寄る特性を備えているので、走行時にいずれかの特定方
向に片寄ることとなり、その片寄る側にのみに蛇行防止
機構を適用することで蛇行が防止される。
【0016】請求項4の発明によれば、平ベルトは常に
特定の一方向に片寄り蛇行しようとするが、平ベルトの
端部が鍔形状の蛇行規制部材に接触し、それ以上の平ベ
ルトの片寄りが蛇行規制部材によって規制される。
【0017】請求項5及び請求項6の発明によれば、平
ベルトが蛇行により変位して、蛇行検出用ロ−ラ部材の
軸端部側の蛇行検出部材に接すると、該蛇行検出部材が
平ベルトとの接触摩擦により回転し、この蛇行検出部材
の回転運動がロ−ラ端部変位手段によって直線運動に変
換される。これによって、蛇行検出用ロ−ラ部材の軸端
部が、回転軸心と略直交する方向に変位し、蛇行検出用
ラ−ラ部材がひねられる。このようにして蛇行検出用ロ
−ラ部材がひねられてその軸端部が変位すると、そのひ
ねり作用を打ち消すように平ベルトに逆方向の蛇行変位
が発生し、上記初期の蛇行を解消する。このことで、初
期の蛇行変位量に対応した蛇行検出用ロ−ラ部材の軸端
部の変位が自動的に与えられ、平ベルトは蛇行が解消さ
れて安定した走行が行われる。
【0018】請求項7及び請求項8の発明によれば、平
ベルトが蛇行すると、平ベルトの側端部が蛇行防止用ロ
−ラ部材のテーパコ−ン部に乗り上げることになる。平
ベルトの側端部がテーパコ−ン部に乗り上げると、該側
端部側の張力が増大し、平ベルトは蛇行方向と反対側に
移動し、平ベルトの蛇行が自動的に修正されることにな
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0020】ベルトの全体構成を示す図1において、1
はシ−ムレスベルトをベルト基帯とする転写搬送ベルト
である。ベルト基帯となるシ−ムレスベルトはテ−プ状
部材からなり、誘電層2(体積抵抗≧1010Ω・cm
)を構成しており、該誘電層2の内側に導電層3(体積
抵抗≦108 Ω・cm)が積層されている。シ−ムレ
スベルトを構成するテ−プ状部材は、引張弾性率200
 kg/mm2 以上に設定されており、多数のモノフ
ィラメントが長さ方向にほぼ直線的に平行に、かつ、モ
ノフィラメントの平均直径以下の平均間隔でもって相互
に分離配置される共に、モノフィラメント間に実質的に
バインダ−(樹脂又はゴム)が充填されてなる。また、
テ−プ状部材を構成するモノフィラメントは、ベルト周
方向に対して、所定の傾斜角を有する、そして、転写搬
送ベルト1は、複数のロ−ラ部材間に巻回されて回動す
るとき、ロ−ラ軸方向のいずれか一方にのみ片寄る特性
を備えている。このロ−ラ軸方向のいずれか一方にのみ
片寄る特性を持たせるためには、例えばシ−ムレスベル
トを、テ−プ状部材を奇数層積層して構成したり、テ−
プ状部材を偶数層積層し各層においてテ−プ状部材を構
成するモノフィラメントが、ベルト周方向に対して、該
各層の外側又は内側に位置する層のテ−プ状部材のモノ
フィラメントと異なる角度でもって傾斜するようにした
りすることで可能である。
【0021】また、誘電層2は、平滑性、非汚染性、表
面硬さを付与するため、必要であれば誘電層2の表面を
コ−ティング処理するようにしてもよい。また、上記シ
−ムレスベルトからなる誘電層2を形成した後に、誘電
層2の内面側に導電性塗料をコ−ティングすることによ
り、導電層3を形成することができる。コ−ティング方
法としては、浸漬塗工又はスピンコ−トが、塗膜厚さを
均一にしやすいという点から適している。導電性塗料の
バインダ−樹脂とテ−プ状部材のバインダ−樹脂とは同
種であることが、接着性の点から望ましい。
【0022】上記実施例では、誘電層2を、テ−プ状部
材からなるシ−ムレスベルトで構成するようにしている
が、逆に、導電層を、テ−プ状部材からなるシ−ムレス
ベルトで構成するようにしてもよい。テ−プ状部材を構
成するモノフィラメント又はバインダ−の少なくとも一
方に導電性を持たせれば、導電層として機能する。モノ
フィラメントに導電性を持たせるのは炭素繊維を用いる
ことによりできるし、バインダ−に導電性を持たせるの
は、ベ−ス樹脂成分にカ−ボンブラック等の導電性フィ
ラ−を分散させることによりできる。そして、導電層を
シ−ムレスベルトで形成する場合には、導電層の外面上
に、例えばコ−ティングにより誘電層を形成することが
でき、コ−ティング材料としては種々の樹脂材料を用い
ることができる。特に、付着物をなくすという見地から
、フッ素樹脂系のものをコ−ティング材料とするのが最
適である。
【0023】さらに、誘電層と導電層を共に、テ−プ状
部材からなるシ−ムレスベルトで構成するようにしても
よい。その場合、モノフィラメントの弾性率は導電層よ
りも誘電層の方が小さい方がよい。また、誘電層又は導
電層をテ−プ状部材からなるシ−ムレスベルトで形成し
、そのバインダ−を紫外線硬化型樹脂(紫外線照射によ
り硬化した後の硬化物が弾性を有するものが望ましい)
とするようにしてもよい。
【0024】続いて、上述したところのテ−プ状部材に
ついて説明する。
【0025】このようなテ−プ状部材は、通常、マルチ
フィレメント糸条、即ち繊維を開繊し、それにバインダ
−を適用することによって得られる。このような繊維と
しては、例えば人絹、ポリビニルアルコ−ル繊維、全芳
香族ポリアミドを含む脂肪族及び芳香族ポリアミド繊維
、全芳香族ポリエステルを含むポリエステル繊維等の合
成高分子繊維、尿素繊維、ガラス繊維等が挙げられ、こ
のような繊維を開繊するには、電気的方法や機械的方法
が従来より知られているが、例えば特開昭63−696
26号公報に記載されている方法によることが有利であ
る。テ−プ状部材を構成するモノフィラメントとしては
、特に、高度に結晶配向された合成高分子モノフィラメ
ントが好ましく、特に、結晶配向度が90%以上、結晶
度が65%以上であるものが好ましい。かかる観点から
は、ポリフェニレンテレフタルアミドからなる繊維を開
繊して得られるモノフィラメントが、強度、弾性率、耐
屈曲性等のモノフィラメントの力学的特性の観点から、
最も好ましい。
【0026】また、モノフィラメント間にバインダ−が
充填されているとは、開繊された多数のモノフィラメン
ト群にバインダ−(樹脂又はゴム)を含浸させ、これを
固化させ、モノフィラメント間にかかる固化されたバイ
ンダ−が存在することをいう。ここに、バインダ−の固
化とは、バインダ−が熱硬化製樹脂の場合は加熱による
架橋硬化、バインダ−が熱可塑性樹脂の場合は冷却固化
、バインダ−がゴムの場合は加流をいう。
【0027】上記バインダ−は、樹脂を用いる場合には
、モノフィラメント間にバインダ−樹脂を十分に浸透さ
せるために、エポキシ樹脂が最も好ましく用いられる。 エポキシ樹脂以外には、例えばフェノ−ル樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ジアリルフタレ−ト樹脂、ビスマレ
イミド樹脂、トリアジン樹脂、ケイ素樹脂等の熱硬化性
樹脂が好ましく用いられる。さらに、ポリブチレンテレ
フタレ−ト樹脂、飽和ポリエステル、ポリアセタ−ル、
ポリカ−ボネ−ト、ポリアミド、変性ポリフェニレノキ
サイド、ポリスルホン、ポリポリエ−テルスルホン、ポ
リフェニレンスルフィド、ポリアリレ−ト、ポリアミド
イミド、ポリエ−テルイミド、ポリエ−テルケトン等の
熱可塑性樹脂も用いられる。また、非熱可塑性のポリイ
ミド、ポリオキシベゾエ−ト、フッ素樹脂等を用いるこ
ともできる。特に、モノフィラメントや後述する導電層
の接着性を考慮すると、ここで用いる樹脂としてはモノ
フィラメント及び/又は導電層と類似の分子構造を有す
るものが望ましい。
【0028】次に、上述したようなテ−プ状部材からな
り誘電層を構成するシ−ムレスベルトの製造方法につい
て説明する。なお、モノフィラメント又はバインダ−樹
脂のいずれかが誘電性を有する。
【0029】図2(イ)に示すように、先ず、テ−プ状
部材4を所定径のマンドレル5上に一定の傾斜角θをも
って巻き付ける。次いで、図2(ロ)に示すように、マ
ンドレル5を回転させることによって、マンドレル5の
外周面上にテ−プ状部材4を、相互に重なることなく且
つ間隔を有することなく、螺旋状に巻き付けて、第1層
6を形成する。そして、テ−プ状部材4がマンドレル5
の端部に達したとき、図2(ハ)(ニ)に示すように、
テ−プ状部材4を裏返しに反転させて、図2(ホ)に示
すように、逆方向にマンドレル5に傾斜角θにて、上記
第1層6の上にテ−プ状部材4を鎖線状に巻き重ねて、
第2層7を形成する。
【0030】このようにして、図2に示すように、テ−
プ状部材4を、その長さ方向に対して所定の傾斜角θを
有し、上側又は下側に位置するテ−プ状部材4´のモノ
フィラメントが交差して、各傾斜角θが対称であるよう
に、偶数層又は奇数層の積層体に積層する。
【0031】次いで、得られたテ−プ状部材に含浸させ
たバインダ−樹脂を固化させる。
【0032】モノフィラメント間へのバインダ−樹脂の
充填量は、モノフィラメント間の空隙の約60%以上、
好ましくは80%以上である。また、モノフィラメント
とバインダ−樹脂との割合は、バインダ−樹脂量が20
〜80重量%の範囲にあることが好ましい。
【0033】このようにして、テ−プ状部材4の螺旋構
造によって構成されるシ−ムレスベルトを得ることがで
きる。
【0034】この誘電層を構成するシ−ムレスベルトに
対して、導電層は、導電性塗料の塗布、導電性薄膜の接
着、あるいは真空蒸着等の各種プラスチックメタライジ
ングの手法を用いて作製することができるが、導電層と
誘電層との密着性や導電層自身の化学物性や摺動特性を
考慮すると、塗料を用いる方法が最も望ましい。塗料と
しては塗膜の体積固有抵抗が1010Ω・cm以下、好
ましくは108 Ω・cm以下であれば何を用いてもよ
い。しかしながら、誘電層の密着性の観点から、塗料の
バインダ−樹脂は、テ−プ状部材のバインダ−樹脂と類
似の分子構造を持つものが望ましい。
【0035】塗布方法としてはグラビア法、浸漬法、ス
プレ−法等の従来周知の方法を用いることができるが、
特に、浸漬法は塗膜の厚さが均一で気泡が入りにくいの
で好ましい。
【0036】以上のように、モノフィラメント及びバイ
ンダ−にて構成されるテ−プ状部材からなるシ−ムレス
ベルトを基帯とすれば、種々の材料を用いて基帯を得る
ことができ、かつ、得られる基帯は極めて薄いながら、
高弾性を有し、しかも、フィルムを巻き重ねてなるフィ
ルムベルトの如く巻始め端部及び巻終り端部がないので
、フィルムを巻き重ねてなるフィルムベルトの如く巻始
め端部及び巻終り端部に起因する性能上の欠陥を生ずる
ことがないし、さらに、長期間にわたる使用において、
紙搬送性、転写性、力学特性、寸法等が安定している。
【0037】続いて、具体的な本発明例1〜8について
説明する。
【0038】<本発明例1>ポリエチレンテレフタレ−
ト繊維(直径10μm、1500デニ−ル)を開繊して
なるモノフィラメントと、ポリエステル樹脂(東洋紡績
(株)製、バイロン30溶液)からなるバインダ−樹脂
を用いて、テ−プ状部材を形成し、シ−ムレスベルト化
し、80℃で30分間乾燥し、その後所定幅に切断した
【0039】この円筒状のシ−ムレスベルトにカ−ボン
ブラック(商品名ブラック5500、東海カ−ボン(株
)製)8%、重合ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製
、バイロン3)30%、トルエン30%、酢酸メチル3
2%の組成の導電性接着剤溶液20■に表面浸漬法によ
り内面コ−ティングした後、80℃で30分間の熱乾燥
を行ない、導電層を設けた(膜厚8μm)。
【0040】得られたベルトは厚さ50μm、周長50
0mm、幅300mmである。
【0041】<本発明例2>炭素繊維と、エポキシ樹脂
を用いて、導電層を構成するテ−プ状部材を形成した。 テ−プ状部材をマンドレルに螺旋状に2重回巻き付けて
ベルト化し、加熱によりエポキシ樹脂を硬化させた。そ
れから周知のコ−ティング法により日本アチソン(株)
製のエムラロン314 をスプレ−コ−ティングし、加
熱硬化した。そして、表面を研磨し、所定の幅に切断し
た。
【0042】得られたベルトは厚さ50μm、周長50
0mm、幅300mmである。
【0043】<本発明例3>アラミド繊維(直径10m
)と導電性エポキシ樹脂(日本アチソン(株)Elec
trodag5910)を用いて、テ−プ状部材を形成
した。以下、本発明例2と同様に製造した。
【0044】<本発明例4>炭素繊維とエポキシ樹脂と
によるテ−プ状部材で導電層を、ポリエステル繊維とエ
ポキシ樹脂とによるテ−プ状部材で誘電層を構成するよ
うにした。
【0045】前者をマンドレルに2重回巻き付けて導電
層を形成し、その上に後者を2重回巻き付けて誘電層を
形成し、加熱硬化させた。そして幅切りを行った。
【0046】<本発明例5>アラミド繊維と導電性エポ
キシ樹脂(日本アチソン(株)Electrodag5
910)とによるテ−プ状部材で導電層を、アラミド繊
維とエポキし樹脂とによるテ−プ状部材で誘電層を構成
するようにした。以下、本発明例4と同様に製造した。
【0047】また、巻き付け回数を各1回ずつとしたも
のも形成したが(したがってベルト厚さは1/2 )、
試験結果は同一であった。
【0048】<本発明例6>アラミド繊維と紫外線硬化
型樹脂(大日精化工業(株)セイカビ−ムAD−169
6)とによるテ−プ状部材を、マンドレルに2重回巻き
、紫外線を照射して硬化させた。その後所定幅に切断し
て円筒状のシ−ムレスベルト(誘電層)を形成した。 
 このシ−ムレスベルトの外周面にカ−ボンブラック(
東海カ−ボン(株)製、ブラック5500)8%、重合
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン3)3
0%、トルエン30%、酢酸メチル32%の組成の導電
性接着剤溶液20■に表面浸漬法により内面コ−ティン
グした後、80℃で30分間の熱乾燥を行ない、導電層
を形成した。
【0049】<本発明例7>アラミド繊維と紫外線硬化
型樹脂(大日精化工業(株)セイカビ−ムAD−169
6)とによるテ−プ状部材を、マンドレルに2重回巻き
、紫外線を照射して硬化させ、脱型した。その後所定幅
に切断して円筒状のシ−ムレスベルト(導電層)を形成
した。 それから、周知のコ−ティング法により日本アチソン(
株)製エムラロン314 をスプレ−コ−ティングし、
加熱硬化し、表面を研磨し、所定の幅に切断した。
【0050】<本発明例8>ポリエステル繊維と紫外線
硬化型樹脂(大日精化工業(株)セイカビ−ムAD−1
696 )とによるテ−プ状部材で誘電層を、炭素繊維
と紫外線硬化型樹脂(大日精化工業(株)セイカビ−ム
AD−1696 )とによるテ−プ状部材で導電層をそ
れぞれ構成するようにした。
【0051】後者をマンドレルに2重回巻き付けて導電
層を形成し、その上に前者を2回巻き付けて誘電層を形
成し、紫外線照射により硬化させ、その後脱型して幅切
りを行った。
【0052】本発明例1〜8について、松下電器(株)
のレ−ザビ−ムプリンタFP−L300 を改造した装
置を用いて評価を行ったところ、3万回の画像出し後に
おいても、紙の位置ずれ、シワ寄り等の紙搬送性、画像
の中抜けや転写効率等の転写性に全く問題がなく、良好
なプリントが連続して得られた。また、通紙試験終了後
にベルトを取り出して観察したところ、導電層と誘電層
との剥離、テ−プ状部材のフィラメントとバインダ−樹
脂との接着破壊、フィラメントの切断等は全くみられな
かった。
【0053】続いて、上述した如く、複数のロ−ラ部材
間に巻回されて回動するときロ−ラ軸方向のいずれか一
方にのみ片寄る特性を備えている転写搬送ベルト9,1
4,34を用いたベルト駆動装置について説明する。
【0054】<本発明例A>図4に示すように、転写搬
送ベルト9は第1及び第2ロ−ラ部材10A,10Bに
巻回されている。第1ロ−ラ部材10Aは、短繊維が5
重量%混入されて、外周面が高摩擦係数となっており、
第2ロ−ラ部材10Bは、短繊維が15重量%混入され
て、外周面が低摩擦係数となっている。そして、第1ロ
−−ラ部材10Aの、転写搬送ベルト9が片寄る側の端
部付近に、鍔状の蛇行規制部10aが形成されている。
【0055】このように構成すれば、転写搬送ベルト9
は、常に一定の方向即ち蛇行規制部10がある方向に片
寄ろうとするが、その転写搬送ベルト9が片寄る側には
蛇行規制部10aが設けられいるので、該蛇行規制部1
0aによって、転写搬送ベルト9の片寄りが規制される
【0056】<本発明例B>図5は、電子写真装置内に
収容される3軸系の転写搬送ベルト駆動装置を示し、1
1,12,13はそれぞれ第1、第2及び第3ロ−ラ部
材で、軸部材11a,12a,13aと、該軸部材11
a,12a,13aの左右両端部を除いた部分に外嵌固
定されたロ−ラ本体部11b,12b,13bとからな
っている。このロ−ラ本体部11b,12b,13bの
材料としては、例えばEPDM系架橋ゴムが採用される
。但し、各ロ−ラ本体部11b,12b,13bは樹脂
、アルミニウム等のように弾性体材料でないものであっ
てもよい。
【0057】また、上記各ロ−ラ部材11,12,13
には、複数のロ−ラ部材間に巻回されて回動するときロ
−ラ軸方向のいずれか一方(本例ではA方向)に片寄る
特性を備えている転写搬送ベルト14が走行可能に巻回
されている。
【0058】第1ロ−ラ部材11は、軸部材11aが駆
動モ−タ15の駆動軸に連係されて該駆動モ−タ15の
駆動力が伝達可能となっており、駆動ロ−ラとして機能
するようになっている。第2ロ−ラ部材12は従動ロ−
ラである。
【0059】第3ロ−ラ部材13は蛇行検出用ロ−ラ部
材であって、その軸線が第1及び第2ロ−ラ部材11,
12の軸線と略平行に配置されている。また、第3ロ−
ラ部材13は、その軸部材13aの左右軸端部である第
1及び第2軸端部13d,13eが、C方向に配置され
たスプリング13c,13cによって支持されており、
これによって転写搬送ベルト14の張力が調整されると
ともに、第1及び第2軸端部13d,13eが変位可能
となっている。
【0060】また、第3ロ−ラ部材13の軸部材13a
の第1軸端部13dは、図6に示すように、ブッシュ1
7を介して下枠18aに回転可能に支承され、該下枠1
8aがスライドベアリング18cを介して可動部材16
に取付固定された上枠18bに、B方向において変位可
能となるように係合しており、この下枠18a、上枠1
8b及びスライドベアリング18cによって、ロ−ラ支
持部材18が構成されている。第3ロ−ラ部材13の軸
部材13aの下枠18a(ブッシュ17)の取付位置よ
り内側位置でロ−ラ本体部13bに近接した位置には、
蛇行検出部材21が、第3ロ−ラ部材13と同軸上でか
つ該第3ロ−ラ部材13とは独立して回動するように配
設されており、この蛇行検出部材21の外側位置には、
蛇行規制部材21が軸端部13d側へ移動するのを禁止
するためにストッパ26が装着されている。
【0061】上記蛇行検出部材21は、ロ−ラ本体部1
3b側にテ−パ部21aを有し、該テ−パ部21aは、
ロ−ラ本体部13b側の端面の外径がロ−ラ本体部13
bの外径と同径かあるいはやや小さい径に設定され、そ
してロ−ラ本体部13bから離れるに従って径が徐々に
大きくなるテ−パ形状となっており、さらに該テ−パ部
21aの軸端部13d側には該テ−パ部21aの最大径
に略等しい径の大径円筒部21bが、該大径円筒部21
cの軸端部13d側にはテ−パ部21aの最小径に略等
しい径の小径円筒部21cがそれぞれ連設されてなる。 そして、転写搬送ベルト14が蛇行検出部材21側に片
寄ってくると、その片寄りにより転写搬送ベルト14が
蛇行検出部材21のテ−パ部21a上に乗り上げるよう
になっている。
【0062】また、蛇行検出部材21には、図7に示す
ように、一端部が固定部材S1 に固着された紐部材2
3の他端部が連結固定されている。そして、転写搬送ベ
ルト14の蛇行変位により、転写搬送ベルト14が蛇行
検出部材21上に乗り上げたとき、蛇行検出部材21に
回転トルクが作用し、蛇行検出部材21が軸部材13a
に対して回転し上記紐部材23が蛇行検出部材21に巻
取られ、これによって、第3ロ−ラ部材13の軸部材1
3aの第1軸端部13dを、第1ロ−ラ部材11の軸部
材11aから離れる方向に、即ち図5のB方向に変位さ
せるようになっている。このようにして蛇行検出部材2
1に回転トルクが作用したときに、その回転運動を直線
運動に変換することによって、蛇行検出用ロ−ラ部材1
3の軸部材13aの第1軸端部13dを、回転軸心と略
直交する所定方向に変位させるロ−ラ端部変位手段24
が構成されている。従って、軸部材13aの第1軸端部
13dがB方向に変位されると、蛇行検出用ロ−ラ部材
13がひねられ、そのひねり作用を打ち消すために転写
搬送ベルト14にはA方向とは逆方向への蛇行成分が発
生し、初期の蛇行成分(A方向成分)と打ち消し、バラ
ンスが取れるまで軸部材13aの第1軸端部13dは、
A方向とは逆方向に変位されることになる。また、具体
的に図示していないが、その第1軸端部13dの変位に
応じて第2軸端部13eも回動変位するようになってい
る。
【0063】また、図8に示すように、軸部材13aの
第1軸端部13dの軸端にはリング部材22が配設され
、該リング部材22には、一端部が固定部材S2 に固
着されたスプリング25の他端部が連結され、紐部材2
3の巻取動作による変位方向とは反対方向に常時付勢さ
れるようになっており、スプリング25によって軸部材
13aの第1軸端部13dの所定量以上の変位を抑制す
るようになっている。このような構成により、軸部材1
3aの第1軸端部13dの変位による逆方向の蛇行成分
が初期蛇行成分より大きくなると、転写搬送ベルト14
は逆方向に蛇行を開始し、蛇行検出部材21への乗り上
げ量は減少するから、蛇行検出部材21の回転トルクも
減少し、その結果、スプリング25によって軸部材13
aの第1軸端部13dの変位量も小さくなるようになっ
ている。
【0064】上記のように構成すれば、転写搬送ベルト
14は常にA方向へ変位する特性を有しているので、転
写搬送ベルト14の片寄りにより転写搬送ベルト14の
端部が蛇行検出部材21のテ−パ部21aに乗り上げる
と、図9に示すように、転写搬送ベルト14と蛇行検出
部材21との間に作用する摩擦力により、蛇行検出部材
21が軸部材13aに対して回転せしめられ、その回転
によって紐部材23を巻取ることになる。
【0065】この紐部材23の巻取りにより、蛇行検出
部材21が配置されている第3ロ−ラ部材13の軸部材
13aの第1軸端部13dが、回転軸心に略直交する所
定方向に変位し、第3ロ−ラ部材13がひねられる。そ
して、その変位により転写搬送ベルト14のそれ以上の
変位が抑制される。それと共に、上記第1軸端部13d
の変位により、スプリング25が伸びてスプリング力も
作用することとなるので、紐部材23の巻取力とスプリ
ング25のスプリング力とのバランスにより、上記ひね
り作用を打ち消すように第3ロ−ラ部材13の変位量が
制御され、ある一定位置に転写搬送ベルト14の端部の
位置が維持されることになる。
【0066】このような状態下で、転写搬送ベルト14
の走行が行われるために、転写搬送ベルト14の蛇行現
象は解消され、例えば転写搬送ベルト14の蛇行量を1
0数μmに抑えることができる。
【0067】<本発明例C>図10に示すように、31
はベルト駆動装置で、電子写真装置に設けられている。 ベルト駆動装置31は、駆動側ローラ部材32と従動側
ローラ部材33(蛇行防止用ロ−ラ部材)との間に、例
えばD方向にのみ片寄る特性を有する転写搬送ベルト3
4が掛け渡されて構成されている。
【0068】駆動側ローラ部材32は、EPDM系架橋
ゴムで形成される弾性ローラ部35が駆動軸36に嵌合
固定されてなり、該駆動軸36の両端部が、固定部材(
図示省略)に回転自在に支持されている。そして、上記
駆動軸36の一端には駆動モータ37が連係されている
【0069】一方、従動側ローラ部材33は、図11に
示すように、ローラ本体部38が従動軸39に嵌合固定
されてなる。従動軸39の両端部はローラ支持手段40
,40によって支持されており、該ローラ支持手段40
は、軸受41と、該軸受41に取付けられたスプリング
42とを備えると共に、上記従動軸39が挿入される長
孔等を有する固定支持材(図示省略)を備えてている。 そして、ローラ支持手段40は、転写搬送ベルト34に
張力が作用する作用方向、つまり、従動側ローラ部材3
3が駆動側ローラ部材32に対して離接する方向に従動
軸39の端部を移動自在に支持している。更に、上記軸
受41は従動軸39に回転自在に外嵌されており、また
、上記スプリング42は、一端が固定部材(図示せず)
に取付けられ、上記転写搬送ベルト34に張力が作用す
るように従動軸39を張力の作用方向、つまり、駆動側
ローラ部材32より離れる方向に引張している。
【0070】そして、上記ローラ本体部38は、略均一
径の円柱部43の一端部、即ち転写搬送ベルト34が片
寄る側の端部にテーパコ−ン部44が連設されてなる。 そして、円柱部43の外周面は、ポリエステル繊維やア
ラミド繊維等の有機短繊維を複合したエラストマで該有
機短繊維が表面に露出している繊維複合エラストマで形
成されている。
【0071】また、上記テーパコ−ン部44は、外側に
向って大径となるテーパ状に形成されると共に、超高分
子量ポリエチレンで形成され、その表面の摩擦係数が繊
維複合エラストマ45よりなる円柱部43の外周面の摩
擦係数より小さく設定されており、上記転写搬送ベルト
34が蛇行すると、ベルト端部がテーパ部44に乗り上
げて蛇行を修正するように構成されている。
【0072】上記のように構成すれば、転写搬送ベルト
34が両ローラ部材32,33に掛け渡された状態にお
いては従動側ローラ部材33がスプリング42,42に
よって駆動側ローラ部材32より離れる方向に引張られ
ているので、転写搬送ベルト34に所定の張力が作用し
ている。
【0073】この状態において、駆動モータ37を駆動
すると、駆動側ローラ部材32が回転して転写搬送ベル
ト34が両ローラ部材32,33間を走行する。
【0074】この転写搬送ベルト34の走行時において
、該転写搬送ベルト34は、図10のD方向に片寄る特
性を有しているので、転写搬送ベルト34はD方向側の
ベルト端部がテーパコ−ン部44上に乗り上げることに
なる。その際、テーパコ−ン部44の摩擦係数が比較的
小さいので、転写搬送ベルト34が摩擦損傷することは
ない。そして、従動側ローラ部材33におけるD方向側
の一端部が駆動側ローラ部材32に近接する方向にやや
変位する一方、転写搬送ベルト34における他端部はス
プリング42のバネ力によって従動軸39が引張られて
いるので、ベルト34に張力が付加され、該転写搬送ベ
ルト34には蛇行方向と反対側(D方向と反対側)への
力が生じ、蛇行が修正される。
【0075】特に、上記従動側ローラ部材33の円柱部
43を繊維複合エラストマ45で構成すると共に、該ロ
ーラ部材33のテーパ部44の摩擦係数を円柱部43の
摩擦係数より小さくしたために、転写搬送ベルト34が
蛇行すると、蛇行側のベルト端部の張力が増大し、且つ
従動側ローラ部材33に対する蛇行側の摩擦係数が低下
することになる。その結果、蛇行が自動的に確実に修正
されるので、転写搬送ベルト34を安定して走行させる
ことができる。
【0076】なお、上記実施例では、ロ−ラ本体部38
の円柱部43およびテ−パコ−ン部44を短繊維複合エ
ラストマおよび超高分子量ポリエチレンで形成している
が、その代わりに、ロ−ラ本体部の円柱部およびテ−パ
コ−ン部を、外周面がアルミニウム合金製となるように
構成してもよい。
【0077】
【発明の効果】請求項1〜請求項3の発明は、上記のよ
うに、基帯となるシ−ムレスベルトが、多数のモノフィ
ラメントがベルト周方向にほぼ直線的に平行に、かつ、
モノフィラメントの平均直径以下の平均間隔でもって相
互に分離配置される共に、モノフィラメント間に実質的
にバインダ−が充填されてなるテ−プ状部材からなり、
テ−プ状部材を構成するモノフィラメントが、ベルト周
方向に対して、所定の傾斜角を有するようになっている
ので、厚さが極めて薄く屈曲性に優れ、ベルト周方向の
伸びが特に小さく、ベルト幅方向に適度な剛性を有し、
寸法安定性に優れている。また、走行時にいずれかの特
定方向に片寄るので、その片寄る側にのみに蛇行防止機
構を適用することで蛇行を防止することができる。
【0078】請求項4の発明は、少なくとも1本のロ−
ラ部材の、平ベルトが片寄る側の端部に蛇行規制部材を
配設しているので、1つの蛇行規制部材でもって転写搬
送ベルトの蛇行を効果的に抑制することができる。また
、平ベルトはベルト幅方向に適度な剛性を有するので、
蛇行規制部材による規制に十分に抗し、端部の損傷もほ
とんど起こらない。
【0079】請求項5及ぶ請求項6の発明は、平ベルト
が蛇行変位により、蛇行検出部材に接して蛇行検出部材
が回転すると、この蛇行検出部材の回転運動をロ−ラ端
部変位手段によって直線運動に変換して蛇行検出用ロ−
ラ部材の軸端部を、回転軸心に略直交する所定方向に変
位させ、平ベルトに逆方向の蛇行変位を発生させて、初
期の蛇行を解消するようにしたので、初期の蛇行に応じ
た蛇行検出用ロ−ラ部材の第1軸端部の変位量が自動的
に与えられ、平ベルトは蛇行が解消され、安定した走行
を行わせることができる。そして、例えば電子写真装置
に適用した場合には正確な画像形成を行うことができる
【0080】請求項7及び請求項8の発明は、蛇行防止
用ローラ部材の円柱部の、平ベルトが片寄る側の端部に
連続してテーパコ−ン部を形成しため、平ベルトが蛇行
すると、蛇行側の平ベルトの端部の張力が増大し、その
結果、蛇行が自動的に確実に修正されることとなり、平
ベルトを安定して走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写搬送ベルトの全体構成図である。
【図2】転写搬送ベルトの製造方法の説明図である。
【図3】テ−プ状部材の積層構造を示す詳細図である。
【図4】転写搬送ベルト駆動装置の概略構成図である。
【図5】他の転写搬送ベルト駆動装置の概略構成を示す
斜視図である。
【図6】蛇行検出部材付近の縱断面図である。
【図7】蛇行検出部材付近を内側から見た斜視図である
【図8】蛇行検出部材付近を外側から見た斜視図である
【図9】ロ−ラ端部変位手段を示す説明図である。
【図10】さらに他の転写搬送ベルト駆動装置の概略構
成を示す斜視図である。
【図11】従動側ロ−ラ部材の正面図である。
【符号の説明】
1,14,34  転写搬送ベルト 2        誘電層 3        導電層 4        テ−プ状部材 11        第1ロ−ラ部材 12        第2ロ−ラ部材 13        第3ロ−ラ部材(蛇行検出用ロ−
ラ部材)21        蛇行検出部材 24        ロ−ラ端部変位手段31    
    転写搬送ベルト駆動装置32        
駆動側ロ−ラ部材33        従動側ロ−ラ部
材(蛇行防止用ロ−ラ部材)43        円柱
部 44        テ−パコ−ン部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  シ−ムレスベルトを基帯とする平ベル
    トであって、上記シ−ムレスベルトが、多数のモノフィ
    ラメントが長さ方向にほぼ直線的に平行に、かつ、モノ
    フィラメントの平均直径以下の平均間隔でもって相互に
    分離配置される共に、モノフィラメント間に実質的にバ
    インダ−が充填されてなるテ−プ状部材からなり、テ−
    プ状部材を構成するモノフィラメントが、ベルト周方向
    に対して、所定の傾斜角を有し、複数のロ−ラ部材間に
    巻回されて回動するとき、ロ−ラ軸方向のいずれか一方
    にのみ片寄る特性を備えていることを特徴とする平ベル
    ト。
  2. 【請求項2】  シ−ムレスベルトは、テ−プ状部材が
    奇数層積層されてなるところの請求項1記載の平ベルト
  3. 【請求項3】  シ−ムレスベルトは、テ−プ状部材が
    偶数層積層されてなり、  各層においてテ−プ状部材
    を構成するモノフィラメントが、ベルト周方向に対して
    、該各層の外側又は内側に位置する層のテ−プ状部材の
    モノフィラメントと異なる角度でもって傾斜していると
    ころの請求項1記載の平ベルト。
  4. 【請求項4】  請求項1、請求項2又は請求項3記載
    の平ベルトを複数本のロ−ラ部材に巻回して駆動する平
    ベルト駆動装置において、上記複数本のロ−ラ部材のう
    ち少なくとも1本のロ−ラ部材は、上記平ベルトが片寄
    る側の軸端部付近に鍔形状の蛇行規制部材が配設されて
    いることを特徴とする平ベルト駆動装置。
  5. 【請求項5】  複数のロ−ラ部材間に巻回されて回動
    するとき、ロ−ラ軸方向のいずれか一方にのみ片寄る特
    性を備えている平ベルトを複数本のロ−ラ部材に巻回し
    て駆動する平ベルト駆動装置において、上記複数本のロ
    −ラ部材の少なくとも1本のロ−ラ部材で構成される蛇
    行検出用ロ−ラ部材と、該蛇行検出用ロ−ラ部材の一方
    の軸端部に、該蛇行検出用ロ−ラ部材と独立して回転自
    在に支持された蛇行検出部材と、前記蛇行検出用ロ−ラ
    部材の前記蛇行検出部材が配設された軸端部を回転軸心
    と略直交する所定方向に移動可能に支持するロ−ラ支持
    部材と、上記蛇行検出部材に連結され、上記蛇行検出部
    材に平ベルトが接して回転トルクが作用したときに、そ
    の回転運動を直線運動に変換することによって、蛇行検
    出用ロ−ラ部材の軸端部を所定方向に変位させるロ−ラ
    端部変位手段とを備えていることを特徴とする平ベルト
    駆動装置。
  6. 【請求項6】  平ベルトは、請求項1、請求項2又は
    請求項3記載の平ベルトであるところの請求項5記載の
    平ベルト駆動装置。
  7. 【請求項7】  複数のロ−ラ部材間に巻回されて回動
    するとき、ロ−ラ軸方向のいずれか一方にのみ片寄る特
    性を備えている平ベルトを複数本のロ−ラ部材に巻回し
    て駆動する平ベルト駆動装置において、上記複数本のロ
    ーラ部材のうち少なくとも1本のローラ部材は、軸部材
    と、該軸部材に装設された円柱部と、該円柱部の、平ベ
    ルトが片寄る側の端部に連続して上記軸部材に装設され
    かつ外側に向って大径となるテーパコ−ン部とを備え、
    上記軸部材の両軸端部が変位可能に支持されている蛇行
    防止用ロ−ラ部材であり、    該蛇行防止用ローラ
    部材におけるテーパコ−ン部側の軸端部が、テ−パコ−
    ン部に平ベルトが接したとき、平ベルトの張力を高める
    方向に変位するように構成されていることを特徴とする
    平ベルト駆動装置。
  8. 【請求項8】  平ベルトは、請求項1、請求項2又は
    請求項3記載の平ベルトであるところの請求項7記載の
    平ベルト駆動装置。
JP3060321A 1991-03-25 1991-03-25 平ベルトおよびその駆動装置 Pending JPH04298434A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3060321A JPH04298434A (ja) 1991-03-25 1991-03-25 平ベルトおよびその駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3060321A JPH04298434A (ja) 1991-03-25 1991-03-25 平ベルトおよびその駆動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04298434A true JPH04298434A (ja) 1992-10-22

Family

ID=13138794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3060321A Pending JPH04298434A (ja) 1991-03-25 1991-03-25 平ベルトおよびその駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04298434A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001117393A (ja) * 1999-10-04 2001-04-27 Xerox Corp 多層定着ベルト
JP2008156096A (ja) * 2006-12-26 2008-07-10 Toshiba Corp ベルト駆動装置
JP2009147390A (ja) * 2009-03-30 2009-07-02 Nisshinbo Holdings Inc ラミネート装置における搬送装置
JP2011002658A (ja) * 2009-06-18 2011-01-06 Ricoh Co Ltd 定着ベルト用基体及びその製造方法、定着ベルト及びその製造方法、並びに、定着装置
JP2014530338A (ja) * 2011-10-18 2014-11-17 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company 内燃機関に適したチェーンテンションガイド

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001117393A (ja) * 1999-10-04 2001-04-27 Xerox Corp 多層定着ベルト
JP2008156096A (ja) * 2006-12-26 2008-07-10 Toshiba Corp ベルト駆動装置
JP2009147390A (ja) * 2009-03-30 2009-07-02 Nisshinbo Holdings Inc ラミネート装置における搬送装置
JP2011002658A (ja) * 2009-06-18 2011-01-06 Ricoh Co Ltd 定着ベルト用基体及びその製造方法、定着ベルト及びその製造方法、並びに、定着装置
JP2014530338A (ja) * 2011-10-18 2014-11-17 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company 内燃機関に適したチェーンテンションガイド

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3634952B2 (ja) 電子機器用転写ベルトの製造方法
JP3825637B2 (ja) デジタル式画像システムで使用するための無端ベルト及びその製造方法
JPH04298434A (ja) 平ベルトおよびその駆動装置
JP3857814B2 (ja) 電子機器用搬送定着ベルト及びその製造方法
US7455802B2 (en) Stress release method and apparatus
EP1163554B1 (en) Endless belt for use in digital imaging systems and method of making
US5100628A (en) Method and apparatus for making seamless belt photoreceptors
JP2910304B2 (ja) 端面処理シームレスベルト
JP4748846B2 (ja) 引抜き成形方法
JPH01117111A (ja) 搬送用ベルトおよび搬送装置
US7867594B2 (en) Endless belt for use in digital imaging systems
JPH04362980A (ja) 転写搬送ベルト
JPH04291284A (ja) 転写搬送ベルト
JP2004185001A (ja) 中間電子写真画像を運搬するための中間転写部材
JP3637783B2 (ja) 電子写真装置用無端ベルト駆動ローラ
JPH04159938A (ja) 平ベルト及び平ベルト駆動装置
JP2000131999A (ja) 電子写真装置用無端ベルトおよびその製造方法
JP2545494Y2 (ja) ベルト駆動装置
JPH0552244A (ja) ベルト駆動装置
JP2868884B2 (ja) 平ベルト駆動装置
JP2872802B2 (ja) ベルト駆動装置
JP3110126B2 (ja) 紙葉類搬送用無端ベルト
JPH0210389A (ja) 転写・搬送ベルト及び転写・搬送装置
JP2000131998A (ja) 電子写真装置用無端ベルトの製造方法
JP3911859B2 (ja) 電子写真装置用無端ベルトおよびその製造方法