JPH0429778B2 - - Google Patents

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JPH0429778B2
JPH0429778B2 JP62305925A JP30592587A JPH0429778B2 JP H0429778 B2 JPH0429778 B2 JP H0429778B2 JP 62305925 A JP62305925 A JP 62305925A JP 30592587 A JP30592587 A JP 30592587A JP H0429778 B2 JPH0429778 B2 JP H0429778B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリプロピレン長繊維から成るスパン
ボンド不織布に関する。より詳しくは構成するフ
イラメントが特殊な断面形状を有すると共に特殊
な形状で不織布中に配置され、それによつて嵩高
且つ柔軟なポリプロピレン長繊維スパンボンド不
織布に関する。
〔従来の技術と発明が解決しようとする問題点〕
現在スパンボンド不織布は各種用途に用いられ
ている。中でもポリプロピレンのスパンボンド不
織布はポリプロピレン繊維の有する柔軟さを利用
して使い捨てのオムツのトツプシート(肌に当る
側のシート)などに用いられている。しかし、こ
れらスパンボンド不織布に用いられるフイラメン
トは無捲縮であるために、得られた不織布の嵩高
性が劣り、且つ柔軟性も不充分であるという問題
点を有し、オムツのトツプシートなどの使用が広
まるにつれて、嵩高で且つ柔軟なスパンボンド不
織布に対する要望が高まつている。
嵩高性があり、且つ柔軟な不織布自体は、一般
に捲縮のある短繊維(例えばチツソES繊維)を
カード式ウエブ製造機によつてウエブを作成し、
熱風ボンデイング法により作る事ができる。しか
しながら短繊維であるがために、布強度が弱くボ
ンデイング部分の破損による短繊維の脱落がある
などの欠点を有する。
従つて、短繊維を経ることなく直接長繊維ウエ
ブにする事によつて作られるスパンボンド不織布
は布強度が強く且つボンデイング部分の破損によ
る繊維の脱落がない等の物性上の特徴を有し、更
に、生産工程が短い等による生産コストが安いな
ど、カード式短繊維不織布に比較して長所が多
い。そのため嵩高な長繊維不織布を提供するため
の種々の製造方法が提案されている。
例えば、特公昭62−1026号公報には、圧力流体
とともに繊維形成性流体を噴出させるための噴出
孔、噴出孔の先端に設けた通気壁からなる捲縮付
与部、捲縮付与部周囲を加圧雰囲気にするための
加圧室、捲縮付与部に対向する位置に設けられて
挫屈捲縮糸を開繊解舒しながら噴出するための噴
出孔からなる捲縮を有する長繊維不織布の製造装
置が開示されている。この装置を用いることによ
り、挫屈捲縮による5〜25山/25mmの捲縮数と2
〜30%の捲縮度を有する実質的に開繊された長繊
維からなる長繊維不織布が得られるという。
しかしながら、特公昭62−1026号公報に開示さ
れた長繊維不織布は、挫屈捲縮糸であるがために
挫屈方向が不織布面に沿つた方向にあるものは、
嵩高性には寄与せず、充分な嵩高性を発現させる
ためには、捲縮数を過剰に多くすることを必要と
し、結局、目付が大きくなつて充分な嵩高度を与
えられない。
又特開昭48−1471号公報には、紡糸した後に収
縮性を異にする2種の重合体組成物をバイメタル
型あるいは偏心鞘芯型に複合紡糸するか、あるい
は重合体組成物を紡出後の糸条断面内で偏つた温
度勾配を有するように紡糸し、連続的に高速引取
することにより得られる実質上延伸された連続フ
イラメントを外部より導いた高速気流の作用によ
り捕集面上に搬送し、加熱あるいは溶媒処理によ
つて少なくとも捲縮数5個/インチ以上で且つ捲
縮弾性率2%以上のらせん状捲縮を有する状態で
捕集面上に堆積し、必要あれば乱気流処理も加味
してランダムループ状に連続フイラメントが配列
したマツト状ウエツプを形成する方法が開示され
ている。
特開昭48−1471号公報に開示された構造物中の
繊維は通常の円形断面を有する繊維がらせん捲縮
構造で形成されたものであり、したがつて使用中
にらせん捲縮同志のからみ合いが強化されて嵩高
性が低下するという問題点を有する。又この公報
には構成するフイラメントによじれを与えたり、
捲縮らせんの方向を反転させたりする考えは開示
されていない。なお特開昭48−1471号公報に開示
された嵩高マツト状繊維構造物は20mmから400mm
の厚みを有するふとん綿等を対象したものであ
り、本発明のようにトツプシート等の薄地であつ
て嵩高なスパンボンド布とは異る分野を対象とす
る。
又特公昭42−13741号公報および該公報に開示
された技術を詳細に説明する繊維学会誌(論文
集)Vol.29,No.4(1976)のT57〜62には、非対
称冷却法によるポリプロピレン捲縮繊維が開示さ
れている。このポリプロピレン捲縮繊維を得るた
めには、紡糸直後に非対称冷却を行い、未延伸繊
維中の密度分布をある好適範囲にすることが未延
伸繊維に捲縮能を与える基本的条件であるとさ
れ、この未延伸糸を延伸し、その後弛緩熱処理さ
せて捲縮延伸糸を得るものである。したがつて製
造工程が長く且つ大規模な製造設備を要し、大量
且つ安価に製造することが必要な長繊維スパンボ
ンド不織布を得るための方法として適さない。ま
た得られる捲縮延伸伸糸は常にT字断面の同一面
がらせんの内側に向いたものであり、したがつて
この捲縮伸縮糸を多数集めてウエブ状にしたとし
ても充分な嵩高性を期待することができない。
本発明は前述の従来公知のスパンボンド不織布
の有する問題を解決して、安定して嵩高性と柔軟
性を有するスパンボンド不織布を提供する事を目
的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の前述の目的は結晶性熱可塑性樹脂から
成るスパンボンド不織布であつて、該不織布を構
成するフイラメントが異形断面を有すると共に捲
縮らせん径が1mm以下0.3mm以上のループ部分を
有し、且つ不織布中で捩れながら立体的に配置さ
れており、さらにフイラメントの長手方向での捩
れの発生間隔の平均値が5mm〜15mmであることを
特徴とする嵩高結晶性熱可塑性樹脂製スパンボン
ド不織布によつて達成される。
前記結晶性熱可塑性樹脂としては、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、ポリエステル等を用いるこ
とができる。特に前記捲縮らせん径が1mm以下の
ループ部分をフイラメントに発現させるためには
ポリプロピレンを用いるとより好ましい。
前記異形断面としては三角断面等の多角形断
面、C形断面等の各種断面形状の異形断面を用い
ることができる。ただし嵩高性や柔軟性を得るた
めには、中実の異形断面糸より凸部が突出した断
面形状を有する異形断面糸を用いると好ましい。
例えば三角断面の異形断面糸の場合には、その断
面形状が三本の凸部を中心部の外側に有する三角
断面であり、前記凸部の底部の幅をtとし、凸部
の長さをlとし、繊維の断面積をSとする時に構
成フイラメントの大部分が下記の式(1)および(2)の
条件を満たす断面形状を有すると好ましい。
l≧t (2) 本発明によるスパンボンド不織布を構成するフ
イラメントのループ部分の捲縮らせん径は1.0mm
以下0.3mm以上であることを要し、捲縮らせん径
が1.0mmを越える場合は単位長当りの捲縮数が少
くなるので嵩高性が劣り、又0.3mm未満の場合は
らせん形状によつて得られる空間が極度に小さく
なりすぎることにより嵩高性が劣ることになると
共にフイラメント間のからみが強くなりすぎるた
めにウエブ製造時に筋斑が発生しやすい。
不織布中でのフイラメントの捩れはフイラメン
トの長さ15mm内に1個以上あると好ましい。捩れ
の発生間隔が15mmを越えるものは、捩れのないも
のと同様な嵩高性となる。これはフイラメントの
捩れによるループの反撥効果が低下するものと思
われる。また発生間隔5mm未満のものは実際上発
現はむずかしく、現実的ではない。
本発明によるスパンボンド不織布を構成するフ
イラメントの繊度は各種のものを用いることがで
きる。しかし本発明による不織布は主として薄物
の嵩高不織布として用いられるので、その場合に
は0.5d〜5.0dのフイラメントが好んで用いられ
る。
本発明によるスパンボンド不織布の目付は用い
られる用途によつて異る。例えばオムツのトツプ
シート等の薄物不織布は要求特性および経済性の
面から15〜30g/m2の目付のものを使用するとよ
い。
本発明によるスパンボンド不織布は前述のよう
に嵩高性を有する。本発明では嵩高性を10g/4
cm2荷重時の厚さ(μ)を目付(g/m2)で除した
値を嵩高フアクターHで示し、Hの値が20以上で
あることが好ましい。
一般に不織布の嵩高性が向上すれば不織布の経
方向又は緯方向が伸びやすくなる。特に経方向が
伸びやすくなると、不織布が特定の製品への加工
工程で経方向に伸び、それにつれて緯方向の幅が
狭くなるという欠点を有する。本発明によるスパ
ンボンド不織布では嵩高でありながら前記欠点の
発生を防止し得るように不織布のタテ方向の5%
モジユラスを20g/m2目付では0.4Kg/3cm巾以
上にすることを特徴とする。この値の5%モジユ
ラスを有する不織布を得るためにはウエブの製造
工程に適切な引張り作用を付加すると共に部分熱
接着を用いるとよい。
以下本発明のスパンボンド不織布の一例を示す
添付図面を参照して本発明を詳述する。
第1図に本発明の不織布の平面方向(第1図
A)および厚み方向(第1図B)の電子顕微鏡写
真(倍率40倍)を示す。これら写真から本発明の
不織布を構成するフイラメントが異形断面を有す
ると共に捲縮らせん径が1mm以下のループ部分を
有し、さらに不織布中で捩れながら立体的に配置
されている状態を観察することができる。
第2図に従来公知の長繊維不織布の平面方向
(第2図A)および厚み方向(第2図B)の電子
顕微鏡写真(倍率40倍)を示す。これら写真に示
すように、従来公知の長繊維不織布では不織布を
構成するフイラメントに捲縮がなく、それらフイ
ラメントが直線状に嵩高性が欠ける状態で配置さ
れている。
第1図Bと第2図Bを比較すれば容易に判るよ
うに、従来公知の長繊維不織布は本発明の不織布
に比し厚さが薄く、これは嵩高さにおける差を示
すものである。
第3図は本発明の不織布の圧着処理前のウエブ
からフイラメントを取出して撮影したフイラメン
トの顕微鏡写真であり、本発明の不織布を構成す
るフイラメントのらせん状捲縮がループとして観
察される。これに対して従来公知の不織布を構成
するフイラメントは第4図に示すように直線状や
形態を有する。
第5図に基づいて本発明の不織布を構成するフ
イラメントが捩れるメカニズムを説明する。本発
明の不織布を製造するに際して、後述のように非
対称に紡糸されたフイラメント冷却するための第
1冷却装置の他に、フイラメントに捩れを与える
ための第2冷却装置を用いる。この時のフイラメ
ントの状態を第5図Aに示す。すなわち三角断面
の上流の各頂点a,b,cは下流ではa′,b′,
c′で示すように捩れている。この捩れた状態にお
いて第1冷却装置から冷却風が当てられるので冷
却風側すなわち第5図Aで手前側が先に冷却して
固化して低密度部Dを形成する。紡糸されて引取
られている状態でのフイラメントでは、第5図B
に示すように、三角断面の上流の各頂点a,b,
cと下流の各頂点a′,b′,c′とは互いに対応する
位置に戻り、これに対して低密度部Dが捩れて配
置されている。
したがつて第6図に例示するように、本発明の
不織布を構成するフイラメントでは図中で2.5回
の捲縮に対して一つの成分(斜線部分)が4回見
えかくれする。
これに対して第7図に示すように、従来公知の
長繊維不織布中の捩れのないフイラメントのらせ
ん捲縮では、らせん捲縮の回数と一つの成分の見
えかくれする回数が同数である。すなわちらせん
形状の外側に配置された例えば低密度部のような
一つの成分はフイラメントの長手方向で常に外側
にある。
第8図に本発明の不織布を構成するフイラメン
トの断面形状を例示する。いずれの異形断面フイ
ラメントにおいても突部を有する断面形状を有す
る。
本発明の不織布を構成するフイラメントの断面
形状が三角断面の場合においては、第9図に規定
するようなtおよびlの値が前述のように特定値
を満すと好ましい。すなわちtを異形断面の内接
円が接する位置(凸部の根元)における突起部の
幅とし、lを内接円の接する位置(凸部の根元)
から突起部先端までの長さをする。
次に本発明の嵩高結晶性熱可塑性樹脂製スパン
ボンド不織布の製造方法を第10図を参照して説
明する。本発明のスパンボンド不織布はポリプロ
ピレンを異形の口金1から溶融押出しし、紡口直
下で糸条9の走行方向と直角な方向から冷却風を
以下に述べる特殊な条件にて吹当て、糸条9の断
面方向に非対称な冷却を行いながら高速エアーサ
ツカーなどの高速牽引引取装置4で引取る。
高速牽引引取装置4を出た糸条は帯電装置5を
通過して移動する金網コンベアー6の上にウエブ
10として捕集され搬送されて部分熱接着ロール
7によつて熱接着されスパンボンド不織布11と
して、巻取機8で巻取る。
本発明のスパンボンド不織布の製造方法では紡
口面より下部10〜15cm位置に上端をもつ通常の冷
却風供給装置2(以下第1冷却装置2という)と
は別に更に紡口面に近い位置に、水平方向に吐出
する通常の冷却風に対して水平面内で5゜〜45゜異
なる向きに0.5〜1.0m/secで吐出する冷却風用供
給装置3(以下第2冷却装置3という)を配置す
る。ここで言う冷却風とは吹出し口で70%、
RH20℃程度のものである。本発明の捲縮フイラ
メントは通常の冷却風よりも紡口面に近い位置に
通常の冷却風とは異なる角度で別の冷却風を用い
ることにより、異形フイラメントをフイラメント
の長手軸を中心として回転させる力が働き、その
ために先に冷却固化する場所が長さ方向でランダ
ムに変化する。それによつてらせん状捲縮フイラ
メント自身が長さ方向に捩れたものとなる。
らせん状捲縮を有するフイラメントを製造する
に際して、異形フイラメントは風上側がまず冷却
固化し、その後風下側が固化する。これを高速牽
引しながら行うことによつて糸条が高速牽引から
解放され捕集面上にウエブとして捕集された時に
顕在捲縮としてあらわれる。
風上側は冷却固化するものの高速牽引の牽引力
によつて、伸長され、その状態で風下側が冷却固
化するために、牽引力から解放された時に伸長さ
れていた風上側のみが縮むために顕在捲縮を生じ
るものと思われる。本発明の捲縮フイラメントは
密度0.900以下であるが、通常の捲縮のない従来
フイラメントは密度が0.905を越えるもので風上
側の先に冷却固化する部分の密度は0.805程度の
結晶化の極度に抑えられたものとなつていると思
われる。
このようにして得られた本発明の不織布を構成
するフイラメントは第6図に示すようにフイラメ
ントの断面のある部分がフイラメントのらせんの
外側に配置されたり、内側に配置されたりして移
動している。
〔実施例〕
以下実施例により本発明をさらに詳述する。
実施例の説明に先立ち、本発明で用いられる物
性値の定義および測定方法を以下に一括して示
す。
◎目付:不織布1m2当りの重量(g)で表す。
◎嵩高フアクター(H) 中山電気産業(株)製、圧縮弾性試験機E−2
型を用い、 測定面積4cm2下にて10g荷重時の不織布の
厚さT(μ)を測定し、目付で除した値で
表わす。
H=T/目付 ◎らせん径:不織布の顕微鏡写真下でループの直
径を測定し、その平均値(mm)を用いる。
◎繊維断面の突起部の幅t(μ) 繊維断面における突起の根元位置での突起
の幅でフイラメント10本の平均値。
◎繊維断面の突起の長さl(μ) 繊維の断面における突起の根元から突起の
先端までの距離でフイラメント10本の平均
値。
◎フイラメントの長手方向での捩れ 電子顕微鏡写真において、フイラメントの
捩れの強い部分(捩れの角度が10゜を越え
る)および捩れが逆転する部分のことで、
フイラメントの長手方向の、この部分の間
隔をmm単位で表わす。
◎MFR:JIS K7210 表1の条件4で測定した
ものでポリマーの流れ易さを表わす。
◎タテ方向5%モジユラス 不織布を幅3cmで引張り方向をタテ方向に
なる様に長方形に切り出し、東洋ボールド
ウイン(株)製テンシロンにて引張スピード30
cm/分にて引張試験を行い、5%伸長時の
応力をKgで表わす。
◎柔軟度JIS L1096の剛軟性をE法(6,19,5
ハンドルオメータ法)にて測定した。
実施例 1 65mm直径の押出機でポリプロピレン(MFR=
38JIS K7210表の条件4で測定)を押出温度240
℃にて1300g/mm定量的に押出し、1540ホールの
三角断面異形ノズル(長手方向に220行で幅方向
に7列に等間隔に配置)をもつた長手方向1m幅
5cmの矩型紡糸口金を使用することにより、異形
フイラメント群を紡出し、これを矩型高速気流牽
引装置を使用することにより3500m/分の速度で
牽引し、コロナ帯電装置により帯電させた後、移
動する吸引装置のついた金網製ウエブコンベアに
受けウエブを作つた。
紡糸口金と矩型高速気流牽引装置との間にフイ
ラメント群の冷却のために、フイラメントの走行
方向に50cmの長さを有する第1冷却装置2及び第
1冷却装置2より紡口面に近い位置に長さ5cmの
第2冷却装置3を装着して、フイラメント群の走
向方向に直角に冷却風(70%R.H.20℃)を吹き
当てた。第1冷却装置2の冷風吹出し位置の上端
は紡口面から15cmでその冷却風速は1.0m/sec、
第2冷却装置3では5cmおよび0.5m/secであつ
た。また第1冷却装置および第2冷却装置の冷風
の吹出し方向は水平面内で10゜の差をつけた。得
られた嵩高長繊維ウエブを構成するフイラメント
は捲縮数が平均10個/25mmであつた。
このウエブを金網コンベアー6で搬送し、部分
熱圧着ロール7にて135℃で熱圧着して目付20
g/m2を有する第1図に示す嵩高スパンボンド不
織布を得た。この時のコンベアー、部分熱圧着ロ
ール、捲取機のスピードはそれぞれ47m/分、
49.0m/分、50m/分であつた。用いた部分熱圧
着用のエンボスロールは圧着面積7%で圧着点同
士の最短距離が1.5mmのものでエンボス彫刻の深
さは0.8mmであつた。
得られたスパンボンド不織布中のフイラメント
の捲縮らせん径は0.8で、フイラメントの長手方
向の捩れの発生間隔の平均値は10mmであつた。
また嵩高フアクターHは30であり、柔軟度はタ
テ方向12.0g、ヨコ方向4.8gであつた。タテ方
向5%モジユラスは0.47Kg/3cm巾であつた。構
成するフイラメントの断面写真から得たtは
8.5μ、lは13μであり、単糸のデニールは2.2デニ
ールであつた。
実施例 2 糸条の第1冷却装置2、および第2冷却装置3
の冷風吹出し位置の上端の紡口面からの距離をそ
れぞれ20cm、10cmとし冷却風速をいずれも
1.0m/secとした以外は実施例1と同一条件にて
20g/m2目付のスパンボンド不織布を得た。
得られた不織布の捲縮らせん径は0.9mmであり、
構成フイラメントの長手方向の捩れの発生間隔の
平均値は11mmであつた。不織布の嵩高フアクター
Hは28であり、柔軟なタテ方向12.3g、ヨコ方向
5.0gであつた。フイラメントの断面形状はトリ
ローバルでtは8.5μ、lは12μであつた。
実施例 3 コンベアー、熱圧着ロールおよび捲取機のスピ
ードをそれぞれ62m/分、64m/分、65m/分と
する以外は実施例2と同一の条件にて、15g/m2
目付のスパンボンド不織布を得た。得られた不織
布の嵩高フアクターは31、柔軟度はタテ方向8.0
g、ヨコ方向4.4gであつた。タテ方向5%モジ
ユラスは0.42Kg/3cm巾であつた。
実施例 4 溶融押出しの量を1540g/分とし、コンベア
ー、部分熱圧着ロール、捲縮機のスピードをそれ
ぞれ55m/分、57m/分、58m/分とする以外は
実施例2と同一の条件にて、20g/m2目付の不織
布を得た。
得られた不織布の捲縮らせん径は0.9mmであり、
構成フイラメントの長手方向の捩れの発生間隔は
13mmであつた。不織布の嵩高フアクターHは29で
あり、柔軟なタテ方向12.6g、ヨコ方向5.1gで
あつた。フイラメントの断面形状はトリローバル
でtは9μ、lは12μであつた。
比較例 1 実施例1で紡糸ノズルの形状が丸型断面矩型紡
糸口金を用いる以外は同一の条件でスパンボンド
不織布を得た。
熱圧着する前のウエブに捲縮はあるものの捲縮
数は3個/25mmと少いものであり、得られた不織
布も嵩高フアクターHが16であり、嵩高性に欠け
るものであつた。
比較例 2 比較例1において第2冷却装置3を取除く以外
は、同一の条件にてスパンボンド不織布を得た。
フイラメントに捲縮は全くなく、得られた不織
布は嵩高フアクターHが14.2の嵩高性に欠けるも
のであつた。(比較例2の不織布は従来のスパン
ボンド不織布であり、図2の電子顕微鏡写真のも
のである。)不織布の柔軟度はタテ方向17.5g、
ヨコ方向7.5g、タテ方向5%モジユラスは1.3
Kg/3cm巾であつた。
比較例 3 実施例1において、第2冷却装置3を取除く以
外は同一の条件でスパンボンド不織布を得た。
フイラメントの捲縮数は4個/25mmで、捲縮ら
せん径は1.5mmであり、且つフイラメントの捩れ
は発生していなかつた。得られた不織布は嵩高フ
アクターHが16の嵩高性に欠けるものであつた。
不織布の柔軟度はタテ方向16.8g、ヨコ方向7.0
g、タテ方向5%モジユラスは1.2Kg/3cm巾で
あつた。
〔発明の効果〕
本発明の不織布は前述のように構成されている
ので、従来の長繊維不織布では得られない優れた
嵩高性と柔軟性を有し、この優れた性質と共に長
繊維不織布の本来有する例えば高強度、繊維無脱
落性および低コスト等の性質とが加味されて、お
むつのトツプシート等の幅広い用途の有用に用い
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の不織布においてその構成繊維
の形状を示す顕微鏡写真であり、第1図Aは平面
方向での写真、第1図Bは断面方向での写真であ
る。第2図は従来公知の不織布においてその構成
繊維の形状を示す顕微鏡写真であり、第2図Aは
平面方向での写真、第2図Bは断面方向での写真
である。第3図は本発明の不織布を構成する繊維
の形状を例示する顕微鏡写真であり、第4図は従
来公知の長繊維不織布を構成する繊維の形状を例
示する顕微鏡写真である。第5図は本発明の不織
布を構成するフイラメントが捩れるメカニズムを
説明する斜視図であつて、第5図Aは紡糸直後に
フイラメントが捩られながら非対称に冷却される
状態を示し、第5図Bはこのようにして作られた
フイラメントが引取られるている状態でのフイラ
メントを示す。第6図は本発明の不織布を構成す
るフイラメントの形状を模式的に示す図である。
第7図は従来公知の長繊維不織布中のフイラメン
トの形状を模式的に示す図である。第8図は本発
明の不織布を構成する各種フイラメントの断面形
状を例示する図である。第9図は本発明の不織布
を構成するフイラメントが三角断面である場合
に、その断面形状を規定する要素を説明する図で
ある。第10図は本発明の不織布の製造装置の一
例を示す側面図である。 1……口金、2……第1冷却装置、3……第3
冷却装置、4……高速牽引引取装置、5……帯電
装置、6……金網コンベアー、7……部分熱接着
ロール、8……巻取機、9……糸条、10……ウ
エブ、11……不織布、D……低密度部、t……
内接円が接する位置におけるフイラメントの幅、
l……内接円の接する位置から凸部先端までの長
さ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 結晶性熱可塑性樹脂から成るスパンボンド不
    織布であつて、該不織布を構成するフイラメント
    が異形断面を有すると共に捲縮らせん径が1mm以
    下0.3mm以上のループ部分を有し、且つ不織布中
    で捩れながら立体的に配置されており、さらにフ
    イラメントの長手方向での捩れの発生間隔の平均
    値が5mm〜15mmであることを特徴とする嵩高結晶
    性熱可塑性樹脂製スパンボンド不織布。 2 前記異形断面が三本の凸部を中心部の外側に
    有する三角断面であり、前記凸部の底部の幅をt
    とし、凸部の長さをlとし、繊維の断面積をSと
    する時に構成フイラメントの大部分が下記の式(1)
    および(2)の条件を満たす断面形状を有することを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載のスパンボ
    ンド不織布。 l≧t (2)
JP30592587A 1987-12-04 1987-12-04 嵩高結晶性熱可塑性樹脂製スパンボンド不織布 Granted JPH01148862A (ja)

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US3528129A (en) * 1964-10-24 1970-09-15 Freudenberg Carl Kg Apparatus for producing nonwoven fleeces

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