JPH0429769Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ペンダント、指輪、ピアス、ネクタ
イピン等の装身具、置物等の装飾物に関し、特に
空間内に装飾体を可動的に封入して成る新規有用
な装飾物に関するものである。

（従来の技術） 従来、例えば、本体に形成した空間内に宝石等
に小片から成る複数の装飾体を可動的に収容し、
かつこの空間を透明板で封止して成る指輪、ペン
ダント等の装身具が知られている。これは、本体
の動きに応じて内部の装飾体が不規則に動いてそ
の位置を刻々変化させる面白さを持つものであ
る。

また、実開昭49−97193号公報には、ワイヤの
下部に同極の磁石を吊り下げて反発により揺動す
るようにしたアクセサリが提案されている。

（考案が解決しようとする課題） 上記従来の装身具においては、例えばこれペン
ダントに適用して身に付けた場合、本体が起立す
ることになるので、空間内の装飾体が自重で全て
下方に集まり、その動きが制限され、趣味感が減
殺されてしまうという課題がある。

また、上記した公報は、単に磁気の反発作用を
利用したものであるから、アクセサリとしての面
白みはあまりなく、磁気を有機的に利用したアク
セサリの開発が望まれていた。

本考案は、上記従来の課題に鑑みて開発された
もので、磁石の吸着力を利用することにより、本
体がどのような姿勢をとろうとも装飾体の動きが
制限されることがなく、従つて、内部の装飾体が
転動しながら動く面白さを最大限に発揮すること
ができる装飾物を提供しようとするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案においては、上記従来の問題点を解決す
るため、枠形状の本体に形成した空間内に可動的
に装飾体を収容し、かつこの空間を封止して成る
ペンダント等の装飾物において、前記空間内に互
いに異極面同志で吸着する磁気を帯びた円弧状ま
たは円環状の磁気吸着体と環状の磁気転動体を収
容し、この磁気転動体は磁気吸着体に対して一部
の面接触により前記磁気吸着体の内外周面の少な
くとも何れか一方側に吸着させると共に、前記本
体の振動時に環状磁気転動体が磁気吸着体に対し
て吸着しながら転動するように構成した。

（作用） 本考案の装飾物においては、磁気吸着体と磁気
転動体の双方に磁性を持たせて両者を吸着させ、
この磁気転動体は磁気吸着体に対して一部の面接
触により前記吸着体に吸着させ、振動時に転動体
が吸着体に対して転動するように構成しているか
ら、装飾物本体が振動、揺動すると、転動体の荷
重と磁気吸着体とがバランスした状態で、転動体
も自由に振動、揺動する。従つて、転動体は、本
体の姿勢に関係なく実質的に重力を免れ、しかも
摩擦抵抗による動きの制限を受けることがないの
で、自由に転動して様々に配置を変える面白さが
表現される。

（実施例） 第１図、第２図に本考案をペンダントに適用し
た一実施例を示す。第１図はペンダントの正面
図、第２図は第１図−断面図である。

第１図、第２図において、１はペンダントの如
き装飾物の本体で、この本体１には空間２が形成
されている。即ち、本体１に孔３を形成し、この
孔１の上下端部に透明ガラス板４，４（又は半透
明板或は一方を不透明板にする）を嵌合固定して
空間２が形成されている。

しかして、空間２内には、一側に湾曲磁石から
成る磁気吸着体５が固着されると共に、これに対
して点または線接触、若しくは一部の面接触によ
り吸着する環状磁気転動体６が移動自在に収容さ
れている。転動体６は、環状磁石から成り、本体
１が振動または揺動したときに磁気吸着体５に対
して吸着しながら転動するようになつている。そ
して、さらに転動体６の内側には、転動体６に対
して反発する磁性を帯びたの装飾体７が移動自在
に封入されている。この場合、装飾体７は転動体
６に反発して常時空間に浮くように保持される。
この装飾体７は、磁性体７ａの凹所に接着剤等に
よつて宝石７ｂを取付けたもの等により装飾を凝
らすことができる。これ以外に装飾体自体を磁性
体にするか、或は磁性体を金等で被覆するように
しても良い。

また、第１図において、環状の磁気転動体８を
転動体６の外周面に異極面同志を対向させて吸着
させており、この場合、転動体６は円形状の磁気
吸着体の機能を発揮している。

次に上記実施例の作用を説明する。

この実施例においては、本体１の空間２内に設
けられた磁気吸着体５に転動体６が吸着し、本体
１が振動または揺動したときに磁気吸着体５の曲
面または環状面に対して転動体６が自由に吸着し
ながら転動することができる。装飾体７は、転動
体６（装飾体７と同極製）に対して反発する磁性
を帯びているので、転動体６が転動しても、これ
に接触することなく常時間隔をおいて空間に浮い
ているが、振動により一定範囲で移動し、あるい
は回転する。即ち、装飾体７は、本体１の姿勢に
関係なく実質的に重力を免れ、しかも摩擦抵抗に
よる動きの制限を受けることがないので、自由に
転動体６内の空間を動いて様々に様相を変化させ
装飾性が高められる。

第３図には本考案の他の実施例を示す。この実
施例においては、本体１内に湾曲した磁気吸着体
５が設けられ、これに複数の転動体６が吸着して
いる。環状磁気転動体６，６，６は、互いに反発
しあう磁性を帯びている。従つて、本体１の揺
動、振動にともなつて転動体６は互いに接触する
ことなく磁気吸着体５上を転動する。

第４図は、本考案の他の実施例を示したもの
で、吸着体９又は転動体１０の一方或は双方に磁
性を持たせ、転動体１０を転動させ、両者は、保
持環１１によつて保持されている。

なお、本考案は、ペンダントの如き装身具に限
らず、家具調度の装飾品、或いは置物等にも広く
適用することが出来る。上記実施例では転動体６
が磁気吸着体５に対して線接触するが、これに限
定されることなく、転動体６は、磁気吸着体５に
対して点接触、若しくは一部の面接触によつて吸
着していてもよい。

（考案の効果） 以上のように、本考案においては、空間内に互
いに異極面同志で吸着する磁気を帯びた円弧状ま
たは円環状の磁気吸着体と環状の磁気転動体を収
容し、この磁気転動体は磁気吸着体に対して一部
の面接触により前記磁気吸着体の内外周面の少な
くとも何れか一方側に吸着させると共に、前記本
体の振動時に環状磁気転動体が磁気吸着体に対し
て吸着しながら転動するように構成したため、装
飾物本体の姿勢、動きに応じて転動体を磁気吸着
体に対して自由に転動させ、その多彩な変化によ
り装飾性を向上することができるという効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
はペンダントの正面図、第２図は第１図−断
面図、第３図及び第４図は他の実施例を示す正面
図である。 １……枠形状の本体、５……磁気吸着体、６，
８……環状磁気転動体、１１……保持環。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 枠形状の本体に形成した空間内に可動的に装飾
   体を収容し、かつこの空間を封止して成るペンダ
   ント等の装飾物において、前記空間内に互いに異
   極面同志で吸着する磁気を帯びた円弧状または円
   環状の磁気吸着体と環状の磁気転動体を収容し、
   この磁気転動体は磁気吸着体に対して一部の面接
   触により前記磁気吸着体の内外周面の少なくとも
   何れか一方側に吸着させると共に、前記本体の振
   動時に環状磁気転動体が磁気吸着体に対して吸着
   しながら転動するように構成したことを特徴とす
   る装飾物。