JPH042964Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はガードル、ウエストニツパー等の腹部
に装着する補正用ボーンに関するものである。

（従来の技術） 従来ガードル等の腹部には伸びない生地を当て
ると共に、該腹部の両側には上下にワイヤーボー
ンを挿入して腹部生地の伸びを押えて補正の目的
に供していた。

（考案が解決しようとする問題点） 前記従来のガードル等のワイヤーボーンは、腹
部の両側において上下方向に挿入されたものであ
り、腹部の前面には何ら適用されておらず、伸び
ない生地を当てるだけであつたので、腹部を押え
る補正力は弱く、またボーンは鋼線材のため肌触
りが硬いなどの問題点があつた。

本考案は前記従来の問題点を解決するために提
案されたものである。

（問題点を解決するための手段） このため本考案は、ガードル等の腹部を補正す
る補正用ボーンにおいて、該ボーンは常温以上の
温度において塑性変形以前の形状に戻る形状記憶
合金製線材により形成され、該変形以前の形状
は、両側に形成され、ほぼ平行した直線状でガー
ドル等の腹部の生地に保持固定される保持部と、
中央部に上方に向け形成され、前記両側の保持部
の上端から夫々内側に向け一体に連接された複数
の指状凸部を形成し、該凸部間に凹部を設け、か
つ両端の凸部がその内側の複数の凸部より上方に
長く形成されると共に、腹部を外面から押える支
持部とよりなり、全体として内方に湾曲するよう
構成してなるもので、これを問題点解決のための
手段とするものである。

（作用） 本考案の補正用ボーンをガードル等の腹部の表
生地と裏生地間に挟着し、両側の直線状の保持部
を該表裏生地間に保持固定する。この補正用ボー
ンを装着したガードル等を着用して常温以上の温
度になると、該補正用ボーンは塑性変形以前の形
状、即ち保持部の上端から内側に向け一体に連接
して設けられて複数の指状凸部が直立して、該凸
部間に凹部を形成し、かつ全体として内包に湾曲
状に変形して剛性を持ち、着用者の腹部を外方か
ら押えるようにして補正効果を一段と高める。

（実施例） 以下本考案を図面の実施例について説明する
と、第１図〜第５図は本考案の実施例を示し、第
１図は塑性変形以前の形状に形成された正面図、
第２図は同平面図、第３図はガードルに装着した
着用時の状態を示す。

図において１は形状記憶合金製の補正用ボーン
で、常温以上の温度において塑性変形以前の形状
に戻る形状記憶合金製線材により形成され、該変
形以前の形状は、両側にガードル２等の腹部の表
生地３と裏生地４間に保持固定される直線状の保
持部５，５を設け、該両保持部５，５の上端から
夫々内側に向け一体に連接された複数の指状凸部
６を設け、該凸部６，６間には凹部７が形成さ
れ、全体として第２図の如く内方に湾曲してお
り、Ａは内方、Ｂは外方を示す。また保持部５，
５に続く両端の凸部６′，６′は、その内側の複数
の凸部６より上方に長く形成されている。なお、
補正用ボーン１は、線材の太さに応じて前後方向
への湾曲の剛性を適度に調節できるものであり、
また裏地４としては補正用ボーン１の存在を感じ
させない伸縮性のあるソフト素材を用いるのがよ
い。

形状記憶合金は、塑性変形させた合金を、ある
変態温度以上にすると変形以前の形状に戻る性質
を持つ合金であり、この性質はマルテンサイト変
態に付随して起こる効果と考えられ、Ti−Ni，
Cu−Zu，In−Tiなどの合金にこの効果が見出さ
れている。なお、形状記憶合金製線材には直線状
線材が用いられる。

次に作用を説明すると、補正用ボーン１を第４
図の如くガードル２等の腹部の表生地３と裏生地
４間に挟着し、両側の直線状の保持部５，５を該
表裏生地３，４間に縫着等適宜の手段で保持固定
する。この補正用ボーン１を取付けたガードル２
等を着用して常温以上の温度になると、該補正用
ボーン１は塑性変形以前の形状、即ち保持部５，
５の上端から夫々内方に向け一体に連接して設け
られた複数の指状凸部６が直立し、該凸部６，６
間に凹部７を形成し、かつ全体として内方に向け
湾曲形状に変形して剛性を持ち、着用者の腹部８
を外方から第３図の鎖線の如く押えて補正効果を
高める。なお、第４図では補正用ボーン１をガー
ドル等の腹部に直接装着した場合を示したが、本
考案の補正用ボーンは腹押えとして単独に形成し
た薄手のパツド体に装着し、これをガードル等の
腹部に取付けるようにする場合にも利用できる。

（考案の効果） 以上詳細に説明した如く本考案は構成されてい
るので、本考案の補正用ボーンを装着したガード
ル等を着用して常温以上の温度になると、両側の
保持部の上端から夫々内側に向け一体に連接して
設けられた複数の指状凸部が直立し、該凸部間に
凹部が形成され、全体として内方に湾曲するよう
変形して剛性が生じ、ガードル等の腹部を外方か
ら押圧して大きな補正力で保持し、従来の腹部両
側にワイヤーボーンを設けた場合より、遥かに大
きな補正力を発揮することができる。また複数の
指状凸部は、１本１本が適当な弾性力を持ち、全
体として腹部を外方から剛性によつて強く支えて
いても、身体の動きに応じて内外に湾曲しながら
腹部を支持するため、ガードル等の着用感が良好
となる。また本考案は両側の直線状の保持部に続
く両端の凸部は、その内側の複数の凸部より上方
に長く形成されているので、両側の直線状の保持
部をガードル等の腹部に保持固定する場合、長い
凸部が直線状の保持部の保持固定を一段と強固な
ものとする効果があり、一層内側の支持部による
ガードル等の腹部の支持を確実なものとすること
ができる。また形状記憶合金製線材により形成し
たので、ボーンが洗濯等によつて少々変形して
も、着用して常温以上の温度になれば変形以前の
形状に戻るため、従来のワイヤーボーンのよう
に、ボーンが変形してしまうと元に戻らず、ガー
ドル等の腹部の形状が悪くなるなどの欠点はな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す補正用ボーンの
正面図、第２図は同平面図、第３図はガードル等
の腹部に装着した状態を示す側面図、第４図はガ
ードルの腹部に装着した状態の１部切截斜視図で
ある。 図の主要部分の説明、１……補正用ボーン、２
……ガードル、３……表生地、４……裏生地、５
……保持部、６……指状凸部、７……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガードル等の腹部を補正する補正用ボーンにお
   いて、該ボーンは常温以上の温度において塑性変
   形以前の形状に戻る形状記憶合金製線材により形
   成され、該変形以前の形状は、両側に形成され、
   ほぼ平行した直線状でガードル等の腹部の生地に
   保持固定される保持部と、中央部に上方に向け形
   成され、前記両側の保持部の上端から夫々内側に
   向け一体に連接された複数の指状凸部を形成し、
   該凸部間に凹部を設け、かつ両端の凸部がその内
   側の複数の凸部より上方に長く形成されると共
   に、腹部を外面から押える支持部とよりなり、全
   体として内方に湾曲するよう構成してなることを
   特徴とするガードル等の補正用ボーン。