JPH04294523A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置の製造方法Info
- Publication number
- JPH04294523A JPH04294523A JP8346691A JP8346691A JPH04294523A JP H04294523 A JPH04294523 A JP H04294523A JP 8346691 A JP8346691 A JP 8346691A JP 8346691 A JP8346691 A JP 8346691A JP H04294523 A JPH04294523 A JP H04294523A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silicon film
- film
- single crystal
- silicon
- energy beam
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 title claims abstract description 18
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims abstract description 17
- VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N Silicium dioxide Chemical compound O=[Si]=O VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 39
- 238000000034 method Methods 0.000 claims abstract description 32
- 239000000758 substrate Substances 0.000 claims abstract description 21
- 239000013078 crystal Substances 0.000 claims description 40
- 229910021419 crystalline silicon Inorganic materials 0.000 claims description 4
- 229910052814 silicon oxide Inorganic materials 0.000 claims description 3
- 229910021421 monocrystalline silicon Inorganic materials 0.000 abstract description 39
- 229910021420 polycrystalline silicon Inorganic materials 0.000 abstract description 27
- 235000012239 silicon dioxide Nutrition 0.000 abstract description 18
- 239000000377 silicon dioxide Substances 0.000 abstract description 18
- 230000001678 irradiating effect Effects 0.000 abstract description 3
- 230000008569 process Effects 0.000 abstract description 3
- XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N Silicon Chemical compound [Si] XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 65
- 229910052710 silicon Inorganic materials 0.000 description 65
- 239000010703 silicon Substances 0.000 description 65
- 238000010894 electron beam technology Methods 0.000 description 42
- QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N atomic oxygen Chemical compound [O] QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 39
- 239000001301 oxygen Substances 0.000 description 39
- 229910052760 oxygen Inorganic materials 0.000 description 39
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 20
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 16
- 239000007791 liquid phase Substances 0.000 description 12
- 230000008018 melting Effects 0.000 description 10
- 238000002844 melting Methods 0.000 description 10
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 9
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 6
- 238000010587 phase diagram Methods 0.000 description 6
- 238000001953 recrystallisation Methods 0.000 description 6
- 239000007790 solid phase Substances 0.000 description 6
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 5
- 238000009826 distribution Methods 0.000 description 5
- 230000037230 mobility Effects 0.000 description 5
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 5
- 239000012535 impurity Substances 0.000 description 4
- 238000005204 segregation Methods 0.000 description 4
- 238000005229 chemical vapour deposition Methods 0.000 description 3
- 230000007547 defect Effects 0.000 description 3
- 238000009792 diffusion process Methods 0.000 description 3
- 238000007711 solidification Methods 0.000 description 3
- 230000008023 solidification Effects 0.000 description 3
- 238000004781 supercooling Methods 0.000 description 3
- 229910018557 Si O Inorganic materials 0.000 description 2
- BLRPTPMANUNPDV-UHFFFAOYSA-N Silane Chemical group [SiH4] BLRPTPMANUNPDV-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 229910002056 binary alloy Inorganic materials 0.000 description 2
- 230000008859 change Effects 0.000 description 2
- 238000000151 deposition Methods 0.000 description 2
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 2
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 2
- 238000010899 nucleation Methods 0.000 description 2
- 239000012071 phase Substances 0.000 description 2
- LIVNPJMFVYWSIS-UHFFFAOYSA-N silicon monoxide Inorganic materials [Si-]#[O+] LIVNPJMFVYWSIS-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 238000004088 simulation Methods 0.000 description 2
- 230000009897 systematic effect Effects 0.000 description 2
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 1
- 229910021417 amorphous silicon Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000008901 benefit Effects 0.000 description 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- 238000011109 contamination Methods 0.000 description 1
- 238000005338 heat storage Methods 0.000 description 1
- 239000012528 membrane Substances 0.000 description 1
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 1
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 1
- 230000006911 nucleation Effects 0.000 description 1
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 1
- 238000013021 overheating Methods 0.000 description 1
- 230000002250 progressing effect Effects 0.000 description 1
- 229910000077 silane Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000002230 thermal chemical vapour deposition Methods 0.000 description 1
- 238000005979 thermal decomposition reaction Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Recrystallisation Techniques (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の製造方法
に係り、特にエネルギ−ビ−ムにより非単結晶シリコン
を溶融,再結晶化させて単結晶シリコン膜を形成する単
結晶シリコンの形成方法の改良に関する。
に係り、特にエネルギ−ビ−ムにより非単結晶シリコン
を溶融,再結晶化させて単結晶シリコン膜を形成する単
結晶シリコンの形成方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より単結晶シリコン膜の形成方法と
して、シリコン基板上に開口部が設けられた絶縁膜とな
る二酸化シリコン膜を介して堆積された多結晶シリコン
膜にエネルギ−ビ−ム、例えば、電子ビ−ムを照射して
融解し、シリコン基板を種結晶として横方向エピタキシ
ャル結晶成長を行なわせて単結晶シリコン膜を形成する
方法が用いられていた。
して、シリコン基板上に開口部が設けられた絶縁膜とな
る二酸化シリコン膜を介して堆積された多結晶シリコン
膜にエネルギ−ビ−ム、例えば、電子ビ−ムを照射して
融解し、シリコン基板を種結晶として横方向エピタキシ
ャル結晶成長を行なわせて単結晶シリコン膜を形成する
方法が用いられていた。
【0003】この場合、電子ビ−ムの出力強度をビ−ム
走査に合わせて調整するのが困難なため、図1に示すよ
うに、照射パタ−ン,エネルギ−密度(単位面積辺の面
積)が一定の電子ビ−ム1を走査することになり、後で
走査される部分の多結晶シリコン膜3ほど予熱される。 このため、多結晶シリコン膜3に温度むらが生じ均一な
単結晶シリコン膜が形成されないという問題が生じる。
走査に合わせて調整するのが困難なため、図1に示すよ
うに、照射パタ−ン,エネルギ−密度(単位面積辺の面
積)が一定の電子ビ−ム1を走査することになり、後で
走査される部分の多結晶シリコン膜3ほど予熱される。 このため、多結晶シリコン膜3に温度むらが生じ均一な
単結晶シリコン膜が形成されないという問題が生じる。
【0004】また、二酸化シリコン膜の開口部を介して
シリコン基板と多結晶シリコン膜とが接続する部分、す
なわち、種結晶部においては、多結晶シリコンの熱伝導
率がシリコン酸化膜のそれより高いため、そこから多く
の熱がシリコン基板へ逃げ多結晶シリコン膜をその融点
以上に加熱できなくなる。これは電子ビ−ム1の出力強
度を上げれば解決できるが、そうすると種結晶部以外の
部分の多結晶シリコン膜が必要以上に加熱され、二酸化
シリコン膜から大量の酸素が多結晶シリコン膜に混入し
、亜粒界と呼ばれる結晶欠陥が発生する。
シリコン基板と多結晶シリコン膜とが接続する部分、す
なわち、種結晶部においては、多結晶シリコンの熱伝導
率がシリコン酸化膜のそれより高いため、そこから多く
の熱がシリコン基板へ逃げ多結晶シリコン膜をその融点
以上に加熱できなくなる。これは電子ビ−ム1の出力強
度を上げれば解決できるが、そうすると種結晶部以外の
部分の多結晶シリコン膜が必要以上に加熱され、二酸化
シリコン膜から大量の酸素が多結晶シリコン膜に混入し
、亜粒界と呼ばれる結晶欠陥が発生する。
【0005】即ち、図2に示すように、シリコン基板7
上に二酸化シリコン膜5を介して堆積された多結晶シリ
コン膜3を電子ビ−ム1を用いて溶融,凝固させ単結晶
シリコン膜9を形成する場合、結晶成長の先端に固相の
シリコン10と液相のシリコン11とが共存できる過冷
却領域12が生じるので結晶成長が進むに従い結晶成長
が特に遅いファセット面と呼ばれる<111>結晶面が
固液界面13となり、このファセット面の交差する部分
17が最後に凝固するため亜粒界19と呼ばれる結晶欠
陥が形成されて亜粒界19に酸素等の不純物が偏析する
。このため、亜粒界19が生じた領域に素子が形成され
ると移動度の低下やしきい値電圧の変動が起こり、特性
のばらついた素子が形成されるという問題が生じる。
上に二酸化シリコン膜5を介して堆積された多結晶シリ
コン膜3を電子ビ−ム1を用いて溶融,凝固させ単結晶
シリコン膜9を形成する場合、結晶成長の先端に固相の
シリコン10と液相のシリコン11とが共存できる過冷
却領域12が生じるので結晶成長が進むに従い結晶成長
が特に遅いファセット面と呼ばれる<111>結晶面が
固液界面13となり、このファセット面の交差する部分
17が最後に凝固するため亜粒界19と呼ばれる結晶欠
陥が形成されて亜粒界19に酸素等の不純物が偏析する
。このため、亜粒界19が生じた領域に素子が形成され
ると移動度の低下やしきい値電圧の変動が起こり、特性
のばらついた素子が形成されるという問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く従来の単結
晶シリコン膜の形成方法では、多結晶シリコン膜を所定
の温度に加熱するのが困難であった。その結果、多結晶
シリコン膜が必要以上に加熱されたり、温度むら生じ高
品質の単結晶シリコン膜を得られないという問題があっ
た。
晶シリコン膜の形成方法では、多結晶シリコン膜を所定
の温度に加熱するのが困難であった。その結果、多結晶
シリコン膜が必要以上に加熱されたり、温度むら生じ高
品質の単結晶シリコン膜を得られないという問題があっ
た。
【0007】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、高品質の単結晶膜を得
ることできる単結晶膜の形成工程を有する半導体装置の
製造方法を提供することにある。
ので、その目的とするところは、高品質の単結晶膜を得
ることできる単結晶膜の形成工程を有する半導体装置の
製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、エネル
ギ−ビ−ムの出力強度を制御するのではなく、エネルギ
−ビ−ムの照射面積を制御することで試料の温度を一定
に保つことにある。
ギ−ビ−ムの出力強度を制御するのではなく、エネルギ
−ビ−ムの照射面積を制御することで試料の温度を一定
に保つことにある。
【0009】即ち、上記の目的を達成するために、本発
明の半導体装置の製造方法は、絶縁膜上に非単結晶膜が
形成されてなる試料基板にエネルギ−ビ−ムを走査して
単結晶膜を形成する工程を有する半導体装置の製造方法
において、前記エネルギ−ビ−ムの出力強度を一定にす
ると共にこのエネルギ−ビ−ムの照射面積を制御するこ
とで前記非単結晶膜の温度を一定に保ちながら前記単結
晶膜を形成することを特徴とする。
明の半導体装置の製造方法は、絶縁膜上に非単結晶膜が
形成されてなる試料基板にエネルギ−ビ−ムを走査して
単結晶膜を形成する工程を有する半導体装置の製造方法
において、前記エネルギ−ビ−ムの出力強度を一定にす
ると共にこのエネルギ−ビ−ムの照射面積を制御するこ
とで前記非単結晶膜の温度を一定に保ちながら前記単結
晶膜を形成することを特徴とする。
【0010】なお、前記絶縁膜,前記非単結晶膜にそれ
ぞれシリコン酸化膜,非単結晶シリコン膜を用いた場合
、この非単結晶シリコン膜中の酸素濃度を2×1019
atom/cm3 以下に抑えながら前記単結晶膜を形
成することが望ましい。
ぞれシリコン酸化膜,非単結晶シリコン膜を用いた場合
、この非単結晶シリコン膜中の酸素濃度を2×1019
atom/cm3 以下に抑えながら前記単結晶膜を形
成することが望ましい。
【0011】なお、前記非単結晶シリコン膜中の酸素濃
度を2×1019atom/cm3 以下に抑えるには
、圧力が1×10−2Pa以下の雰囲気中で前記単結晶
シリコン膜の形成を行なうと共にシリコンの融点(14
14℃)以上1500℃以下の温度に前記非単結晶シリ
コン膜を前記エネルギ−ビ−ムで加熱することが望まし
い。
度を2×1019atom/cm3 以下に抑えるには
、圧力が1×10−2Pa以下の雰囲気中で前記単結晶
シリコン膜の形成を行なうと共にシリコンの融点(14
14℃)以上1500℃以下の温度に前記非単結晶シリ
コン膜を前記エネルギ−ビ−ムで加熱することが望まし
い。
【0012】
【作用】本発明の半導体装置の製造方法では、エネルギ
−ビ−ムの出力強度が一定なのでエネルギ−ビ−ムの照
射面積を変えることで照射部分の照射エネルギ−密度を
制御することができる。このため、例えば、照射面積を
小さくしてエネルギ−ビ−ムの照射部分のみを選択的に
強く加熱しても、照射部分の全照射エネルギ−は一定な
ので他の部分が不要に加熱されることはない。したがっ
て、非単結晶膜を均一に溶融再結晶することができ、均
一な単結晶膜を得ることができる。
−ビ−ムの出力強度が一定なのでエネルギ−ビ−ムの照
射面積を変えることで照射部分の照射エネルギ−密度を
制御することができる。このため、例えば、照射面積を
小さくしてエネルギ−ビ−ムの照射部分のみを選択的に
強く加熱しても、照射部分の全照射エネルギ−は一定な
ので他の部分が不要に加熱されることはない。したがっ
て、非単結晶膜を均一に溶融再結晶することができ、均
一な単結晶膜を得ることができる。
【0013】また、非単結晶シリコン膜中の酸素濃度を
2×1019atom/cm3 以下に抑えると、過冷
却領域が十分に小さくなる。その結果、結晶欠陥の発生
を防止できるので特性のばらつきが小さい素子を得るこ
とができる。
2×1019atom/cm3 以下に抑えると、過冷
却領域が十分に小さくなる。その結果、結晶欠陥の発生
を防止できるので特性のばらつきが小さい素子を得るこ
とができる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明する
。
。
【0015】先ず、CVD法、例えば、熱CVD法を用
いて(100)方位の単結晶シリコン基板上に厚さ約2
.0μmの二酸化シリコン膜,厚さ約0.8μmの多結
晶シリコン膜,厚さ0.5μmの二酸化シリコン膜を順
次堆積して試料基板を形成する。
いて(100)方位の単結晶シリコン基板上に厚さ約2
.0μmの二酸化シリコン膜,厚さ約0.8μmの多結
晶シリコン膜,厚さ0.5μmの二酸化シリコン膜を順
次堆積して試料基板を形成する。
【0016】次に、図3に示すように、照射パタ−ンが
長方形の電子ビ−ム1を二酸化シリコン膜21上の表面
に照射した後、電子ビ−ム1を走査速度10cm/sで
もって照射面積を広くしながら左から右に走査してシリ
コン膜(二酸化シリコン膜21,多結晶シリコン膜)を
溶融,再結晶化させて単結晶シリコン膜を形成する。
長方形の電子ビ−ム1を二酸化シリコン膜21上の表面
に照射した後、電子ビ−ム1を走査速度10cm/sで
もって照射面積を広くしながら左から右に走査してシリ
コン膜(二酸化シリコン膜21,多結晶シリコン膜)を
溶融,再結晶化させて単結晶シリコン膜を形成する。
【0017】なお、照射面積は照射開始時点で400×
5000μm,この後、電子ビ−ム1の照射部分の中心
が10mm右側に移動した時点で650×5000μm
となるようにした。
5000μm,この後、電子ビ−ム1の照射部分の中心
が10mm右側に移動した時点で650×5000μm
となるようにした。
【0018】以上の方法で電子ビ−ム1の照射により再
結晶化が進む最中の試料基板表面のシリコン膜の表面温
度を光温度計を用いて求め、シリコン膜の表面温度と電
子ビ−ム位置との関係を調べた。
結晶化が進む最中の試料基板表面のシリコン膜の表面温
度を光温度計を用いて求め、シリコン膜の表面温度と電
子ビ−ム位置との関係を調べた。
【0019】図4はその結果であり、比較のため、図1
で説明した方法を用いた従来の場合のシリコン膜の表面
温度と電子ビ−ム位置との測定結果も示した。なお、図
中、電子ビ−ム位置が0mmのところが電子ビ−ムの照
射開始位置である。
で説明した方法を用いた従来の場合のシリコン膜の表面
温度と電子ビ−ム位置との測定結果も示した。なお、図
中、電子ビ−ム位置が0mmのところが電子ビ−ムの照
射開始位置である。
【0020】この図から分かるように、従来の方法の場
合、電子ビ−ムの出力強度を最初に電子ビ−ムを照射す
る部分のシリコン膜を溶融させるのに適したものにする
と、電子ビ−ムは一定の照射面積で走査されているので
走査が進むにしたがって電子ビ−ムの照射部分より右側
のシリコン膜が予熱されるため、蓄熱量が徐々に大きく
なりシリコン膜が必要以上に加熱されオ−バ−ヒ−トし
てしまう。
合、電子ビ−ムの出力強度を最初に電子ビ−ムを照射す
る部分のシリコン膜を溶融させるのに適したものにする
と、電子ビ−ムは一定の照射面積で走査されているので
走査が進むにしたがって電子ビ−ムの照射部分より右側
のシリコン膜が予熱されるため、蓄熱量が徐々に大きく
なりシリコン膜が必要以上に加熱されオ−バ−ヒ−トし
てしまう。
【0021】一方、本実施例の方法の場合、照射面積を
調整することで電子ビ−ムが照射される部分の照射エネ
ルギ−密度をシリコン膜を溶融させるのに適したものに
している。
調整することで電子ビ−ムが照射される部分の照射エネ
ルギ−密度をシリコン膜を溶融させるのに適したものに
している。
【0022】即ち、照射面積を小さくして最初に電子ビ
−ムが照射される部分の照射エネルギ−密度を高くし、
その部分の温度をシリコン膜の融点(1414℃)以上
にすると共に電子ビ−ムの走査が進むにしたがい照射面
積を徐々に大きくし、予熱に相当する分だけの低い照射
エネルギ−密度で電子ビ−ムを照射する。
−ムが照射される部分の照射エネルギ−密度を高くし、
その部分の温度をシリコン膜の融点(1414℃)以上
にすると共に電子ビ−ムの走査が進むにしたがい照射面
積を徐々に大きくし、予熱に相当する分だけの低い照射
エネルギ−密度で電子ビ−ムを照射する。
【0023】したがって、表面温度が一定に保たれ再結
晶成長が均一に進み良質な単結晶シリコン膜が形成され
る。
晶成長が均一に進み良質な単結晶シリコン膜が形成され
る。
【0024】また、本実施例では多結晶シリコン膜の上
に二酸化シリコン膜を堆積したので再結晶化の過程で多
結晶シリコン膜表面が粒状になるということがなく、平
坦性の良い単結晶シリコン膜を得ることができる。
に二酸化シリコン膜を堆積したので再結晶化の過程で多
結晶シリコン膜表面が粒状になるということがなく、平
坦性の良い単結晶シリコン膜を得ることができる。
【0025】更にまた、エネルギ−ビ−ムとして電子ビ
−ムを採用しているため、照射面積の可変を電気的に行
なえるので照射面積を高速且つ正確に制御でき、1μm
程度の微小領域でも選択的に加熱することができるとい
う利点がある。
−ムを採用しているため、照射面積の可変を電気的に行
なえるので照射面積を高速且つ正確に制御でき、1μm
程度の微小領域でも選択的に加熱することができるとい
う利点がある。
【0026】なお、本実施例では走査速度を10cm/
sとしたが、これより遅い走査速度で電子ビ−ム1を走
査してもよい。しかし、電子ビ−ム1の照射部分より右
側の部分の予熱効果が大きくなるため、電子ビ−ム1の
走査が進むにしたがって照射面積をより広く変化させて
表面温度を一定にする必要がある。
sとしたが、これより遅い走査速度で電子ビ−ム1を走
査してもよい。しかし、電子ビ−ム1の照射部分より右
側の部分の予熱効果が大きくなるため、電子ビ−ム1の
走査が進むにしたがって照射面積をより広く変化させて
表面温度を一定にする必要がある。
【0027】例えば、走査速度が8cm/sの場合には
、照射部分の中央部が10mm右に移動した後に照射面
積を780×5000μmにすれば表面温度を一定にで
きる。このとき実際にシリコン膜の表面温度を測定しな
がら走査速度,照射面積の最適化を行なった。何故なら
、シリコン膜の表面温度は予測可能であるが、試料構造
などの影響でときどき予測した表面温度と実際の表面温
度との差が許容範囲以上になるからである。
、照射部分の中央部が10mm右に移動した後に照射面
積を780×5000μmにすれば表面温度を一定にで
きる。このとき実際にシリコン膜の表面温度を測定しな
がら走査速度,照射面積の最適化を行なった。何故なら
、シリコン膜の表面温度は予測可能であるが、試料構造
などの影響でときどき予測した表面温度と実際の表面温
度との差が許容範囲以上になるからである。
【0028】図5には本発明の第2の実施例に係る単結
晶シリコン膜の形成方法を示す図が示されている。これ
は本発明を種結晶部23が多結晶シリコン膜の中央部に
ある試料基板に適用したものである。
晶シリコン膜の形成方法を示す図が示されている。これ
は本発明を種結晶部23が多結晶シリコン膜の中央部に
ある試料基板に適用したものである。
【0029】この場合、走査速度10cm/secの電
子ビ−ム1を種結晶部23で照射面積が小さくになるよ
うに左から種結晶部23に向かい走査し、種結晶部23
を過ぎたらもとの大きさの照射面積で右方向に走査した
。具体的には、照射開始時点の表照射面積を650×5
000μmとし、電子ビ−ム1の照射部分の中心が種結
晶部23の前後0.5mmに位置する間だけ照射面積を
350×5000μmとした。
子ビ−ム1を種結晶部23で照射面積が小さくになるよ
うに左から種結晶部23に向かい走査し、種結晶部23
を過ぎたらもとの大きさの照射面積で右方向に走査した
。具体的には、照射開始時点の表照射面積を650×5
000μmとし、電子ビ−ム1の照射部分の中心が種結
晶部23の前後0.5mmに位置する間だけ照射面積を
350×5000μmとした。
【0030】図6は先の実施例の図4に相当するシリコ
ン膜の表面温度と電子ビ−ム位置との関係を示す図であ
る。なお、種結晶部23はビ−ム照射開始位置から5m
m離れたところに位置している。
ン膜の表面温度と電子ビ−ム位置との関係を示す図であ
る。なお、種結晶部23はビ−ム照射開始位置から5m
m離れたところに位置している。
【0031】この図から分かるように従来例の場合、即
ち、照射エネルギ−密度が一定の場合には、種結晶部2
3の近傍で表面温度が低下している。これは種結晶部2
3が位置する多結晶シリコン膜下部の二酸化シリコン膜
には開口部が設けられているので他の部分より熱が逃げ
やすいからである。
ち、照射エネルギ−密度が一定の場合には、種結晶部2
3の近傍で表面温度が低下している。これは種結晶部2
3が位置する多結晶シリコン膜下部の二酸化シリコン膜
には開口部が設けられているので他の部分より熱が逃げ
やすいからである。
【0032】一方、本実施例の場合にはシリコン膜の表
面温度が一定に保たれている。これは種結晶部23の近
傍では照射面積が小さいので照射エネルギ−密度が高く
なり、開口部を介して逃げる熱による温度低下が補正さ
れているからである。
面温度が一定に保たれている。これは種結晶部23の近
傍では照射面積が小さいので照射エネルギ−密度が高く
なり、開口部を介して逃げる熱による温度低下が補正さ
れているからである。
【0033】このようにして本実施例では熱が逃げやす
い種結晶部23の近傍の照射エネルギ−密度を選択的に
高くすることできるのでシリコン膜の再結晶化を均一に
行なうことができ、先の実施例と同様な効果が得られる
。
い種結晶部23の近傍の照射エネルギ−密度を選択的に
高くすることできるのでシリコン膜の再結晶化を均一に
行なうことができ、先の実施例と同様な効果が得られる
。
【0034】図7は上述した方法で形成した単結晶シリ
コン膜中の酸素濃度と溶融しているシリコン膜の温度と
の関係を示す測定結果である。なお、酸素濃度はSIM
S分析法を用いて測定し、温度は光温度計を用いて測定
した。
コン膜中の酸素濃度と溶融しているシリコン膜の温度と
の関係を示す測定結果である。なお、酸素濃度はSIM
S分析法を用いて測定し、温度は光温度計を用いて測定
した。
【0035】単結晶シリコン膜中に酸素が混入したのは
シリコン基板上に絶縁膜として形成した二酸化シリコン
膜の酸素が拡散したからだと考えられる。
シリコン基板上に絶縁膜として形成した二酸化シリコン
膜の酸素が拡散したからだと考えられる。
【0036】この図から分かるようにシリコン膜の温度
がシリコンの融点(1414℃)より150℃程オ−バ
−ヒ−トしただけで酸素混入量が4倍になっている。し
たがって本実施例の方法を用いてオーバーヒートを防止
すれば酸素の混入量が十分小さい単結晶シリコン膜を得
ることができる。
がシリコンの融点(1414℃)より150℃程オ−バ
−ヒ−トしただけで酸素混入量が4倍になっている。し
たがって本実施例の方法を用いてオーバーヒートを防止
すれば酸素の混入量が十分小さい単結晶シリコン膜を得
ることができる。
【0037】また、このようにして得られた単結晶シリ
コン膜を用いてn型のMOSトランジスタを形成しその
移動度を調べたところ、その値は550cm2 /V・
sとなり良好な結果が得られた。一方、従来の方法を用
いて形成したn型のMOSトランジスタの移動度の値は
、酸素混入などの影響で320cm2 /V・s程度に
しかならなかった。
コン膜を用いてn型のMOSトランジスタを形成しその
移動度を調べたところ、その値は550cm2 /V・
sとなり良好な結果が得られた。一方、従来の方法を用
いて形成したn型のMOSトランジスタの移動度の値は
、酸素混入などの影響で320cm2 /V・s程度に
しかならなかった。
【0038】なお、本実施例では走査速度を10cm/
sとしたが、これより遅い走査速度で電子ビ−ム1を走
査してもよい。この場合、照射面積の変化が少なくてす
み、例えば、電子ビ−ムの走査速度が8cm/secの
場合、照射開始時点の照射面積を450×5000μm
にすることで表面温度を一定にすることができた。なお
、先の実施例と同じ理由でこの場合も実際にシリコン膜
の表面温度を測定しながら走査速度,照射面積の最適化
を行なった図8は照射面積の制御方法の一例を示す図で
ある。
sとしたが、これより遅い走査速度で電子ビ−ム1を走
査してもよい。この場合、照射面積の変化が少なくてす
み、例えば、電子ビ−ムの走査速度が8cm/secの
場合、照射開始時点の照射面積を450×5000μm
にすることで表面温度を一定にすることができた。なお
、先の実施例と同じ理由でこの場合も実際にシリコン膜
の表面温度を測定しながら走査速度,照射面積の最適化
を行なった図8は照射面積の制御方法の一例を示す図で
ある。
【0039】これはT.Hamasaki et
al.,J.Appl.Phys.59(1986)2
971.に報告されている電子ビ−ムの走査方法を用い
たもので、スポット状の電子ビームを高速偏向させて照
射面積を制御する例である。
al.,J.Appl.Phys.59(1986)2
971.に報告されている電子ビ−ムの走査方法を用い
たもので、スポット状の電子ビームを高速偏向させて照
射面積を制御する例である。
【0040】ビ−ム光源25から出射した半値幅150
μmのスポットビ−ム35は、発振器27で板間電圧が
制御される偏向板29により、図9に示すように周波数
36MHzの正弦波30を周波数100kHzの変調波
31で振幅変調された板間電圧を加えられX方向に偏向
されると共に、発振器32で板間電圧が制御される偏向
板33により同様にY方向に偏向され、照射パタ−ンが
長方形の電子ビ−ム1が得られる。このときビ−ム加速
電圧が10kV,ビ−ム電流が32mA,電子ビ−ムの
X方向の長さが約5mmとなるべく制御した。更に偏向
されたスポットビームのX方向における滞在確率が最適
になるように計算機により波形を設計した。
μmのスポットビ−ム35は、発振器27で板間電圧が
制御される偏向板29により、図9に示すように周波数
36MHzの正弦波30を周波数100kHzの変調波
31で振幅変調された板間電圧を加えられX方向に偏向
されると共に、発振器32で板間電圧が制御される偏向
板33により同様にY方向に偏向され、照射パタ−ンが
長方形の電子ビ−ム1が得られる。このときビ−ム加速
電圧が10kV,ビ−ム電流が32mA,電子ビ−ムの
X方向の長さが約5mmとなるべく制御した。更に偏向
されたスポットビームのX方向における滞在確率が最適
になるように計算機により波形を設計した。
【0041】次いで電子ビ−ム1を例えばコイル等から
なる磁場発生器(不図示)で発生した磁場により速度1
0cm/sでY方向(X方向に垂直な方向)に走査する
と共に発振器32により偏向板33間の電圧を上げてい
き電子ビ−ム1のY方向の長さを0.1s間で400μ
mから650μmまで変化させ、照射面積を徐々に広く
していく。このようにして図4に示したように溶融した
シリコン膜の表面温度を一定に保ったまま再結晶化を行
なうことができた。
なる磁場発生器(不図示)で発生した磁場により速度1
0cm/sでY方向(X方向に垂直な方向)に走査する
と共に発振器32により偏向板33間の電圧を上げてい
き電子ビ−ム1のY方向の長さを0.1s間で400μ
mから650μmまで変化させ、照射面積を徐々に広く
していく。このようにして図4に示したように溶融した
シリコン膜の表面温度を一定に保ったまま再結晶化を行
なうことができた。
【0042】なお、本実施例では電子ビ−ム1の照射パ
タ−ンを長方形としたが、他の照射パタ−ン、例えば、
複数の角を持った多角形,楕円,多角形と楕円とを組み
合わせたものでも本実施例と同様の効果を得ることがで
きる。このようなパタ−ンは偏向板に与える電気的な偏
向波を1つあるいは2つ以上の波形の組み合わせにより
作成できる。
タ−ンを長方形としたが、他の照射パタ−ン、例えば、
複数の角を持った多角形,楕円,多角形と楕円とを組み
合わせたものでも本実施例と同様の効果を得ることがで
きる。このようなパタ−ンは偏向板に与える電気的な偏
向波を1つあるいは2つ以上の波形の組み合わせにより
作成できる。
【0043】次に本発明の第3の実施例に係る単結晶シ
リコン膜の形成方法を説明する。
リコン膜の形成方法を説明する。
【0044】先ず、図10に示すように(100)方位
の単結晶シリコン基板7上にCVD法により厚さ約2.
0μmの二酸化シリコン膜5を堆積する。
の単結晶シリコン基板7上にCVD法により厚さ約2.
0μmの二酸化シリコン膜5を堆積する。
【0045】次に圧力が1×10−2Pa以下の雰囲気
中で、シラン(SiH4 )の熱分解を用いたCVD法
により厚さ約0.8μmの多結晶シリコン膜3を二酸化
シリコン膜5の上部に堆積する。
中で、シラン(SiH4 )の熱分解を用いたCVD法
により厚さ約0.8μmの多結晶シリコン膜3を二酸化
シリコン膜5の上部に堆積する。
【0046】次に図8で説明した方法を用いて電子ビ−
ムで多結晶シリコン膜3を加熱して単結晶シリコン膜9
を形成する。このとき、電子ビームの出力及び溶融して
いるシリコン膜の温度をモニタして1510℃を越えな
い一定の温度にシリコン膜を保つ。
ムで多結晶シリコン膜3を加熱して単結晶シリコン膜9
を形成する。このとき、電子ビームの出力及び溶融して
いるシリコン膜の温度をモニタして1510℃を越えな
い一定の温度にシリコン膜を保つ。
【0047】以上の方法を用いると過冷却領域の幅X0
は0.1nm程度という小さな値になるため、多結晶
シリコン膜3の再結晶化中にファセット面が形成されな
くなる。その結果、亜粒界の形成や不純物の偏析が抑制
され、広い範囲にわたって移動度やリ−ク電流が改善さ
れ良質な単結晶シリコン膜9を得ることができる。
は0.1nm程度という小さな値になるため、多結晶
シリコン膜3の再結晶化中にファセット面が形成されな
くなる。その結果、亜粒界の形成や不純物の偏析が抑制
され、広い範囲にわたって移動度やリ−ク電流が改善さ
れ良質な単結晶シリコン膜9を得ることができる。
【0048】この単結晶シリコン膜9を用いてn型,p
型のMOSトランジスタを形成したところ、移動度は各
々300,1000cm2 /V・sとなり、シリコン
基板7のそれとほぼ同等の値が得られた。
型のMOSトランジスタを形成したところ、移動度は各
々300,1000cm2 /V・sとなり、シリコン
基板7のそれとほぼ同等の値が得られた。
【0049】次に過冷却領域12が小さくなった理由を
説明する。
説明する。
【0050】図11にはSi−O二元系の状態図が示さ
れている。この状態図からわかるように酸素を含んだ液
体状態のシリコンを温度を下げて固相と液相との2相状
態にすると、酸素は液相のシリコンと固相のシリコンと
に分配される。このとき液相のシリコン中の酸素濃度が
固相のシリコンのそれより高くなる。また、固相のシリ
コンは酸素濃度が高いほど融点が低下する。
れている。この状態図からわかるように酸素を含んだ液
体状態のシリコンを温度を下げて固相と液相との2相状
態にすると、酸素は液相のシリコンと固相のシリコンと
に分配される。このとき液相のシリコン中の酸素濃度が
固相のシリコンのそれより高くなる。また、固相のシリ
コンは酸素濃度が高いほど融点が低下する。
【0051】図12は図11の状態図において酸素が低
い部分を拡大した状態図である。この状態図からわかる
ように酸素濃度が低いときは、固相線、液相線はともに
直線で表わされる。したがって、液相のシリコン中の酸
素濃度をC0とすると、この状態図から液相線の傾きm
は100/℃、平衡偏析係数kは0.1となる。
い部分を拡大した状態図である。この状態図からわかる
ように酸素濃度が低いときは、固相線、液相線はともに
直線で表わされる。したがって、液相のシリコン中の酸
素濃度をC0とすると、この状態図から液相線の傾きm
は100/℃、平衡偏析係数kは0.1となる。
【0052】図13は液相のシリコン中の酸素の濃度分
布を示す図である。
布を示す図である。
【0053】これは固体状態のシリコンを電子ビ−ムに
より加熱し、シリコンを固相と液相との2相状態にして
調べたものである。なお、走査速度Rは0.03cm/
s,拡散係数Dは1×10−4cm2 /sである。こ
の図からわかるように、液相のシリコン中の酸素濃度は
固液界面から離れるほど低くなっている。これは固相の
シリコン中の酸素が拡散して徐々に液相のシリコン中に
入り込むからである。
より加熱し、シリコンを固相と液相との2相状態にして
調べたものである。なお、走査速度Rは0.03cm/
s,拡散係数Dは1×10−4cm2 /sである。こ
の図からわかるように、液相のシリコン中の酸素濃度は
固液界面から離れるほど低くなっている。これは固相の
シリコン中の酸素が拡散して徐々に液相のシリコン中に
入り込むからである。
【0054】図11,図12を用いて液相のシリコンの
固液界面からの距離と液相のシリコンの凝固温度との関
係を求めると図14中の曲線aのようになる。固液界面
に近い液相のシリコン中ほど固相のシリコンから拡散し
た酸素が溜まりやすいので凝固温度は図示の如く大きく
低下する。一方、液相のシリコンの実際の温度分布は図
13中の直線bで示されるようになっている。したがっ
て、過冷却領域12は直線bと曲線aとの各交点の間と
なる。このような過冷却領域を形成する過冷却は不純物
の混入により現われるので組織的過冷却と呼ばれている
。
固液界面からの距離と液相のシリコンの凝固温度との関
係を求めると図14中の曲線aのようになる。固液界面
に近い液相のシリコン中ほど固相のシリコンから拡散し
た酸素が溜まりやすいので凝固温度は図示の如く大きく
低下する。一方、液相のシリコンの実際の温度分布は図
13中の直線bで示されるようになっている。したがっ
て、過冷却領域12は直線bと曲線aとの各交点の間と
なる。このような過冷却領域を形成する過冷却は不純物
の混入により現われるので組織的過冷却と呼ばれている
。
【0055】この過冷却領域の幅X0 (cm)は、温
度勾配G(℃/cm)、エネルギ−ビ−ム走査速度R(
cm/s)、シリコン中の酸素濃度C0 をパラメ−タ
として次のように表せられる。
度勾配G(℃/cm)、エネルギ−ビ−ム走査速度R(
cm/s)、シリコン中の酸素濃度C0 をパラメ−タ
として次のように表せられる。
【0056】X0 =mC0 (1−k)[1−exp
(−X0 R/D)]/kG・・・(1)なお、mは液
相線の傾き,kは平衡偏析係数,Dは拡散係数である。
(−X0 R/D)]/kG・・・(1)なお、mは液
相線の傾き,kは平衡偏析係数,Dは拡散係数である。
【0057】ここで、低酸素濃度におけるSi−O系の
液相線の傾きm,平衡偏析係数kはそれぞれ100/℃
,0.1となる。また、液体状態のシリコン中の酸素の
拡散係数Dは5×10−5cm2 /sである。
液相線の傾きm,平衡偏析係数kはそれぞれ100/℃
,0.1となる。また、液体状態のシリコン中の酸素の
拡散係数Dは5×10−5cm2 /sである。
【0058】図15(a),(b)は本実施例の単結晶
シリコン膜9の形成と同じ条件の下で求めた温度分布の
シミュレ―ション結果である。同図(b)は同図(a)
の上部を拡大したものである。これを用いて温度勾配G
を求めると7000℃/cmとなる。
シリコン膜9の形成と同じ条件の下で求めた温度分布の
シミュレ―ション結果である。同図(b)は同図(a)
の上部を拡大したものである。これを用いて温度勾配G
を求めると7000℃/cmとなる。
【0059】以上の値を式(1)に代入すると、過冷却
領域の幅X0 と液体状態のシリコン中の酸素濃度C0
/kとの関係は図16に示されるように、過冷却領域
の幅X0 は酸素濃度C0 に対して直線的に変化する
。また、この図から液体状態のシリコン中の酸素濃度C
0 /kが1×1019atom/cm3 (モル分率
で4×10−2),固体状態の酸素濃度C0 に換算す
ると1×1019atom/cm3 以下になると過冷
却領域の幅Xは0 0.1nm以下になることがわかる
。したがって、酸素濃度が低くなると過冷却領域の幅が
原子オ−ダになりファセット面は現れなくなる。
領域の幅X0 と液体状態のシリコン中の酸素濃度C0
/kとの関係は図16に示されるように、過冷却領域
の幅X0 は酸素濃度C0 に対して直線的に変化する
。また、この図から液体状態のシリコン中の酸素濃度C
0 /kが1×1019atom/cm3 (モル分率
で4×10−2),固体状態の酸素濃度C0 に換算す
ると1×1019atom/cm3 以下になると過冷
却領域の幅Xは0 0.1nm以下になることがわかる
。したがって、酸素濃度が低くなると過冷却領域の幅が
原子オ−ダになりファセット面は現れなくなる。
【0060】上述した単結晶シリコン膜9は、酸素濃度
が低い雰囲気中で形成した多結晶シリコン膜3を、液相
のシリコン11の温度がシリコンの融点(1414℃)
より100℃以上高くならないように電子ビ−ムで加熱
し、二酸化シリコン7中の酸素が入り込まないようにし
て形成したものである。
が低い雰囲気中で形成した多結晶シリコン膜3を、液相
のシリコン11の温度がシリコンの融点(1414℃)
より100℃以上高くならないように電子ビ−ムで加熱
し、二酸化シリコン7中の酸素が入り込まないようにし
て形成したものである。
【0061】したがって、液相のシリコン11の酸素濃
度が十分小さくなったので過冷却領域の幅X0 が0.
1nm程度になったと考えられる。
度が十分小さくなったので過冷却領域の幅X0 が0.
1nm程度になったと考えられる。
【0062】なお、酸素濃度が2×1019atom/
cm3であっても過冷却領域の幅Xは十分小さいので従
来に比べてはるかに優れた品質の単結晶シリコン膜を得
ることができる。
cm3であっても過冷却領域の幅Xは十分小さいので従
来に比べてはるかに優れた品質の単結晶シリコン膜を得
ることができる。
【0063】過冷却領域12は、ラテラルシ−ディング
による結晶成長中に突然ランダムな核発生による成長が
起こり成長を途切れさす要因にもなり、この制御はきわ
めて困難であるが、本実施例のように、過冷却領域を極
めて小さくすると安定した成長を継続することが可能に
なり、10mm程度の半導体単結晶膜を連続して安定に
製造することができた。
による結晶成長中に突然ランダムな核発生による成長が
起こり成長を途切れさす要因にもなり、この制御はきわ
めて困難であるが、本実施例のように、過冷却領域を極
めて小さくすると安定した成長を継続することが可能に
なり、10mm程度の半導体単結晶膜を連続して安定に
製造することができた。
【0064】なお、走査速度Rは多結晶シリコン膜3下
部の膜へダメ−ジを与えずまた結晶成長を途切れさせな
いことを考慮し実験的に求めると10cm/s程度が適
していることがわかった。また、酸素以外の他の不純物
についても同様の効果がみられた。また、先の実施例の
ように多結晶シリコン膜3上に二酸化シリコン膜を堆積
しても同様な効果が得られる。
部の膜へダメ−ジを与えずまた結晶成長を途切れさせな
いことを考慮し実験的に求めると10cm/s程度が適
していることがわかった。また、酸素以外の他の不純物
についても同様の効果がみられた。また、先の実施例の
ように多結晶シリコン膜3上に二酸化シリコン膜を堆積
しても同様な効果が得られる。
【0065】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。上記実施例ではエネルギービームとし
て電子ビ−ムを用いた場合について説明したが、他のエ
ネルギービームを用いても同様な効果が得られる。例え
ば、レ−ザ光を用いた場合、反射鏡あるいスリットなど
を用いて照射面積を可変にできるようにビームを偏向さ
せるか、エネルギー密度を可変にすれば同様の効果を得
ることができる。
るものではない。上記実施例ではエネルギービームとし
て電子ビ−ムを用いた場合について説明したが、他のエ
ネルギービームを用いても同様な効果が得られる。例え
ば、レ−ザ光を用いた場合、反射鏡あるいスリットなど
を用いて照射面積を可変にできるようにビームを偏向さ
せるか、エネルギー密度を可変にすれば同様の効果を得
ることができる。
【0066】また、多結晶シリコン膜の代わりにアモル
ファスシリコン膜を用いても同様の効果が得られる。そ
の他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して
実施できる。
ファスシリコン膜を用いても同様の効果が得られる。そ
の他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して
実施できる。
【0067】
【発明の効果】以上述べたように本発明の半導体装置の
製造方法によれば、非単結晶膜の任意の領域を所望の温
度に加熱することができるので高品質な単結晶膜を得る
ことができる。
製造方法によれば、非単結晶膜の任意の領域を所望の温
度に加熱することができるので高品質な単結晶膜を得る
ことができる。
【図1】従来の単結晶シリコン膜の形成方法を示す図。
【図2】従来の単結晶シリコン膜の形成方法の問題を説
明するための図。
明するための図。
【図3】本発明の第1の実施異例に係る単結晶シリコン
膜の形成方法を示す図。
膜の形成方法を示す図。
【図4】シリコン膜の表面温度とエネルギ−ビ−ム位置
との関係を示す図。
との関係を示す図。
【図5】本発明の第2の実施異例に係る単結晶シリコン
膜の形成方法を示す図。
膜の形成方法を示す図。
【図6】シリコン膜の表面温度とエネルギ−ビ−ム位置
との関係を示す図。
との関係を示す図。
【図7】シリコン膜中の酸素濃度とシリコン膜の温度と
の関係を示す図。
の関係を示す図。
【図8】照射面積の制御方法の一例を示す図。
【図9】電子ビ−ムの偏向に用いる変調波を示す図。
【図10】本発明の第3の実施例に係る単結晶シリコン
膜の形成方法を説明するための図。
膜の形成方法を説明するための図。
【図11】Si−O二元系の状態図。
【図12】図11の状態図の酸素の少ない領域を拡大し
た状態図。
た状態図。
【図13】液体状のシリコン中の酸素の濃度分布を示す
図。
図。
【図14】液相のシリコンの固液界面からの距離と液相
のシリコンの凝固温度との関係を示す図。
のシリコンの凝固温度との関係を示す図。
【図15】温度分布のシミュレ―ション結果。
【図16】酸素濃度と組織的過冷却領域との関係を示す
図。
図。
【符号の説明】
1…電子ビ−ム、3…多結晶シリコン膜、5…二酸化シ
リコン膜、7…単結晶シリコン基板、9…単結晶シリコ
ン膜、10…固相のシリコン,11…液相のシリコン,
12…過冷却領域、13…固液界面、17…ファセット
面の交差する部分、19…亜粒界、21…二酸化シリコ
ン膜、23…種結晶部、25…ビ−ム光源、27…発振
器、29…偏向板、30…正弦波、31…変調波、32
…発振器、33…偏向板、35…スポットビ−ム。
リコン膜、7…単結晶シリコン基板、9…単結晶シリコ
ン膜、10…固相のシリコン,11…液相のシリコン,
12…過冷却領域、13…固液界面、17…ファセット
面の交差する部分、19…亜粒界、21…二酸化シリコ
ン膜、23…種結晶部、25…ビ−ム光源、27…発振
器、29…偏向板、30…正弦波、31…変調波、32
…発振器、33…偏向板、35…スポットビ−ム。
Claims (4)
- 【請求項1】絶縁膜上に非単結晶膜が形成されてなる試
料基板にエネルギ−ビ−ムを走査して単結晶膜を形成す
る工程を有する半導体装置の製造方法において、前記エ
ネルギ−ビ−ムの出力強度を一定にすると共に、このエ
ネルギ−ビ−ムの照射面積を制御することを特徴とする
半導体装置の製造方法。 - 【請求項2】絶縁膜上に非単結晶膜が形成されてなる試
料基板にエネルギ−ビ−ムを走査して単結晶膜を形成す
る工程を有する半導体装置の製造方法において、前記エ
ネルギ−ビ−ムの出力強度を一定にすると共に、このエ
ネルギ−ビ−ムの照射面積が前記エネルギ−ビ−ムの走
査が進むにしたがい大きくなるように制御することを特
徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項3】種結晶部となる基板と、開口部を有する絶
縁膜を介して前記基板上に非単結晶膜が形成されてなる
試料基板にエネルギ−ビ−ムを走査して単結晶膜を形成
する工程を有する半導体装置の製造方法において、前記
エネルギ−ビ−ムの出力強度を一定にすると共に、この
エネルギ−ビ−ムの照射面積が前記開口部上で他の部分
より小さくなるように制御することを特徴とする半導体
装置の製造方法。 - 【請求項4】前記絶縁膜はシリコン酸化膜,前記非単結
晶膜は非単結晶シリコン膜からなり、非単結晶シリコン
膜中の酸素濃度を2×1019atom/cm3 以下
に抑えながら前記単結晶膜を形成することを特徴とする
請求項1から請求項3のいずれかに記載の半導体装置の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8346691A JPH04294523A (ja) | 1991-03-22 | 1991-03-22 | 半導体装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8346691A JPH04294523A (ja) | 1991-03-22 | 1991-03-22 | 半導体装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04294523A true JPH04294523A (ja) | 1992-10-19 |
Family
ID=13803248
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8346691A Pending JPH04294523A (ja) | 1991-03-22 | 1991-03-22 | 半導体装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04294523A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5811327A (en) * | 1994-03-28 | 1998-09-22 | Sharp Kabushiki Kaisha | Method and an apparatus for fabricating a semiconductor device |
US6299681B1 (en) * | 1998-11-27 | 2001-10-09 | General Electric Company | Single crystal conversion control |
JP2011505685A (ja) * | 2007-11-13 | 2011-02-24 | ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド | 粒子ビーム補助による薄膜材料の改良 |
-
1991
- 1991-03-22 JP JP8346691A patent/JPH04294523A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5811327A (en) * | 1994-03-28 | 1998-09-22 | Sharp Kabushiki Kaisha | Method and an apparatus for fabricating a semiconductor device |
CN1041148C (zh) * | 1994-03-28 | 1998-12-09 | 夏普公司 | 半导体装置的制造方法及所用设备 |
US6299681B1 (en) * | 1998-11-27 | 2001-10-09 | General Electric Company | Single crystal conversion control |
JP2011505685A (ja) * | 2007-11-13 | 2011-02-24 | ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド | 粒子ビーム補助による薄膜材料の改良 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100364944B1 (ko) | 반도체 박막의 제조 방법 | |
EP0235819B1 (en) | Process for producing single crystal semiconductor layer | |
US6737672B2 (en) | Semiconductor device, manufacturing method thereof, and semiconductor manufacturing apparatus | |
US4589951A (en) | Method for annealing by a high energy beam to form a single-crystal film | |
Kawamura et al. | Recrystallization of Si on amorphous substrates by doughnut‐shaped cw Ar laser beam | |
JPH04338631A (ja) | 薄膜半導体装置の製法 | |
JP4637410B2 (ja) | 半導体基板の製造方法及び半導体装置 | |
JP2006005148A (ja) | 半導体薄膜の製造方法および製造装置 | |
US7153730B2 (en) | Pulse width method for controlling lateral growth in crystallized silicon films | |
US4861418A (en) | Method of manufacturing semiconductor crystalline layer | |
JPH04294523A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP4131752B2 (ja) | 多結晶半導体膜の製造方法 | |
Jeon et al. | Two-step laser recrystallization of poly-Si for effective control of grain boundaries | |
JPH027415A (ja) | Soi薄膜形成方法 | |
JPS61266387A (ja) | 半導体薄膜のレ−ザ再結晶化法 | |
JPS6163018A (ja) | Si薄膜結晶層の製造方法 | |
JPH0113209B2 (ja) | ||
JP2004158584A (ja) | 多結晶質シリコン膜製造装置及びそれを用いた製造方法並びに半導体装置 | |
JP3223040B2 (ja) | 半導体薄膜の結晶化法 | |
JP2566663B2 (ja) | 半導体単結晶膜の製造方法 | |
JPS61136219A (ja) | 単結晶シリコン膜の形成方法 | |
JPH01131092A (ja) | 半導体単結晶層の形成方法 | |
JPH0371767B2 (ja) | ||
Celler et al. | Lateral epitaxial growth of thick polysilicon films on oxidized 3-inch wafers | |
JPS60191090A (ja) | 半導体装置の製造方法 |