JPH04294523A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH04294523A
JPH04294523A JP8346691A JP8346691A JPH04294523A JP H04294523 A JPH04294523 A JP H04294523A JP 8346691 A JP8346691 A JP 8346691A JP 8346691 A JP8346691 A JP 8346691A JP H04294523 A JPH04294523 A JP H04294523A
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JP
Japan
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silicon film
film
single crystal
silicon
energy beam
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Application number
JP8346691A
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English (en)
Inventor
Shigeru Kanbayashi
神林 茂
Masahito Kenmochi
劒持 雅人
Shinji Onga
恩賀 伸二
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の製造方法
に係り、特にエネルギ−ビ−ムにより非単結晶シリコン
を溶融,再結晶化させて単結晶シリコン膜を形成する単
結晶シリコンの形成方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より単結晶シリコン膜の形成方法と
して、シリコン基板上に開口部が設けられた絶縁膜とな
る二酸化シリコン膜を介して堆積された多結晶シリコン
膜にエネルギ−ビ−ム、例えば、電子ビ−ムを照射して
融解し、シリコン基板を種結晶として横方向エピタキシ
ャル結晶成長を行なわせて単結晶シリコン膜を形成する
方法が用いられていた。
【0003】この場合、電子ビ−ムの出力強度をビ−ム
走査に合わせて調整するのが困難なため、図1に示すよ
うに、照射パタ−ン,エネルギ−密度(単位面積辺の面
積)が一定の電子ビ−ム1を走査することになり、後で
走査される部分の多結晶シリコン膜3ほど予熱される。 このため、多結晶シリコン膜3に温度むらが生じ均一な
単結晶シリコン膜が形成されないという問題が生じる。
【0004】また、二酸化シリコン膜の開口部を介して
シリコン基板と多結晶シリコン膜とが接続する部分、す
なわち、種結晶部においては、多結晶シリコンの熱伝導
率がシリコン酸化膜のそれより高いため、そこから多く
の熱がシリコン基板へ逃げ多結晶シリコン膜をその融点
以上に加熱できなくなる。これは電子ビ−ム1の出力強
度を上げれば解決できるが、そうすると種結晶部以外の
部分の多結晶シリコン膜が必要以上に加熱され、二酸化
シリコン膜から大量の酸素が多結晶シリコン膜に混入し
、亜粒界と呼ばれる結晶欠陥が発生する。
【0005】即ち、図2に示すように、シリコン基板7
上に二酸化シリコン膜5を介して堆積された多結晶シリ
コン膜3を電子ビ−ム1を用いて溶融,凝固させ単結晶
シリコン膜9を形成する場合、結晶成長の先端に固相の
シリコン10と液相のシリコン11とが共存できる過冷
却領域12が生じるので結晶成長が進むに従い結晶成長
が特に遅いファセット面と呼ばれる<111>結晶面が
固液界面13となり、このファセット面の交差する部分
17が最後に凝固するため亜粒界19と呼ばれる結晶欠
陥が形成されて亜粒界19に酸素等の不純物が偏析する
。このため、亜粒界19が生じた領域に素子が形成され
ると移動度の低下やしきい値電圧の変動が起こり、特性
のばらついた素子が形成されるという問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く従来の単結
晶シリコン膜の形成方法では、多結晶シリコン膜を所定
の温度に加熱するのが困難であった。その結果、多結晶
シリコン膜が必要以上に加熱されたり、温度むら生じ高
品質の単結晶シリコン膜を得られないという問題があっ
た。
【0007】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、高品質の単結晶膜を得
ることできる単結晶膜の形成工程を有する半導体装置の
製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、エネル
ギ−ビ−ムの出力強度を制御するのではなく、エネルギ
−ビ−ムの照射面積を制御することで試料の温度を一定
に保つことにある。
【0009】即ち、上記の目的を達成するために、本発
明の半導体装置の製造方法は、絶縁膜上に非単結晶膜が
形成されてなる試料基板にエネルギ−ビ−ムを走査して
単結晶膜を形成する工程を有する半導体装置の製造方法
において、前記エネルギ−ビ−ムの出力強度を一定にす
ると共にこのエネルギ−ビ−ムの照射面積を制御するこ
とで前記非単結晶膜の温度を一定に保ちながら前記単結
晶膜を形成することを特徴とする。
【0010】なお、前記絶縁膜,前記非単結晶膜にそれ
ぞれシリコン酸化膜,非単結晶シリコン膜を用いた場合
、この非単結晶シリコン膜中の酸素濃度を2×1019
atom/cm3 以下に抑えながら前記単結晶膜を形
成することが望ましい。
【0011】なお、前記非単結晶シリコン膜中の酸素濃
度を2×1019atom/cm3 以下に抑えるには
、圧力が1×10−2Pa以下の雰囲気中で前記単結晶
シリコン膜の形成を行なうと共にシリコンの融点(14
14℃)以上1500℃以下の温度に前記非単結晶シリ
コン膜を前記エネルギ−ビ−ムで加熱することが望まし
い。
【0012】
【作用】本発明の半導体装置の製造方法では、エネルギ
−ビ−ムの出力強度が一定なのでエネルギ−ビ−ムの照
射面積を変えることで照射部分の照射エネルギ−密度を
制御することができる。このため、例えば、照射面積を
小さくしてエネルギ−ビ−ムの照射部分のみを選択的に
強く加熱しても、照射部分の全照射エネルギ−は一定な
ので他の部分が不要に加熱されることはない。したがっ
て、非単結晶膜を均一に溶融再結晶することができ、均
一な単結晶膜を得ることができる。
【0013】また、非単結晶シリコン膜中の酸素濃度を
2×1019atom/cm3 以下に抑えると、過冷
却領域が十分に小さくなる。その結果、結晶欠陥の発生
を防止できるので特性のばらつきが小さい素子を得るこ
とができる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明する
【0015】先ず、CVD法、例えば、熱CVD法を用
いて(100)方位の単結晶シリコン基板上に厚さ約2
.0μmの二酸化シリコン膜,厚さ約0.8μmの多結
晶シリコン膜,厚さ0.5μmの二酸化シリコン膜を順
次堆積して試料基板を形成する。
【0016】次に、図3に示すように、照射パタ−ンが
長方形の電子ビ−ム1を二酸化シリコン膜21上の表面
に照射した後、電子ビ−ム1を走査速度10cm/sで
もって照射面積を広くしながら左から右に走査してシリ
コン膜(二酸化シリコン膜21,多結晶シリコン膜)を
溶融,再結晶化させて単結晶シリコン膜を形成する。
【0017】なお、照射面積は照射開始時点で400×
5000μm,この後、電子ビ−ム1の照射部分の中心
が10mm右側に移動した時点で650×5000μm
となるようにした。
【0018】以上の方法で電子ビ−ム1の照射により再
結晶化が進む最中の試料基板表面のシリコン膜の表面温
度を光温度計を用いて求め、シリコン膜の表面温度と電
子ビ−ム位置との関係を調べた。
【0019】図4はその結果であり、比較のため、図1
で説明した方法を用いた従来の場合のシリコン膜の表面
温度と電子ビ−ム位置との測定結果も示した。なお、図
中、電子ビ−ム位置が0mmのところが電子ビ−ムの照
射開始位置である。
【0020】この図から分かるように、従来の方法の場
合、電子ビ−ムの出力強度を最初に電子ビ−ムを照射す
る部分のシリコン膜を溶融させるのに適したものにする
と、電子ビ−ムは一定の照射面積で走査されているので
走査が進むにしたがって電子ビ−ムの照射部分より右側
のシリコン膜が予熱されるため、蓄熱量が徐々に大きく
なりシリコン膜が必要以上に加熱されオ−バ−ヒ−トし
てしまう。
【0021】一方、本実施例の方法の場合、照射面積を
調整することで電子ビ−ムが照射される部分の照射エネ
ルギ−密度をシリコン膜を溶融させるのに適したものに
している。
【0022】即ち、照射面積を小さくして最初に電子ビ
−ムが照射される部分の照射エネルギ−密度を高くし、
その部分の温度をシリコン膜の融点(1414℃)以上
にすると共に電子ビ−ムの走査が進むにしたがい照射面
積を徐々に大きくし、予熱に相当する分だけの低い照射
エネルギ−密度で電子ビ−ムを照射する。
【0023】したがって、表面温度が一定に保たれ再結
晶成長が均一に進み良質な単結晶シリコン膜が形成され
る。
【0024】また、本実施例では多結晶シリコン膜の上
に二酸化シリコン膜を堆積したので再結晶化の過程で多
結晶シリコン膜表面が粒状になるということがなく、平
坦性の良い単結晶シリコン膜を得ることができる。
【0025】更にまた、エネルギ−ビ−ムとして電子ビ
−ムを採用しているため、照射面積の可変を電気的に行
なえるので照射面積を高速且つ正確に制御でき、1μm
程度の微小領域でも選択的に加熱することができるとい
う利点がある。
【0026】なお、本実施例では走査速度を10cm/
sとしたが、これより遅い走査速度で電子ビ−ム1を走
査してもよい。しかし、電子ビ−ム1の照射部分より右
側の部分の予熱効果が大きくなるため、電子ビ−ム1の
走査が進むにしたがって照射面積をより広く変化させて
表面温度を一定にする必要がある。
【0027】例えば、走査速度が8cm/sの場合には
、照射部分の中央部が10mm右に移動した後に照射面
積を780×5000μmにすれば表面温度を一定にで
きる。このとき実際にシリコン膜の表面温度を測定しな
がら走査速度,照射面積の最適化を行なった。何故なら
、シリコン膜の表面温度は予測可能であるが、試料構造
などの影響でときどき予測した表面温度と実際の表面温
度との差が許容範囲以上になるからである。
【0028】図5には本発明の第2の実施例に係る単結
晶シリコン膜の形成方法を示す図が示されている。これ
は本発明を種結晶部23が多結晶シリコン膜の中央部に
ある試料基板に適用したものである。
【0029】この場合、走査速度10cm/secの電
子ビ−ム1を種結晶部23で照射面積が小さくになるよ
うに左から種結晶部23に向かい走査し、種結晶部23
を過ぎたらもとの大きさの照射面積で右方向に走査した
。具体的には、照射開始時点の表照射面積を650×5
000μmとし、電子ビ−ム1の照射部分の中心が種結
晶部23の前後0.5mmに位置する間だけ照射面積を
350×5000μmとした。
【0030】図6は先の実施例の図4に相当するシリコ
ン膜の表面温度と電子ビ−ム位置との関係を示す図であ
る。なお、種結晶部23はビ−ム照射開始位置から5m
m離れたところに位置している。
【0031】この図から分かるように従来例の場合、即
ち、照射エネルギ−密度が一定の場合には、種結晶部2
3の近傍で表面温度が低下している。これは種結晶部2
3が位置する多結晶シリコン膜下部の二酸化シリコン膜
には開口部が設けられているので他の部分より熱が逃げ
やすいからである。
【0032】一方、本実施例の場合にはシリコン膜の表
面温度が一定に保たれている。これは種結晶部23の近
傍では照射面積が小さいので照射エネルギ−密度が高く
なり、開口部を介して逃げる熱による温度低下が補正さ
れているからである。
【0033】このようにして本実施例では熱が逃げやす
い種結晶部23の近傍の照射エネルギ−密度を選択的に
高くすることできるのでシリコン膜の再結晶化を均一に
行なうことができ、先の実施例と同様な効果が得られる
【0034】図7は上述した方法で形成した単結晶シリ
コン膜中の酸素濃度と溶融しているシリコン膜の温度と
の関係を示す測定結果である。なお、酸素濃度はSIM
S分析法を用いて測定し、温度は光温度計を用いて測定
した。
【0035】単結晶シリコン膜中に酸素が混入したのは
シリコン基板上に絶縁膜として形成した二酸化シリコン
膜の酸素が拡散したからだと考えられる。
【0036】この図から分かるようにシリコン膜の温度
がシリコンの融点(1414℃)より150℃程オ−バ
−ヒ−トしただけで酸素混入量が4倍になっている。し
たがって本実施例の方法を用いてオーバーヒートを防止
すれば酸素の混入量が十分小さい単結晶シリコン膜を得
ることができる。
【0037】また、このようにして得られた単結晶シリ
コン膜を用いてn型のMOSトランジスタを形成しその
移動度を調べたところ、その値は550cm2 /V・
sとなり良好な結果が得られた。一方、従来の方法を用
いて形成したn型のMOSトランジスタの移動度の値は
、酸素混入などの影響で320cm2 /V・s程度に
しかならなかった。
【0038】なお、本実施例では走査速度を10cm/
sとしたが、これより遅い走査速度で電子ビ−ム1を走
査してもよい。この場合、照射面積の変化が少なくてす
み、例えば、電子ビ−ムの走査速度が8cm/secの
場合、照射開始時点の照射面積を450×5000μm
にすることで表面温度を一定にすることができた。なお
、先の実施例と同じ理由でこの場合も実際にシリコン膜
の表面温度を測定しながら走査速度,照射面積の最適化
を行なった図8は照射面積の制御方法の一例を示す図で
ある。
【0039】これはT.Hamasaki  et  
al.,J.Appl.Phys.59(1986)2
971.に報告されている電子ビ−ムの走査方法を用い
たもので、スポット状の電子ビームを高速偏向させて照
射面積を制御する例である。
【0040】ビ−ム光源25から出射した半値幅150
μmのスポットビ−ム35は、発振器27で板間電圧が
制御される偏向板29により、図9に示すように周波数
36MHzの正弦波30を周波数100kHzの変調波
31で振幅変調された板間電圧を加えられX方向に偏向
されると共に、発振器32で板間電圧が制御される偏向
板33により同様にY方向に偏向され、照射パタ−ンが
長方形の電子ビ−ム1が得られる。このときビ−ム加速
電圧が10kV,ビ−ム電流が32mA,電子ビ−ムの
X方向の長さが約5mmとなるべく制御した。更に偏向
されたスポットビームのX方向における滞在確率が最適
になるように計算機により波形を設計した。
【0041】次いで電子ビ−ム1を例えばコイル等から
なる磁場発生器(不図示)で発生した磁場により速度1
0cm/sでY方向(X方向に垂直な方向)に走査する
と共に発振器32により偏向板33間の電圧を上げてい
き電子ビ−ム1のY方向の長さを0.1s間で400μ
mから650μmまで変化させ、照射面積を徐々に広く
していく。このようにして図4に示したように溶融した
シリコン膜の表面温度を一定に保ったまま再結晶化を行
なうことができた。
【0042】なお、本実施例では電子ビ−ム1の照射パ
タ−ンを長方形としたが、他の照射パタ−ン、例えば、
複数の角を持った多角形,楕円,多角形と楕円とを組み
合わせたものでも本実施例と同様の効果を得ることがで
きる。このようなパタ−ンは偏向板に与える電気的な偏
向波を1つあるいは2つ以上の波形の組み合わせにより
作成できる。
【0043】次に本発明の第3の実施例に係る単結晶シ
リコン膜の形成方法を説明する。
【0044】先ず、図10に示すように(100)方位
の単結晶シリコン基板7上にCVD法により厚さ約2.
0μmの二酸化シリコン膜5を堆積する。
【0045】次に圧力が1×10−2Pa以下の雰囲気
中で、シラン(SiH4 )の熱分解を用いたCVD法
により厚さ約0.8μmの多結晶シリコン膜3を二酸化
シリコン膜5の上部に堆積する。
【0046】次に図8で説明した方法を用いて電子ビ−
ムで多結晶シリコン膜3を加熱して単結晶シリコン膜9
を形成する。このとき、電子ビームの出力及び溶融して
いるシリコン膜の温度をモニタして1510℃を越えな
い一定の温度にシリコン膜を保つ。
【0047】以上の方法を用いると過冷却領域の幅X0
 は0.1nm程度という小さな値になるため、多結晶
シリコン膜3の再結晶化中にファセット面が形成されな
くなる。その結果、亜粒界の形成や不純物の偏析が抑制
され、広い範囲にわたって移動度やリ−ク電流が改善さ
れ良質な単結晶シリコン膜9を得ることができる。
【0048】この単結晶シリコン膜9を用いてn型,p
型のMOSトランジスタを形成したところ、移動度は各
々300,1000cm2 /V・sとなり、シリコン
基板7のそれとほぼ同等の値が得られた。
【0049】次に過冷却領域12が小さくなった理由を
説明する。
【0050】図11にはSi−O二元系の状態図が示さ
れている。この状態図からわかるように酸素を含んだ液
体状態のシリコンを温度を下げて固相と液相との2相状
態にすると、酸素は液相のシリコンと固相のシリコンと
に分配される。このとき液相のシリコン中の酸素濃度が
固相のシリコンのそれより高くなる。また、固相のシリ
コンは酸素濃度が高いほど融点が低下する。
【0051】図12は図11の状態図において酸素が低
い部分を拡大した状態図である。この状態図からわかる
ように酸素濃度が低いときは、固相線、液相線はともに
直線で表わされる。したがって、液相のシリコン中の酸
素濃度をC0とすると、この状態図から液相線の傾きm
は100/℃、平衡偏析係数kは0.1となる。
【0052】図13は液相のシリコン中の酸素の濃度分
布を示す図である。
【0053】これは固体状態のシリコンを電子ビ−ムに
より加熱し、シリコンを固相と液相との2相状態にして
調べたものである。なお、走査速度Rは0.03cm/
s,拡散係数Dは1×10−4cm2 /sである。こ
の図からわかるように、液相のシリコン中の酸素濃度は
固液界面から離れるほど低くなっている。これは固相の
シリコン中の酸素が拡散して徐々に液相のシリコン中に
入り込むからである。
【0054】図11,図12を用いて液相のシリコンの
固液界面からの距離と液相のシリコンの凝固温度との関
係を求めると図14中の曲線aのようになる。固液界面
に近い液相のシリコン中ほど固相のシリコンから拡散し
た酸素が溜まりやすいので凝固温度は図示の如く大きく
低下する。一方、液相のシリコンの実際の温度分布は図
13中の直線bで示されるようになっている。したがっ
て、過冷却領域12は直線bと曲線aとの各交点の間と
なる。このような過冷却領域を形成する過冷却は不純物
の混入により現われるので組織的過冷却と呼ばれている
【0055】この過冷却領域の幅X0 (cm)は、温
度勾配G(℃/cm)、エネルギ−ビ−ム走査速度R(
cm/s)、シリコン中の酸素濃度C0 をパラメ−タ
として次のように表せられる。
【0056】X0 =mC0 (1−k)[1−exp
(−X0 R/D)]/kG・・・(1)なお、mは液
相線の傾き,kは平衡偏析係数,Dは拡散係数である。
【0057】ここで、低酸素濃度におけるSi−O系の
液相線の傾きm,平衡偏析係数kはそれぞれ100/℃
,0.1となる。また、液体状態のシリコン中の酸素の
拡散係数Dは5×10−5cm2 /sである。
【0058】図15(a),(b)は本実施例の単結晶
シリコン膜9の形成と同じ条件の下で求めた温度分布の
シミュレ―ション結果である。同図(b)は同図(a)
の上部を拡大したものである。これを用いて温度勾配G
を求めると7000℃/cmとなる。
【0059】以上の値を式(1)に代入すると、過冷却
領域の幅X0 と液体状態のシリコン中の酸素濃度C0
 /kとの関係は図16に示されるように、過冷却領域
の幅X0 は酸素濃度C0 に対して直線的に変化する
。また、この図から液体状態のシリコン中の酸素濃度C
0 /kが1×1019atom/cm3 (モル分率
で4×10−2),固体状態の酸素濃度C0 に換算す
ると1×1019atom/cm3 以下になると過冷
却領域の幅Xは0 0.1nm以下になることがわかる
。したがって、酸素濃度が低くなると過冷却領域の幅が
原子オ−ダになりファセット面は現れなくなる。
【0060】上述した単結晶シリコン膜9は、酸素濃度
が低い雰囲気中で形成した多結晶シリコン膜3を、液相
のシリコン11の温度がシリコンの融点(1414℃)
より100℃以上高くならないように電子ビ−ムで加熱
し、二酸化シリコン7中の酸素が入り込まないようにし
て形成したものである。
【0061】したがって、液相のシリコン11の酸素濃
度が十分小さくなったので過冷却領域の幅X0 が0.
1nm程度になったと考えられる。
【0062】なお、酸素濃度が2×1019atom/
cm3であっても過冷却領域の幅Xは十分小さいので従
来に比べてはるかに優れた品質の単結晶シリコン膜を得
ることができる。
【0063】過冷却領域12は、ラテラルシ−ディング
による結晶成長中に突然ランダムな核発生による成長が
起こり成長を途切れさす要因にもなり、この制御はきわ
めて困難であるが、本実施例のように、過冷却領域を極
めて小さくすると安定した成長を継続することが可能に
なり、10mm程度の半導体単結晶膜を連続して安定に
製造することができた。
【0064】なお、走査速度Rは多結晶シリコン膜3下
部の膜へダメ−ジを与えずまた結晶成長を途切れさせな
いことを考慮し実験的に求めると10cm/s程度が適
していることがわかった。また、酸素以外の他の不純物
についても同様の効果がみられた。また、先の実施例の
ように多結晶シリコン膜3上に二酸化シリコン膜を堆積
しても同様な効果が得られる。
【0065】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。上記実施例ではエネルギービームとし
て電子ビ−ムを用いた場合について説明したが、他のエ
ネルギービームを用いても同様な効果が得られる。例え
ば、レ−ザ光を用いた場合、反射鏡あるいスリットなど
を用いて照射面積を可変にできるようにビームを偏向さ
せるか、エネルギー密度を可変にすれば同様の効果を得
ることができる。
【0066】また、多結晶シリコン膜の代わりにアモル
ファスシリコン膜を用いても同様の効果が得られる。そ
の他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して
実施できる。
【0067】
【発明の効果】以上述べたように本発明の半導体装置の
製造方法によれば、非単結晶膜の任意の領域を所望の温
度に加熱することができるので高品質な単結晶膜を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の単結晶シリコン膜の形成方法を示す図。
【図2】従来の単結晶シリコン膜の形成方法の問題を説
明するための図。
【図3】本発明の第1の実施異例に係る単結晶シリコン
膜の形成方法を示す図。
【図4】シリコン膜の表面温度とエネルギ−ビ−ム位置
との関係を示す図。
【図5】本発明の第2の実施異例に係る単結晶シリコン
膜の形成方法を示す図。
【図6】シリコン膜の表面温度とエネルギ−ビ−ム位置
との関係を示す図。
【図7】シリコン膜中の酸素濃度とシリコン膜の温度と
の関係を示す図。
【図8】照射面積の制御方法の一例を示す図。
【図9】電子ビ−ムの偏向に用いる変調波を示す図。
【図10】本発明の第3の実施例に係る単結晶シリコン
膜の形成方法を説明するための図。
【図11】Si−O二元系の状態図。
【図12】図11の状態図の酸素の少ない領域を拡大し
た状態図。
【図13】液体状のシリコン中の酸素の濃度分布を示す
図。
【図14】液相のシリコンの固液界面からの距離と液相
のシリコンの凝固温度との関係を示す図。
【図15】温度分布のシミュレ―ション結果。
【図16】酸素濃度と組織的過冷却領域との関係を示す
図。
【符号の説明】 1…電子ビ−ム、3…多結晶シリコン膜、5…二酸化シ
リコン膜、7…単結晶シリコン基板、9…単結晶シリコ
ン膜、10…固相のシリコン,11…液相のシリコン,
12…過冷却領域、13…固液界面、17…ファセット
面の交差する部分、19…亜粒界、21…二酸化シリコ
ン膜、23…種結晶部、25…ビ−ム光源、27…発振
器、29…偏向板、30…正弦波、31…変調波、32
…発振器、33…偏向板、35…スポットビ−ム。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁膜上に非単結晶膜が形成されてなる試
    料基板にエネルギ−ビ−ムを走査して単結晶膜を形成す
    る工程を有する半導体装置の製造方法において、前記エ
    ネルギ−ビ−ムの出力強度を一定にすると共に、このエ
    ネルギ−ビ−ムの照射面積を制御することを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】絶縁膜上に非単結晶膜が形成されてなる試
    料基板にエネルギ−ビ−ムを走査して単結晶膜を形成す
    る工程を有する半導体装置の製造方法において、前記エ
    ネルギ−ビ−ムの出力強度を一定にすると共に、このエ
    ネルギ−ビ−ムの照射面積が前記エネルギ−ビ−ムの走
    査が進むにしたがい大きくなるように制御することを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】種結晶部となる基板と、開口部を有する絶
    縁膜を介して前記基板上に非単結晶膜が形成されてなる
    試料基板にエネルギ−ビ−ムを走査して単結晶膜を形成
    する工程を有する半導体装置の製造方法において、前記
    エネルギ−ビ−ムの出力強度を一定にすると共に、この
    エネルギ−ビ−ムの照射面積が前記開口部上で他の部分
    より小さくなるように制御することを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  4. 【請求項4】前記絶縁膜はシリコン酸化膜,前記非単結
    晶膜は非単結晶シリコン膜からなり、非単結晶シリコン
    膜中の酸素濃度を2×1019atom/cm3 以下
    に抑えながら前記単結晶膜を形成することを特徴とする
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の半導体装置の
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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