JPH04287202A - 制御システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、温度制御システム等の
外乱発生時における整定制御動作に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、炉の温度制御を行うに際し、整
定状態において外乱があると炉内の温度（制御量）が変
化する。そして、目標値と制御量との偏差に基づく制御
作用が働いて操作量が修正され加熱状態が変化されるこ
とにより制御量は再び目標値に整定される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来に
おける制御作用は単に偏差に基づいて行うのが基本であ
り、上記の外乱時における制御作用も外乱状態に関係な
く行われている。したがって、システムにおいて外乱時
の制御作用が大きくなるように制御特性を設定すると整
定時間は短くなるもののオーバーシュートが発生し、逆
に小さくなるように制御特性を設定するとオーバーシュ
ートは発生しないものの整定時間が長くなり、外乱状態
の実状に即した制御動作が行われていないのが現状であ
る。

【０００４】上記の外乱としては、大別して復帰（パル
ス、電断）型外乱と非復帰（ステップ）型外乱があり、
例えば、炉のドアの開閉、加熱ヒータの電断で炉内の温
度が一時的に変化する場合が復帰型外乱であり、炉内の
被加熱物が交換され炉内の温度が継続的に変化する場合
が非復帰型外乱あり、復帰型外乱においてオーバーシュ
ートが発生しやすく、非復帰型外乱において整定時間が
長くなる傾向にある。本発明は、上記の問題点に鑑みて
行うもので、常に外乱状態の実状に即した整定制御動作
が行われるようにすることを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
、本発明では、制御対象の出力量を目標値とすべく制御
動作を行うように構成される制御システムにおいて、外
乱発生時の整定制御動作途中においてその外乱状態を推
定する外乱状態推定装置と、前記外乱状態推定装置から
の推定内容に対応して整定制御動作を修正する外乱状態
適応装置とを備えてなる構成とした。

【０００６】

【作用】本発明構成によると、外乱発生時の整定制御動
作途中において外乱状態が推定され、その推定内容に対
応して整定制御動作が修正される。

【０００７】

【実施例】図１は温度制御システムの全体制御系統図で
あり、１は炉等の制御対象、２は目標値ｒと制御対象１
からの制御量としての出力温度ｙとの偏差ｅに基づいて
操作量Ｕを出力する温度補償器、３は制御対象１からの
出力温度ｙに基づいて外乱状態を推定する外乱状態推定
装置、４は外乱状態推定装置３からの推定信号に基づい
て温度補償器２に補正信号を出力する外乱状態適応装置
である。

【０００８】上記温度補償器２は、偏差ｅに基づいて比
例操作量を出力する比例操作量出力部７、偏差ｅの微分
を行う微分器８、微分器８の微分値に基づいて微分操作
量を出力する微分操作量出力部９、偏差ｅの積分を行う
積分器１０、積分器１０の積分値に基づいて積分操作量
を出力する積分操作量出力部１１とから構成され、それ
ぞれの出力部７，９，１１からの出力の総和を操作量Ｕ
として出力する。

【０００９】外乱状態推定装置３は、外乱発生時におけ
る出力温度ｙの変化に際しての変化率Ｈ１と前記変化の
後の復帰変化に際しての変化率Ｈ２とをそれぞれ算出す
る変化率算出部１３と、それぞれの変化率に基づいて外
乱状態を推定する外乱状態推定部１４とから構成され、
復帰型外乱で有る場合に推定信号を出力するように構成
されている。

【００１０】外乱状態適応装置４は、外乱状態推定装置
３からの推定信号に基づいて、温度補償器２の積分器１
０に外乱後の積分量をリセットさせる補正信号を出力す
るように構成されている。

【００１１】上記温度制御システムは、この実施例では
制御対象１を除く部分がソフトウェアにより構成され、
その温度制御動作はマイクロコンピュータが所定のプロ
グラムにしたがって行うものである。

【００１２】次に、上記温度制御システムの動作を、図
２のフローチャート、図３の外乱状態グラフ図を参照し
て行う。

【００１３】通常は目標値応答制御を行っており、この
場合は外乱状態適応機能はｏｆｆしている（ステップ１
，２：図３のＡで示す部分での動作）。

【００１４】そして、何等かの外乱が発生して出力温度
ｙが変化すると、外乱状態適応機能がｏｎし、その出力
温度ｙ変化が設定温度幅ｘを越えるとその際の積分量Ｕ
Ｉ、その際の温度ｙ０、その際の時刻ｔａをそれぞれ記
憶する（ステップ３，４，５：図３のＢで示す部分での
動作）。

【００１５】そして出力温度ｙの変化率の符号が負から
正に切り替わると、その際の時刻ｔｂを記憶するととも
に、出力温度ｙがｙ０に達した時点からの経過時間ｔｂ
−ｔａ＝ｔ１、時刻ｔｂにｔ１／ｎ時間であるｔ２を加
えた次にデータを取る時刻ｔｃ、時刻ｔａからｔｂに至
る間での出力温度ｙの変化率Ｈ１＝（ｙ１−ｙ０）／ｔ
１のそれぞれを算出して記憶する（ステップ６，７：図
３のＣで示す部分での動作）。上記ｎは、例えば［３］
に設定され、ｔ２はｔ１の１／３とされるもので、これ
は、ｔ２が適正な変化率Ｈ２の算出のための十分な時間
となり、また、ｔｃが後に説明する積分量ＵＩのリセッ
トによる操作量減少動作の開始時期として遅くないタイ
ミングとなるように設定している。

【００１６】そして、次にデータを取る時刻ｔｃとなる
と、時刻ｔｂからｔｃに至る間での出力温度ｙの変化率
Ｈ２＝（ｙ２−ｙ１）／ｔ２を算出する。さらに、｜Ｈ
２／Ｈ１｜を算出し、図３のグラフ図に示すように、｜
Ｈ２／Ｈ１｜＞１である場合には復帰型の外乱と判定す
る（ステップ８，９，１０，１１：図３のＤで示す部分
での動作）。

【００１７】復帰型外乱の場合は外乱が一時的であるの
で制御効果が著しく、絶対値において変化率Ｈ１より変
化率Ｈ２のほうが大きくなる。これに対し、非復帰型外
乱の場合は外乱が継続するので制御効果が緩やかで、通
常、図４のグラフ図のような外乱の制御特性を示し、｜
Ｈ２／Ｈ１｜≦１となる。なお、｜Ｈ２／Ｈ１｜＞１．
４となる場合は、図５のグラフ図のような外乱の制御特
性を示す電断外乱と判定でき、制御システムにおいて、
さらに、この判定内容を使用することも可能である。

【００１８】そして、復帰型外乱と判定した場合は積分
器１０の積分量を出力温度がｙ０を越えた際の積分量Ｕ
Ｉにリセットする（ステップ１２：図３のＤで示す部分
での動作）。このリセットにより積分操作量が減少され
全体の操作量Ｕも減少される故に変化率も緩やかになり
、その結果、図３に実線で示すように、出力温度は殆ど
オーバーシュートすることなく整定される。積分量ＵＩ
がリセットされない場合は、操作量Ｕが減少されないの
で点線で示すようにオーバーシュートが発生する。

【００１９】この温度制御システムでは、上記のように
復帰型外乱の場合は積分操作量が減少されオーバーシュ
ートが解消されるので、外乱時の制御作用が大きくなる
ように、すなわち、非復帰型外乱の場合の制御特性が良
好なようにセットしておけばよい。

【００２０】図６は積分制御量のリセット動作部分の他
の実施例を示し、リセット動作の後に偏差ｒ−ｙが設定
値ｚより小さくなったかどうかの判定を行い、設定値ｚ
より小さくならない場合はリセット動作を繰り返し行う
ように構成しており、これにより、より厳密にオーバー
シュートの発生を防ぐ構成としている。

【００２１】図７は積分制御量のリセット動作部分のさ
らに異なる他の実施例を示し、この実施例では、リセッ
ト動作の後に変化率Ｈ３が設定値Ｈ０より小さくなった
かどうかの判定を行い、設定値Ｈ０より小さくならない
場合は図６に示す実施例と同様に、リセット動作を繰り
返し行うように構成している。

【００２２】

【発明の効果】本発明は以上のように構成されたもので
あるので、外乱発生時の整定制御動作途中において外乱
状態が推定され、その推定内容に対応して整定制御動作
が修正されるようになり、その結果、常に外乱状態の実
状に即した整定制御動作が行われるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る制御システムの全体制御系統図。

【図２】制御システムの動作実施例を示すフローチャー
ト。

【図３】制御実施例に対応する外乱状態グラフ図。

【図４】ステップ外乱状態グラフ図。

【図５】電断外乱状態グラフ図。

【図６】制御システムの他の動作実施例を示す部分フロ
ーチャート。

【図７】制御システムのさらに他の動作実施例を示す部
分フローチャート。

【符号の説明】

１　　　　制御対象 ３　　外乱状態推定装置 ４　　外乱状態適応装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　制御対象（１）の出力量を目標値とす
   べく制御動作を行うように構成される制御システムにお
   いて、外乱発生時の整定制御動作途中においてその外乱
   状態を推定する外乱状態推定装置（３）と、前記外乱状
   態推定装置（３）からの推定内容に対応して整定制御動
   作を修正する外乱状態適応装置（４）と、を備えてなる
   制御システム。