JPH0428512Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） 本考案は、遠赤外線を利用して肉類、野菜類等
を串に刺した串物を焼くための串焼機に関する。

（従来の技術） 従来から、串焼機には、遠赤外線を利用して肉
類、野菜類等を串に刺した串物を焼くに際し、遠
赤外線ヒータ板のヒータ面上方に串物を複数個並
べ、串物の片側をまず焼き、適当に串物の片側が
焼けた状態で、串を回して焼けていない他側を遠
赤外線ヒータ板のヒータ面に向けて焼くようにし
ている。この遠赤外線を利用した串焼機は肉類、
野菜類等の食物の内部に熱が浸透し易いので、早
く焼き上げることができ、うまみのもととしての
肉汁等の流出がガス等を利用して焼く場合に較べ
て少ないという利点がある。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、串物を両側から焼くことにすれば、
串を回さなくとも串物の両側を同時に焼くことが
できるので、さらに一層早く串物を焼き上げるこ
とができ、うまみのもととしての肉汁等の流出を
より一層少なくすることができる。

この串物を両側から焼く構成としては、 二枚の遠赤外線ヒータ板のヒータ面が上下方
向に対向するようにしてこの遠赤外線ヒータ板
を配設し、その二枚の遠赤外線ヒータ板の対向
間に水平に複数個の串物を並べて焼く構成、 二枚の遠赤外線のヒータ面が互いに対向する
ようにその二枚の遠赤外線ヒータ板を略垂直に
立てて、この二枚の遠赤外線ヒータ板の対向間
に垂直に立てた串物を複数個並べて焼く構成、 二枚の遠赤外線のヒータ面が互いに対向する
ように略垂直に立ててその二枚の遠赤外線ヒー
タ板を配設し、この二枚の遠赤外線ヒータ板の
対向間に水平方向に向けた串物を上下方向に複
数個並べて焼く構成、が考えられる。

しかしながら、の構成の串焼機は、下側の遠
赤外線ヒータ板のヒータ面への肉汁等の落下によ
る煙の発生、場合によつては、肉汁が燃え上がつ
て串物がいぶされた状態となることが予想され
る。また、いわゆるたれをつけた串物を焼く場合
にはそのたれが下側の遠赤外線ヒータ板のヒータ
面に垂れ落ちて煙が発生する等の好ましくない事
態を生じることが予想される。次に、の構成の
串焼機は、肉汁、たれが各串を伝わつて上から下
に垂れ落ちるため、上側に刺されている食物と下
側に刺されている食物との間に焼き上がりに差を
生じ易く、上側のものを良好な状態で焼き上げよ
うとすると下側のものが生焼けの状態となり易
く、下側のものを良好な状態で焼き上げようとす
ると、上側のものが焼けすぎとなるきらいがあ
る。さらに、の構成の串焼機も、上側の串物の
肉汁、またはいわゆるたれが下側の串物に落下す
るということが予想される。また、肉汁、たれが
落下衝撃により飛散してヒータ面に付着し、煙が
発生するということも予想される。

（考案の目的） 本考案は、上記の事情を考慮して為されたもの
で、その目的は、串物を両側から良好に焼き上げ
るのに好適の串焼機を提供するところにある。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） 本考案に係る串焼機の特徴は、ヒータ面が互い
に対向するように略垂直に立てて配設された二枚
の遠赤外線ヒータ板と、この二枚の遠赤外線ヒー
タ板の対向間に挿入される串物受け部材とを少な
くとも備え、この串物受け部材はそのヒータ面に
略平行に対面する垂直金網部と、この垂直金網部
に対して斜めに設けられてその垂直金網部との間
にその串物を水平方行に向けて載置するための載
置空間を形成する載置金網部とから構成され、こ
の載置金網部はその垂直金網部の上下方向に複数
個設けられているところにある。

（作用） 本考案に係る串焼機によれば、各載置金網部に
載置された串物の肉汁、垂れは各載置金網部の網
目を伝わつて垂直金網部に集められ、その垂直金
網部の網目を伝わつて自然に下方に導かれる。よ
つて、上側の載置金網部に載置された串物の肉
汁、垂れが落下してその真下の載置金網部に載置
された串物に付着することが防止される。また、
串物の肉汁、垂れの落下衝撃による飛散に基づき
ヒータ面に肉汁、たれが付着することも防止され
る。

（実施例） 以下に、本考案に係る串焼機の一実施例を図面
を参照しつつ説明する。

第１図〜第３図において、１は串焼機である。
この串焼機１は二枚の遠赤外線ヒータ板２，３を
有する。この二枚の遠赤外線ヒータ板２，３はそ
のヒータ面４，５が互いに対向するように略垂直
に立てて配設されている。その二枚の遠赤外線ヒ
ータ板２，３の対向間６には、串物受け部材７が
挿入される。この串物受け部材７は、水平金網部
８と垂直金網部９とを有する。水平金網部８、垂
直金網部９は、第４図に示すように、平行金網に
より構成されており、１０は水平金枠、１１は垂
直金枠、１２は水平金網部８の網目を構成する線
材、１３は垂直金網部９の網目を構成する線材で
ある。

水平金網部８は、串焼機１の底部１３′に設け
られた支持板１４，１４に支承され、串焼機１に
はその水平金網部８の下方に、肉汁、たれを受け
るための受け皿１５を設置する設置部１６が設け
られている。垂直金網部９はヒータ面４，５に対
面するようにして対向間６に配置されるもので、
そのヒータ面４，５に対面する側には、それぞれ
載置金網部１７〜２４が垂直金網部９に対して斜
めに設けられている。この各載置金網部１７〜２
４は、垂直金網部９との間に肉類、野菜類等の食
物２５を串２６に刺した串物２７を水平方向に向
けて載置する載置空間を形成している。

載置金網部１７〜２０、載置金網部２１〜２４
はそれぞれ上下方向に配設されており、載置金網
部１７〜２０と載置金網部２１〜２４とは互い違
いにその高さが異なる構成とされている。各載置
金網部１７〜２４は、平織り金網２５を有してお
り、各載置金網部１７〜２４が垂直金網部９に対
して為す角度は、載置金網部１７〜２４への串物
２７の載置のし易さ、肉汁、たれが平織り金網２
５に沿つて垂直金網部９に集中して導かれるか否
かの観点から選定される。ここで、その角度を
30°以下に設定すると、載置金網部１７〜２４へ
串物２７を載置しにくくなり、その角度を75度以
上に設定すると、肉汁、たれが平織り金網２５に
沿つて垂直金網部９に導かれにくくなり、肉汁、
たれが落下し易くなるので好ましくないので、そ
の角度は30°〜75°が望ましく、ここでは、その角
度を45°としている。

また、垂直金網部９の網目を構成する線材１
３、載置金網部１７〜２４の平織り金網２５の網
目を構成する線材には、線径１〜３mmで、網目間
隔が10mm〜30mmのものを用いる。というのは、線
径を１mm以下にすると肉類等の食物２５に線材が
食い込んで、肉汁、垂れ等の流れが阻止され、そ
の線径を３mm以上にすると遠赤外線の遮蔽効果が
増大すると共に、遠赤外線による熱を垂直金網部
９、載置金網部１７〜２４が奪うからである。ま
た、網目を10mm以下にすると、遠赤外線の遮蔽効
果が増大し、網目を30mm以上にすると串物２７を
載置しにくくかつ肉汁、たれが直接落下し易くな
るからである。なお、２８は載置金網部１７〜２
４の金枠を示す。

この実施例では、垂直金網部９の平行金網の線
材１３はその線径を1.5mmとし、その線材１３の
間隔は20mmとした。また、載置金網部１７〜２４
の平織り金網２５の線材はその線径を１mmとし、
網目は2.5メツシユ（網目の間隔として略10mm）
のものを用いた。そして、鶏の手羽肉を竹製の串
２６に刺して１本の重量が40gの串物を構成し、
この串物２７を載置金網部１７〜２４に２本ずつ
水平に乗せ、16本の串物２７に遠赤外線を４分間
照射して串物２７を焼いた。その結果は以下に説
明する通りである。

まず、手羽肉の温度は中心部で各串物２７共に
80〜85°に一様に上昇した。また、手羽肉の外周
部には適度のこげ目が発生し、くすぶりもなく奇
麗に焼き上げられ、各串物２７とも重量も一様に
約25％減少した。更に、串物２７を焼いている
間、ほとんど煙が発生せず、肉汁、たれが載置金
網部１７〜２４、垂直金網部９を伝わつて受け皿
１５に導かれるのを観察できた。

なお、第１図において、２９は電源表示灯、３
０は自動温度調節器、３１は漏電遮断器、３２は
串焼機１の上部３３に設けられて金枠１１の上部
をガイドするガイド板である。

以上、実施例について説明したが、金網の種類
は実施例に示すものに限る必要はなく、たとえ
ば、菱形金網、クリンプ金網、溶接金網、織り金
網等の各種のものを用いることができる。

また、実施例では、串物受け部材７を手で持つ
て二枚の遠赤外線ヒータ板２，３の対向間に挿入
して串物２７を焼く構成について説明したが、コ
ンベアに串物受け部材７を取付け、串物受け部材
７が遠赤外線ヒータ板２，３の対向間を通過する
構成として、自動的にかつ連続的に串物２７を焼
く構成とすることもできる。

さらに、第５図に示すように、串物受け部材７
の載置金網部１７〜２４を、平織り金網を鋭角に
折り曲げて形成した載置金網３４と、垂直金網部
９の金枠１１に斜めに設けられた金網受け棒３５
とから構成し、その載置金網３４を金網受け棒３
５に対して取外し可能に設けて、載置金網部１７
〜２４の洗浄の容易化を図る構成とすることもで
きる。

考案の効果 本考案に係る串焼機は、ヒータ面が互いに対向
するように略垂直に立てて配設された二枚の遠赤
外線ヒータ板と、この二枚の遠赤外線ヒータ板の
対向間に挿入される串物受け部材とを少なくとも
備え、この串物受け部材をそのヒータ面に略平行
に対面する垂直金網部と、この垂直金網部に対し
て斜めに設けられてその垂直金網部との間にその
串物を水平方行に向けて載置するための載置空間
を形成する載置金網部とから構成し、この載置金
網部をその垂直金網部の上下方向に複数個設けた
から、各載置金網部に載置された串物の肉汁、垂
れを各載置金網部の網目を伝わつて垂直金網部に
集め、その垂直金網部の網目を伝わつて自然に下
方に導くことができ、上側の載置金網部に載置さ
れた串物の肉汁、垂れが落下してその真下の載置
金網部に載置された串物に付着することが防止で
きるという効果がある。また、串物の肉汁、垂れ
の落下衝撃による飛散に基づきヒータ面に肉汁、
たれが付着することも防止できるという効果も奏
する。さらに、上側と下側の載置金網部に種類の
異なつた串物を載せて焼く場合に、上側の串物の
肉汁、垂れが下側の串物に付着するのが防止でき
るから、種類の異なつた串物を同一の串物受け部
材に上下方向に載置して同時に焼くことができる
という効果も奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る串焼機の正面図、第２図
はその串焼機の側面図、第３図はその串焼機の上
面図、第４図はその串焼機に用いる串物受け部材
の斜視図、第５図は本考案に係る串物受け部材の
変形例を示す部分斜視図である。 １……串焼機、２，３……遠赤外線ヒータ板、
４，５……ヒータ面、７……串物受け部材、９…
…垂直金網部、１７〜２４……載置金網部、２５
……食物、２６……串、２７……串物。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 肉類、野菜類等を串に刺した串物を焼くための
   串焼機であつて、 ヒータ面が互いに対向するように略垂直に立て
   て配設された二枚の遠赤外線ヒータ板と、該二枚
   の遠赤外線ヒータ板の対向間に挿入される串物受
   け部材とを少なくとも備え、該串物受け部材は前
   記ヒータ面に略平行に対面する垂直金網部と、該
   垂直金網部に対して斜めに設けられて前記垂直金
   網部との間に前記串物を水平方向に向けて載置す
   るための載置空間を形成する載置金網部とから構
   成され、該載置金網部は前記垂直金網部の上下方
   向に複数個設けられていることを特徴とする串焼
   機。