JPH04284943A - 鋳型の圧着方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鋳物砂を用いて造型す
る鋳造用鋳型の圧着方法に係り、特に、見切面における
鋳ばりの発生が極めて小で鋳仕上げ作業が極めて容易で
あるとともに、寸法精度の高い鋳物を鋳造することがで
きる鋳型の圧着方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】鋳造用の鋳型は、従来より、模型を配設
した模型定盤を造型機のテーブル上に取り付け、模型定
盤上に鋳枠を載置してこの鋳枠内に鋳物砂を投入した後
、前記造型機のスクイズヘッドにより鋳物砂を圧縮して
型締めを行ない、その後模型を抜き取る型抜きをして、
上鋳型と下鋳型（以下、上型、下型という）との造型を
それぞれ行なった後、見切面を上に向けて定置した下型
に、見切面を下に向けて上型を被せる型合わせを行なっ
て製造している。

【０００３】しかしながら、造型後の鋳型のスプリング
バックおよび模型定盤、鋳枠等の機材の剛性不足等に起
因して造型後の上型および下型の見切面は平面度が良好
でなく、通常は中高の凸面となるものである。このよう
に見切面が凸面となった上型と下型とを型合わせすると
、図２に示すように、キャビティ３の外周の型合わせ面
（見切面）に隙間ｔが生じ、注湯するとこの隙間ｔに溶
湯が浸入して鋳ばりが発生するという問題がある。また
見切面が凹面になった場合も同様の問題が発生する。

【０００４】このため従来は図３に示すように、型合わ
せ後例えば相当の重量の重錘４を上型１上に乗せるか、
あるいは図示していない油圧シリンダーのロッド下端の
押さえ板によって上型１の上方から押圧して型合わせ面
を密着させ、鋳ばりの発生を防いでいる。

【０００５】また、鋳ばりを防止する技術として特開昭
６２−１４２０５２号公報に開示されたものがある。こ
れは鋳型のキャビティの外周に沿って所定の高さと幅の
帯状突起部を形成し、型合わせ後上型と下型とを押圧し
て型合わせ面の間隙をなくし鋳ばりの発生を防止しよう
とするものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記い
ずれの場合も、型合わせ後上型の上方から押圧する等上
型と下型とを互いに圧着し、型合わせ面の隙間をなくし
て鋳ばりの発生を防止することはできるが、押圧力によ
って図３に示すようにキャビティ３が変形し、例えば垂
直面のふくらみ３ａによる形状不良や、上下方向ｌの縮
小による寸法不良が発生したり、キャビティ３の見切面
近傍の隅角部１ｂ，２ｂに型こわれが発生したりすると
いう問題を有するものである。

【０００７】本発明は、上記従来技術の問題点を解消し
、鋳ばりの発生を防止するとともに、形状不良や寸法不
良および型こわれによる不良の発生を防止することがで
きる鋳型の圧着方法を提供することを目的とするもので
ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであり、その構成は、見切面
を上に向けて定置した下型上に、見切面を下方にして上
型を載置して型合わせを行った後、前記上型と下型とを
互いに圧着する鋳型の圧着方法において、前記型合わせ
前に、見切面および上型と下型とに形成したキャビティ
内面の、少なくとも見切面近傍の隅角部を液体粒子で加
湿し、ついで型合わせした後、上型用の鋳枠および下型
用の鋳枠のいずれか一方または両方に押圧力を加えるこ
とを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】型合わせ前に、少なくとも見切面近傍の隅角部
を加湿し、型合わせ後は鋳型を直接押圧せず、鋳枠のい
ずれか一方または両方に押圧力を加えて、上型と下型と
を互いに圧着するので、上型と下型とが柔軟に圧着して
見切面の隙間を無くし、鋳ばりの発生を防止するととも
に、見切面近傍のキャビティの隅角の型こわれの発生を
防止する。また、鋳型を直接押圧しないので形状不良や
寸法不良の発生も防止し得る。

【００１０】

【実施例】以下、図１により本発明の一実施例を説明す
る。図１は要部を断面にした正面図である。図１におい
て、別の場所で造型機（図示せず）によって造型された
下型２は、鋳型台車９上に見切面２ａを上に向けて載置
されており、その上に、別の場所で造型された上型が見
切面１ａを下に向けて載置され、型合わせがなされてい
る。しかし、この状態では型合わせ面に隙間ｔが生じ、
このままの状態で注湯すると大なる鋳ばりが生ずること
は明らかである。

【００１１】そこで、本発明方法により、造型後の上型
１と下型２の見切面１ａ，２ａの全面と、キャビティ３
の見切面１ａ，２ａ近傍の隅角部１ｂ，２ｂを含むキャ
ビティ３の内面とに、スプレーによって水を噴霧状にし
て吹き付けて加湿した後型合わせし、さらに上型１を保
持する上型用の鋳枠５を、上型１の上縁のみに当接する
逆Ｕ字型の押圧部材７を、例えば油圧シリンダー等の押
圧装置８により下向き矢印方向に押圧し、上型用鋳枠５
の下縁と、下型用鋳枠６の上縁とを当接させることによ
り、鋳型に直接押圧力を加えることなく見切面１ａ，２
ａを互いに圧着せしめた。

【００１２】この状態にした鋳型に注湯を行ったところ
、鋳ばりの発生がなく、また、形状不良、寸法不良およ
びキャビティの隅角部の型こわれによる不良のない鋳物
を得ることができた。しかし押圧力が小さい場合は、鋳
ばりの発生を防止することはできなかった。表１に種々
実験した結果を示す。

【００１３】

【表１】

【００１４】表１からわかるように、押圧力が０または
０．２ｋｇｆ／ｃｍ２　の場合は、全面に加湿を行った
場合でも、鋳ばりの発生を防止することはできなかった
。しかし押圧力を上げて０．３ｋｇｆ／ｃｍ２になると
鋳ばりが小となり、その除去作業は容易となり、０．４
ｋｇｆ／ｃｍ２　以上では鋳ばりの発生がなかった。な
お、押圧力が１ｋｇｆ／ｃｍ２　を超えると鋳ばりの発
生は防止できたが、形状不良や寸法不良が発生した。よ
って押圧力は０．３〜１．０ｋｇｆ／ｃｍ２　が好まし
い。また、加湿をしないで押圧したものは鋳ばりを防止
することはできなかった。以上より、適切な加湿と押圧
を組み合わせることによって、鋳ばりを防止できること
がわかる。

【００１５】

【発明の効果】上述のように本発明によると、鋳ばりの
発生を防止することができてこれの除去作業が不要にな
り、また形状不良、寸法不良あるいは型こわれによる不
良の発生を防止することができて鋳造歩留まりを向上す
ることにより、鋳物の原価低減に寄与すること多大であ
る。

【００１６】なお、上記実施例では、上型用の鋳枠に押
圧力を加えた例について説明したが、この押圧力は例え
ば鋳型台車を上昇させて下型用の鋳枠に加えてもよく、
また両方の鋳枠に加えてもよい。また、水のスプレーに
よる加湿を、見切面とキャビティの内面の隅角部を含む
全面に行った例について説明したが、鋳型の大きさ、形
状、鋳物砂の水分量、鋳型硬度等を勘案して、適当量の
加湿を隅角部のみに行ってもよい。

【００１７】さらに、上記実施例では水を加湿液として
使用したが、加湿液としては油類、アルコール類および
水に適当な添加剤を混入したものなども同様の効果を得
ることができるものである。また、加湿方法としては超
音波発振子による微細液状粒子で加湿しても、同様の効
果を得ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す断面図である。

【図２】従来の型合わせ方法の一例を示す断面図である
。

【図３】従来の型合わせ方法の一例を示す断面図である
。

【符号の説明】

１　　　　上型 １ａ　　　　見切面 １ｂ　　　　隅角部 ２　　　　下型 ２ａ　　　　見切面 ２ｂ　　　　隅角部 ３　　　　キャビティ ５　　　　鋳枠（上型用） ６　　　　鋳枠（下型用） ７　　　　押圧部材 ８　　　　押圧装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　見切面を上に向けて定置した下型上に
   、見切面を下方にして上型を載置して型合わせを行った
   後、前記上型と下型とを互いに圧着する鋳型の圧着方法
   において、前記型合わせ前に、見切面および上型と下型
   とに形成したキャビティ内面の、少なくとも見切面近傍
   の隅角部を液体粒子で加湿し、ついで型合わせした後、
   上型用の鋳枠および下型用の鋳枠のいずれか一方または
   両方に押圧力を加えることを特徴とする鋳型の圧着方法
   。