JPH04284445A - 光学素子 - Google Patents

光学素子

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JPH04284445A
JPH04284445A JP3072064A JP7206491A JPH04284445A JP H04284445 A JPH04284445 A JP H04284445A JP 3072064 A JP3072064 A JP 3072064A JP 7206491 A JP7206491 A JP 7206491A JP H04284445 A JPH04284445 A JP H04284445A
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Kunihiro Ichimura
市村 国宏
Yuji Kawanishi
祐司 川西
Takahiro Seki
隆広 関
Takashi Tamaoki
敬 玉置
Shigeo Yamamura
重夫 山村
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光による液晶の配向変
化を利用した新規な光学素子に関するものである。さら
に詳しく言えば、本発明は、光および熱により可逆的に
構造変化を起こすβ−ケト酸高分子薄膜を有し、この作
用により液晶層の配向変化を生じさせ、それを利用して
情報を一時的又は永久的に記録する光学素子に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】液晶を用いる記録素子としては、情報を
電気的な作用を利用して貯蔵するものと、光の作用を利
用して貯蔵するものとが知られており、前者は主として
表示用に利用され、後者は光記録へ応用された例がある
。ところで、電気的な作用を利用して情報を書き込む液
晶表示は、電力の供給が停止すると情報が消失するため
、これを永久的に保存するには、特別の工夫を加えなけ
ればならないし、しかもパターン化された電極を用いる
ため解像性が低く大容量の記録素子としては不適当であ
る。他方、光の作用を利用して情報を貯蔵し、別の波長
の光の作用により可逆的に情報を消去するものでは、高
密度光記録に応用可能であるが、書き込みと消去のため
の二種類の光を必要とするため、装置的に煩雑となるの
を免れない。また、光化学的に構造が変化する化合物を
混合し、光の作用で相変化させる形式のものは、情報を
入力した最初の間は、優れた解像性を示すが、液晶が流
動するため時間の経過とともに著しく解像性が低下する
傾向がある。例えば、ネマティック液晶にキラルなアゾ
ベンゼンを溶解して得られるフォトクロミックなコレス
テリック液晶は、紫外線の作用でアイソトロピック相に
変化するので、これを利用して情報を記録することがで
きるが、時間の経過とともに液晶が流動し記録像が不明
確になる。(1986年日本化学会第52春季年会講演
予稿集参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光による液
晶の配向変化を利用する光学素子において、その流動性
に起因する解像性の経時的低下をもたらさず、しかも単
一の光源により可逆的に情報の貯蔵、消去が可能な光学
素子を提供する事を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、光による
液晶の配向変化を利用した光学素子について、鋭意研究
を重ねた結果、光および熱により可逆的に構造変化を起
こすβ−ケト酸高分子薄膜を液晶層に接して形成させる
と、β−ケト酸の光および熱による可逆的な構造変化に
応じて薄膜に接する液晶層が、可逆的に平行(パラレル
又はホモジニアス)配列又は垂直(ホメオトロピック)
配列すること、この液晶層の配列は上記化合物の1万倍
以上の分子の重なりであっても迅速に伝達されること、
従って光の状態が変化しない限り液晶層は変化せず長期
間にわたって情報が保持されることを見いだし、この知
見に基づいて本発明をなすに至った。
【0005】すなわち、本発明は一般式(1)
【化5】 (式中のRはアルキル基、アルコキシ基又はアルキルア
ミノ基であり、Aはポリメチレン基又はその中のメチレ
ン基の一部が
【化6】 で置き換えられているポリメチレン基である)で表され
る基を側鎖に有するポリアクレ−ト、ポリメタクリレ−
ト、ポリビニルアセタ−ル、ポリビニルエ−テル又はポ
リシロキサンから成る高分子膜を液晶層に接して設けて
なる、熱の作用によりパターンが形成され、形成された
パターンが光により可逆的に消去されることを特徴とす
る光学素子ならびに熱の作用によりパターンが形成され
、形成されたパターンが光により可逆的に消去されるこ
とを特徴とする光学素子を提供するものである。前記の
一般式(1)で表わされる基の中のRとしては、炭素数
5〜8のアルキル基、炭素数5〜8のアルコキシ基、炭
素数5〜8のアルキル基をもつアルキルアミノ基が特に
好ましい。また、Aの例としては、炭素数2〜11のポ
リメチレン基、(ただし、nは2〜11)などを挙げる
ことができる。
【0006】本発明において、高分子膜を形成するため
の高分子化合物は、あらかじめアクリレ−ト、メタクリ
レ−ト、ビニルアセタ−ル、ビニルエ−テル、シラノ−
ルなどの単量体に、一般式(1)の基を導入したのち、
これを重合させる事によって製造しても良いし、また、
前記の単量体を重合して得られる重合体に一般式(1)
の基を導入する事によって製造しても良い。これらの方
法は、いずれも光機能性高分子の製造方法としてよく知
られている。(1984年シ−エムシ−社発行、入江正
浩、「光機能性高分子の合成と応用」参照)一般式(1
)で表される基をあらかじめ導入した単量体を重合させ
て高分子化合物を製造する方法の具体例を説明すると、
先ず、置換アニリン誘導体を常法によりジアゾ化し、そ
のジアゾ化物を水中又はアルコ−ル中0〜10℃の温度
で、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム等の存在下、ベンゾイル酢酸エチルエステルにカップ
リングし、生成したアゾ化合物を抽出等により取り出し
、アルコ−ル中水酸化カリウム存在下還流温度で加水分
解することにより、一般式(2)
【化7】 (式中のRは前記と同じ意味を持つ)で表されるα−ア
リールヒドラゾノ−β−ケト酸のカリウム塩を製造する
。次に、ジメチルホルムアミドのような溶媒中において
、この化合物に、 一般式 X(CH2)OH又はX(CH2)2COOH(ただし
Xはハロゲン原子) を、必要に応じアルカリ触媒の存在下反応させることに
より、一般式(3)
【化8】 (式中のZは−(CH2)xOH又は−(CH2)xC
OOH、R及びxは前記と同じ意味を持つ)で表される
化合物を製造する。次に、一般式(3)の化合物をアク
リル酸又はメタクリル酸クロリドと、エ−テル等の溶媒
中、場合によりアルカリ存在下還流温度で反応させ、生
成物を抽出、ろ過等により取り出す。これを常法に従い
開始剤等を用いラジカル重合してアクリレ−ト系、メタ
クリレ−ト系の高分子化合物を得る。また、あらかじめ
形成された重合体に一般式(1)の基を導入するには、
例えば、一般式(3)の化合物を、ピリジン等の溶媒中
でポリビニルアルコ−ル、ポリビニルアセタ−ルと反応
させ、側鎖にβ−ケト酸誘導体を導入した高分子化合物
を得る。さらに、ポリシロキサンに導入する場合は、ア
ミノアルキル化したポリシロキサン又はアミノアルキル
トリエトキシシランと一般式(3)のカルボン酸化合物
を、塩化メチレン、クロロホルム等の溶媒中、ジシクロ
ヘキシルカルボジイミドを用いて縮合又は重合をするこ
とにより得られる。
【0007】このようにし、一般式
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】 (式中のYは、一般式(1)で表される基である)で表
される構成単位をもつ高分子化合物が形成される。
【0008】こうして得られた高分子化合物をジクロロ
メタン、クロロホルム、メタノ−ル、エタノ−ル、ベン
ゼンなどの揮発しやすい有機溶媒中に溶かし、その溶液
を流延塗布かスピン塗布によって基板上に高分子薄膜を
形成し、光制御配向膜を得る。更にこうして得た高分子
塗膜基板に液晶を導入して、光学素子とした。本発明に
おける透明基板としては、普通のシリカガラス、硬質ガ
ラス、石英、各種プラスチックなどのシートあるいはそ
の表面に、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化インジウム、酸
化アルミニウム、酸化チタン、酸化クロム、酸化亜鉛な
どの金属酸化物や窒化ケイ素炭化ケイ素などの被覆を有
するものが用いられる。更には、公知の方法によりこれ
らを両親媒性化合物、シリル化剤などの表面処理剤を用
いてあらかじめ処理を施してもよい。通常、液晶は2枚
の基板の間に充填されたサンドイッチ構造体として用い
られるが、本発明においては、この2枚の基板のうちの
少なくとも一方が透明基板であればよく、他方は銅、鉄
、アルミニウム、白金などの金属のシート又はこれらの
金属で被覆したシートにすることもできる。これらの基
板は通常0.01〜1mmの厚みの表面平滑なシートと
して用いられる。次に、光および熱により可逆的に構造
変化を起こすβ−ケト酸高分子薄膜上に設ける液晶層の
液晶としては、従来知られているネマティック系、スメ
クティック系及びコレステリック系の液晶物質の中から
任意のものを選ぶことができるが、スメクティック系液
晶物質の場合は、ある温度でネマティック液晶層をとる
ものを選ぶ必要がある。又、液晶物質としては低分子の
みならず高分子のものも含まれることは言うまでもない
。このような液晶物質は、例えばエー・ベキン(A.B
equin)他著、「モレキュラー・クリスタルズ・ア
ンド・リキッド・クリスタルズ(Molecular 
 crystals  and  liquid  C
rystals)」、第115巻、第1ページに記載さ
れている。高分子性液晶物質は、たとえば、アドバンシ
ズ・イン・ポリマー・サイエンス(Advances 
 in  Polymer  Science)、第6
0/61巻(1984)に掲載されている。これらの液
晶物質は、単独で用いてもよいし、2種以上混合して用
いてもよい。
【0009】次に添付図面により本発明をさらに詳細に
説明する。図1は本発明の基本構造を示す断面図で透明
基板1の上に、光および熱により可逆的な構造変化を起
こすα−アリルヒドラゾノ−β−ケト酸残基を有する高
分子化合物の薄膜2を設け、更にこの上に液晶層3を積
層する。そして散逸や破損を防ぐために、この上をさら
に基板で被覆する。この基板は透明であっても不透明で
あってもよく、その表面に光および熱により可逆的な構
造変化を起こすβ−ケト酸高分子化合物を塗布したもの
を用いることもできるし、液晶を表面に平行に配列する
作用をもつホモジニアス配向層で被覆したものを用いる
こともできる。図2は、本発明の好適な実施態様の例を
示す断面図であって、これは表面上にα−アリルヒドラ
ゾノ−β−ケト酸残基を有する高分子薄膜2を設けた2
枚の基板1の間に、液晶層を挟んだサンドイッチ構造を
有している。図の(イ)は光照射前、(ロ)は光照射後
の状態を示す。光照射前(イ)は、β−ケト酸高分子薄
膜の作用により、液晶は基板面に垂直の方向(ホメオト
ロピック)に規則正しく配列している。次にこの光記録
素子の一部(A)に光を照射すると(ロ)、α−アリル
ヒドラゾノ−β−ケト酸残基が光異性化による構造変化
を起こすため、その部分における前記した垂直配列が破
壊され、液晶は表面に対し平行(パラレル又はホモジニ
アス)の配列をとる。従って、この液晶セルを直交した
二枚の偏光子の間に置いた時、光照射した部分(A)は
明るく、光照射されない部分(B)は暗くなるので、光
の透過率により光情報の読み取りを行うことができる。 この時、α−アリルヒドラゾノ−β−ケト酸残基のフォ
トクロミズムを起こさない波長の光が利用できるので、
情報を破壊することなく読み取ることが出来る。次に図
3は、図2の場合とは別の実施態様の例であり、2枚の
基板のうちの一方にホモジニアス配向層4が設けられて
いる例である。このホモジニアス配向層は、基板表面を
ポリビニルアルコール、ポリイミド樹脂、ポリオキシエ
チレンなどでラビング処理したり、あるいはSiO2の
ような酸化物を斜め方向から蒸着することにより設ける
ことができる。図3(イ)に示すように、α−アリルヒ
ドラゾノ−β−ケト酸残基を持つ高分子薄膜側では、液
晶は基板表面に垂直の方向に配列しているが、ホモジニ
アス配向層側では基板と平行の方向に配列した構造をと
っている。これを光照射すると(ロ)、その照射された
部分(A)においては液晶はβ−ケト酸高分子層面に平
行に配列するので、全体がホモジニアス配列状態となり
、前記と同様にして偏光により光情報を読み出すことが
できる。本発明の光学素子を光記録用として用い、いっ
たん記録した情報を消去したい場合は、本発明の光学素
子全体を加熱して、β−ケト酸高分子化合物の構造を元
に戻すことにより行うことができる。上記は光の作用に
よって全体あるいは部分的に液晶配列を変化させ、熱の
作用によって元の液晶配列に戻す方式であるが、それと
は逆に、熱の作用によって液晶配列を変化させ、光の作
用によって元の液晶配列に戻すことも可能である。この
場合、あらかじめ本発明の光学素子全体を紫外線照射し
てα−アリルヒドラゾノ−β−ケト酸残基を光異性化さ
せ、光学素子全面を図2あるいは図3における光照射部
分(A)と同様なパラレルまたはホモジニアズ配列とす
る。ついで、パターン状に熱を加え、加熱した部分だけ
をα−アリルヒドラゾノ−β−ケト酸残基の元の構造に
戻せば、液晶はホメオトロピック配列となる。情報の消
去は光学素子全面を再び光照射すればよい。情報を書き
込むための熱源としては、サーマルヘッドを用いること
ができる。さらには、α−アリルヒドラゾノ−β−ケト
酸残基の光異性化を引き起こさせない半導体レーザやヘ
リウム−ネオンレーザの光を絞り込んだレーザビームを
公知の方法によって光学素子に走査してもよい。あるい
は、α−アリルヒドラゾノ−β−ケト酸残基の光異性化
を引き起こす紫外領域の波長をカットしたキセノン灯や
キセノンフラッシュランプで、マスク越しに光学素子に
照射してもよい。これらのレーザやキセノン灯など熱源
とする場合には、液晶層の中にあらかじめこれらの波長
の光を吸収する色素を溶解させておけばよい。二色性色
素を用いれば、偏光板を用いることなく、色素の濃淡に
よって情報を書き込むことも可能である。二色性色素と
しては、例えば、松村尚武、「染色工業」、第32巻、
215ページ(1984)に記載されているものが用い
られている。この場合、温度依存性のある液晶物質例え
ば室温においては、光を照射しても構造変化を起こさな
いが、ある温度以上に加熱すると光照射により構造変化
を起こす液晶物質を用いれば、二色性色素の濃淡に基づ
く恒久的な記録を得ることができる。
【0010】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。実施例中、部は重量部を表わす。 実施例1 パラ−n−ヘキシルアニリン1.77部、濃塩酸5.0
部を氷水30部中に入れ攪拌懸濁させた。温度を0〜5
℃に維持しながら、亜硝酸ソーダ0.75部を水10部
に溶かした溶液を上記懸濁物中に適下した後、0〜5℃
の温度で1時間ジアゾ化した。このジアゾ化物をベンゾ
イル酢酸エチルエステル1.95部をエタノ−ル20部
、氷水20部に溶解した液中に加え、温度を0〜5℃ 
に維持しながら酢酸ソ−ダ、ソーダ灰にてpH6〜8に
保ち、カップリング反応させた。生成した油状物質をジ
クロロメタンにて油出し、溶媒を留去した。得られた油
状物質をエタノ−ル30部中に溶解し、水酸化カリウム
1.0部を加え、還流温度で1時間加水分解した。後放
冷することで、固形物が析出した。析出した固形物をろ
別乾燥し、式(4)
【化14】 に示すα−アリ−ルヒドラゾノ−β−ケト酸カリウム塩
2.5部を得た。次に、ジメチルホルムアミド15部中
に式(4)の化合物3.89部、6−ブロモ−1−ヘキ
サノ−ル1.9部を加え、20〜60℃の温度で12時
間反応した。その後、水30部、ジクロロメタン20部
を加えジクロロメタンにて抽出し、溶媒を留去した。得
られた油状物質をジエチルエ−テル15部に溶解しアク
リル酸クロライド1.0部、トリエチルアミン1.0部
を加え、10〜50℃で4時間反応した。反応後、ジエ
チルエ−テルを留去し、水30部、ジクロロメタン20
部を加えて生成物を抽出した。溶媒留去し、式(5)

化15】 の化合物3.2部を得た。次に、ベンゼン10部中に式
(5)の化合物2.0部を加え、2,2’−アゾビス(
イソブチロニトリル)を開始剤として、脱酸素条件下で
ラジカル重合し、α−アリールヒドラゾノ−β−ケト酸
単位を持つ式(6)
【化16】 の高分子化合物2.0部を得た。式(6)の高分子化合
物0.1部をクロロホルム10部中に溶解し、この溶液
を2000回転/分の条件下でガラス基板上にスピンコ
−トし風乾して、高分子塗膜したガラス基板を得た。こ
うして得られた2枚の基板にシクロヘキシルカルボン酸
フェニルエステル系ネマテック液晶(DON103、ロ
ディック社製)を8μmのガラスロッドスペ−サ−を介
して挟み、液晶セルとした。このようにして得られたセ
ル中の液晶配向は垂直配向であり、クロスニコルの間に
これを置いたとき全く光は透過されず、暗い画面を与え
た。このセルに、水銀灯をフィルターカットして得られ
る365ナノメートルの紫外光をマスク越しに照射する
と、α−アリールヒドラゾノ−β−ケト酸単位の光異性
化が誘起され、これに伴って、液晶は垂直配向から水平
配向へ配向変化し、液晶セルをクロスニコルの間に置い
た時、光を透過して明るい画像を与えるようになった。 続いてこのセルに、同じく水銀灯をフィルターカットし
て得られる440ナノメートル以上の可視光を照射する
と、α−アリールヒドラゾノ−β−ケト酸単位は光異性
化で元の構造に戻った。これに伴い液晶は再び垂直配向
へと配向変化し、クロスニコルでは光を透過せず、暗い
画面に戻った。可視光照射の代わりに、液晶セルに温風
を吹き付けたところ,同様に暗い画面に戻った。この紫
外光/可視光あるいは紫外線/加熱の交互操作に伴う可
逆的な液晶配向変化は、何回も繰り返し可能であった。 実施例2 実施例1における6−ブロモ−1−ヘキサノ−ルの代わ
りにエチレンブロムヒドリンを用いて、実施例1と同様
の操作により式(7)
【化17】 の化合物を得た。得られた式(7)の高分子化合物を実
施例1と同様にガラス基板上に塗布し、液晶セルを形成
した。こうして得られた液晶セルは実施例1と同様な紫
外光/可視光の交互照射あるいは紫外線/加熱処理に伴
う可逆的な液晶配向変化を示した。 実施例3 実施例1における6−ブロモ−1−ヘキサノ−ルの代わ
りに11−ブロモ−1−ウンデカノ−ルを用いて、実施
例1と同様の操作により式(8)
【化18】 の化合物を得た。得られた式(8)の高分子化合物を実
施例1と同様にガラス基板上に塗布し液晶セルを形成し
た。こうして得られた液晶セルは、実施例1と同様な紫
外光/可視光の交互照射あるいは紫外線/加熱処理に伴
う可逆的な液晶配向変化を示した。 実施例4 実施例1におけるジアゾ成分であるパラ−n−ヘキシル
アニリンの代わりにパラ−n−ヘプタノキシアニリンを
用いて、実施例1と同様の操作により式(9)
【化19
】 の化合物を合成した。得られた式9)の化合物を実施例
1と同様にガラス基板上に塗布し、液晶セルを形成した
。こうして得られた液晶セルは、実施例1と同様な紫外
光/可視光の交互照射あるいは紫外線/加熱処理に伴う
可逆的な液晶配向変化を示した。 実施例5 実施例1におけるジアゾ成分であるパラ−n−ヘキシル
アニリンの代わりにパラ−n−ペンチルアミノアニリン
を用いて、実施例1と同様の操作により式(10)
【化
20】 の化合物を合成した。得られた式(10)の化合物を実
施例1と同様にガラス基板上に塗布し、液晶セルを形成
した。こうして得られた液晶セルは、実施例1と同様な
紫外光/可視光の交互照射あるいは紫外線/加熱処理に
伴う可逆的な液晶配向変化を示した。 実施例6 実施例1におけるアクリル酸クロライドの代わりにメタ
クリル酸クロリドを用いて、実施例1と同様の操作によ
り式(11)
【化21】 の化合物を合成した。得られた式(11)の化合物を実
施例1と同様にガラス基板上に塗布し、液晶セルを形成
した。こうして得られた液晶セルは、実施例1と同様な
紫外光/可視光の交互照射あるいは紫外線/加熱処理に
伴う可逆的な液晶配向変化を示した。 実施例7 実施例1で得られた式(5)の化合物2.5部をトルエ
ン15部中に溶解し、アミノプロピルトリエトキシシラ
ン1.6部を加えて、還流温度で16時間反応した。そ
の後、トルエンを留去し、含水エタノ−ル15部を加え
て、引き続き還流温度で6時間反応した。反応後、溶媒
を留去して式(12)
【化22】 の化合物3,8部を得た。式(12)の高分子化合物0
.05部をクロロホルム10部中に溶解し、この溶液を
流延塗布にてガラス基板上に塗布し乾燥して、高分子塗
膜したガラス基板を得た。こうして得られた2枚の基板
にシキロヘキシルボン酸フェニルエステル系ネマテック
液晶(DON103、ロディック社製)を8μmのガラ
スロッドスペ−サ−を介して挟み、液晶セルとした。こ
うして得られた液晶セルは、実施例1と同様な紫外光/
可視光の交互照射あるいは紫外線/加熱処理に伴う可逆
的な液晶配向変化を示した。 実施例8 実施例1における6−ブロモ−1−ヘキサノ−ルの代わ
りにエチレンブロムヒドリンを用いて、式(13)
【化
23】 の化合物を合成した。これを用いて、実施例7と同様の
操作により式(14)
【化24】 の化合物を得た。得られた式(14)の高分子化合物を
実施例7と同様にガラス基板上に塗布し、液晶セルを形
成した。こうして得られた液晶セルは、実施例1と同様
な紫外光/可視光の交互照射あるいは紫外線/加熱処理
に伴う可逆的な液晶配向変化を示した。 実施例9 実施例1における6−ブロモ−1−ヘキサノ−ルの代わ
りに11−ブロモ−1−ウンデカノ−ルを用いて、式(
15)
【化25】 の化合物を合成した。これを用いて、実施例7と同様の
操作により式(16)
【化26】 の化合物を得た。得られた式(16)の高分子化合物を
実施例7と同様にガラス基板上に塗布し、液晶セルを形
成した。こうして得られた液晶セルは、実施例1と同様
な紫外光/可視光の交互照射あるいは紫外線/加熱処理
に伴う可逆的な液晶配向変化を示した。 実施例10 実施例7におけるアミノプロピルトリエトキシシランの
代わりにアミノペンチルトリエトキシシランを用いて、
実施例7と同様の操作により式(17)
【化27】 の化合物を合成した。得られた式(17)の化合物を実
施例7と同様にガラス基板上に塗布し、液晶セルを形成
した。こうして得られた液晶セルは、実施例1と同様な
紫外光/可視光の交互照射あるいは紫外線/加熱処理に
伴う可逆的な液晶配向変化を示した。 実施例11 実施例1で得られた式(4)の化合物1.95部をジメ
チルホルムアミド15部中に溶解し、ブロモ酢酸−t−
ブチルエステル1.1部を加え、20〜40℃で2時間
反応した。その後、水20部とベンゼン20部加え、酸
性状態で反応物をベンゼンにて抽出し、溶媒を留去して
式(18)
【化28】 の化合物2.1部を得た。次に式(18)の化合物2.
0部をジクロロメタン20部中に溶解し、アミノプロピ
ルトリエトキシシラン1.6部及びジシクロヘキシルカ
ルボジイミド1.1部を加え20〜40℃で6時間反応
した。その後、不溶解物をろ別し溶媒を留去して式(1
9)
【化29】 の化合物3.2部を得た。式(19)の高分子化合物0
.05部をメタノ−ル10部中に溶解し、この溶液を、
流延塗布にてガラス基板状に塗布し乾燥して、高分子塗
膜したガラス基板を得た。この基板を用いて実施例7と
同様に液晶セルを形成した。こうして得られた液晶セル
は、紫外光/熱による可逆的な液晶配向変化を示した。 すなわち、この液晶セルは、365ナノメ−トルの紫外
光照射で液晶の水平配向が得られたが、440ナノメ−
トルの可視光照射で垂直方向へ配向変化しなかった。垂
直配向への変化は、60〜70℃の加熱で行なった。 実施例12 実施例11におけるブロモ酢酸−t−ブチルエステルの
代わりに6−ブロモ−n−カプロン酸を用いて、実施例
11と同様の操作により式(20)
【化30】 の化合物を得た。得られた式(20)の化合物を実施例
11と同様にガラス基板上に塗布し、液晶セルを形成し
た。こうして得られた液晶セルは、実施例11と同様な
紫外光/熱による可逆的な液晶配向変化を示した。 実施例13 実施例11におけるブロモ酢酸−t−ブチルエステルの
代わりに8−ブロモ−n−ノナノイック酸を用いて、実
施例11と同様の操作により式(21)
【化31】 の化合物を得た。得られた式(21)の化合物を実施例
11と同様にガラス基板上に塗布し、液晶セルを形成し
た。こうして得られた液晶セルは、実施例11と同様な
紫外光/熱による可逆的な液晶配向変化を示した。 実施例14 実施例11におけるブロモ酢酸−t−ブチルエステルの
代わりに6−ブロモ−n−カプロン酸を用いて、実施例
11と同様の操作により式(22)
【化32】 の化合物を得た。次に、式(22)の化合物2.3部を
ベンゼン15部中に溶解し、チオニルクロリド1.5部
を加え、還流温度で4時間反応した。その後、過剰のチ
オニルクロリド及び溶媒を留去し、ポリビニルアルコ−
ル0.4部をピリジン10部に溶かした液を徐々に加え
、還流温度で6時間反応した。反応後、溶媒を留去して
、式(23)
【化33】 の化合物1.8部を得た。式(23)の高分子化合物0
.1部をクロロホルム10部中に溶解し、この溶液を2
500回転/分の条件でガラス基板上にスピンコ−トし
、風乾して高分子塗膜したガラス基板を得た。こうして
得られた2枚の基板にシクロヘキシルカルボン酸フェニ
ルエステル系ネマテック液晶(DON103、ロディッ
ク社製)を8μmのガラスロッドスペ−サを介して挟み
液晶セルとした。こうして得られた液晶セルは、実施例
1と同様な紫外光/可視光の交互照射あるいは紫外線/
加熱処理に伴う可逆的な液晶配向変化を示した。 実施例15 実施例1におけるジアゾ成分であるパラ−n−ヘキシル
アニリンの代わりにパラ−n−オクチルアニリンを用い
て、実施例1と同様の操作を行い、引き続き実施例14
と同様の操作を行って、式(24)
【化34】 の化合物を得た。次に式(24)の化合物2.5部をベ
ンゼン15部中に溶解し、チオニルクロライド2.0部
を加え、還流温度で5時間反応した。その後、過剰のチ
オニルクロライド及び溶媒を留去し、ポリビニルアセタ
−ル0.3部をピリジン10部に溶かした液を徐々に加
え、還流温度で6時間反応した。反応後、溶媒を留去し
て式(25)
【化35】 の化合物1.6部を得た。こうして得られた液晶セルは
、実施例1と同様な紫外光/可視光の交互照射あるいは
紫外線/加熱処理に伴う可逆的な液晶配向変化を示した
【0011】
【発明の効果】本発明の光制御配向膜を用いた光学素子
は、従来のフォトクロミック材料による情報記録の欠点
、例えば、いったん記録された情報が読み取りの繰り返
しにより徐々に消失するという欠点がない上に、液晶の
配列がβ−ケト酸のフォトクロミック高分子薄膜によっ
て制御されるので、流動性を持つ低分子液晶を用いても
、従来のフォトクロミック化合物を液晶に加えたものを
用いる場合よりも、解像性は遥かに優れている。又、本
発明の光記録素子は可逆的な光情報貯蔵に用いられるだ
けでなく、光アドレス型の表示にも好適に用いることが
できる。更に、本発明に用いたβ−ケト酸高分子は基板
との密着性が良く、液晶セルを製造する上で簡便で好適
な光制御配向膜であり、産業上に於ける価値が高い。
【0012】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基構造を示す断面図
【図2】本発明の1例の光照射の前後における液晶配列
を示す断面図。
【図3】本発明の別の例の光照射の前後における液晶配
列を示す断面。
【符号の説明】
1..基板,2..高分子膜層,3..液晶層,4..
ホモニ゛ニアス配向層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中のRはアルキル基、アルコキシ基又はアルキルア
    ミノ基であり、Aは、ポリメチレン基又はその中のメチ
    レン基の一部が 【化2】 で置き換えられているポリメチレン基である)で表わさ
    れる基を側鎖に有するポリアクリレ−ト、ポリメタクリ
    レ−ト、ポリビニルアセタ−ル、ポリビニルエ−テル又
    はポリシロキサンから成る高分子膜を液晶層に接して設
    けてなる、光の作用によりパターンが形成され、形成さ
    れたパターンが加熱により可逆的に消去されることを特
    徴とする光学素子。
  2. 【請求項2】一般式(1) 【化3】 (式中のRはアルキル基、アルコキシ基又はアルキルア
    ミノ基であり、Aは、ポリメチレン基又はその中のメチ
    レン基の一部が 【化4】 で置き換えられているポリメチレン基である)で表わさ
    れる基を側鎖に有するポリアクリレ−ト、ポリメタクリ
    レ−ト、ポリビニルアセタ−ル、ポリビニルエ−テル又
    はポリシロキサンから成る高分子膜を液晶層に接して設
    けてなる、熱の作用によりパターンが形成され、形成さ
    れたパターンが光により可逆的に消去されることを特徴
    とする光学素子。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007096070A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 National Institute For Materials Science 高効率レーザー発振装置
JP2007148396A (ja) * 2005-11-01 2007-06-14 Hong Kong Univ Of Science & Technology ディスプレイ用の、書き換え可能な、光学的入力により光配向された液晶素子
JP2007297630A (ja) * 2006-05-04 2007-11-15 Wacker Chemie Ag β−ケトカルボニル官能性有機ケイ素化合物の製造方法
JP6144437B1 (ja) * 2015-09-30 2017-06-07 積水化学工業株式会社 変性ポリビニルアセタール樹脂組成物
US11566089B2 (en) * 2019-09-13 2023-01-31 Trustees Of Dartmouth College Polymer glass transition temperature manipulation via Z/E hydrazone photoswitching

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