JPH0419615B2 - - Google Patents

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JPH0419615B2
JPH0419615B2 JP63077786A JP7778688A JPH0419615B2 JP H0419615 B2 JPH0419615 B2 JP H0419615B2 JP 63077786 A JP63077786 A JP 63077786A JP 7778688 A JP7778688 A JP 7778688A JP H0419615 B2 JPH0419615 B2 JP H0419615B2
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liquid crystal
light
cell
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amount
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JP63077786A
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Kunihiro Ichimura
Yasuzo Suzuki
Takahiro Seki
Masako Sakuragi
Takashi Tamaoki
Isataka Aoki
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Agency of Industrial Science and Technology
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、光による液晶の配向変化を利用した
新規な光記録素子に関するものである。さらに詳
しくいえば、本発明は光により可逆的に構造変化
を生じさせ、それを利用して情報を一時的又は永
久的に記録する素子に関するものである。
従来の技術 液晶を用いる記録素子としては、情報を電気的
な作用を利用して貯蔵するものと、光の作用を利
用して貯蔵するものとが知られており、前者は主
として表示用に利用されている。
ところで、電気的な作用を利用して情報を書き
込む液晶表示は、電力の供給が停止すると情報が
消失するため、これを永久的に保存するには、特
別の工夫を加えなければならないし、またパター
ン化された電極を用いるため解像性が低く高容量
の記録素子としては不適当である。
他方、光の作用を利用して情報を貯蔵するもの
には、レーザビームなどの熱を利用する形式のも
のは高密度光記録に応用可能であるが、ピツト記
録に限定されるため、その利用範囲が制限される
のを免れない。また光化学的に構造が変化する化
合物を混合し、光の作用の相変化させる形式のも
のは、情報を入力した最初の間は、優れた解像性
を示すが、液晶が流動するため、時間の経過とと
もに著しく解像性が低下する傾向がある。例え
ば、ネマテイツク液晶にキラルなアゾベンゼンを
溶解して得られるホトクロミツクなコレステリツ
ク液晶は、紫外線の作用でアイソトロピツク相に
変化し、これを利用して情報を記録することがで
きるが、時間の経過とともに液晶が流動し、記録
像が不明確になる。(1986年日本化学会第52春季
年会講演予稿集参照)。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、光による液晶の配向変化を利用して
情報を記録するものであつて、しかもその流動性
に起因する解像性の経時的低下をもたらさない光
記録素子を提供することを目的としてなされたも
のである。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、光による液晶の配向変化を利用
した光記録素子を開発するために、鋭意研究を重
ねた結果、基板上に、先ず光により可逆的に構造
変化を起こす化合物の分子層を設けその分子層の
上に液晶層を設ければ、光により可逆的に変化す
る化合物の2種の構造に応じて液晶が可逆的に平
行配列又は垂直配列すること、この液晶層の配列
は上記化合物の1万倍以上の分子の重なりであつ
ても迅速に伝達されること、したがつて光の状態
が変化しない限り液晶層は変化せず長期間にわた
つて情報が保持されることを見出し、この知見に
基づいて本発明をなすに至つた。
すなわち、本発明はその表面を微細に変化させ
た透明基板上に、光により可逆的に構造変化を起
こす化合物の分子層を介して液晶層を設けてなる
光記録素子を提供するものである。
本発明における透明基板としては、普通のシリ
カガラス、硬質ガラス、石英、各種プラスチツク
などのシートあるいはその表面に、酸化ケイ素、
酸化スズ、酸化インジウム、酸化アルミニウム、
酸化チタン、酸化クロム、酸化亜鉛などの金属酸
化物や窒化ケイ素炭化ケイ素などの被覆を有する
ものが用いられる。
通常、液晶は2枚の基板の間に充てんされたサ
ンドイツチ構造体として用いられるが、本発明に
おいては、この2枚の基板のうちの少なくとも一
方が透明基板であればよく、他方は銅、鉄、アル
ミニウム、白金などの金属のシート又はこれらの
金属で被覆したシートにすることもできる。これ
らの基板は通常0.01〜1mmの厚みの表面平滑なシ
ートとして用いられる。
本発明においては、上記の基板をあらかじめ、
公知の方法に従つてその表面を微細に変形させ
る。この基板面変形処理法としては、基板表面を
一方向に綿布などで軽く擦するラビング法、配向
剤である酸化珪素のような酸化物を基板面に対
し、斜め方向から数100〜数1000Åの厚みに蒸着
する斜め蒸着法がある(松本正一、角田市良共著
「液晶の最新技術」、工業調査会(1983))。つぎ
に、このようにして表面を処理した基板上に光に
より可逆的に構造変化を起こす化合物の分子層を
設けることが必要であるが、この化合物として
は、ホトクロミツク化合物が最も普通に用いられ
る。
このホトクロミツク化合物とは、光の作用で構
造変化を生じ、その光に対する挙動例えば色調を
変化する化合物であつて、これまで炭素−炭素
間、炭素−窒素間、窒素−窒素間の不飽和二重結
合の光幾何異性化反応、原子価光異性化反応、ヘ
テロリテイツクな光開閉環反応、光閉環反応、光
互変異性化反応などを利用した多種多様の化合物
が知られている。〔例えばウイリーインターサイ
エンス社発行、ジー、エイチ、ブラウン編、「ホ
トクロミズム」(1971年)参照〕。このような化合
物のうち、光幾何異性化に基づくホトクロミツク
化合物の例としては、アゾベンゼン、インジゴ、
アシルインジゴ、チオインジゴ、セレノインジ
ゴ、ペリナフトインジゴ、ヘミインジゴ、ヘミチ
オインジゴ、アゾメチンなどを、ヘテロリテイツ
クな光開閉環反応に基づくホトクロミツク化合物
の例としては、インドリノスピロベンゾピラン、
インドリノスピロナフトオキサジン、ベンゾチア
ゾリノスピロベンゾピラン、インドリノスピロベ
ンゾチオピラン、スピロインドリジンなどを、光
閉環反応に基づくホトクロミツク化合物の例とし
て、スチルベン、フルギドなどを、また光互変異
性化反応に基づくホトクロミツク化合物の例とし
ては、サリチリデンアニル、o−ヒドロキシアゾ
ベンゼン、o−ニトロベンジルなどをそれぞれ基
本骨格とする化合物を挙げることができる。
本発明において、このようなホトクロミツク化
合物の分子層を基板上に設けるには、液晶の垂直
配向に通常用いられている方法、例えば、基板を
表面活性基を有するホトクロミツク化合物により
処理する方法、少なくとも1個のハロゲン原子又
はアルコキシ基で置換されたシリル基をもつホト
クロミツク化合物で処理する方法、基板表面をア
ミノ基をもつシリル化剤で処理したのち、カルボ
キシル基をもつホトクロミツク化合物を結合する
方法などよつて行うことができる〔ジエイ、コグ
ナー(J.Cognard)著、「モレキユラー・クリス
タルズ・アンド・リキツド・クリスタルズ
(Molecular Crystals and Liquid Crystals)」、
サプルメント1(1982年)及び前掲の「液晶の最
新技術」、参照〕。
前記の表面活性基をもつホトクロミツク化合物
の表面活性基の例としては、カルボン酸残基、マ
ロン酸残基、アルキルアルミニウム塩残基、アル
キルピリジニウム塩残基、カルボキシラトクロミ
ウム錯体残基、エステル残基、ニトリル残基、尿
素残基、アミン残基、アルコール残基、フエノー
ル残基、ベタイン残基などを挙げることができ
る。このような表面活性基をもつホトクロミツク
化合物を基板表面に施すには、これを直接基板表
面に塗布するか、あるいは、これを液晶物質に溶
解して使用すればよい。後者の場合、表面活性基
をもつホトクロミツク化合物の添加量は、液晶の
重量当り0.01〜5.0重量%、好ましくは0.5〜3.0重
量%の範囲である。
前記した少なくとも1個のハロゲン原子又はア
ルコキシ基で置換されたシリル基をもつホトクロ
ミツク化合物としては、例えばトリエトキシシリ
ルアゾベンゼン、モノクロロジエトキシシリルア
ゾベンゼン、トリクロロシリルアゾベンゼン、ト
リエトキシシリルインジゴ、トリエトキシシリル
インドリノスピロベンゾピランなどがある。これ
らの化合物による処理は、0.1〜10%、好ましく
は0.5〜5%の範囲の濃度の溶液として、基板表
面に塗布するか、あるいはこの溶液中に基板を浸
せきすることによつて行われる。この際の溶媒と
しては、水、酢酸、トルエン、アセトン、ジメチ
ルホルムアミド、などが好適である。また、処理
時間としては、1秒ないし1時間、通常は30秒な
いし10分間を要する。この方法においては、シリ
ル化剤による基板表面の処理を併用することによ
り、さらに結合力を向上させることができる。
次に、基板表面をアミノ基をもつシリル化剤で
処理したのち、カルボキシル基をもつホトクロミ
ツク化合物で処理する場合に用いるシリル化剤と
しては、例えばアミノプロピルトリエトキシシラ
ン、アミノプロピルジエトキシシラン、アミノブ
チルメチルジエトキシシラン、アミノブチルトリ
エトキシシランなどがある。これらのシリル化剤
による処理は、これを0.1〜10%、好ましくは0.5
〜5%の範囲の濃度の溶液とし、この溶液を基板
表面に塗布するか、あるいはこの溶液中に浸せき
することによつて行われる。この際の溶媒として
は、水、エタノール、酢酸、トルエン、アセト
ン、ジメチルホルムアミドなどが好適である。処
理時間は通常数秒ないし数10分の範囲内である。
このシリル化剤により処理した後、シリル化剤
のアミノ基に対し、カルボキシル基をもつホトク
ロミツク化合物を常法に従つて反応させ、アミド
結合を形成させる。このようにして、基板表面上
にホトクロミツク化合物を化学的に結合させるこ
とができる。
基板表面上に結合させる、光により可逆的に構
造変化を起こす化合物は、単分子層を形成させる
だけで十分にその機能を発揮しうるが、所望なら
ば2分子層又はそれ以上の層にすることもでき
る。
次に、光により可逆的に構造変化を起こす化合
物の分子層上に設ける液晶層の液晶としては、従
来知られているネマテイツク系、スメクテイツク
系及びコレステリツク系の液晶物質の中から任意
のものを選ぶことができるが、スメクテイツク系
液晶物質の場合は、ある温度でネマテイツク液晶
相をとるものを選ぶ必要がある。また、液晶物質
としては低分子のみならず高分子のものも含まれ
ることは言うまでもない。
このような液晶物質は、例えばエー・ベキン
(A.Bequin)他著、「モレキユラー・クリスタル
ズ・アンド・リキツド・クリスタルズ
(Molecular crystals and liquid crystals)」、第
115巻、第1ページに記載されている。高分子性
液晶物質は、たとえば、アドバンシズ・イン・ポ
リマー・サイエンス(Advances in Polymer
Science)、第60/61巻(1984)に掲載されてい
る。これらの液晶物質は、単独で用いてもよい
し、また2種以上混合して用いてもよい。
また、液晶物質の中に二色性色素や酸化防止剤
などを添加してもよい。2色性色素としては、例
えば、松村尚武、「染色工業」、第32巻、215ペー
ジ(1984)に記載されているものが用いられる。
この場合、温度依存性のある液晶物質例えば室
温においては、光を照射しても構造変化を起こさ
ないが、ある温度以上に加熱すると光照射により
構造変化を起こす液晶物質を用いれば、二色性色
素の濃淡に基づく恒久的な記録を得ることができ
る。
次に添付図面により本発明をさらに詳細に説明
する。
第1図は本発明の基本構造を示す断面図でその
表面を微細に変形させた透明基板1の上に、光に
より可逆的な構造変化を起こす化合物の分子層2
を固定し、かつ散逸や破損を防ぐために、この上
をさらに基板で被覆している。この基板は透明で
あつても不透明であつてもよいし、またその表面
を光により可逆的な構造変化を起こす化合物の分
子層で被覆したものを用いることもできるし、液
晶を表面に平行に配列する作用をもつホモジニア
ス配向層で被覆したものを用いることもできる。
第2図は、本発明の好適な実施態様の例を示す
断面図であつて、これは表面上にホトクロミツク
化合物の単分子層2を有する2枚の基板1の間
に、液晶層を挟んだサンドイツチ構造を有してい
る。
そして、表面を微細に変形させた方向がお互い
に平行になるように二板の基板が構成される。こ
の図のは光照射前、は光照射後の状態を示
し、光照射前はホトクロミツク化合物の単分子層
の作用により、液晶は基板面に垂直の方向(ホメ
オトロピツク)に規則正しく配列している。
()。次にこの光記録素子の一部(A)に光を照射す
ると、ホトクロミツク化合物が構造変化を起こす
ため、その部分における前記した垂直配列が破壊
され液晶は表面に対し平行(ホモジニアス)の配
列をとる。このように光によつて構造が変化した
後のホトクロミツク化合物単分子層においては、
その表面をあらかじめ微細に変形させておけば、
液晶の長軸が表面に対して平行に同一方向に配列
するという事実は、本発明者らによりはじめて見
出されたものである。
したがつて、この光記録素子を偏光軸がお互い
に直交した二枚の偏光子にはさめば、光照射され
ない部分(B)は暗いが、光照射した部分(A)は明るく
なつて明瞭な画像が得られる。ホトクロミズムを
起こさない波長の偏光を情報の読み取りに利用で
きるので、情報を破壊することがない。
次に、第3図は、第2図の場合とは異なり、あ
からじめ表面を微細に変形させた方向がお互いに
直交するように二枚の基板を構成したものであ
る。この場合には、光照射部はツイステツドネマ
テイツク相となるので、公知の方法により光学的
に明瞭な画像が得られる。
次に第4図は、第2図第3図の場合とは別の実
施態様の例であり、2枚の基板のうちの一方のホ
モジニアス配向層4が設けられている例である。
このホモジニアス配向層は、基板表面をポリビニ
ルアルコール、ポリイミド樹脂、ポリオキシエチ
レンなどでラビング処理したり、あるいはSiO2
のような酸化物を斜め方向から蒸着することによ
り設けることができる。この例においては、ホト
クロミツク化合物単分子層側においては、第4図
Iに示すように液晶は基板表面に垂直の方向に配
列しているがホモジニアス配向層側では基板と平
行の方向に配列した構造をとつている。そして、
これに光照射すると、その照射された部分(A)にお
いては液晶はホトクロミツク化合物単分子層面に
平行に配列するので、全体がホモジニアス配列状
態となり、前記と同様にして情報を読み出すこと
ができる。
本発明の光記録素子において、いつたん記録し
た情報を消去したい場合は、記録時に使用した光
と波長の異なる光を照射して、ホトクロミツク化
合物の構造を元に戻すことにより行うことができ
る。
発明の効果 本発明の光記録素子は、従来のホトクロミツク
材料による情報記録の欠点、例えばいつたん記録
させた情報が読み取りの繰り返しにより除々に消
失するという欠点を示さないという利点がある上
に、液晶の配列がホトクロミツク単分子層によつ
て律せられるので、流動性をもつ液晶による解像
性は、従来のホトクロミツク化合物を液晶に加え
たものを用いる場合よりもはるかに優れている。
また、本発明の光記録素子は、可逆的な光情報貯
蔵に用いられるだけでなく、光アドレス型の表示
にも好適に用いることができる。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明す
る。
実施例 1 4−ヘキシル−4′−ヒドロキシアゾベンゼン(1)
1g(3.73×10-3mol)をナトリウムメチラート
でナトリウム塩にしたのち、これに2−テトラヒ
ドロピラニル6−ブロモヘキサノエート1.03g
(3.69×10-3mol)及びジメチルアセトアミド5ml
を加え、100℃で73時間加熱した。反応終了後水
を加え、室温まで放冷して析出した黄色結晶をろ
過して集めた。これを酢酸エチルで抽出し、硫酸
マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し
た。残留分をヘキサンとベンゼンとの混合物より
再結晶して6−{4−(4−ヘキシルフエニルア
ゾ)−フエノキシ}−ヘキサン酸1gを得た。この
カルボン酸200mg(5.05×10-4mol)を塩化チオニ
ル5mlに加え、2時間加熱還流後過剰の塩化チオ
ニルを留去し、乾燥エーテル3ml及びトリエチル
アミン0.15g(1.485×10-3mol)を加える。この
混合物に氷冷下、トリエトキシアミノプロピルシ
ラン0.11g(4.98×10-4mol)の乾燥エーテル溶
液3mlを滴下し、2時間かきまぜたのち、窒素雰
囲気下でろ過し、塩を除いた後、減圧下室温で溶
媒を留去した。黄色ワツクス状のN−(3−トリ
エトキシシリルプロピル)−6−{4−(4−ヘキ
シルフエニルアゾ)フエノキシ}ヘキサン酸アミ
ド213mgを得た。
このトリエトキシシリルアゾベンゼンとエチル
トリエトキシシランの1:9wt/wt混合物の
0.4wt%エタノール溶液にあらかじめ綿布で一方
向にラビング処理した清澄な石英板(1×3cm2
を10分浸せきし、風乾してから100℃で10分間乾
燥した。この石英板の両面がアゾベンゼンで修飾
されているが、その340nmでの吸収光度は0.010
であり、実際には無色透明であつた。このように
して処理した石英板2枚がそのラビング処理方向
が同一になるようにし、8μmのガラスロツドス
ペーサを含むシクロヘキサンカルボン酸フエニル
エステル系混合液晶(K−17−N−73−1)を挟
み込み、エポキシ樹脂で封じてサンドイツチセル
を作成した。この無色透明のセルを直交ニコル間
に置き、He−Neレーザで透過光量をモニターし
た。紫外線照射前のセルは直交ニコル下で透過光
量はゼロであり、ホメオトロピツク液晶配列向し
ていることが分かる。これに365nmの紫外線を
照射すると、アゾベンゼンがトランスからシスへ
光異性化するにつれて透過光量は増加した。この
とき、ラビング処理の方向が偏光子に対して45度
のときに最も透過光量が大きく、ホモジニアス配
向になつていることがわかる。次に、約440nm
以上の可視光を照射すると、トランスへの異性化
が起こるにつれて透過量は再び減少した。この透
過光量は、紫外線と可視光の交互照射に応じて可
逆的に変化した。また、同じセルにネガを通して
紫外線を照射したところ、直交ニコルで明瞭な画
像が認められた。この画像はセルに圧力を加えて
液晶を流動させても乱れる事はなかつた。
実施例 2 実施例1で得たトリエトキシシリルアゾベンゼ
ンとアミノプロピルトリエトキシシランとを1:
9の重量比で混合し、この0.4wt%エタノール溶
液であらかじめラビング処理した石英板を実施例
1と同様にして処理した後、この2枚の石英板で
8μmの混合液晶のサンドイツチセルを構成した。
このセルに紫外線と可視光を交互に照射したとこ
ろ、直交ニコル下で可逆的な透過光量変化が認め
られた。全面を紫外線照射したのち、Arレーザ
からの488nmの光をネガフイルム越しに露光し
たところ、明瞭な画像が得られた。
実施例 3 実施例1で得たアゾベンゼン処理した石英板と
ポリビニルアルコール塗布してラビング処理した
石英板とで8μmの混合液晶のサンドイツチセル
を構成した。このとき、石英板のラビング方向と
ポリビニルアルコール塗布石英板のラビング方向
が同一になるようにした。これに紫外線と可視光
を交互に照射したところ、直交ニコル下で可逆的
な透過光量の変化が認められた。ホメオトロピツ
クとハイブリツド配向に可逆的に変化することが
わかつた。
実施例 4 実施例1における4−ヘキシル−4′−ヒドロキ
シアゾベンゼンの代わりに4−ヒドロキシアゾベ
ンゼンを用いて同様にしてシリル化剤を製造し、
あらかじめラビング処理した石英板を処理した。
この石英板でそのラビング処理が平行になるよう
に混合液晶をサンドイツチしたセルに紫外線と可
視光を交互に照射したところ、直交ニコル下で可
逆的な透過光量変化が認められた。
実施例 5 実施例1における4−ヘキシル−4′−ヒドロキ
シアゾベンゼンの代わりに4−メチル−4′−ヒド
ロキシアゾベンゼンを用いて同様にしてシリル化
剤を製造し、あらかじめラビング処理をほどこし
た石英板を処理した。この石英板で混合液晶をサ
ンドイツチしたセルに紫外線と可視光を交互に照
射したところ、直交ニコル下で可逆的な透過光量
変化が認められた。
実施例 6 実施例1における4−ヘキシル−4′−ヒドロキ
シアゾベンゼンの代わりに4−シクロヘキシル−
4′−ヒドロキシアゾベンゼンを用いて同様にして
シリル化剤を製造し、あらかじめラビング処理を
ほどこした石英板を処理した。この石英板でその
ラビング方向が平行になるように混合液晶をサン
ドイツチしたセルに紫外線と可視光を交互に照射
したところ、直交ニコル下で可逆的な透過光量変
化が認められた。
実施例 7 実施例1における4−ヘキシル−4′−ヒドロキ
シアゾベンゼンの代わりに4−オクチル−4′−ヒ
ドロキシアゾベンゼンを用いて製造したシリル化
剤であらかじめラビング処理をほどこした石英板
を表面処理し、そのラビング方向が平行になるよ
うに混合液晶をサンドイツチしてセルを構成した
ところ、紫外線と可視光の交互照射により透過光
量は可逆的に変化した。
実施例 8 公知の方法によりあらかじめラビング処理した
石英板をアミノプロピルトリエトキシシランのエ
タノール溶液で処理し、アミノ化石英を調製し
た。実施例1で得たアゾベンゼンカルボン酸クロ
リドを塩化メチレンに溶解し、この溶液にアミノ
化石英板を浸せきしてからトリエチルアミンを加
え、室温で1時間放置した。この石英板を塩化メ
チレン、エタノールで洗浄し、100℃で10分間乾
燥した。紫外可視分光光度計によりアゾベンゼン
基が結合していることが確認された。このアゾベ
ンゼンで修飾された二枚の石英板でそのラビング
方向が平行になるように構成された混合液晶セル
は、紫外線と可視光の交互照射により透過光量が
可逆的に変化した。
実施例 9 4−ヘキシル−4′−ヒドロキシアゾベンゼン
0.4gと触媒量のトリメチルベンジルアンモニウ
ムヒドロキシドをベンゼン2mlに溶解し、これに
アクリロニトリル8mlをゆつくり加えた。22時間
加熱した後、溶媒を減圧で留去し、残留分をベン
ゼンで抽出した。次いで、シリカゲルカラムクロ
マトにより精製し、2−{4−ヘキシルフエニル
アゾ)−フエノキシ}プロパンニトリル0.25gを
得た。これを塩酸を含む酢酸で加水分解し、対応
するカルボン酸を得た。これを塩化チオニルで酸
塩化物に変え、これで実施例8と同様にしてアミ
ノ化石英板を処理した。その吸収スペクトルから
アゾベンゼンが結合していることが確認された。
この二枚の石英板で、そのラビング方向が直交す
るように構成した混合液晶セルは、紫外線と可視
光の交互照射によりホメオトロピツクとツイステ
ツド配向変化を示し、透過光量を可逆的に変化さ
せた。
実施例 10 実施例1で調製したアゾベンゼンとエチルトリ
エトキシシランの1:29wt/wt混合物の0.4wt%
の溶液であらかじめラビング処理した石英板を同
様にして処理した。この二枚の石英板のラビング
方向が平行になるようにして、室温でスメクテイ
ツク液晶層である4−オクチル−4′−シアノビフ
エニル(K−21−S−33−N−40−1)のサンド
イツチセル(セル厚8μm)を構成した。室温水
(約20℃)で紫外線を照射しても液晶の相変化は
全く認められなかつたが、セルを35℃に加温して
から紫外線を照射したところ、直交ニコル下で透
過光量の変化が認められた。このセルにネガを通
して35℃で紫外線を照射して得た画像は、室温で
6ケ月間安定に存在した。セルに可視光を照射し
てもこの画像は消失することがなかつた。このこ
とから、スメクテイツク液晶によるメモリ効果が
認められた。
実施例 11 実施例1で得たアゾベンゼンカルボン酸を混合
液晶に0.5重量%で溶解し、これを12μmのガラス
スペーサーを用いて2枚のガラス板で挟み、セル
を構成したところ、直交ニコル下では透過光量は
ゼロであり、ホメオトロピツク配向している事が
分かつた。このセルにネガ像越しに紫外線を照射
したところ、直交ニコル下で画像が観察された。
これに可視光を照射した結果、画像は直ちに消失
した。
実施例 12 実施例1の2−テトラヒドロピラニル−6−ブ
ロモヘキサノエートの代わりに2−テトラヒドロ
ピラニル−4−ブロモブタノエートを用いて同様
にしてシリル化剤を製造し、あらかじめラビング
処理をほどこしたガラス板を処理した。このガラ
ス板で実施例1で用いた混合液晶をサンドイツチ
したセルに紫外線と可視光を交互に照射したこと
ろ、直交ニコル下で可逆的な透過光量変化が認め
られた。
実施例 13 実施例1の2−テトラヒドロピラニル−6−ブ
ロモヘキサノエートの代わりにクロロ酢酸エチル
を用いて2−{4−(4−ヘキシルフエニルアゾ)
フエノキシ}酢酸エチルを合成し加水分解後、同
様にしてシリル化剤を製造し、あらかじめラビン
グ処理をほどこしたガラス板を処理した。その吸
収スペクトルからアゾベンゼンが結合している事
が確認された。このガラス板で混合液晶をサンド
イツチしたセルに紫外線と可視光を交互に照射し
たところ、直交ニコル下で可逆的な透過光量変化
が認められた。
実施例 14 実施例1のトリエトキシアミノプロピルシラン
の代わりに、3−アミノプロピルメチルジエトキ
シシランを用い、塩化メチレン中ジシクロヘキシ
ルカルボジイミドを用いてアミド化を行うことで
シリル化剤を製造した。同様にしてあらかじめラ
ビング処理をほどこしたガラス板を処理し、この
ガラス板で混合液晶をサンドイツチセルにした。
ホメオトロピツク配向をとつているこのセルに紫
外線と可視光を交互に照射したところ、直交ニコ
ル下で可逆的な透過光量変化が認められた。
実施例 15 実施例1のトリエトキシアミノプロピルシラン
の代わりに、4−アミノブチルトリエトキシシラ
ンを用い、塩化メチレン中ジシクロヘキシルガル
ボジイミドを用いてアミド化を行うことでシリル
化剤を製造した。同様にしてあらかじめラビング
処理をほどこしたガラス板をシリル化し、このガ
ラス板で混合液晶をサンドイツチしたセルに紫外
線と可視光を交互に照射したところ、直交ニコル
下で可逆的な透過光量変化が認められた。
実施例 16 実施例1のトリエトキシアミノプロピルシラン
の代わりに、4−アミノブチルジメチルメトキシ
シランを用い、塩化メチレン中ジシクロヘキシル
カルボジイミドを用いてアミド化を行うことで、
シリル化剤を製造した。このシリル化剤であらか
じめラビング処理をほどこしたガラスを処理し、
混合液晶をサンドイツチしたセルを作成した。こ
のセルを直交ニコル間に置き、He−Neレーザー
で透過光量をモニターした。直交ニコル下での透
過光量は、アゾベンゼンがトランスからシスへと
光異性化するにつれ透過光量は減少した。次に
440nm以上の可視光を照射すると、トランスへ
の光異性化が起こるにつれて透過光量は再び増加
した。この透過光量は、紫外線と可視光の交互照
射に応じて可逆的に変化した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の光記録素子の構造の1例を示
す断面図であつて、符号1はその表面が微細に変
形された基板、2は光により可逆的に構造変化を
起こす化合物の分子層、3は液晶層を示す。第2
図は別の例及びその光照射前後の液晶の配列状態
を示す断面図であり、符号1の二枚の基板はその
表面を微細に変形させた方向が一致するように配
置されている。符号2,3はそれぞれ上記と同じ
層を示す。第3図はさらに別の例及びその光照射
前後の液晶の配列状態を示す断面図であり、符号
1及び4の二枚の基板はその表面を微細に変形さ
せた方向がお互いに直交するように配置されてい
る。2,3は上記と同じ層を示す。第4図は別の
例及びその光照射前後の液晶の配列状態を示す断
面図であり、符号1はその表面を微細に変形させ
た基板、この図面での4はホモジニアス配向層で
あり、それぞれの表面での液晶配列が平行になる
よう配置されている。符号2,3は上記と同じ層
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 その表面を微細に変形させた透明基板上に、
    光により可逆的に構造変化を起こす化合物の分子
    層を介して液晶層を設けてなる光記録素子。
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