JPH0444813B2 - - Google Patents
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- JPH0444813B2 JPH0444813B2 JP62217317A JP21731787A JPH0444813B2 JP H0444813 B2 JPH0444813 B2 JP H0444813B2 JP 62217317 A JP62217317 A JP 62217317A JP 21731787 A JP21731787 A JP 21731787A JP H0444813 B2 JPH0444813 B2 JP H0444813B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- liquid crystal
- cell
- amount
- irradiated
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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- Liquid Crystal (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明は、光による液晶の配向変化を利用した
新規な光記録素子に関するものである。さらに詳
しくいえば、本発明は光により可逆的に構造変化
を起す化合物の作用により、液晶層の配向変化を
生じさせ、それを利用して情報を一時的又は永久
的に記録する素子に関するものである。
新規な光記録素子に関するものである。さらに詳
しくいえば、本発明は光により可逆的に構造変化
を起す化合物の作用により、液晶層の配向変化を
生じさせ、それを利用して情報を一時的又は永久
的に記録する素子に関するものである。
従来の技術
液晶を用いる記録素子としては、情報を電気的
な作用を利用して貯蔵するものと、光の作用を利
用して貯蔵するものとが知られており、前者は主
として表示用に利用されている。
な作用を利用して貯蔵するものと、光の作用を利
用して貯蔵するものとが知られており、前者は主
として表示用に利用されている。
ところで、電気的な作用を利用して情報を書き
込む液晶表示は、電力の供給が停止すると情報が
消失するため、これを永久的に保存するには、特
別の工夫を加えなければならないし、またパター
ン化された電極を用いるため解像性が低く高容量
の記録素子としては不適当である。
込む液晶表示は、電力の供給が停止すると情報が
消失するため、これを永久的に保存するには、特
別の工夫を加えなければならないし、またパター
ン化された電極を用いるため解像性が低く高容量
の記録素子としては不適当である。
他方、光の作用を利用して情報を貯蔵するもの
には、レーザビームのような高輝度の光が発する
熱を利用して、その熱により液晶の相変化を生じ
させる形式のものと、あらかじめ液晶中に光化学
的に構造が変化する化合物を加えておき、これを
介して光の作用で相変化させる形式のものとがあ
る。
には、レーザビームのような高輝度の光が発する
熱を利用して、その熱により液晶の相変化を生じ
させる形式のものと、あらかじめ液晶中に光化学
的に構造が変化する化合物を加えておき、これを
介して光の作用で相変化させる形式のものとがあ
る。
このレーザビームなどの熱を利用する形式のも
のは高密度光記録に応用可能であるが、ビツト記
録に限定されるため、その利用範囲が制限される
のを免れない。また光化学的に構造が変化する化
合物を混合し、光の作用で相変化させる形式のも
のは、情報を入力した最初の間は、優れた解像性
を示すが、液晶が流動するため、時間の経過とと
もに著しく解像性が低下する傾向がある。例え
ば、ネマテイツク液晶にキラルなアゾベンゼンを
溶解して得られるホトクロミツクなコレステリツ
ク液晶は、紫外線の作用でアイソトロピツク相に
変化し、これを利用して情報を記録することがで
きるが、時間の経過とともに液晶が流動し、記録
像が不明確になる(1986年日本化学会第52春季年
会講演予稿集参照)。
のは高密度光記録に応用可能であるが、ビツト記
録に限定されるため、その利用範囲が制限される
のを免れない。また光化学的に構造が変化する化
合物を混合し、光の作用で相変化させる形式のも
のは、情報を入力した最初の間は、優れた解像性
を示すが、液晶が流動するため、時間の経過とと
もに著しく解像性が低下する傾向がある。例え
ば、ネマテイツク液晶にキラルなアゾベンゼンを
溶解して得られるホトクロミツクなコレステリツ
ク液晶は、紫外線の作用でアイソトロピツク相に
変化し、これを利用して情報を記録することがで
きるが、時間の経過とともに液晶が流動し、記録
像が不明確になる(1986年日本化学会第52春季年
会講演予稿集参照)。
発明が解決しようとする問題点
本発明は、光による液晶の配向変化を利用して
情報を記録するものであつて、しかもその流動性
に起因する解像性の経時的低下をもたらさない光
記録素子を提供することを目的としてなされたも
のである。
情報を記録するものであつて、しかもその流動性
に起因する解像性の経時的低下をもたらさない光
記録素子を提供することを目的としてなされたも
のである。
問題点を解決するための手段
本発明者らは、光による液晶の配向変化を利用
した光記録素子を開発するために、鋭意研究を重
ねた結果、基板上に、先ず光により可逆的に構造
変化を起す化合物の分子層を設けその分子層の上
に液晶層を設ければ、光により可逆的に変化する
化合物の2種の構造に応じて液晶が可逆的に平行
配列又は垂直配列すること、この液晶層の配列は
上記化合物の1万倍以上の分子の重なりであつて
も迅速に伝達されること、したがつて光の状態が
変化しない限り液晶相は変化せず長期間にわたつ
て状態が保持されることを見出し、この知見に基
づいて本発明をなすに至つた。
した光記録素子を開発するために、鋭意研究を重
ねた結果、基板上に、先ず光により可逆的に構造
変化を起す化合物の分子層を設けその分子層の上
に液晶層を設ければ、光により可逆的に変化する
化合物の2種の構造に応じて液晶が可逆的に平行
配列又は垂直配列すること、この液晶層の配列は
上記化合物の1万倍以上の分子の重なりであつて
も迅速に伝達されること、したがつて光の状態が
変化しない限り液晶相は変化せず長期間にわたつ
て状態が保持されることを見出し、この知見に基
づいて本発明をなすに至つた。
すなわち、本発明は透明基板上に、光により可
逆的に構造変化を起す化合物の分子層を介して液
晶層を設けてなる光記録素子を提供するものであ
る。
逆的に構造変化を起す化合物の分子層を介して液
晶層を設けてなる光記録素子を提供するものであ
る。
本発明における透明基板としては、普通のシリ
カガラス、硬質ガラス、石英、各種プラスチツク
などのシートあるいはその表面に、酸化ケイ素、
酸化スズ、酸化インジウム、酸化アルミニウム、
酸化チタン、酸化クロム、酸化亜鉛などの金属酸
化物や窒化ケイ素、炭化ケイソ素などの被覆を有
するものが用いられる。
カガラス、硬質ガラス、石英、各種プラスチツク
などのシートあるいはその表面に、酸化ケイ素、
酸化スズ、酸化インジウム、酸化アルミニウム、
酸化チタン、酸化クロム、酸化亜鉛などの金属酸
化物や窒化ケイ素、炭化ケイソ素などの被覆を有
するものが用いられる。
通常、液晶は2枚の基板の間に充てんされたサ
ンドイツチ構造体として用いられるが、本発明に
おいては、この2枚の基板のうちの少なくとも一
方が透明基板であればよく、他方は銅、鉄、アル
ミニウム、白金などの金属のシート又はこれらの
金属で被覆したシートにすることもできる。これ
らの基板は通常0.01〜1mmの厚みの表面平滑なシ
ートとして用いられる。
ンドイツチ構造体として用いられるが、本発明に
おいては、この2枚の基板のうちの少なくとも一
方が透明基板であればよく、他方は銅、鉄、アル
ミニウム、白金などの金属のシート又はこれらの
金属で被覆したシートにすることもできる。これ
らの基板は通常0.01〜1mmの厚みの表面平滑なシ
ートとして用いられる。
本発明においては、上記の基板上に光により可
逆的に構造変化を起す化合物の分子層を設けるこ
とが必要であるが、この化合物としては、ホトク
ロミツク化合物が最も普通に用いられる。
逆的に構造変化を起す化合物の分子層を設けるこ
とが必要であるが、この化合物としては、ホトク
ロミツク化合物が最も普通に用いられる。
このホトクロミツク化合物とは、光の作用で構
造変化を生じ、その光に対する挙動例えば色調を
変化する化合物であつて、これまで炭素−炭素
間、炭素−窒素間、窒素−窒素間の不飽和二重結
合の光幾何異性化反応、原子価光異性化反応、ヘ
テロリテイツクな光開閉環反応、光閉環反応、光
互変異性化反応などを利用した多種多様の化合物
が知られている〔例えばウイリーインターサイエ
ンス社発行、ジー、エイチ、ブラウン編、「ホト
クロミズム」(1971年)参照〕。このような化合物
のうち、光幾何異性化に基づくホトクロミツク化
合物の例としては、アゾベンゼン、インジゴ、ア
シルインジゴ、チオインジゴ、セレノインジゴ、
ペリナフトインジゴ、ヘミインジゴ、ヘミチオイ
ンジゴ、アゾメチンなどを、ヘテロリテイツクな
光開閉環反応に基づくホトクロミツク化合物の例
としては、インドリノスピロベンゾピラン、イン
ドリノスピロナフトオキサジン、ベンゾチアゾリ
ノスピロベンゾピラン、インドリノスピロベンゾ
チオピラン、スピロインドリジンなどを、光閉環
反応に基づくホトクロミツク化合物の例として
は、スチルベン、フルギドなどをまた光互変異性
化反応に基づくホトクロミツク化合物の例として
は、サリチリデンアニル、o−ヒドロキシアゾベ
ンゼン、o−ニトロベンジルなどをそれぞれ基本
骨格とする化合物を挙げることができる。
造変化を生じ、その光に対する挙動例えば色調を
変化する化合物であつて、これまで炭素−炭素
間、炭素−窒素間、窒素−窒素間の不飽和二重結
合の光幾何異性化反応、原子価光異性化反応、ヘ
テロリテイツクな光開閉環反応、光閉環反応、光
互変異性化反応などを利用した多種多様の化合物
が知られている〔例えばウイリーインターサイエ
ンス社発行、ジー、エイチ、ブラウン編、「ホト
クロミズム」(1971年)参照〕。このような化合物
のうち、光幾何異性化に基づくホトクロミツク化
合物の例としては、アゾベンゼン、インジゴ、ア
シルインジゴ、チオインジゴ、セレノインジゴ、
ペリナフトインジゴ、ヘミインジゴ、ヘミチオイ
ンジゴ、アゾメチンなどを、ヘテロリテイツクな
光開閉環反応に基づくホトクロミツク化合物の例
としては、インドリノスピロベンゾピラン、イン
ドリノスピロナフトオキサジン、ベンゾチアゾリ
ノスピロベンゾピラン、インドリノスピロベンゾ
チオピラン、スピロインドリジンなどを、光閉環
反応に基づくホトクロミツク化合物の例として
は、スチルベン、フルギドなどをまた光互変異性
化反応に基づくホトクロミツク化合物の例として
は、サリチリデンアニル、o−ヒドロキシアゾベ
ンゼン、o−ニトロベンジルなどをそれぞれ基本
骨格とする化合物を挙げることができる。
本発明において、このようなホトクロミツク化
合物の分子層を基板上に設けるには、液晶の垂直
配向に通常用いられている方法、例えば基板を表
面活性基を有するホトクロミツク化合物により処
理する方法、少なくとも1個のハロゲン原子又は
アルコキシ基で置換されたシリル基をもつホトク
ロミツク化合物で処理する方法、基体表面をアミ
ノ基をもつシリル化剤で処理したのち、カルボキ
シル基をもつホトクロミツク化合物を結合する方
法などによつて行うことができる〔ジエイ、コグ
ナー(J.Cognavd)著、「モレキユラー・クリス
タルズ・アンド・リキツド・クリスタルズ
(Molecular Crystals and Liquid Crystals)」、
サプリメント1(1982年)及び松本正一、角田市
良著「液晶の最新技術」、(1983年)参照〕。
合物の分子層を基板上に設けるには、液晶の垂直
配向に通常用いられている方法、例えば基板を表
面活性基を有するホトクロミツク化合物により処
理する方法、少なくとも1個のハロゲン原子又は
アルコキシ基で置換されたシリル基をもつホトク
ロミツク化合物で処理する方法、基体表面をアミ
ノ基をもつシリル化剤で処理したのち、カルボキ
シル基をもつホトクロミツク化合物を結合する方
法などによつて行うことができる〔ジエイ、コグ
ナー(J.Cognavd)著、「モレキユラー・クリス
タルズ・アンド・リキツド・クリスタルズ
(Molecular Crystals and Liquid Crystals)」、
サプリメント1(1982年)及び松本正一、角田市
良著「液晶の最新技術」、(1983年)参照〕。
前記の表面活性基をもつホトクロミツク化合物
の表面活性基の例としては、カルボン酸残基、マ
ロン酸残基、アルキルアルミニウム塩残基、アル
キルピリジニウム塩残基、アルキルキノリニウム
塩残基、アルボキシラトクロミウム錯体残基、エ
ステル残基、ニトリル残基、尿素残基、アミン残
基、アルコール残基、フエノール残基、ベタイン
残基などを挙げることができる。このような表面
活性基をもつホトクロミツク化合物を基板表面に
施すには、これを直接基板表面に塗布するか、あ
るいは、これを液晶物質に溶解して使用すればよ
い。後者の場合、表面活性基をもつホトクロミツ
ク化合物の添加量は、液晶の重量当り0.01〜5.0
重量%、好ましくは0.5〜3.0重量%の範囲であ
る。
の表面活性基の例としては、カルボン酸残基、マ
ロン酸残基、アルキルアルミニウム塩残基、アル
キルピリジニウム塩残基、アルキルキノリニウム
塩残基、アルボキシラトクロミウム錯体残基、エ
ステル残基、ニトリル残基、尿素残基、アミン残
基、アルコール残基、フエノール残基、ベタイン
残基などを挙げることができる。このような表面
活性基をもつホトクロミツク化合物を基板表面に
施すには、これを直接基板表面に塗布するか、あ
るいは、これを液晶物質に溶解して使用すればよ
い。後者の場合、表面活性基をもつホトクロミツ
ク化合物の添加量は、液晶の重量当り0.01〜5.0
重量%、好ましくは0.5〜3.0重量%の範囲であ
る。
前記した少なくとも1個のハロゲン原子又はア
ルコキシ基で置換されたシリル基をもつホトクロ
ミツク化合物としては、例えばトリエトキシシリ
ルアゾベンゼン、モノクロロジエトキシシリルア
ゾベンゼン、トリクロロシリルアゾベンゼン、ト
リエトキシシリルインジゴ、トリエトキシシリル
インドリノスピロベンゾピランなどがある。これ
らの化合物による処理は、0.1〜10%、好ましく
は0.5〜5%の範囲の濃度の溶液として、基板表
面に塗布するか、あるいはこの溶液中に基板を浸
せきすることによつて行われる。この際の溶媒と
しては、水、酢酸、トルエン、アセトン、ジメチ
ルホルムアミドなどが好適である。また、処理時
間としては、1秒ないし1時間、通常は30秒ない
し10分間を要する。この方法においては、シリル
化剤による基板表面の処理を併用することによ
り、さらに結合力を向上させることができる。
ルコキシ基で置換されたシリル基をもつホトクロ
ミツク化合物としては、例えばトリエトキシシリ
ルアゾベンゼン、モノクロロジエトキシシリルア
ゾベンゼン、トリクロロシリルアゾベンゼン、ト
リエトキシシリルインジゴ、トリエトキシシリル
インドリノスピロベンゾピランなどがある。これ
らの化合物による処理は、0.1〜10%、好ましく
は0.5〜5%の範囲の濃度の溶液として、基板表
面に塗布するか、あるいはこの溶液中に基板を浸
せきすることによつて行われる。この際の溶媒と
しては、水、酢酸、トルエン、アセトン、ジメチ
ルホルムアミドなどが好適である。また、処理時
間としては、1秒ないし1時間、通常は30秒ない
し10分間を要する。この方法においては、シリル
化剤による基板表面の処理を併用することによ
り、さらに結合力を向上させることができる。
次に、基板表面をアミノ基をもつシリル化剤で
処理したのち、カルボキシル基をもつホトクロミ
ツク化合物で処理する場合に用いるシリル化剤と
しては、例えばアミノプロピルトリエトキシシラ
ン、アミノプロピルジエトキシシラン、アミノブ
チルメチルジエトキシシラン、アミノブチルトリ
エトキシシランなどがある。これらのシリル化剤
による処理は、これを0.1〜10%、好ましくは0.5
〜5%の範囲の濃度の溶液として、この溶液を基
板表面に塗布するか、あるいはこの溶液中に浸せ
きすることによつて行われる。この際の溶媒とし
ては、水、エタノール、酢酸、トルエン、アセト
ン、ジメチルホルムアミドなどが好適である。処
理時間は通常数秒ないし数10分の範囲内である。
処理したのち、カルボキシル基をもつホトクロミ
ツク化合物で処理する場合に用いるシリル化剤と
しては、例えばアミノプロピルトリエトキシシラ
ン、アミノプロピルジエトキシシラン、アミノブ
チルメチルジエトキシシラン、アミノブチルトリ
エトキシシランなどがある。これらのシリル化剤
による処理は、これを0.1〜10%、好ましくは0.5
〜5%の範囲の濃度の溶液として、この溶液を基
板表面に塗布するか、あるいはこの溶液中に浸せ
きすることによつて行われる。この際の溶媒とし
ては、水、エタノール、酢酸、トルエン、アセト
ン、ジメチルホルムアミドなどが好適である。処
理時間は通常数秒ないし数10分の範囲内である。
このシリル化剤により処理した後、シリル化剤
のアミノ基に対し、カルボキシル基をもつホトク
ロミツク化合物を常法に従つて反応させ、アミド
結合を形成させる。このようにして、基板表面上
にホトクロミツク化合物を化学的に結合させるこ
とができる。
のアミノ基に対し、カルボキシル基をもつホトク
ロミツク化合物を常法に従つて反応させ、アミド
結合を形成させる。このようにして、基板表面上
にホトクロミツク化合物を化学的に結合させるこ
とができる。
基板表面上に結合させる、光により可逆的に構
造変化を起す化合物は、単分子層を形成させるだ
けで十分にその機能を発揮しうるが、所望ならば
2分子層又はそれ以上の層にすることもできる。
造変化を起す化合物は、単分子層を形成させるだ
けで十分にその機能を発揮しうるが、所望ならば
2分子層又はそれ以上の層にすることもできる。
次に、光により可逆的に構造変化を起す化合物
の分子層上に設ける液晶層の液晶としては、従来
知られているネマテイツク系、スメテイツク系及
びコレステリツク系の液晶物質の中から任意のも
のを選ぶことができるが、スメクテイツク系液晶
物質の場合は、ある温度でネマテイツク液晶相を
とるものを選ぶ必要がある。
の分子層上に設ける液晶層の液晶としては、従来
知られているネマテイツク系、スメテイツク系及
びコレステリツク系の液晶物質の中から任意のも
のを選ぶことができるが、スメクテイツク系液晶
物質の場合は、ある温度でネマテイツク液晶相を
とるものを選ぶ必要がある。
このような液晶物質は、例えばエー・ベギン
(A.Bequin)他著、「モレキユラー・クリスタル
ズ・アンド・リキツド・クリスタルズ
(Molecular Crystals and Liquid Crystals)」、
第115巻、第1ページに記載されている。これら
の液晶物質は、単独で用いてもよいし、また2種
以上混合して用いてもよい。
(A.Bequin)他著、「モレキユラー・クリスタル
ズ・アンド・リキツド・クリスタルズ
(Molecular Crystals and Liquid Crystals)」、
第115巻、第1ページに記載されている。これら
の液晶物質は、単独で用いてもよいし、また2種
以上混合して用いてもよい。
この場合、温度依存性のある液晶物質例えば室
温においては、光を照射しても構造変化を起さな
いが、ある温度以上に加熱すると光照射により構
造変化を起す液晶物質を用いれば、恒久的な記録
を得ることができる。
温においては、光を照射しても構造変化を起さな
いが、ある温度以上に加熱すると光照射により構
造変化を起す液晶物質を用いれば、恒久的な記録
を得ることができる。
次に添付図面により本発明をさらに詳細に説明
する。
する。
第1図は本発明の基本構造を示す断面図で透明
基板1の上に、光により可逆的な構造変化を起す
化合物の分子層2を介して液晶層3が設けられて
いる。通常は、液晶層を固定し、かつ逸散を防ぐ
ために、この上をさらに基板で被覆している。こ
の基板は透明であつても不透明であつてもよい
し、またその表面を、光により可逆的な構造変化
を起す化合物の分子層で被覆したものを用いるこ
ともできるし、液晶を表面に平行に配列する作用
をもつホモジニアス配向層で被覆したものを用い
ることもできる。
基板1の上に、光により可逆的な構造変化を起す
化合物の分子層2を介して液晶層3が設けられて
いる。通常は、液晶層を固定し、かつ逸散を防ぐ
ために、この上をさらに基板で被覆している。こ
の基板は透明であつても不透明であつてもよい
し、またその表面を、光により可逆的な構造変化
を起す化合物の分子層で被覆したものを用いるこ
ともできるし、液晶を表面に平行に配列する作用
をもつホモジニアス配向層で被覆したものを用い
ることもできる。
第2図は、本発明の好適な実施態様の例を示す
断面図であつて、これは表面上にホトクロミツク
化合物の単分子層2を有する2枚の基板1の間
に、液晶相を挾んだサンドイツチ構造を有してい
る。
断面図であつて、これは表面上にホトクロミツク
化合物の単分子層2を有する2枚の基板1の間
に、液晶相を挾んだサンドイツチ構造を有してい
る。
そして、この図のは光照射前、は光照射後
の状態を示し、光照射前は、ホトクロミツク化合
物の単分子層の作用により、液晶相において、液
晶は基板面に垂直の方向(ホメオトロピツク)に
規則正しく配列している()。次にこの光記録
素子の一部Aに光を照射すると、ホトクロミツク
化合物が構造変化を起すため、その部分における
前記した垂直配列が破壊され液晶は表面に対し平
行(ホモジニアス)の配列をとる。このように光
によつて構造が変化した後のホトクロミツク化合
物単分子層においては、液晶の長軸が表面に対し
て平行に配列するという事実は、本発明者により
はじめて見出されたものである。
の状態を示し、光照射前は、ホトクロミツク化合
物の単分子層の作用により、液晶相において、液
晶は基板面に垂直の方向(ホメオトロピツク)に
規則正しく配列している()。次にこの光記録
素子の一部Aに光を照射すると、ホトクロミツク
化合物が構造変化を起すため、その部分における
前記した垂直配列が破壊され液晶は表面に対し平
行(ホモジニアス)の配列をとる。このように光
によつて構造が変化した後のホトクロミツク化合
物単分子層においては、液晶の長軸が表面に対し
て平行に配列するという事実は、本発明者により
はじめて見出されたものである。
したがつて、例えば直交ニコル下観察すると、
光照射されない部分Bは光を通さないが、光照射
した部分Aは光を通すので、任意の波長の偏光を
用いれば光の透過率により光情報の読み取りを行
うことができる。
光照射されない部分Bは光を通さないが、光照射
した部分Aは光を通すので、任意の波長の偏光を
用いれば光の透過率により光情報の読み取りを行
うことができる。
次に第3図は、第2図の場合とは別の実施態様
の例であり、2枚の基板のうちの一方にホモジニ
アス配向層4が設けられている例である。このホ
モジニアス配向層は、基板表面をポリビニルアル
コール、ポリイミド樹脂、ポリオキシエチレンな
どでラビング処理したり、あるいはSiO2のよう
な酸化物を斜め方向から蒸着することにより設け
ることができる。この例においては、ホトクロミ
ツク化合物単分子層側においては、第3図に示
すように液晶は基板表面に垂直の方向に配列して
いるがホモジニアス配向層側では基板と平行の方
向に配列した構造をとつている。そして、これに
光照射すると、その照射された部分Aにおいては
液晶はホトクロミツク化合物単分子層面に平行に
配列するので、全体がホモジニアス配列状態とな
り、前記と同様にして偏光により光情報を読み出
すことができる。
の例であり、2枚の基板のうちの一方にホモジニ
アス配向層4が設けられている例である。このホ
モジニアス配向層は、基板表面をポリビニルアル
コール、ポリイミド樹脂、ポリオキシエチレンな
どでラビング処理したり、あるいはSiO2のよう
な酸化物を斜め方向から蒸着することにより設け
ることができる。この例においては、ホトクロミ
ツク化合物単分子層側においては、第3図に示
すように液晶は基板表面に垂直の方向に配列して
いるがホモジニアス配向層側では基板と平行の方
向に配列した構造をとつている。そして、これに
光照射すると、その照射された部分Aにおいては
液晶はホトクロミツク化合物単分子層面に平行に
配列するので、全体がホモジニアス配列状態とな
り、前記と同様にして偏光により光情報を読み出
すことができる。
本発明の光記録素子において、いつたん記録し
た情報を消去したい場合は、記録時に使用した光
と波長の異なる光を照射して、ホトクロミツク化
合物の構造を元に戻すことにより行うことができ
る。
た情報を消去したい場合は、記録時に使用した光
と波長の異なる光を照射して、ホトクロミツク化
合物の構造を元に戻すことにより行うことができ
る。
発明の効果
本発明の光記録素子は、従来のホトクロミツク
材料による情報記録の欠点、例えばいつたん記録
させた情報が、読み取りの繰り返しにより徐々に
消失するという欠点を示さないという利点がある
上に、液晶の配列がホトクロミツク単分子層によ
つて律しられるので、流動性をもつ液晶による解
像性は、従来のホトクロミツク化合物を液晶に加
えたものを用いる場合よりもはるかに優れてい
る。また、本発明の光記録素子は、可逆的な光情
報貯蔵に用いられるだけでなく、光アドレス型の
表示にも好適に用いることができる。
材料による情報記録の欠点、例えばいつたん記録
させた情報が、読み取りの繰り返しにより徐々に
消失するという欠点を示さないという利点がある
上に、液晶の配列がホトクロミツク単分子層によ
つて律しられるので、流動性をもつ液晶による解
像性は、従来のホトクロミツク化合物を液晶に加
えたものを用いる場合よりもはるかに優れてい
る。また、本発明の光記録素子は、可逆的な光情
報貯蔵に用いられるだけでなく、光アドレス型の
表示にも好適に用いることができる。
実施例
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明す
る。
る。
実施例 1
4′−ヘキシル−4−ヒドロキシアゾベンゼン(1)
1g(3.73×10-3mo)をナトリウムメチラー
トでナトリウム塩にしたのち、これに2−テトラ
ヒドロピラニル6−ブロモヘキノエート1.03g
(3.69×10-3mo)及びジメチルアセトアミド5
mlを加え、100℃で73時間加熱した。反応終了後
水を加え、室温まで放冷して析出した黄色結晶を
ろ過して集めた。これを酢酸エチルで抽出し、硫
酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し
た。残留分をヘキサンとベンゼンとの混合物より
再結晶して6{4−(4−ヘキシルフエニルアゾ)
−フエノキシ}−ヘキサン酸1gを得た。このカ
ルボン酸200mg(5.05×10-4mo)を塩化チオ
ニル5mlに加え、2時間加熱還流後過剰の塩化チ
オニルを留去し、乾燥エーテル3ml及びトリエチ
ルアミン0.15g(1.485×10-3mo)を加える。
この混合物に氷冷下、トリエトキシアミノプロピ
ルシラン0.11g(4.98×10-4mo)の乾燥エーテ
ル溶液3mlを滴下し、2時間かきまぜたのち、窒
素雰囲気下でろ過し、塩を除いた後、減圧下室温
で溶媒を留去した。黄色ワツクス状のN−(3−
トリエトキシシリルプロピル)−6−{4−(4−
ヘキシルフエニルアゾ)フエノキシ}ヘキサン酸
アミド213mgを得た。
1g(3.73×10-3mo)をナトリウムメチラー
トでナトリウム塩にしたのち、これに2−テトラ
ヒドロピラニル6−ブロモヘキノエート1.03g
(3.69×10-3mo)及びジメチルアセトアミド5
mlを加え、100℃で73時間加熱した。反応終了後
水を加え、室温まで放冷して析出した黄色結晶を
ろ過して集めた。これを酢酸エチルで抽出し、硫
酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し
た。残留分をヘキサンとベンゼンとの混合物より
再結晶して6{4−(4−ヘキシルフエニルアゾ)
−フエノキシ}−ヘキサン酸1gを得た。このカ
ルボン酸200mg(5.05×10-4mo)を塩化チオ
ニル5mlに加え、2時間加熱還流後過剰の塩化チ
オニルを留去し、乾燥エーテル3ml及びトリエチ
ルアミン0.15g(1.485×10-3mo)を加える。
この混合物に氷冷下、トリエトキシアミノプロピ
ルシラン0.11g(4.98×10-4mo)の乾燥エーテ
ル溶液3mlを滴下し、2時間かきまぜたのち、窒
素雰囲気下でろ過し、塩を除いた後、減圧下室温
で溶媒を留去した。黄色ワツクス状のN−(3−
トリエトキシシリルプロピル)−6−{4−(4−
ヘキシルフエニルアゾ)フエノキシ}ヘキサン酸
アミド213mgを得た。
このトリエトキシシリルアゾベンゼンの0.4wt
%エタノール溶液に清澄な石英板を10分浸せき
し、風乾してから100℃で10分乾燥した。これを
5分間塩化メチレン中で超音波洗浄し、100℃で
10分間乾燥した。この石英板の両面がアゾベンゼ
ンで修飾されているが、その348.5nmでの吸光度
は0.0316であり、実際には無色透明であつた。
%エタノール溶液に清澄な石英板を10分浸せき
し、風乾してから100℃で10分乾燥した。これを
5分間塩化メチレン中で超音波洗浄し、100℃で
10分間乾燥した。この石英板の両面がアゾベンゼ
ンで修飾されているが、その348.5nmでの吸光度
は0.0316であり、実際には無色透明であつた。
このようにして処理した石英板2枚で8μのガ
ラスロツドスペーサを含むシクロヘキサンカルボ
ン酸フエニルエステル系混合液晶(K−17−N−
73−1)を挾み込み、エポキシ樹脂で封じてサン
ドイツチセルを作成した。この無色透明のセルを
直交ニコル間に置き、He−Neレーザで透過光量
をモニターした。紫外線照射前のセルは直交ニコ
ス下で透過光量はゼロであり、ホメオトロピツク
液晶配向していることが分る。これに365nmの紫
外線を照射すると、アゾベンゼンがトランスから
シスへ光異性化するにつれて透過光量は増加し
た。次に、440nm以上の可視光を照射すると、ト
ランスへの異性化が起るにつれて透過光量は再び
減少した。この透過光量は、紫外線と可視光の交
互照射に応じて可逆的に変化した。また、同じセ
ルにネガを通して紫外線を照射したところ、直交
ニコルで明瞭な画像が認められた。この画像はセ
ルに圧力を加えて液晶を流動させても乱れる事は
なかつた。
ラスロツドスペーサを含むシクロヘキサンカルボ
ン酸フエニルエステル系混合液晶(K−17−N−
73−1)を挾み込み、エポキシ樹脂で封じてサン
ドイツチセルを作成した。この無色透明のセルを
直交ニコル間に置き、He−Neレーザで透過光量
をモニターした。紫外線照射前のセルは直交ニコ
ス下で透過光量はゼロであり、ホメオトロピツク
液晶配向していることが分る。これに365nmの紫
外線を照射すると、アゾベンゼンがトランスから
シスへ光異性化するにつれて透過光量は増加し
た。次に、440nm以上の可視光を照射すると、ト
ランスへの異性化が起るにつれて透過光量は再び
減少した。この透過光量は、紫外線と可視光の交
互照射に応じて可逆的に変化した。また、同じセ
ルにネガを通して紫外線を照射したところ、直交
ニコルで明瞭な画像が認められた。この画像はセ
ルに圧力を加えて液晶を流動させても乱れる事は
なかつた。
実施例 2
実施例1で得たトリエトキシシリルアゾベンゼ
ンとアミノプロピルトリエトキシシランとを1:
9の重量比で混合し、この0.4wt%エタノール溶
液で石英板を実施例1と同様にして処理した後、
この2枚の石英板で8μの混合液晶のサンドイツ
チセルを構成した。このセルに紫外線と可視光を
交互に照射したところ、直交ニコル下で可逆的な
透過光量変化が認められた。
ンとアミノプロピルトリエトキシシランとを1:
9の重量比で混合し、この0.4wt%エタノール溶
液で石英板を実施例1と同様にして処理した後、
この2枚の石英板で8μの混合液晶のサンドイツ
チセルを構成した。このセルに紫外線と可視光を
交互に照射したところ、直交ニコル下で可逆的な
透過光量変化が認められた。
実施例 3
実施例1で得たアゾベンゼン処理した石英板と
ポリビニルアルコール塗布してラビング処理した
石英板とで8μの混合液晶のサンドイツチセルを
構成した。これに紫外線と可視光を交互に照射し
たところ、直交ニコル下で可逆的な透過光量の変
化が認められた。
ポリビニルアルコール塗布してラビング処理した
石英板とで8μの混合液晶のサンドイツチセルを
構成した。これに紫外線と可視光を交互に照射し
たところ、直交ニコル下で可逆的な透過光量の変
化が認められた。
実施例 4
実施例1における4′−ヘキシル−4−ヒドロキ
シアゾベンゼンの代わりに4−ヒドロキシアゾベ
ンゼンを用いて同様にしてシリル化剤を製造し、
石英板を処理した。この石英板で混合液晶をサン
ドイツチしたセルに紫外線と可視光を交互に照射
したところ、直交ニコル下で可逆的な透過光量変
化が認められた。
シアゾベンゼンの代わりに4−ヒドロキシアゾベ
ンゼンを用いて同様にしてシリル化剤を製造し、
石英板を処理した。この石英板で混合液晶をサン
ドイツチしたセルに紫外線と可視光を交互に照射
したところ、直交ニコル下で可逆的な透過光量変
化が認められた。
実施例 5
実施例1における4′−ヘキシル−4−ヒドロキ
シアゾベンゼンの代わりに4′−メチル−4−ヒド
ロキシアゾベンゼンを用いて同様にしてシリル化
剤を製造し、石英板を処理した。この石英板で混
合液晶をサンドイツチしたセルに紫外線と可視光
を交互に照射したところ、直交ニコル下で可逆的
な透過光量変化が認められた。
シアゾベンゼンの代わりに4′−メチル−4−ヒド
ロキシアゾベンゼンを用いて同様にしてシリル化
剤を製造し、石英板を処理した。この石英板で混
合液晶をサンドイツチしたセルに紫外線と可視光
を交互に照射したところ、直交ニコル下で可逆的
な透過光量変化が認められた。
実施例 6
実施例1における4′−ヘキシル−4−ヒドロキ
シアゾベンゼンの代わりに4′−シクロヘキシルア
ゾベンゼンを用いて同様にしてシリル化剤を製造
し、石英板を処理した。この石英板で混合液晶を
サンドイツチしたセルに紫外線と可視光を交互に
照射したところ、直交ニコル下で可逆的な透過光
量変化が認められた。
シアゾベンゼンの代わりに4′−シクロヘキシルア
ゾベンゼンを用いて同様にしてシリル化剤を製造
し、石英板を処理した。この石英板で混合液晶を
サンドイツチしたセルに紫外線と可視光を交互に
照射したところ、直交ニコル下で可逆的な透過光
量変化が認められた。
実施例 7
実施例1における4′−ヘキシル−4−ヒドロキ
シアゾベンゼンの代わりに4′−オクチル−4−ヒ
ドロキシアゾベンゼンを用いて製造したシリル化
剤で処理した石英板で混合液晶をサンドイツチし
たセルを構成したところ、紫外線と可視光の交互
照射により透過光量は可逆的に変化した。
シアゾベンゼンの代わりに4′−オクチル−4−ヒ
ドロキシアゾベンゼンを用いて製造したシリル化
剤で処理した石英板で混合液晶をサンドイツチし
たセルを構成したところ、紫外線と可視光の交互
照射により透過光量は可逆的に変化した。
実施例 8
実施例1における4′−ヘキシル−4−ヒドロキ
シアゾベンゼンの代わりに4′−クロロ−4−ヒド
ロキシアゾベンゼンを用いて製造したシリル化剤
で処理した石英板で混合液晶をサンドイツチして
セルを構成したところ、紫外線と可視光の交互照
射により透過光量は可逆的に変化した。
シアゾベンゼンの代わりに4′−クロロ−4−ヒド
ロキシアゾベンゼンを用いて製造したシリル化剤
で処理した石英板で混合液晶をサンドイツチして
セルを構成したところ、紫外線と可視光の交互照
射により透過光量は可逆的に変化した。
実施例 9
公知の方法により、石英板をアミノプロピルト
リエトキシシランのエタノール溶液で処理し、ア
ミノ化石英を調製した。実施例1で得たアゾベン
ゼンカルボン酸クロリドを塩化メチレンに溶解
し、この溶液にアミノ化石英板を浸せきしてから
トリエチルアミンを加え、室温で1時間放置し
た。この石英板を塩化メチレン、エタノールで洗
浄し、100℃で10分間乾燥した。紫外可視分光光
度計によりアゾベンゼン基が結合していることが
確認された。このアゾベンゼンで修飾された石英
板で構成された混合液晶セルは、紫外線と可視光
の交互照射により透過光量が可逆的に変化した。
リエトキシシランのエタノール溶液で処理し、ア
ミノ化石英を調製した。実施例1で得たアゾベン
ゼンカルボン酸クロリドを塩化メチレンに溶解
し、この溶液にアミノ化石英板を浸せきしてから
トリエチルアミンを加え、室温で1時間放置し
た。この石英板を塩化メチレン、エタノールで洗
浄し、100℃で10分間乾燥した。紫外可視分光光
度計によりアゾベンゼン基が結合していることが
確認された。このアゾベンゼンで修飾された石英
板で構成された混合液晶セルは、紫外線と可視光
の交互照射により透過光量が可逆的に変化した。
実施例 10
4′−ヘキシル−4−ヒドロキシアゾベンゼン
0.4gと触媒量のトリメチルベンジルアンモニウ
ムヒドロキシドをベンゼン2mlに溶解し、これに
アクリルニトリル8mlをゆつくり加えた。22時間
加熱した後溶媒を減圧で留去し、残留分をベンゼ
ンで抽出した。次いでシリカゲルカラムクロマト
により精製し、2−{4−(4−ヘキシルフエニル
アゾ)−フエノキシ}−プロパンニトリル0.25gを
得た。これを塩酸を含む酢酸で加水分解し、対応
するカルボン酸を得た。これを塩化チオニルで酸
塩化物に変え、これで実施例9と同様にしてアミ
ノ化石英板を処理した。その吸収スペクトルから
アゾベンゼンが結合していることが確認された。
この石英板で構成した混合液晶セルは、紫外線と
可視光の交互照射により透過光量を可逆的に変化
させた。
0.4gと触媒量のトリメチルベンジルアンモニウ
ムヒドロキシドをベンゼン2mlに溶解し、これに
アクリルニトリル8mlをゆつくり加えた。22時間
加熱した後溶媒を減圧で留去し、残留分をベンゼ
ンで抽出した。次いでシリカゲルカラムクロマト
により精製し、2−{4−(4−ヘキシルフエニル
アゾ)−フエノキシ}−プロパンニトリル0.25gを
得た。これを塩酸を含む酢酸で加水分解し、対応
するカルボン酸を得た。これを塩化チオニルで酸
塩化物に変え、これで実施例9と同様にしてアミ
ノ化石英板を処理した。その吸収スペクトルから
アゾベンゼンが結合していることが確認された。
この石英板で構成した混合液晶セルは、紫外線と
可視光の交互照射により透過光量を可逆的に変化
させた。
実施例 11
実施例1で調製したアゾベンゼンで修飾した石
英板で室温でスメクテイツク液晶相である4−オ
クチル−4′−シアノビフエニル(K−21−S−33
−N−40−1)のサンドイツチセル(セル厚8μ)
を構成した。室温(約20℃)で紫外線を照射して
も液晶の相変化は全く認められなかつたが、セル
を35℃に加温してから紫外線を照射したところ、
直交ニコル下で透過光量の変化が認められた。こ
のセルにネガを通して35℃で紫外線を照射して得
た画像は、室温で6ケ月間安定に存在した。セル
に可視光を照射してもこの画像は消失することが
なかつた。このことから、スメクテイツク液晶に
よるメモリ効果が認められた。
英板で室温でスメクテイツク液晶相である4−オ
クチル−4′−シアノビフエニル(K−21−S−33
−N−40−1)のサンドイツチセル(セル厚8μ)
を構成した。室温(約20℃)で紫外線を照射して
も液晶の相変化は全く認められなかつたが、セル
を35℃に加温してから紫外線を照射したところ、
直交ニコル下で透過光量の変化が認められた。こ
のセルにネガを通して35℃で紫外線を照射して得
た画像は、室温で6ケ月間安定に存在した。セル
に可視光を照射してもこの画像は消失することが
なかつた。このことから、スメクテイツク液晶に
よるメモリ効果が認められた。
実施例 12
実施例1で得たアゾベンゼンカルボン酸を混合
液晶に0.5重量%で溶解し、これを12μのガラスス
ペーサーを用いて2枚のガラス板で挾み、セルを
構成したところ、直交ニコル下では透過光量はゼ
ロであり、ホメオトロピツク配向している事が分
かつた。このセルにネガ像越しに紫外線を照射し
たところ、直交ニコル下で画像が観察された。こ
れに可視光を照射した結果、画像は直ちに消失し
た。
液晶に0.5重量%で溶解し、これを12μのガラスス
ペーサーを用いて2枚のガラス板で挾み、セルを
構成したところ、直交ニコル下では透過光量はゼ
ロであり、ホメオトロピツク配向している事が分
かつた。このセルにネガ像越しに紫外線を照射し
たところ、直交ニコル下で画像が観察された。こ
れに可視光を照射した結果、画像は直ちに消失し
た。
実施例 13
実施例1の2−テトラヒドロピラニル−6−ブ
ロモヘキサノエートの代わりに2−テトラヘドロ
ピラニル−4−ブロモブタノエートを用いて同様
にしてシリル化剤を製造しガラス板を処理した。
このガラス板で実施例1で用いた混合液晶をサン
ドイツチしたセルに紫外線と可視光を交互に照射
したところ、直交ニコル下で可逆的な透過光量変
化が認められた。
ロモヘキサノエートの代わりに2−テトラヘドロ
ピラニル−4−ブロモブタノエートを用いて同様
にしてシリル化剤を製造しガラス板を処理した。
このガラス板で実施例1で用いた混合液晶をサン
ドイツチしたセルに紫外線と可視光を交互に照射
したところ、直交ニコル下で可逆的な透過光量変
化が認められた。
実施例 14
実施例1の2−テトラヒドロピラニル−6−ブ
ロモヘキサノエートの代わりにクロロ酢酸エチル
を用いて2−{4−(4−ヘキシルフエニルアゾ)
フエノキシ}酢酸エチルを合成し加水分解後、同
様にしてシリル化剤を製造し、ガラス板を処理し
た。その吸収スペクトルからアゾベンゼンが結合
している事が確認された。このガラス板で混合液
晶をサンドイツチしたセルに紫外線と可視光を交
互に照射したところ、直交ニコル下で可逆的な透
過光量変化が認められた。
ロモヘキサノエートの代わりにクロロ酢酸エチル
を用いて2−{4−(4−ヘキシルフエニルアゾ)
フエノキシ}酢酸エチルを合成し加水分解後、同
様にしてシリル化剤を製造し、ガラス板を処理し
た。その吸収スペクトルからアゾベンゼンが結合
している事が確認された。このガラス板で混合液
晶をサンドイツチしたセルに紫外線と可視光を交
互に照射したところ、直交ニコル下で可逆的な透
過光量変化が認められた。
実施例 15
実施例1のトリエトキシアミノプロピルシラン
の代わりに、3−アミノプロピルメチルジエトキ
シシランを用い、塩化メチレン中ジシクロヘキシ
ルカルボジイミドを用いてアミド化を行なうこと
でシリル化剤を製造した。同様にしてガラス板を
処理し、このガラス板で混合液晶をサンドイツチ
セルにした。ホメオトロピツク配向をとつている
このセルに紫外線と可視光を交互に照射したとこ
ろ、直交ニコル下で可逆的な透過光量変化が認め
られた。
の代わりに、3−アミノプロピルメチルジエトキ
シシランを用い、塩化メチレン中ジシクロヘキシ
ルカルボジイミドを用いてアミド化を行なうこと
でシリル化剤を製造した。同様にしてガラス板を
処理し、このガラス板で混合液晶をサンドイツチ
セルにした。ホメオトロピツク配向をとつている
このセルに紫外線と可視光を交互に照射したとこ
ろ、直交ニコル下で可逆的な透過光量変化が認め
られた。
実施例 16
実施例1のトリエトキシアミノプロピルシラン
の代わりに、4−アミノブチルトリエトキシシラ
ンを用い、塩化メチレン中ジシクロヘキシルカル
ボジイミドを用いてアシド化を行なうことで、シ
リル化剤を製造した。同様にしてガラス板をシリ
ル化し、このガラス板で混合液晶をサンドイツチ
したセルに紫外線と可視光を交互に照射したとこ
ろ、直交ニコル下で可逆的な透過光量変化が認め
られた。
の代わりに、4−アミノブチルトリエトキシシラ
ンを用い、塩化メチレン中ジシクロヘキシルカル
ボジイミドを用いてアシド化を行なうことで、シ
リル化剤を製造した。同様にしてガラス板をシリ
ル化し、このガラス板で混合液晶をサンドイツチ
したセルに紫外線と可視光を交互に照射したとこ
ろ、直交ニコル下で可逆的な透過光量変化が認め
られた。
実施例 17
実施例1のトリエトキシアミノプロピルシラン
の代わりに、4−アミノブチルジメチルメトキシ
シランを用い、塩化メチレン中ジシクロヘキシル
カルボジイミドを用いてアシド化を行なうこと
で、シリル化剤を製造した。このシリル化剤でガ
ラスを処理し、混合液晶をサンドイツチしたセル
を作成した。このセルを直交ニコル間に置き、
He−Neレーザーで透過光量をモニターした。紫
外線照射前のセルは直交ニコル下で透過光量は40
%(偏光子を平行に置き、セルを入れない時の透
過光を100とした。)であり365nmの紫外線を照射
すると、アゾベンゼンがトランスからシスへと光
異性化するにつれ透過光量は減少した。次に
440nm以上の可視光を照射すると、トランスへの
光異性化が起るにつれて透過光量は再び増加し
た。この透過光量は、紫外線と可視光の交互照射
に応じて可逆的に変化した。
の代わりに、4−アミノブチルジメチルメトキシ
シランを用い、塩化メチレン中ジシクロヘキシル
カルボジイミドを用いてアシド化を行なうこと
で、シリル化剤を製造した。このシリル化剤でガ
ラスを処理し、混合液晶をサンドイツチしたセル
を作成した。このセルを直交ニコル間に置き、
He−Neレーザーで透過光量をモニターした。紫
外線照射前のセルは直交ニコル下で透過光量は40
%(偏光子を平行に置き、セルを入れない時の透
過光を100とした。)であり365nmの紫外線を照射
すると、アゾベンゼンがトランスからシスへと光
異性化するにつれ透過光量は減少した。次に
440nm以上の可視光を照射すると、トランスへの
光異性化が起るにつれて透過光量は再び増加し
た。この透過光量は、紫外線と可視光の交互照射
に応じて可逆的に変化した。
第1図は本発明の光記録素子の構造の1例を示
す断面図、第2図は別の例及びその光照射前後の
液晶の配列状態を示す断面図、第3図はさらに別
の例及びその光照射前後の液晶の配列状態を示す
断面図である。 図中、符号1は基板、2は光により可逆的な構
造変化を起す化合物の分子層、3は液晶層、4は
ホモジニアス配向層である。
す断面図、第2図は別の例及びその光照射前後の
液晶の配列状態を示す断面図、第3図はさらに別
の例及びその光照射前後の液晶の配列状態を示す
断面図である。 図中、符号1は基板、2は光により可逆的な構
造変化を起す化合物の分子層、3は液晶層、4は
ホモジニアス配向層である。
Claims (1)
- 1 透明基板上に、光により可逆的に構造変化を
起す化合物の分子層を介して液晶層を設けてなる
光記録素子。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62217317A JPS6460833A (en) | 1987-08-31 | 1987-08-31 | Optical recording element |
US07/238,398 US4963448A (en) | 1987-08-31 | 1988-08-31 | Photorecording element and liquid crystal cell comprising the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62217317A JPS6460833A (en) | 1987-08-31 | 1987-08-31 | Optical recording element |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6460833A JPS6460833A (en) | 1989-03-07 |
JPH0444813B2 true JPH0444813B2 (ja) | 1992-07-22 |
Family
ID=16702273
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62217317A Granted JPS6460833A (en) | 1987-08-31 | 1987-08-31 | Optical recording element |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6460833A (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02281235A (ja) * | 1989-04-21 | 1990-11-16 | Agency Of Ind Science & Technol | 光記録材料 |
JPH0519260A (ja) * | 1991-07-09 | 1993-01-29 | Victor Co Of Japan Ltd | 液晶ライトバルブ |
KR0182876B1 (ko) | 1996-01-09 | 1999-05-01 | 구자홍 | 액정셀의 프리틸트방향 제어방법 |
US6191836B1 (en) | 1996-11-07 | 2001-02-20 | Lg Philips Lcd, Co., Ltd. | Method for fabricating a liquid crystal cell |
US6292296B1 (en) | 1997-05-28 | 2001-09-18 | Lg. Philips Lcd Co., Ltd. | Large scale polarizer and polarizer system employing it |
KR100259258B1 (ko) | 1997-11-21 | 2000-06-15 | 구본준 | 액정표시소자 |
KR100301853B1 (ko) | 1999-03-25 | 2001-09-26 | 구본준, 론 위라하디락사 | 액정표시소자용 배향막 |
KR100357214B1 (ko) | 1999-04-21 | 2002-10-18 | 엘지.필립스 엘시디 주식회사 | 액정표시소자 |
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Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS625293A (ja) * | 1985-07-01 | 1987-01-12 | カシオ計算機株式会社 | ウインドウ表示制御装置 |
-
1987
- 1987-08-31 JP JP62217317A patent/JPS6460833A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6460833A (en) | 1989-03-07 |
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