JP2600089B2 - 三安定光制御光学素子 - Google Patents

三安定光制御光学素子

Info

Publication number
JP2600089B2
JP2600089B2 JP3168795A JP16879591A JP2600089B2 JP 2600089 B2 JP2600089 B2 JP 2600089B2 JP 3168795 A JP3168795 A JP 3168795A JP 16879591 A JP16879591 A JP 16879591A JP 2600089 B2 JP2600089 B2 JP 2600089B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
photochromic
thin film
optical element
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3168795A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04366834A (ja
Inventor
祐司 川西
隆広 関
雅子 桜木
敬 玉置
Original Assignee
工業技術院長
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 工業技術院長 filed Critical 工業技術院長
Priority to JP3168795A priority Critical patent/JP2600089B2/ja
Publication of JPH04366834A publication Critical patent/JPH04366834A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2600089B2 publication Critical patent/JP2600089B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光による液晶の配向変
化を利用した新規な光制御光学素子に関するものであ
る。さらに詳しく言えば本発明は、基板上に設けたホト
クロミックな残基を有する高分子化合物の薄膜が、光照
射によるホトクロミック残基の分子構造変化と同時にこ
れに誘起された可逆的な集合構造変化を行い、この結果
積層した液晶層に三状態間の可逆的な配向変化及び光学
応答を与えることを特徴とする新規な光制御光学素子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶は柔軟な構造を持つ流体であり、そ
の分子配列を制御することにより光学的な応答を与える
ことができる。光の作用により光学応答を与える光制御
光学素子として、液晶層の相変化に基づくものと配向変
化に基づくものがある。液晶とホトクロミック化合物と
を混合し光の作用で相変化させる形式のものは、時間の
経過とともに液晶が流動し目的とする光学特性を維持で
きない。例えば、ネマティック液晶にホトクロミックな
キラル化アゾベンゼンを溶解して得られるコレステリッ
ク液晶は、紫外線の作用でアイソトロピック相に変化し
うるが、時間の経過とともに液晶が流動し転移部分が不
明確になるために、所定の特性を有する光学素子として
の利用は困難になる(1986年日本化学会第52春季
年会講演予稿集参照)。またホトクロミック化合物と液
晶とを混合し微粒子化して高分子などの支持媒体に分散
固定化し光誘起相転移させる方式は、液晶の流動による
相転移部分の拡散は起こらず安定だが、微粒子というピ
ット単位での相転移であるために低解像度であって利用
範囲が著しく限定される(Y.Kawanishiら、
Journal of Physics D、24巻7
82ページ、1991年)。透明基板上に設けたホトク
ロミック分子層の光化学的な分子構造変化を利用して、
これと接する液晶層中に可逆的な配向変化を与える方式
は、液晶の流動に関わらない高い解像性と安定性を与え
るが、ホトクロミック分子層中のホトクロミック反応の
変換率が高いことが必要で比較的長時間の光照射をしな
ければならない(K.Ichimuraら、Langm
uir、4巻1214ページ、1988年)。上記いず
れの素子も光によって二つの状態を与えるものであり、
安定な三つ以上の状態を与える光制御光学素子はこれま
で例がない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ホトクロミ
ック残基を有する高分子の薄膜が、光照射によるホトク
ロミック残基の分子構造変化を行うと同時にこれに誘起
された可逆的な集合構造変化を行い、薄膜に積層した液
晶に可逆的な配向変化を誘起する現象を利用する光制御
光学素子であって、従来の光制御光学素子に見られた、
長時間の光照射の必要性・液晶の流動による光学特性の
経時変化・低解像度といった欠点を克服し、短時間の光
照射に応答し、液晶の流動性に起因する経時的低下をも
たらさない高解像度な、しかも三つの安定な状態を与え
る光制御光学素子を提供することを目的としてなされた
ものである。
【課題を解決するための手段】本発明者らは光による液
晶の配向変化を利用した高感度・高安定・高解像度の光
制御光学素子を開発するために鋭意研究を重ねた結果、
ホトクロミックな残基を有する高分子化合物の薄膜を基
板上に形成すると、光の作用により分子構造が変化した
ホトクロミック残基の働きによって薄膜の集合構造が変
化し、これにともなって薄膜に接する液晶層が可逆的な
プラナー−ホメオトロピック間の配向変化を行うこと、
この薄膜の集合構造変化したがって積層した液晶の配向
変化を誘起するための高分子薄膜におけるホトクロミッ
ク残基の反応率はごくわずかで良く短時間の光照射で応
答が与えられること、ホメオトロピック配向形成後さら
に光照射を続けることによってホトクロミック残基の変
換率が高まるとともに、液晶の配向が初期状態・中間状
態とは異なる傾斜角を持ったプラナー配向が得られるこ
と、液晶層の配列は上記薄膜の1万倍以上の分子の重な
りであっても迅速に伝達されること、光の状態が変化し
ない限り薄膜および液晶配向は変化せず長期間にわたっ
て保持されることを見出し、この知見に基づいて本発明
をなすに至った。すなわち、本発明は透明基板上に、ホ
トクロミック残基を有する高分子薄膜を介して液晶層を
設けた積層構造体において、該高分子薄膜として、通常
は基板面に対し傾斜した液晶分子配向を生じているが、
短時間の紫外光照射により基板面に対し垂直な液晶分子
配向を、さらに長時間の紫外光照射により基板面に対し
平行な液晶分子配向を生じ、かつ可視光の照射により上
記と逆の順序で最初の基板面に対し傾斜した液晶分子配
向に復元させることのできるものを用いたことを特徴と
する三安定型光制御光学素子を提供するものである。本
発明における透明基板としては、普通のシリカガラス、
硬質ガラス、石英、各種プラスチックなどのシートある
いはその表面に、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化インジウ
ム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化クロム、酸化
亜鉛などの金属酸化物や窒化ケイ素炭化ケイ素などの被
覆を有するものが用いられる。さらには、公知の方法に
よりこれらを両親媒性化合物,シリル化剤などの表面処
理剤によってあらかじめ処理を施してもよい。本発明に
おいては、通常、液晶は2枚の基板の間に充填されたサ
ンドイッチ構造体として用いられるが、本発明において
は、この2枚の基板のうちの少なくとも一方が透明基板
であればよく、他方は銅、鉄、アルミニウム、白金など
の金属のシート又はこれらの金属で被覆したシートにす
ることもできる。これらの基板は通常0.01〜1mm
の厚みの表面平滑なシートとして用いられる。本発明に
おいては、上記の基板上に、光により可逆的に構造変化
を起こすホトクロミック残基を有し、かつ液晶に、基板
面に対して、紫外光照射前においては傾斜した分子配向
を、短時間の紫外光照射で垂直な分子配向を、及び長時
間の紫外光照射で平行な分子配向を生じさせる高分子薄
膜を設けることが必要である。この分子配向の変化は可
逆的であって、可視光を照射することにより、上記と逆
の順序で紫外光照射前の状態に復元する。このホトクロ
ミック残基を有する高分子薄膜は、光の作用で構造変化
を生じ、その光に対する挙動例えば色調を変化するなど
のホトクロミック特性を示すものである。このようなホ
トクロミック特性を示す化合物としては、これまで炭素
−炭素間、炭素−窒素間、窒素−窒素間の不飽和二重結
合の光幾何異性化反応、原子価光異性化反応、ヘテロリ
テイックな光開閉環反応、光閉環反応、光互変異性化反
応などを利用した多種多様の化合物が知られている。
〔例えばワイリーインターサイエンス社発行、ジー、エ
イチ、ブラウン編、「ホトクロミズム」(1971年)
参照〕。このような化合物のうち、光幾何異性化に基づ
くホトクロミック化合物の例としては、アゾベンゼン、
インジゴ、アシルインジゴ、チオインジゴ、セレノイン
ジゴ、ペリナフトインジゴ、ヘミインジゴ、ヘミチオイ
ンジゴ、アゾメチンなどを、ヘテロリテイックな光開閉
環反応に基づくホトクロミック化合物の例としては、イ
ンドリノスピロベンゾピラン、インドリノスピロナフト
オキサジン、ベンゾチアゾリノスピロベンゾピラン、イ
ンドリノスピロベンゾチオピラン、スピロインドリジン
などを、光閉環反応に基づくホトクロミック化合物の例
としては、スチルベン、フルギドなど、をまた光互変異
性化反応に基づくホトクロミック化合物の例としては、
サリチリデンアニル、ο−ヒドロキシアゾベンゼン、ο
−ニトロ ベンジルなどをそれぞれ基本骨格とする化合
物を挙げることができる。この中で、紫外光照射に応答
してそれに隣接して存在する液晶分子の配向を容易に制
御しうるような分子構造の変化を生じるのに好適なの
は、4‐ヘキシル‐4′‐ω‐ヒドロキシアルキルアゾ
ベンゼンである。本発明において用いられるこのような
ホトクロミックな残基をもつ高分子は、あらかじめホト
クロミック単位を有する単量体を製造してから重合反応
に供して製造してもよいし、ホトクロミック化合物を公
知の反応によって高分子に結合してもよい(シーエムシ
ー社発行、入江正浩、「光機能性高分子の合成と応
用」、1984年、参照)。この場合、ホトクロミック
残基は高分子の主鎖に組み込まれていてもよいし、側鎖
に結合していてもよいが、紫外光による可逆的構造変化
を効率良くという面からは、ホトクロミック残基は側鎖
に結合している方がより好ましい。本発明に用いられる
ホトクロミック残基を有する高分子を与える基幹高分子
としては、ポリビニルアルコール、ポリイミド樹脂、ポ
リ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(メタ)アクリル
酸アミド、ポリ(L−グルタミン酸エステル)、ポリ
(L−リジン)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリア
ミド、ポリシロキサン、ポリスルホンなどをあげること
ができるが、ホトクロミック残基の導入が容易でしかも
高い導入率の高分子が得られるという点でポリ(メタ)
アクリル酸エステルが好ましい。これらの基幹高分子へ
のホトクロミック単位の導入率は、ホトクロミック単位
1つを含む高分子の構成単位の分子量からホトクロミッ
ク単位を減じた値に換算して0から500までの範囲に
なるように設定することが望ましい。これ以上の値、言
いかえるならば、これ以下の低い導入率では高分子の集
合構造の変化、言いかえればこれに積層した液晶層の配
向変化が認められなくなる。本発明の光学素子を製造す
るには、高分子を含む溶液の流延塗布かスピン塗布によ
って基板上に高分子層を形成した後に液晶を導入する
(実施例参照)。液晶の可逆的配向変化によって明瞭な
記録像を得るためには、液晶分子の長軸が一方向に向い
たホモジニアス配向をとることが望ましい。このために
は、ホトクロミック残基を持つ高分子の薄膜に異方性を
付与することが必要となる。これには、あらかじめ透明
基板自体をSiOなどの酸化物を斜め方向から蒸着させ
たり、あるいは、ラビング処理をほどこして表面を微細
に変形する方法が有効である。あるいは、高分子シート
のような基板であれば、あらかじめこれをラビング処理
または延伸処理するか,ホトクロミック残基をもつ高分
子で吸着薄膜を形成したのち延伸処理することもでき
る。次に、光により可逆的に構造変化を起こす高分子薄
膜上に設ける液晶層の液晶としては、従来知られている
ネマティック系、スメクティック系及びコレステリック
系の液晶物質の中から任意のものを選ぶことができる。
また、液晶物質としては低分子のみならず高分子のもの
も含まれることは言うまでもない。このような液晶物質
は、例えばエー・ベキン(A.Bequin)他著、
「モレキュラー・クリスタルズ・アンド・リキッド・ク
リスタルズ(Molecular Crystals
and Liquid Crystals)」、第11
5巻、第1ページに記載されている。高分子性液晶物質
は、例えば、アドバンシズ・イン・ポリマー・サイエン
ス(Advances in PolymerScie
nce)、第60/61巻(1984年)に掲載されて
いる。これらの液晶物質は、単独で用いてもよいし、ま
た2種以上混合して用いてもよい。
【0004】次に添付図面により本発明をさらに詳細に
説明する。第1図は本発明の基本構造を示す断面図で透
明基板1の上に、光により可逆的な集合構造変化を起こ
す高分子化合物薄膜2を設け、さらにこの上に液晶層3
を積層する。そして逸散や破損を防ぐために、この上を
さらに基板4で被覆している。この基板は透明であって
も不透明であっても良く、その表面に光により可逆的な
分子構造変化・集合構造変化を起こす高分子化合物層を
設けたものを用いることもできるし、液晶を表面に平行
に配列する作用をもつホモジニアス配向層や液晶を表面
に垂直に配列する作用をもつ垂直配向層などで被覆した
ものを用いることもできる。第2図は、本発明の好適な
実施態様の例を示す断面図であって、これは表面上にホ
トクロミック残基を有する高分子薄膜2を設けた2枚の
基板1の間に、液晶層を挟んだサンドイッチ構造を有し
ている。この図のIは光照射前、IIは短時間の光照射
後、IIIは長時間の光照射後の状態をそれぞれ示し、
Iではホトクロミック高分子薄膜の作用により液晶は基
板面に対して傾斜した配向(プラナー配向)をとる。次
にこの素子に光を短時間照射すると、ホトクロミック残
基が一部分子構造変化を起こすため薄膜の集合構造が変
化し、液晶は表面に対して垂直な配向(ホメオトロピッ
ク配向)をとる。さらに光照射を続けるとホトクロミッ
ク残基の変換率が高まり、変換後の分子構造の作用によ
って初期とは異なる傾斜角を持ったプラナー配向が達成
される。このようにして三安定型の応答を示す光制御光
学素子が機能する(実施例1参照)。液晶層の中にあら
かじめ二色性色素を溶解させておくことにより、偏光板
を用いることなく、色素の濃淡によって状態を読み出す
ことも可能である(実施例2参照)。二色性色素として
は、例えば、松村尚武、「染色工業」、第32巻、21
5ページ(1984)に記載されているものが用いられ
る。
【0005】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によりなんら限定されるも
のではない。 実施例1 4−ヘキシル−4’−ヒドロキシアゾベンゼンと11−
ブロモウンデカノールを、炭酸カリウム、18−クラウ
ン−6存在下、アセトン中で17時間還流した後エタノ
ールから再結晶し、4-ヘキシル−4’−(11−ヒド
ロキシウンデシルオキシ)アゾベンゼン(1)を得た。
エーテル中、トリエチルアミン存在下、メタクリル酸ク
ロリドとアゾベンゼン(1)との反応により4−ヘキシ
ル−4’−(11−メタクリロイルオキシウンデシルオ
キシ)アゾベンゼン(2)を得た。本アゾベンゼン
(2)を乾燥ベンゼンを溶媒,2,2’−アゾビス(イ
ソブチロニトリル)を開始剤とし脱酸素条件下でラジカ
ル重合して,式
【化1】 に示されるホトクロミック残基としてアゾベンゼン単位
を持つ高分子を得た。この高分子の1%ジオキサン溶液
を洗浄したガラス基板上に回転塗布し130℃で1時間
加熱処理しA1基板を得た。A1基板2枚に8μmのス
ペーサを含むシクロヘキサンカルボン酸フェニルエステ
ル系混合液晶(DON−103/ロディック社)をはさ
み、周辺をエポキシ樹脂で封じてサンドイッチ型セルを
構成した。光照射前のセルはプラナー配向であり、2枚
の直交偏光子間に置くとき明るい像を与えた。500W
水銀灯からの365ナノメートルの紫外光をわずかに照
射すると薄膜中にシスアゾベンゼンが生成し、ただちに
高分子薄膜の集合構造変化が行われる。と同時に液晶は
ホメオトロピック配向へと転じ直交する偏光子間で光を
透過しなくなった。さらに光照射を続けると薄膜中に高
濃度に生成したシスアゾベンゼンの作用によって液晶は
プラナー配向をとった。続いてこのセルに,同じく水銀
灯をフィルターカットして得られる440ナノメートル
の可視光を照射し薄膜中のシスアゾベンゼン濃度を低下
すると、液晶はまず中間状態のホメオトロピック配向
に、続いてプラナー配向へと順次戻った。図3はこの液
晶セルの光照射にともなう633ナノメートルにおける
直交偏光子間での透過率変化を示している。図中のI・
II・IIIはそれぞれ図2の3つの配向状態に対応し
ている。ここに示したように紫外光・可視光の交互照射
に伴う三安定な液晶配向変化は可逆的であって,何回も
繰り返し可能であった。 実施例2 実施例1で得られたホトクロミック残基を有する高分子
の薄膜を形成したA1基板2枚に、1重量%の二色性色
素(LCD118/日本化薬社)を含むシクロヘキサン
カルボン酸フェニルエステル系混合液晶(DON−10
3/ロディック社)を8μmのスペーサを介してはさ
み、周辺をエポキシ樹脂で封じてサンドイッチ型セルを
構成した。このセルは実施例1に記したような光照射に
ともなう三安定型の可逆的な配向変化と同時に、図4に
示したように二色性色素の吸光度においても三つの安定
状態をとった。
【0006】
【発明の効果】本発明の光学素子は、従来の光制御光学
素子に見られた長時間の光照射の必要性・液晶の流動に
よる光学特性の経時変化・低解像度といった欠点を克服
するものである。すなわち、高分子中のホトクロミック
残基のわずかな光反応が高分子全体の集合構造に変化を
与えるために短時間の光照射で応答し、基板上に設けた
上記高分子薄膜が液晶の配向を律するために液晶の流動
性に起因する経時的低下をもたらさない高解像の光学応
答を与えるものである。さらに長時間の光照射を行うこ
とによって液晶に第三の配向状態を与えることが可能
で、従って三安定型の光制御光学素子とすることができ
る。本発明の光制御光学素子は、並列光演算用空間光変
調素子、書換消去可能な光記録材料、光アドレス型の表
示などに好適に用いることができる。
【0007】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる光制御光学素子の基本構造を示
す断面図。
【図2】本光学素子の実施形態の一例を素子の断面で示
しており、光照射にともなう三状態の液晶配向変化I・
II・IIIをあらわしている。
【図3】実施例1における光学素子において、光照射に
ともなう直交偏光子間での透過率変化を示す図。
【図4】実施例2における光学素子において、光照射に
ともなう素子中の二色性色素の吸光度変化を示す図。
【符号の説明】
1=透明基板、2=ホトクロミック高分子層、3=液晶
層、4=基板、I=光照射前のプラナー配向状態、II
=短時間光照射後のホメオトロピック配向状態、III
=光照射後のプラナー配向状態。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に、ホトクロミック残基を有
    する高分子薄膜を介して液晶層を設けた積層構造体にお
    いて、該高分子薄膜として、通常は基板面に対し傾斜し
    た液晶分子配向を生じているが、短時間の紫外光照射に
    より基板面に対し垂直な液晶分子配向を、さらに長時間
    の紫外光照射により基板面に対し平行な液晶分子配向を
    生じ、かつ可視光の照射により上記と逆の順序で最初の
    基板面に対し傾斜した液晶分子配向に復元させることの
    できるものを用いたことを特徴とする三安定型光制御光
    学素子。
  2. 【請求項2】 ホトクロミック残基を有する高分子薄膜
    が、4‐ヘキシル‐4′‐ω‐ヒドロキシアルキルアゾ
    ベンゼンによりエステル化されたポリアクリル酸又はポ
    リメタクリル酸から成る請求項1記載の光学素子。
JP3168795A 1991-06-13 1991-06-13 三安定光制御光学素子 Expired - Lifetime JP2600089B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3168795A JP2600089B2 (ja) 1991-06-13 1991-06-13 三安定光制御光学素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3168795A JP2600089B2 (ja) 1991-06-13 1991-06-13 三安定光制御光学素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04366834A JPH04366834A (ja) 1992-12-18
JP2600089B2 true JP2600089B2 (ja) 1997-04-16

Family

ID=15874618

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3168795A Expired - Lifetime JP2600089B2 (ja) 1991-06-13 1991-06-13 三安定光制御光学素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2600089B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3401500B2 (ja) 2001-04-10 2003-04-28 科学技術振興事業団 光誘起スイッチング液晶デバイス

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61215542A (ja) * 1985-03-20 1986-09-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光記録媒体
JPS62247355A (ja) * 1986-03-18 1987-10-28 Daicel Chem Ind Ltd 光記憶材料
JPH02281235A (ja) * 1989-04-21 1990-11-16 Agency Of Ind Science & Technol 光記録材料
JPH03296041A (ja) * 1990-04-13 1991-12-26 Sanyo Electric Co Ltd 光記録媒体
JPH04340954A (ja) * 1991-05-17 1992-11-27 Seiko Epson Corp 感光体

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61215542A (ja) * 1985-03-20 1986-09-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光記録媒体
JPS62247355A (ja) * 1986-03-18 1987-10-28 Daicel Chem Ind Ltd 光記憶材料
JPH02281235A (ja) * 1989-04-21 1990-11-16 Agency Of Ind Science & Technol 光記録材料
JPH03296041A (ja) * 1990-04-13 1991-12-26 Sanyo Electric Co Ltd 光記録媒体
JPH04340954A (ja) * 1991-05-17 1992-11-27 Seiko Epson Corp 感光体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04366834A (ja) 1992-12-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5296321A (en) Photorecording element, method for production thereof, and the liquid crystal cell comprising the same
Ichimura Photoalignment of liquid-crystal systems
Simoni et al. Effects of light on molecular orientation of liquid crystals
Ikeda Photomodulation of liquid crystal orientations for photonic applications
Geue et al. Light-induced orientation phenomena in Langmuir− Blodgett multilayers
KR101066784B1 (ko) 액정 표시 소자
EP0819305B1 (en) Liquid crystal optical storage medium with gray scale
Fang et al. Photo-reversible liquid crystal alignment using azobenzene-based self-assembled monolayers: comparison of the bare monolayer and liquid crystal reorientation dynamics
WO2008001817A1 (en) Liquid crystal composition, liquid crystal optical element, and method for manufacturing liquid crystal optical element
JP4520314B2 (ja) 液晶表示素子
Ichimura Surface-assisted photoregulation of molecular assemblages as commander/soldier molecular systems
JP3163539B2 (ja) 液晶性配向膜、液晶性配向膜の製造方法及びそれを用いた光学素子
JPH047520A (ja) 液晶材料の配向方法
JPH0792567B2 (ja) 斜め光による液晶配向法
JPH0419615B2 (ja)
JPH0419614B2 (ja)
JPH07101265B2 (ja) 光学素子及びその製造方法
JP4676214B2 (ja) 液晶表示素子
JP2600089B2 (ja) 三安定光制御光学素子
JPWO2003021350A1 (ja) 光記録材料
JPH0444813B2 (ja)
Yamane et al. Laser-addressing rewritable optical information storage of (liquid crystalline side chain copolymer/liquid crystals/photo-responsive molecule) ternary composite systems
JPH05241151A (ja) 液晶配向方法と液晶光学素子
JP2002146353A (ja) 重合性円盤状モノマーから形成される高分子ネットワークを利用した液晶光学材料
JPH10333154A (ja) リオトロピック液晶の配向方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term