JPH04281B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、移送、調合、出荷等のシステムに代
表される、膨大な組合せロジツク及び条件により
シーケンス実行順序や関連するデータを変更する
必要のある、大規模で複雑なバツチプロセスの制
御装置をシーケンステーブルを用いて制御する場
合の改善に関する。

＜従来技術＞ 同一出願人の出願に係る特公昭55−39202号特
許公報には、シーケンステーブルを用いた制御装
置についての基本的な技術が開示されており、工
程を逐次実行する順序シーケンス、インタロツク
やモニタリング等の複雑な組合せシーケンスを簡
明に記述出来る方式としてシーケンステーブルを
用いる有利性が説明されている。

シーケンステーブルの構成例を第８図により説
明する。シーケンステーブル１において１０１は
ルール番号記入欄、１０２はステツプ番号記入
欄、１０３は操作開始条件（コンデイシヨンスタ
ブ）の記入欄、１０４は２値信号Ｙ，Ｎ及び空白
により記入される条件エントリー記入欄、１０５
は操作指令（アクシヨンスタブ）の入力欄、１０
６は２値信号Ｙ，Ｎ及び空白により記入される操
作エントリー記入欄、１０７は次ステツプ記入欄
である。各ステツプにおいて条件エントリーが満
足されたときに操作エントリーの信号が発生し、
次ステツプ記入欄で指定されたステツプに遷移す
る。

一方大規模なバツチ制御装置のシーケンス制御
に共通的な特徴は、 (1) タンク群間の移送系に代表されるような膨大
な組合せロジツクが含まれる。

(2) システム全体は多数のバツチシーケンスに分
解され、これらが系内で複数個同時進行する。

(3) 上記単位シーケンスがシリアルに実行され、
１つのまとまつた操業として完成する場合もあ
る。

(4) 食品プロセスにおけるCIP（洗浄）のごとく
プロセス全体を対象とするシーケンス処理が含
まれる。

(5) 需要に応じてタンク、配管等設備の増設、改
造が頻繁に行なわれる。

このように大規模なバツチプロセスには共通の
特徴や難しさがある。シーケンステーブルを用い
てこのような大規模なバツチ制御に対処する方式
の一つを第９図で説明する。これはシーケンステ
ーブルのダウンロード方式と呼ばれる方式であ
る。２はマンマシン機能を有するオペレーターズ
ステーシヨン、３はフイールドのシーケンス要素
との情報交換を行なうフイールドコントロールス
テーシヨン、４はこれらステーシヨンを結ぶ通信
回線、５はオペレーターズステーシヨン側に設け
られた磁気デイスク等の大容量の記憶手段、５０
１はシーケンステーブルのフアイルエリヤ、６₁，
…６_oは組合せの異なるシーケンス毎に記入され
た複数のシーケンステーブル、７はフイールドコ
ントロールステーシヨン内における実行中のシー
ケンステーブルのフアイル手段であり、１つのシ
ーケンステーブルの実行が終了することにオペレ
ーターズステーシヨン側より次に実行するシーケ
ンステーブルがフイールドコントロールステーシ
ヨン側のフアイルにダウンロードされる。

このようなシーケンスダウンロード方式は、組
合せ数が膨大になるとフアイルすべきシーケンス
テーブル数も多くなり、記憶手段５に確保されて
いるフアイルのエリヤにおさまり切れなくなる場
合も発生し、またこのテーブルを作成する作業も
煩雑で、ミス発生の危険も大きいという問題があ
る。

シーケンスダウンロード方式以外の対処方法と
しては汎用言語による個別のプログラミングによ
る処理も考えられるが、レベルの高いプログラミ
ングを必要とし、汎用性にも乏しく、マンパワー
面、メンテナンス面で問題がある。

＜発明が解決しようとする問題点＞ 本発明は、大規模なバツチにおけるシーケンス
を単位シーケンス（以下ジヨブという）に集合と
してとらえ、その属性をジヨブフアイル（数値デ
ータとロジツクの集合）としてまとめ、このジヨ
ブフアイルの解釈と実行をシーケンステーブルに
より行なうという、一般性のある手法で従来の問
題点を解決したバツチ制御装置の実現を目的とす
る。

＜問題点を解決するための手段＞ 本発明の構成上の特徴は、シーケンステーブル
を用いるバツチ制御装置において、単位シーケン
スの選択／起動を行なうマンマシン手段と、ジヨ
ブナンバーをキーとしてジヨブの属性毎に当該ジ
ヨブにおける上記シーケンステーブルのスタブデ
ータを含むデータを記憶保持するジヨブフアイル
手段と、上記マンマシン手段よりのジヨブ選択／
起動情報に基づき当該ジヨブのジヨブナンバーの
フアイルを上記ジヨブフアイルより読出すと共
に、通信回線を介してフイールドコントロールス
テーシヨン側にダウンロードする管理プロセツサ
手段と、上記フイールドコントロールステーシヨ
ン側において上記管理プロセツサ手段からダウン
ロードされる上記ジヨブフアイルを保持する実行
中ジヨブフアイル手段及びこの手段よりスタブデ
ータを含むデータが与えられるシーケンステーブ
ルと、このシーケンステーブルに従つてフイール
ドのシーケンス要素を駆動し又は情報を受けるシ
ーケンスを実行手段とを具備した点にある。

＜作用＞ ジヨブの指定／起動（例えばタンクNo.の
from／to）情報に基づいて指定ジヨブはジヨブ
ナンバー（１個又は複数個）に変換され、当該ジ
ヨブナンバーのフアイルがジヨブフアイル手段よ
り読出されて順次フイールドコントロールステー
シヨン側の実行中ジヨブフアイルにロードされ
る。実行中ジヨブフアイルのデータはシーケンス
テーブルより参照され、テーブルのあらかじめ記
述されている条件エントリー、操作エントリーロ
ジツクに従つてシーケンスが実行手段を介して進
行する。

＜実施例＞ 第１図に基づき本発明装置の一実施例を説明す
る。通信回線４によりオペーターズステーシヨン
側OSとフイールドコントロールステーシヨン側
FCに区分される。オペレーターズステーシヨン
側において、８はマンマシン手段、８０１はマン
マシン手段の主要部をなすCRT表示及びキーボ
ードで、ジヨブの選択／起動の指令、ジヨブの状
態表示、ジヨブフアイルの作成、保守等を行な
う。８０２は実績の印字等を行なうプリンタであ
る。

９はジヨブフアイル手段で、ジヨブの属性毎に
ジヨブナンバーをキーとしてまとめられた複数の
ジヨブフアイル群９₁，９₂，…９_oにより形成さ
れ、各ジヨブフアイルは、シーケンステーブルに
設定するロジツクデータ、数値データ、設定アド
レス情報を有する。

１０は管理プロセツサ手段で、選択／起動され
たジヨブをジヨブナンバーに変換するジヨブナン
バー変換機能１０１、この変換機能よりのジヨブ
ナンバー情報に基づいてジヨブフアイル手段９よ
り当該ナンバーのジヨブフアイルにアクセスし、
これを読出して通信回線４に与えるアクセス／ダ
ウンロード機能１０２、又ジヨブナンバーが複数
個にわたるときに待行列で管理するジヨブ待行列
管理機能１０３よりなる。尚アクセス／ダウンロ
ード機能１０２は、ジヨブフアイルの新規作成及
び保守の際にもジヨブフアイルにアクセスする機
能を有する。１０４は通信回線４を介してフイー
ルド側より与えられる実績データの収集機能であ
る。

フイールドコントロールステーシヨンFC側に
おいて、１１，１２，１３はバツチ制御の基本要
素例えば計量、移送、ブレンドの３要素に区分さ
れたフイールドコントロールステーシヨン、１１
１，１２１，１３１は各フイールドコントロール
ステーシヨン内に形成された実行中ジヨブフアイ
ル手段で、並列処理を実行する必要がある場合は
複数のフアイルで形成される。この実行中ジヨブ
フアイルはオペレーターズステーシヨン側より通
信回線を介してダウンロードされたジヨブフアイ
ルのデータを保持し又はフイールド側よりのデー
タを収集する機能を有し、バツチデータ設定機
能、バツチデータ収集機能、シーケンステーブル
のスタブデータ保持機能等よりなる。

１１２，１２２，１３２は各フイールドコント
ロールステーシヨン内に形成され、基本的シーケ
ンスパターンが記述されているシーケンステーブ
ルで、実行中ジヨブフアイルよりスタブデータ、
ロジツクデータを参照する。１１３，１２３，１
３３は同じく各フイールドコントロールステーシ
ヨン内に形成されたフイードバツク制御機能で、
実行中ジヨブフアイルより数値データがセツトさ
れる。

１４はフイールドコントロールステーシヨン１
１，１２，１３のシーケンステーブル又はフイー
ルドバツク機能よりの情報に基づき、フイールド
のシーケンス要素１５へ操作信号を供給し又は状
態情報を受けてフイールドコントロールステーシ
ヨン側にアンサーバツクするためのシーケンス実
行手段であり、基本要素例えば１４１（計量）、
１４２（移送）、１４３（ブレンド）に区分され
フイールドコントロールステーシヨン１１，１
２，１３と各々情報交換を行なう。

１６，１７は各フイールドコントロールステー
シヨンのシーケンステーブル１１２と１２２，１
２２と１３２間の情報交換を行なうための交信機
能を表わす。

以上のごとき構成による本発明装置の動作例
を、複数タンク間の移送ジヨブの例で説明する。

第２図は共通の移送ラインＬに挿入されたポン
プＰにより、ポンプの左側の移送ラインに元弁を
介して並列に接続された５個の送りタンクT₁，
T₂，…T₅より、ポンプの右側の移送ラインに入
口弁を介して並列に接続された４個の受タンク
R₁，R₂…R₄に流体を移送する構成を示す。LI001
〜LI005は各送りタンクのレベル信号で、LOが送
り終了情報となる。DO001〜DO005は各送りタ
ンクの元弁の開閉信号で、開はＹ、閉はＮのロジ
ツクで表わされる。DO101〜DO104は受タンク
の入口弁の開閉信号で、開はＹ、閉はＮのロジツ
クで表わされる。DO２００はポンプＰの動作信
号で、駆動はＹ，、停止はＮのロジツクで表わさ
れる。移送はT₁よりR₁〜R₄へ、T₂よりR₁〜R₄、
…T₅よりR₁〜R₄への移送の各組合せ、即ち５×
４＝20のジヨブで１つの移送ジヨブを形成する。

第３図はジヨブフアイルの構成例を示し、デー
タフアイルとアドレスフアイルとで構成されてい
る。アドレスフアイルはシーケンステーブルのコ
ンデイシヨンスダブ、アクシヨンスタブ等のアド
レスが記入され、データフアイルのアドレスポイ
ンタで参照される。

データフアイルはジヨブナンバー１，２，３，
…ｉ，…毎に各ジヨブのデータ及びスタブの起述
を参照するためのアドレスを指定するアドレスポ
インタ情報が記入されている。

第２図の移送ジヨブは、ジヨブナンバｉより
（ｉ＋19）の20ジヨブの集合で、各ジヨブナンバ
ー毎にデータフアイルにコンデイシヨン／アクシ
ヨンスタブ等が起述され、アドレスポインタはい
ずれもｊを指定している。

ジヨブナンバーｉについてのシーケンスを取出
して説明する。データフアイルの記述はLI001，
LO、DO001，DO101及びアドレスポインタ情報
ｊである。アドレスフアイルのｊ番目はシーケン
ステーブルコンデイシヨンスタブ保持アドレス
CIS01、１アクシヨンスタブ保持アドレスAIS10，
１，AIS10，２が記入されている。この記入はシ
ーケンステーブルにおいて間接参照の記述を意味
し、CIS01，１の記述に基づきコンデイシヨンス
タブの内容をLI001，LOとすると共に、ASI10，
１，ASI10，２の記述に基づきアクシヨンスタブ
の第１番目と第２番目の内容をDO001及び
DO101とする。

第４図は実行中ジヨブフアイル１２１、シーケ
ンステーブル１２２の構成を示す。

シーケンステーブル１２２は、移送に関する基
本的シーケンスパターンのコンデイヨンスタブ及
び条件エントリーの記述、アクシヨンスタブ及び
操作エントリーの記述があらかじめなされてお
り、第１ステツプでは起動SW001のＹの成立で
アクシヨンスタブAIS10，１、AIS10，２、
DO200の操作信号Ｙが発信される。この内
AIS10，１、AIS10，２は間接参照を意味する記
述であり、実用中ジヨブフアイルが参照される。
第２ステツプではコンデイシヨンスタブの
CIS01，１のＹの成立でAIS0，１、AIS10，２、
DO200、SW001の操作信号Ｎが発信される。こ
の内CIS10，１はAIS10，１、AIS10，２と同様
に間接参照を意味する記述であり、実行中ジヨブ
フアイルが参照される。SW001はシーケンスの
起動フラグを参照するスタブで、ジヨブフアイル
のダウンロードが終了した時点で管理プロセツサ
側から“１”にセツトされるフラグを参照する。

第２ステツプが終了すると次ステツプの指示情
報で再び第１ステツプに戻り、次のジヨブナンバ
ーのデータに基づくシーケンスが実行中ジヨブフ
アイルにダウンロードされて実行指令が行われる
のを待つ。各ジヨブナンバーにおけるパラメータ
により、実行中ジヨブフアイルの間接参照の内容
が書き換えられ、条件エントリー、操作エントリ
ーはシーケンステーブルにあらかじめ書かれた２
値情報に基づいて決定される。

このように構成すれば、組合せ数の多い移送の
バツチをシーケンステーブルの構成を複雑にする
ことなく、１個のシーケンステーブルに基本的な
移送シーケンスパターンを記述するのみで実現で
きる。

第５図は上記移送バツチのシーケンス制御の操
作手順をフローチヤート的に示した説明図であ
り、当該ジヨブナンバーのダウンロードが終了す
ると起動フラグがセツトされてSW001のＹが成
立してシーケンスの実行がスタートし、終了まで
の各種情報がマンマシン手段のデータ収集機能を
介して表示又はプリントされる。

第６図、第７図はダウンロードされるジヨブフ
アイルの構成の他の実施例を示す。第６図は移送
系の実際的な他の例を示し、複数の移送ライン
L₁，L₂，…L_jにより複数の送りタンクT₁，T₂，
…T_iより複数の受タンクR₁，R₂，…R_kに流体を
移送する。

第７図はジヨブフアイルの構成例を示し、ジヨ
ブフアイルは送り側のデータフアイルと受け側の
データフアイルに区分され、各データフアイルは
移送ライン系統ｊ毎に持ち、タンク番号ｉ，ｋに
よつて変える要素をまとめて配列する。各データ
フアイルにはアドレスフアイルを対応させ、これ
により移送ライン系統ｊを指定させる。

フイールドコントロールステーシヨン側におけ
るシーケンステーブル１２２の構成も移送ライン
系統ｊ毎に用意し、更に間接参照を行なう実行中
ジヨブフアイル１２１も移送ライン系統ｊ毎に用
意する。

このように構成することにより、アドレスフア
イルによる系統ｊ毎にその系統の送り側データフ
アイル及び受側データフアイルの内容が、ダウン
ロード実行機能を介してフイールドコントロール
ステーシヨン側の実行中ジヨブフアイルにダウン
ロードされ、系統毎のシーケンスが実行される。
この場合実行中ジヨブフアイル及びシーケンステ
ーブルはライン系統毎に独立しているので、複数
の移送ラインを並行的にバツチ制御することが可
能である。

＜効果＞ 以上説明したように、本発明によれば次のよう
な効果が期待できる。

(1) 大容量のフアイル手段を有する管理プロセツ
サ側に複雑な組合せに関するパラメータをジヨ
ブフアイルとして持ち、シーケンスの時行時に
これをフイールドコントロールステーシヨン側
にダウンロードすることにより、フイールドコ
ントロールステーシヨン側の能力（メモリ容
量、シーケンステーブル枚数など）に拘束され
ることなく大量の組合せのあるバツチ制御を安
価に実現することができる。

(2) システムの設計、製作が一般性のある手法
（ジヨブフアイルの作成と間接シーケンステー
ブルによる間接参照）で行なうことができるの
で、マンパワー面、メンテナンス面で従来方式
に比較して格段に有利となる。

(3) ジヨブフアイルは大容量フアイルとして作成
されるので、フアイル手段にゆとりを持たせる
ことが容易であり、従つて設備の増設、改造時
もシーケンスの基本パターンが変らなければジ
ヨブフアイルの内容変更、増加のみで対応する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す全体構成図、
第２図は複数タンク間の移送システムの一例を示
す構成図、第３図は移送ジヨブにおけるジヨブフ
アイルの一例を示す構成図、第４図は移送ジヨブ
のシーケンステーブルの一例を示す構成図、第５
図は移送ジヨブにおける操作手順を示すフローチ
ヤート、第６図は移送システムの他の例を示す構
成図、第７図は第６図の移送システムにおけるジ
ヨブフアイルの実施例を示す構成図、第８図は本
発明で用いられるシーケンステーブルの基本的構
成図、第９図は従来のダウンロード方式の構成図
である。 ４……通信回線、８……マンマシン手段、９…
…ジヨブフアイル手段、１０……管理プロセツサ
手段、１１，１２，１３……フイルドコントロー
ルステーシヨン、１１１，１２１，１３１……実
行中ジヨブフアイル、１１２，１２２，１３２…
…シーケンステーブル、１４……シーケンス実行
手段、１５……シーケンス要素。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ シーケンステーブルを用いるバツチ制御装置
   において、単位シーケンス（以下ジヨブという）
   の選択／起動を行なうマンマシン手段と、ジヨブ
   ナンバーをキーとしてジヨブの属性毎に当該ジヨ
   ブにおける上記シーケンステーブルのスタブデー
   タを含むデータを記録保持するジヨブフアイル手
   段と、上記マンマシン手段よりのジヨブ選択／起
   動情報に基づき当該ジヨブのジヨブナンバーのフ
   アイルを上記ジヨブフアイルより読出すと共に、
   通信回線を介してフイールドコントロールステー
   シヨン側にダウンロードする管理プロセツサ手段
   と、上記フイールドコントロールステーシヨン側
   において上記管理プロセツサ手段からダウンロー
   ドされる上記ジヨブフアイルを保持する実行中ジ
   ヨブフアイル手段及びこの手段よりスタブデータ
   を含むデータが与えられるシーケンステーブル
   と、このシーケンステーブルに従つてフイールド
   のシーケンス要素を駆動し又は情報を受けるシー
   ケンス実行手段とを具備したバツチ制御装置。