JPH042783Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、ネジ締めに使用する電気ドライバ
ーの為のスタンドに関する。

（従来の技術） 従来電気製品、カメラ等の組立工程において、
流れ作業をするため作業台上で作業員が電気ドラ
イバーを使用している。従前ではこの組立作業に
使用する電気ドライバーは、作業台上に横向きに
寝かせておくか、又は天井からひもで吊つている
か又は伸縮自在となる装置を付属させたひもで吊
つているかして使用していた。

（考案が解決しようとする課題） 電気ドライバーは、その使用に際して、作業台
に対して垂直に保持されていなければならない。
即ち電気ドライバーが傾斜していれば、このドラ
イバーとネジの頭との係合が充分でなく、ネジの
浮きとかネジバカを生じてしまう。従前の手段の
ように、電気ドライバーを作業台上に置いておく
だけ、あるいは電気ドライバーを天井からひもで
吊つているだけでは、ドライバーを作動させると
き、ドライバーを垂直に維持させることは困難で
ある。従つてベテランの作業者でも個人個人のく
せによつてネジの浮きあるいはネジバカを生じる
ことがあり、ましてや経験の浅い作業者ではドラ
イバーを垂直にすることはきわめて困難である。
加えて作業者は上記電気ドライバーの重量の全て
を受けることになるので、疲労が多く好ましくな
い。

この考案は、上記の点に鑑み、電気ドライバー
を常に垂直の状態で使用することができるように
し、更に電気ドライバーの重量の全てが作業者の
手に加わることなく、初心者でも楽に而も正確に
ネジ締め作業行うことができるようにし、加えて
特に作業者が電気ドライバーから手を離せば、電
気ドライバーが常に定まった位置に自動的に復帰
して、不作動状態では定位置に置かれ、次に作業
者が作業をする場合、電気ドライバーを直視しな
くとも迅速且つ正確に電気ドライバーを把持する
ことができるようにし、作業能率を高める新規な
電気ドライバースタンドを提供することを目的と
する。

（課題を解決するための手段） この為にこの考案では、基板上に起立させた円
柱にブツシユを回転且つ上下動可能に装備し、該
ブツシユに水平第１アームを固定し、この水平第
１アームの先端に水平第２アームをピン連結し、
この水平第２アームの先端に電気ドライバーホル
ダーを同じくピン連結し、上記アーム付ブツシユ
をスプリングによつて支持させると共に、該ブツ
シユに回転復元力を付与する一方、基板上に電気
ドライバーホルダーを装着された電気ドライバー
を定位置に停止させるストツパーを設置してなる
ことを特徴とするものである。

そして上記ストツパーの形状を二叉形状にする
ことが好ましい。又このストツパーの位置を調節
可能とすることができる。又公知のビス自動供給
装置を基板上に固設し、このビス自動供給装置の
ビス供給位置上に電気トライバーのビツトが停止
するよう該ビス自動供給装置上に上記ストツパー
を固定すればよいし、又このストツパーの形状を
二叉形状にすればきわめて好ましい。

（作用） 作業者が電気ドライバーを把持している手を離
せば、その電気ドライバーはブツシユに付与され
た回動復元力によつて、自動的に停止位置方向に
移動される。そしてこの電気ドライバーはストツ
パーによつて停止され、常に定まつた停止位置に
置かれる。

（実施例） 以下図面に示した実施例により本考案の詳細を
説明する。

図中１が基板で、作業台（図示せず）上に載置
し、この基板１上に加工品を載せて作業する。こ
の基板１上の端の位置に円柱起立金具２をボル
ト・ナツトで固定し、この金具２に円柱３を起立
させてある。この円柱３の中間位置にバネストツ
パー４を固定してあり、巻きバネからなるスプリ
ング５の下端を止めてある。

図中６が円柱３の上部に回転且つ上下動可能に
装着したブツシユで、図示しないボールスラスト
軸受を介して装備してあり、スプリング５によつ
て支持され、このスプリング５の拡圧弾力に抗し
て下動するようにしてある。又このスプリング５
には捻じり力が与えてあり、ブツシユ６に対して
平面からみて反時計方向への回転復元力を付与し
てある。

上記ブツシユ６には水平第１アーム７を水平に
固定してあり、この水平第１アーム７の先端に水
平第２アーム８をピン連結９してある。このピン
連結９は、このピン連結位置できわめて円滑に回
動するよう、ラジアル玉軸受とスラスト玉軸受を
介在させてある。

更に図中１０が電気ドライバーホルダーで、上
記水平第２アーム８の先端にピン連結１１してあ
り、上記第１アームおよび第２アーム間のピン連
結同様ラジアル玉軸受及びスラスト玉軸受を介在
させ、ホルダー１０が第２アーム８に対してきわ
めて円滑に回転できるようにしてある。

そしてこの電気ドライバーホルダー１０に電気
ドライバー１２を垂直に固定してある。

図示した実施例では、円柱３を基板１の奥の左
端に起立させてあり、同じく基板１の奥の右側に
ストツパー１３を設置してある。このストツパー
１３は、図示する通り、二叉形状をしており、そ
の基部に電気ドライバー１２のビツトを受け入れ
るスリツト１４を形成してある。そしてこのスト
ツパー１３は、その二叉の拡開した方向を前方に
向けて、復元する電気ドライバー１２のビツトの
受入れを良好としてある。

上記ストツパー１３は、第２図に詳細に示して
ある通り、基板１に形成されたＬ字形の取付長孔
にＬ字形に形成した取付金具１６を位置調節可能
にボルト止めし、該取付金具１６に形成した長孔
１７にストツパー１３の取付片１７をボルト止め
してある。

第４図に、基板１上にビス自動供給装置１８を
固設し、このビス自動供給装置に上記ストツパー
１３を固定した実施例が示してある。ビス自動供
給装置１８には公知の装置が用いられる。このビ
ス自動供給装置１８にはビス供給道１９が設けら
れ、このビス供給道の先端に出入自在のストツパ
ー２０が設けられ、このストツパーによつてビス
供給位置２１が決められ、ここに自動的にビス２
２が位置付けられている（第５図示）。

そしてこのビス自動供給装置１８には、ストツ
パー取付片２３が設けられ、これにストツパー１
３が取付けられる。ストツパー１３は第６図に示
すように二叉状になしてありその基部にスリツト
１４が形成され、このスリツトの奥の位置が上記
ビス供給位置２１の直上に位置するようにしてあ
る。即ち自動的に復元した電気ドライバー１２の
ビツトが該スリツト１４内に導かれ、自動的に供
給されるビス２２の直上に位置付けられるように
してある。

第７図乃至第９図には、ブツシユ６及びアーム
の支持手段又は回動復元手段の他の実施例が示し
てあり、図中第１図乃至第６図と統一の符号を付
した部材は同一の部材を示してある。

第７図に示す実施例では、スプリング５に捻じ
り力を与えておらず、拡圧弾力だけを与えてお
り、ブツシユ６の回動復元力はカム作用によつて
与えてある。即ちブツシユ６に傾斜カム２４を形
成し、円柱３の頂部に固着した傾斜カム２５との
共働によつてブツシユ６を回動復元するようにし
てある。

第８図に示した実施例は、ブツシユ６をスプリ
ングの上に載せて支持するのではなく、スプリン
グ２６によつてブツシユ６を吊り下げて支持する
ものである。即ち円柱３の頂部にスプリング係止
リング２７を固定してこれにスプリング２６の上
端を係止し、スプリング２６の下端をブツシユに
係止して支持したもので、このスプリング２６に
ブツシユ６の回動復元力を与えるため捻じり力が
与えられている。

次ぎに第９図に示す実施例は、円柱３の頂部に
固定アーム２８を取付け、この固定アーム２８の
先端と第２アーム８の中間位置との間に牽引スプ
リング２９を架け渡して該ブツシユ６及び第１，
２アーム７，８を支持し、且つこれらの回動復元
力をも与えているのである。

上記の通りの構成からなる本考案スタンドを使
用してネジ締め作業をする場合には、加工品を基
板１上に置き、作業者が電気ドライバー１２を把
持して作業すれば、円柱３を中心とする回動方向
並びに前後方向については、ブツシユ６の回動並
びに各ピン連結点での回動によつて、何れの個処
にもきわめて軽く円滑に電気ドライバー１２を動
かすことができ、而もその動きは電気ドライバー
１２を常に垂直状態を維持したまま動かすことが
できる。

このようにして電気ドライバー１２をネジ締め
の直上位置に位置付け、電気ドライバー１２を把
持したまま下げると、スプリング５の弾力に抗し
て電気ドライバー１２が垂直状態を維持したまま
下動し、ネジ締めを正確に行うことができる。

そこで作業者が把持している電気ドライバー１
２を、第１、第２のアーム７，８を一直線上に位
置するようにして手から離すと、スプリング５の
復元力によつて上昇すると同時に回動復元力によ
つて、円柱３を中心にして旋回回動し、そのビツ
トが二叉のストツパー１３に案内されてスリツト
１４まで入り込んで停止する。従つて不作業状態
では、常にこの停止位置に電気ドライバーが位置
することになり、次の作業をする場合電気ドライ
バーを直視することなく、感によつてこれを把持
することができる。

同様に第４図に示すようにビス自動供給装置１
８を使う場合には、電気ドライバー１２を自動的
にビス供給位置２１の直上に置くから、次の作業
の際には、その場所で電気ドライバー１２を下げ
れば、ビツトの先にビスを自動的に付着させるこ
とができ、作業を能率的にすることができる。

（考案の効果） 叙上の如く本考案では、電気ドライバーを回動
復元するようにし、ストツパーを設けて復元位置
を定めてあるから、常に不作業状態における位置
決めがなされ、次の作業を迅速に行えるようにし
得た効果を有する。

又ストツパーを二叉構造にしたことによつて、
電気ドライバーの定位置への復元を円滑にするこ
とができる。

更にストツパーの位置を調節することができる
ようにしたから、復元位置を好ましい位置に調節
することができて好ましい。

加えてビス自動供給装置を用いたものでは、電
気ドライバーのビツト先端へのビス取付けも自動
化することができ、作業能率を高めることができ
て効果的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案電気ドライバースタンドの好ま
しい実施例を示す斜視図、第２図はストツパー部
分の分解斜視図、第３図はブツシユの回動復元支
持構造を示す分解斜視図、第４図はビス自動供給
装置を使用した別の実施例を示す斜視図、第５図
はビス自動供給装置の要部の斜視図、第６図は二
叉構造のストツパーの平面図、第７図乃至第９図
は夫々ブツシユの回動復元支持構造の他の実施例
を示す分解斜視図である。 １……基板、３……円柱、５……スプリング、
６……ブツシユ、７……水平第１アーム、８……
水平第２アーム、９……ピン連結、１０……電気
ドライバーホルダー、１１……ピン連結、１２…
…電気ドライバー、１３……ストツパー、１８…
…ビス自動供給装置、２１……ビス供給位置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 基板上に起立させた円柱にブツシユを回転且
   つ上下動可能に装備し、該プツシユに水平第１
   アームを固定し、この水平第１アームの先端に
   水平第２アームをピン連結し、この水平第２ア
   ームの先端に電気ドライバーホルダーを同じく
   ピン連結し、上記アーム付ブツシユをスプリン
   グによつて支持させると共に、該ブツシユに回
   転復元力を付与する一方、基板上に電気ドライ
   バーホルダーに装着された電気ドライバーを定
   位置に停止させるストツパーを設置してなるこ
   とを特徴とする電気ドライバースタンド。 (2) 上記ストツパーの形状を二叉形状にしてある
   請求項(1)記載の電気ドライバースタンド。 (3) 上記ストツパーの位置を調節可能としてある
   請求項(1)又は(2)記載の電気ドライバースタン
   ド。 (4) 電気ドライバーの停止位置の基板上にビス自
   動供給装置を固設し、このビス自動供給装置の
   ビス供給位置上に電気ドライバーのビツトが停
   止するよう該ビス自動供給装置上に上記ストツ
   パーを固定してあることを特徴とする請求項(1)
   記載の電気ドライバースタンド。 (5) 上記ストツパーの形状を二叉形状にしてある
   請求項(4)記載の電気ドライバースタンド。