JPH04277601A - バリスタ部品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子機器、特にデジタ
ル機器等をサージ（異常電圧）から保護したり、誤動作
を防止するためのバリスタ部品に関する。

【０００２】

【従来の技術と課題】一般に、電子機器（特に、デジタ
ル機器等）をサージから保護したり、サージによる電子
機器の誤動作を防止するためにバリスタ部品が使用され
ている。ところで、バリスタ電圧が高いバリスタ部品は
、電子機器をサージから保護する性能やサージによる電
子機器の誤動作を防止する性能が劣り、電子機器の保護
や誤動作防止に対して充分満足できるものではなかった
。

【０００３】一方、バリスタ電圧の低いバリスタ部品は
、電子機器の保護や誤動作防止に対して優れた性能を発
揮するが、高電圧のサージが侵入した場合、バリスタ部
品自体が熱破壊する心配があった。そこで、本発明の課
題は、電子機器の保護や誤動作防止に対して優れた性能
を発揮し、しかも、高電圧のサージに対して熱破壊しな
いバリスタ部品を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、本発明に係るバリスタ部品は、バリスタ電圧の異な
る少なくとも２個のバリスタが内蔵されており、バリス
タ電圧の高い方のバリスタが前記入力電極側に電気的に
接続され、バリスタ電圧の低い方のバリスタが前記出力
電極側に電気的に接続されることを特徴とする。

【０００５】

【作用】以上の構成において、高電圧のサージが入力電
極からバリスタ部品に侵入すると、バリスタ電圧の高い
方のバリスタがこのサージを吸収して、バリスタ部品自
体が熱破壊されるのを防止する。また、バリスタ電圧の
高い方のバリスタで吸収できなかった低電圧のサージは
、バリスタ電圧の低い方のバリスタによって完全に吸収
される。

【０００６】

【実施例】以下、本発明に係るバリスタ部品の実施例を
添付図面を参照して説明する。 ［第１実施例、図１〜図４］図１は積層型チップバリス
タの分解斜視図である。基材シート１，２，３，４，５
はＺｎＯ，ＢａＴｉＯ３，ＳｒＴｉＯ３等を主成分とし
た粉末を含有した有機バインダを混練し、これをシート
状にしたものである。基材シート１，２，４，５の上面
には、それぞれバリスタ電極１０、バリスタ電極１１，
１２、バリスタ電極１３，１４、バリスタ電極１５が印
刷等の手段にて設けられている。これらの電極１０〜１
５にはＡｇ，Ａｇ−Ｐｄの導電ペースト等を使用する。

【０００７】積層された状態では、電極１０と１１の間
にバリスタ電圧Ｖ（ｃ）を有するバリスタ２２が形成さ
れ、電極１２と１３の間にバリスタ電圧Ｖ（ａ）を有す
るバリスタ２４が形成され、電極１４と１５の間にバリ
スタ電圧Ｖ（ｂ）を有するバリスタ２６が形成されてい
る。電極１２，１３は電極１０，１１，１４，１５より
広面積に設計され、サージによる熱破壊が生じにくい構
造にされている。

【０００８】また、電極１１と１２の間及び電極１３と
１４の間は、それぞれ幅の狭い導体パターン１６，１７
にて電気的に接続されている。この導体パターン１６，
１７に発生するインダクタンスは、それぞれ電極１１，
１２、電極１３，１４に発生するインダクタンスに加算
され、バリスタの入出力電極間のインダクタンスをアッ
プさせる。

【０００９】こうして準備された基材シート１〜５は積
み重ねられ、保護シート８にて挟まれた後、一体的に圧
着成形され、図２に示すように、積層体２０とされる。 この積層体２０の左寄りの奥側及び手前側に、入力電極
Ｔ（１），Ｔ（２）がそれぞれ電極１３、電極１２に導
通するように設けられている。同様にして、出力電極Ｔ
（３），Ｔ（４）が、それぞれ積層体２０の右寄りの奥
側及び手前側に、電極１４、電極１１に導通するように
設けられている。さらに、グランド電極Ｇ（１）が積層
体２０の右端部に電極１０，１５に導通するように設け
られている。

【００１０】図３は、このバリスタ部品の等価電気回路
図である。ここに、Ｌ（１）は電極１３，１４及び導体
パターン１７の合成インダクタンス、Ｌ（２）は電極１
１，１２及び導体パターン１６の合成インダクタンスで
ある。基材シート１〜４の厚みが全て等しい場合、各バ
リスタ２２，２４，２６のバリスタ電圧Ｖ（ｃ），Ｖ（
ａ），Ｖ（ｂ）は、

【００１１】

【数１】

【００１２】の関係になる。また、バリスタ電圧Ｖ（ａ
）は、基材シート２と４の間に積層される基材シート３
の枚数を増やしたり、基材シート２及び３の厚みを変え
ることによって調整できる。このバリスタ部品の入力電
極Ｔ（１）又はＴ（２）に高電圧のサージが印加される
と、バリスタ２４がこのサージを吸収する。そして、そ
の高いバリスタ電圧Ｖ（ａ）によって部品自体が熱破壊
されるのを防止する。従って、高電圧のサージは、出力
電極Ｔ（３）又はＴ（４）から出力されない。

【００１３】一方、低電圧のサージが入力電極Ｔ（１）
又はＴ（２）に印加されると、このサージはバリスタ２
２，２６によって完全に吸収される。従って、低電圧の
サージも出力電極Ｔ（３）又はＴ（４）から出力されな
い。こうして、電子機器の保護や誤動作防止に対して優
れた性能を発揮し、しかも、高電圧のサージに対して熱
破壊しないバリスタ部品が得られる。

【００１４】また、バリスタ部品は基材にＺｎＯ系等の
高誘電率材料を採用すれば、その誘電率特性によって電
磁干渉フィルタとしての機能も兼ね備えたものになる。 そして、本実施例のバリスタ部品のように異なる容量値
を有することによって、図４に示すように、高周波領域
でのノイズ除去効果をアップすることができる。図４は
、バリスタ部品の挿入損失特性を従来のバリスタ部品と
比較して示すグラフである。実線２７は本実施例のバリ
スタ部品の挿入損失特性を示すものである。点線２８は
従来のバリスタ部品の挿入損失特性を示すものである。 本実施例のバリスタ部品は高周波領域において従来のも
のより挿入損失が大きくなっており、ノイズ除去効果が
アップしていることが示されている。

【００１５】［第２実施例、図５〜図７］図５は、第２
実施例の分解斜視図である。基材シート３１，３２，３
３の上面には、それぞれバリスタ電極４０，４２、バリ
スタ電極４３、バリスタ電極４１が設けられている。積
層された状態では、電極４０と電極４１の間にバリスタ
電圧Ｖ（ｄ）を有するバリスタ５２が形成され、電極４
２と電極４３の間にバリスタ電圧Ｖ（ｅ）を有するバリ
スタ５４が形成されている。電極４０，４１は電極４２
，４３より広面積に設計され、サージによる熱破壊が生
じにくい構造にされている。また、電極４０と電極４２
の間は幅の狭い導体パターン４４にて電気的に接続され
ている。この導体パターン４４に発生するインダクタン
スは、電極４０，４２に発生するインダクタンスに加算
され、バリスタの入出力電極間のインダクタンスをアッ
プさせる。さらに、電極４１から幅の狭い導体パターン
４５が引き出されている。この導体パターン４５に発生
するインダクタンスは、電極４１に発生するインダクタ
ンスに加算される。

【００１６】こうして準備された基材シート３１〜３３
は積み重ねられ、保護シート３５にて挟まれた後、一体
的に圧着成形され、図６に示すように、積層体５０とさ
れる。この積層体５０の左端部に、入力電極Ｔ（５）が
電極４０に導通するように設けられている。同様にして
、出力電極Ｔ（６）が電極４３及び導体パターン４５に
導通するように積層体５０の右端部に設けられている。

【００１７】図７はこのバリスタ部品の等価電気回路図
である。ここに、Ｌ（３）は電極４０，４２及び導体パ
ターン４４の合成インダクタンス、Ｌ（３’）は電極４
１及び導体パターン４５の合成インダクタンスである。 基材シート３１，３２の厚みが等しい場合、各バリスタ
５２，５４のバリスタ電圧Ｖ（ｄ），Ｖ（ｅ）は、

【０
０１８】

【数２】

【００１９】の関係になる。また、バリスタ電圧Ｖ（ｄ
）は、基材シート３２と３３の間にダミーシートを挿入
したり、基材シート３２の厚みを変えることによって調
整できる。このバリスタ部品は前記第１実施例と同様の
作用、効果を奏する。 ［第３実施例、図８〜図１０］図８は、積層型３端子バ
リスタの分解斜視図である。基材シート６１，６３，６
４の上面には、それぞれバリスタ電極６７、バリスタ電
極６８、バリスタ電極６９が設けられている。積層され
た状態では、電極６７と電極６８の間にバリスタ電圧Ｖ
（ｆ）を有するバリスタ７２が形成され、電極６８と電
極６９の間にバリスタ電圧Ｖ（ｇ）を有するバリスタ７
４が形成されている。

【００２０】こうして準備された基材シート６１，６３
，６４は、ダミーシート６２や保護シート６５と共に積
み重ねられ、一体的に圧着成形されて図９に示すように
、積層体７０とされる。この積層体７０の左右端部にそ
れぞれ入力電極Ｔ（７）が電極６７の左端部に導通する
ように設けられ、出力電極Ｔ（８）が電極６９の右端部
に導通するように設けられている。同様にして、共通電
極Ｔ（９）が電極６８に導通するように積層体７０の中
央部に設けられている。

【００２１】図１０はこのバリスタ部品の等価電気回路
図である。ここに、Ｌ（４）は内部電極に発生するイン
ダクタンスである。基材シート６１，６２，６３の厚み
が等しい場合、各バリスタ７２，７４のバリスタ電圧Ｖ
（ｆ），Ｖ（ｇ）は、

【００２２】

【数３】

【００２３】の関係になる。このバリスタ部品は前記第
１実施例と同様の作用、効果を奏する。 ［第４実施例、図１１〜図１３］図１１はバリスタアレ
イ部品の分解斜視図である。基材シート８０，８１，８
２，８４，８５の上面にはそれぞれバリスタ電極８９ａ
，８９ｂ，９０ａ，９０ｂ、バリスタ電極９１、バリス
タ電極９２、バリスタ電極９３ａ，９３ｂ，９４ａ，９
４ｂ、バリスタ電極９５が設けられている。積層された
状態では、電極８９ａと電極９２の間にバリスタ電圧Ｖ
（ｈ）を有するバリスタ１０１が形成されている。同様
にして、電極８９ｂ−９１間、電極９０ａ−９２間、電
極９０ｂ−９１間、電極９３ａ−９２間、電極９３ｂ−
９５間、電極９４ａ−９２間、電極９４ｂ−９５間に、
それぞれバリスタ電圧Ｖ（ｉ），Ｖ（ｊ），Ｖ（ｋ），
Ｖ（ｌ），Ｖ（ｍ），Ｖ（ｎ），Ｖ（ｏ）を有するバリ
スタ１０２，１０３，１０４，１０５，１０６，１０７
，１０８が形成されている。また、電極８９ａ−８９ｂ
間、電極９０ａ−９０ｂ間、電極９３ａ−９３ｂ間及び
電極９４ａ−９４ｂ間は、それぞれ幅の狭い導体パター
ン９６，９７，９８，９９にて電気的に接続されている
。

【００２４】こうして準備された基材シート８０〜８５
は保護シート８８と共に積み重ねられ、一体的に圧着成
形され、図１２に示すように、積層体１００とされる。 この積層体１００の奥側に入力電極Ｔ（１０），Ｔ（１
２），Ｔ（１４），Ｔ（１６）がそれぞれ電極９３ａ，
８９ａ，９４ａ，９０ａに導通するように設けられてい
る。同様にして、出力電極Ｔ（１１），Ｔ（１３），Ｔ
（１５），Ｔ（１７）がそれぞれ電極９３ｂ，８９ｂ，
９４ｂ，９０ｂに導通するように積層体１００の手前側
に設けられ、共通電極Ｔ（１８）が電極９１，９２，９
５に導通するように積層体１００の左右端部に設けられ
ている。

【００２５】図１３はこのバリスタアレイ部品の等価電
気回路図である。ここに、Ｌ（５）は電極９３ａ，９３
ｂ及び導体パターン９８の合成インダクタンス、Ｌ（６
）は電極８９ａ，８９ｂ及び導体パターン９６の合成イ
ンダクタンス、Ｌ（７）は電極９４ａ，９４ｂ及び導体
パターン９９の合成インダクタンス、Ｌ（８）は電極９
０ａ，９０ｂ及び導体パターン９７の合成インダクタン
スである。基材シート８０〜８４の厚みが全て等しい場
合、各バリスタ１０１〜１０８のバリスタ電圧Ｖ（ｈ）
〜Ｖ（ｏ）は、

【００２６】

【数４】

【００２７】の関係になる。また、バリスタ電圧Ｖ（ｈ
），Ｖ（ｊ），Ｖ（ｌ），Ｖ（ｎ）は、基材シート８１
，８５の厚みを変えることによって調整できる。このバ
リスタアレイ部品は前記第１実施例と同様の作用、効果
を奏する。 ［他の実施例］なお、本発明に係るバリスタ部品は前記
実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で
種々に変形することができる。

【００２８】前記実施例では表面実装に対応すべくチッ
プタイプのバリスタ部品を示したが、これに限定される
ものではなく、挿入実装タイプのものであってもよい。 また、前記各実施例は積層タイプのバリスタ部品を示し
たが、これに限らない。

【００２９】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、内蔵された少なくとも２個のバリスタのうち、
バリスタ電圧の高い方のバリスタを入力電極側に電気的
に接続し、バリスタ電圧の低い方のバリスタを出力電極
側に電気的に接続したため、高電圧のサージが入力電極
からバリスタ部品内に侵入しても、バリスタ電圧の高い
バリスタによって部品自体が熱破壊されるのを防止され
ることになる。そして、低電圧のサージはバリスタ電圧
の低い方のバリスタによって完全に吸収されることにな
る。従って、電子機器の保護や誤動作防止に対して優れ
た性能を発揮し、しかも、高電圧のサージに対して熱破
壊しないバリスタ部品が得られる。

【００３０】また、その製造に際しては、従来のバリス
タ部品の製造方法と比較して殆ど工程数が変わることが
ないので安価なコストで製造することができる。さらに
、基材シートにＺｎＯ系等の高誘電率材料を採用すれば
、その誘電率特性によって異なる容量値を有する電磁干
渉フィルタとしても機能し、高周波領域でのノイズ除去
効果をアップすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るバリスタ部品の第１実施例を示す
分解斜視図。

【図２】図１に示したバリスタ部品の外観を示す斜視図
。

【図３】図１に示したバリスタ部品の等価電気回路図。

【図４】図１に示したバリスタ部品の挿入損失特性を示
すグラフ。

【図５】本発明に係るバリスタ部品の第２実施例を示す
分解斜視図。

【図６】図５に示したバリスタ部品の外観を示す斜視図
。

【図７】図５に示したバリスタ部品の等価電気回路図。

【図８】本発明に係るバリスタ部品の第３実施例を示す
分解斜視図。

【図９】図８に示したバリスタ部品の外観を示す斜視図
。

【図１０】図８に示したバリスタ部品の等価電気回路図
。

【図１１】本発明に係るバリスタ部品の第４実施例を示
す分解斜視図。

【図１２】図１１に示したバリスタ部品の外観を示す斜
視図。

【図１３】図１１に示したバリスタ部品の等価電気回路
図。

【符号の説明】

１，２，３，４，５…基材シート １０，１１，１２，１３，１４，１５…バリスタ電極２
２，２４，２６…バリスタ ３１，３２，３３…基材シート ４０，４１，４２，４３…バリスタ電極５２，５４…バ
リスタ ６１，６２，６３，６４…基材シート ６７，６８，６９…バリスタ電極 ７２，７４…バリスタ ８０，８１，８２，８３，８４，８５…基材シート８９
ａ，８９ｂ，９０ａ，９０ｂ，９１，９２，９３ａ，９
３ｂ，９４ａ，９４ｂ，９５…バリスタ電極１０１，１
０２，１０３，１０４，１０５，１０６，１０７，１０
８…バリスタ Ｖ（ａ），Ｖ（ｂ），Ｖ（ｃ），Ｖ（ｄ），Ｖ（ｅ），
Ｖ（ｆ），Ｖ（ｇ），Ｖ（ｈ），Ｖ（ｉ），Ｖ（ｊ），
Ｖ（ｋ），Ｖ（ｌ），Ｖ（ｍ），Ｖ（ｎ），Ｖ（ｏ）…
バリスタ電圧

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　入力電極と出力電極を有するバリスタ
   部品において、バリスタ電圧の異なる少なくとも２個の
   バリスタが内蔵されており、バリスタ電圧の高い方のバ
   リスタが前記入力電極側に電気的に接続され、バリスタ
   電圧の低い方のバリスタが前記出力電極側に電気的に接
   続されることを特徴とするバリスタ部品。