JPH04274852A - 高清浄度溶鋼鋳造用の連鋳タンディッシュ堰 - Google Patents

高清浄度溶鋼鋳造用の連鋳タンディッシュ堰

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JPH04274852A
JPH04274852A JP3055555A JP5555591A JPH04274852A JP H04274852 A JPH04274852 A JP H04274852A JP 3055555 A JP3055555 A JP 3055555A JP 5555591 A JP5555591 A JP 5555591A JP H04274852 A JPH04274852 A JP H04274852A
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JP
Japan
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molten steel
casting
alumina
tundish
al2o3
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JP3055555A
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Hiromi Takahashi
宏美 高橋
Yukio Nakamura
中村 勇気男
Koichi Yamaguchi
山口 紘一
Kazutoshi Iwashita
岩下 和俊
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Nippon Steel Corp
Krosaki Harima Corp
Original Assignee
Kurosaki Refractories Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高清浄度鋼鋳造用の耐
火物に関する物であって、 特にsol.Al.0.0
02%以下の伸線加工性、疲労強度、あるいは被削性を
要求されるSi脱酸鋼鋳造用のタンディッシュ堰に関す
るものである。
【0002】
【従来技術】従来、連続鋳造用のタンディッシュ堰には
、Al2O3を45〜75%含有したアルミナ−シリカ
質の中アルミナおよび高アルミナ質耐火物が一般的に使
用されている。鋳造中の溶鋼やスラグによる磨耗が大き
いタンディッシュ堰耐火物としては、高耐食性、高耐磨
耗性、高耐スポーリング性が優れている高アルミナ質、
あるいは中アルミナ質が一般的に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来から高清浄度Si
キルド鋼を製造するに当たっては耐火物の非アルミナ化
(純Al2O3を用いない)が望ましいと言われてきた
。 その理由は■介在物組成制御用の溶鋼酸素活量およびs
ol.Al.の微量コントロール(小山等:学振19委
員会第3分科会・神戸製鋼所資料;S62.9.30)
、■耐火物を構成する純Al2O3粒子の脱落防止(市
橋等;鉄と鋼Vol.71 No.2・85−A25)
であった。従って、従来技術で可能な取鍋内張り耐火物
の非アルミナ化、例えばジルコン系耐火物の使用、タン
ディッシュ内張り耐火物の非アルミナ化、例えばMgO
系耐火物の使用等、部分的には非アルミナ化が行なわれ
、それなりの改善効果も認められていた(斉藤等;神戸
製鋼技報Vol.34  No.2  p96)が、実
害介在物を皆無にし、実用上のトラブルを防止できるレ
ベルには至っていない(斉藤等;神戸製鋼技報Vol.
34  No.2  p96)。その理由は、溶鋼注入
系の耐火物を非アルミナ化することが技術的に困難であ
ったことと、部分的な非アルミナ化(純Al2O3粒子
を用いない)では、本発明者等が明らかにしたように溶
鋼中および耐火物中カーボンとの反応で耐火物中のSi
O2成分が還元されてAl2O3成分が濃化する結果、
後述する実害となるAl2O3粒子相及びスピネル(M
gO・Al2O3)相が生成することを防止できないか
らである。したがって溶鋼と接触する耐火物は、実害を
及ぼさないレベルにアルミナレス化する必要がある。S
iキルド鋼を鋳造したアルミナ−シリカ質タンディッシ
ュ堰の稼動面は、反応付着生成物が少ないため、従来無
害であると考えられていたが、本発明者らの最近の調査
結果では、堰稼動面にAl2O3が濃化して生成したア
ルミナ相、スピネル相が鋳造中に脱落し、鋳片にトラッ
プされて実害を生じる介在物になっていると推定される
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は従来技術の課題
を有利に解決するものであって、 (1)sol.Al.0.002%以下のSi脱酸溶鋼
を鋳造する連鋳タンディッシュ堰において、溶鋼と接触
する部分のAl2O3含有量を4重量%以下とし、望ま
しくはMgO:90重量%以上、SiO2:3〜7重量
%、およびその他の耐火成分:0〜5重量%からなるこ
とを特徴とする高清浄度鋼鋳造用のタンディッシュ堰。 (2)sol.Al.0.002%以下のSi脱酸溶鋼
を鋳造する連鋳タンデイッシュ堰において、溶鋼と接触
する部分のAl2O3含有量を4重量%以下とし、望ま
しくはジルコン原料70重量%(ZrO2量として45
重量%)以上を含有し、さらにSiO2:10〜25重
量%含有することを特徴とするセミジルコン質の高清浄
度鋼鋳造用のタンディッシュ堰である。
【0005】以下本発明を図表を用いて説明する。表1
は本発明に適用する鋼種であって、特に低Alに特徴が
ある。Alは強脱酸元素で脱酸・酸素コントロール用に
有用であるが、sol.Al.が、0.002%以上に
なると非延性硬質のAl2O3系介在物を生じて、疲労
特性、伸線加工特性および被削性等を害するので、低A
lとする必要がある。Cは材質強度コントロールに必要
であり、用途によって必然的にその成分範囲が決定され
るが、0.05%未満では後述する本発明で問題にして
いる耐火物稼動面のアルミナ成分濃化も問題とならない
。 SiはCと共に脱酸・酸素コントロール上必要であり、
また靱性をあまり低下せずに強度を増加させる効果が有
り、 0.03〜2.50%が実用化されている。  
Mnは、強度を増加させる効果があり、また介在物の軟
質化にも効果が有り0.15〜2.00%程度が実用化
されている。P,Sは偏析を悪化させ、材料特性を悪化
させるので0.03%以下が望ましい。Oは介在物組成
コントロール上重要な成分であり、C,Si含有量に対
して適当な範囲が有るが安定して鋳造できるのは80p
pm以下である。これ以上では鋳片にブローホールが発
生したりして鋳造が不安定になる。その他Cr,Nb,
V等材質特性上有効で脱酸および介在物組成にあまり影
響を及ぼさない元素は含有してもかまわない。
【0006】
【表1】
【0007】〈耐火物をアルミナレス化する必要性〉伸
線加工中の破断面、および疲労破面に認められる実害と
なる介在物は、殆どが純アルミナ、およびスピネル(A
l2O3・MgO)である。Siキルド鋼を鋳造した高
アルミナ質タンデイッシュ堰稼動面には堰基材の高アル
ミナ質粒子とは形態が異なる数十μm〜150μmサイ
ズのアルミナ相、およびスピネル相が析出していること
が検鏡調査、EPMA分析で確認された。堰稼動面にア
ルミナ相が生成する機構を、高アルミナ質耐火物(52
%Al2O3,48%SiO2)の場合を例にして述べ
る。 高アルミナ質堰稼動面の約1mm厚みに純アルミナ相の
析出が認められ、約150ミクロン以下のアルミナ相が
多数生成析出している。その模式図を図1に示す。図で
Aは溶鋼と反応生成したアルミナ相であり、Bは(Al
,Si,Mn)O系のマトリックスである。Cは耐火物
基材であり、ほぼ52%Al2O3−48%SiO2で
ある。カーボンを含まない高アルミナ質耐火物にアルミ
ナ相が生成する機構について、溶鋼と耐火物との反応を
熱力学的に検討した。その結果を表2に示す(熱力学デ
ータは学振・製鋼第19委員会「製鋼反応の推奨平衡値
」を使用した)。1500℃の溶鋼50Tと耐火物1K
gが平衡に達するまで反応した結果を反応後の欄に示し
てある。溶鋼50Tはタンディッシュ内の溶鋼、耐火物
1kgは堰表面の反応層の量を想定している。表で水準
■は高炭素鋼との反応の例である。耐火物中のSiO2
が還元されて消失し、アルミナが100%つまり純アル
ミナ相が生成することを示している。さらにアルミナの
一部も還元されてsol.Al.として溶鋼に入ってい
ることがわかる。水準■は溶鋼中カーボンが0.2%の
場合であるが、この場合でも純アルミナ相が生成する。 水準■および■は溶鋼中Mn含有量を変更した場合であ
るが、あまり変化は認められない。この結果から、耐火
物中のSiO2成分は溶鋼中のカーボンで還元されて、
Al2O3成分が濃化し純アルミナ相が生成することが
分かる。 従来溶鋼中のMnでSiO2が還元されると
言う文献が多く見られる(成田:耐火物,30〔14〕
,p14(1978)等)が、本発明の場合にはカーボ
ンの方が還元力が大きい事が分かる。 この全体の反応
をムライト組成の例で示すと(3)式で表わされる。   〈3Al2O3・2SiO2〉 + 4〔C〕 =
 3Al2O3 + 2〔Si〕 + 4{CO}  
  (3)この場合、耐火物中のAl2O3成分が濃化
してアルミナ相が生成するので、アルミナ相の生成を防
止するためには、Al2O3成分を極力含有しない耐火
物を使用する必要がある。以上述べた理由により、タン
デイッシュ堰等の耐火物と溶鋼が接触する界面に実害と
なるアルミナ相、スピネル相の生成を防止するためには
、タンディッシュ堰およびその他耐火物の溶鋼と接触す
る部分のアルミナ成分の低減を行なう必要がある。
【0008】
【表2】
【0009】一方、耐火物中にカーボンを含有した耐火
物の場合も、例えばSiキルド鋼を鋳造したアルミナ−
黒鉛質の浸漬ノズル稼動面には、ノズル基材に用いられ
ているアルミナ粒子とは形態が異なる数十〜数百μmサ
イズのアルミナ相、およびスピネル相が生成しているこ
とが検鏡調査・EPMA分析で確認された。耐火物を構
成する純アルミナ粒子が脱落して硬質の実害介在物にな
るのは当然として、アルミナ相およびAl2O3成分を
含有し、かつカーボンを含有する浸漬ノズル等の耐火物
稼動面にAl2O3相及びスピネル(MgO・Al2O
3)相が生成するのは次の機構によると考えられる。ア
ルミナ−黒鉛質の浸漬ノズルの様に耐火物中にカーボン
を含有する場合は、浸漬ノズル内のAl2O3およびS
iO2成分がCおよびCOガスで還元されてAl2Oガ
ス、SiOガスとして稼動面に移動してAl2Oガスは
溶鋼側から酸素を得てAl2O3として析出し、SiO
はさらにカーボン,およびCOガスで還元されてSiと
してメタル中へ移行する(福田等:鉄と鋼’86−S2
80等)。 全体の反応式は次の様に表わされる。   〈Al2O3〉 + 4〔C〕 + 2〈SiO2
〉→ (Al2O3) + 2〔Si〕 + 4{CO
}  (1)   SiO2を含まないカーボン含有耐火物の反応式も
同様に(2)式(Hauckら:Eisenhutte
nwes,53(1982)Nr,4April,P1
27)で表わされる。   3〈Al2O3〉 + 6〔C〕 → 4〔Al〕
 + (Al2O3) + 6{CO}       
   (2)従ってSiO2を含まない場合でもカーボ
ンを含有していれば稼動面にAl2O3が生成すること
になる。稼動面にアルミナ相の生成を防止するには、A
l2O3成分を極力含有しない耐火物、すなわちアルミ
ナレス耐火物とする必要がある。また、稼動面にスピネ
ル(MgO・Al2O3)相の生成がしばしば認められ
るのは、タンデイッシュコーティング材等のMgO系耐
火物成分や脱酸生成物、およびスラグ中のMgO成分と
耐火物稼動面のAl2O3が反応してスピネルが生成す
るためであると推定される。
【0010】本発明によるタンディッシュ堰は(1)溶
鋼と接触する部分のAl2O3含有量が4重量%以下と
し、望ましくはMgO:90重量%以上、SiO2:3
〜7重量%、およびその他の耐火成分:0〜5重量%か
らなるため、また(2)溶鋼と接触する部分のAl2O
3含有量を4重量%以下とし、望ましくはジルコン原料
70重量%(ZrO2量として45重量%)以上を含有
し、さらにSiO2:10〜25重量%含有するセミジ
ルコン質からなるために、溶鋼との反応で耐火物稼動面
に実害となるアルミナ相やスピネル相が生成することが
ない。MgO系堰は耐食性、耐スラグ性が良好であるが
耐スポーリング性を向上させるためにSiO2を添加す
る。SiO2が多くなると耐食性が劣化するので7重量
%以下が望ましい。その他の耐火原料については、不可
避不純物以外のアルミナを含有しない原料が使用可能で
あるが添加量が多くなると耐食性が劣化する事になるの
で添加量は5重量%以下にすべきである。ジルコン系の
堰の場合には多連鋳実施時の耐食性を向上させるために
、ジルコン原料は70%以上が必要であり、添加SiO
2は、多くなると耐食性が劣化するので25%以下にす
べきであり、少なすぎると剥離、亀裂の発生を抑制でき
ないので10%以上必要である。以上述べたように、本
発明によるタンディッシュ堰は、耐食性や、耐スポーリ
ング性の点で従来の耐火物と同等以上の耐用性があり、
しかもSiキルド鋼の鋳造に於いてアルミナ相やスピネ
ル相等の実害となる高融点・硬質介在物を生成しないた
め、鋼材品質向上の上で大きな利点がある。
【0011】
【実施例】以下、本発明例を実施例に基ずいて説明する
。表3に示す組成の原料を、流し込み成形により堰ブロ
ックを製造し、実機での鋳造試験を行なった。実操業で
の使用状況、 および稼動面へのアルミナ相、スピネル
相生成の有無は、本発明で対象にしている成分のSiキ
ルド鋼を浸漬ノズル当たり約400t鋳造した結果を示
している。実施例■,■は本発明範囲であり、稼動面へ
のアルミナ相、スピネル相等の有害相の生成が認められ
ず、また溶損も少なく、 耐スポーリング性にも優れて
いる。比較例■は従来から使用されている高アルミナ質
の浸漬ノズルの例である。耐溶損性、耐スポーリング性
は十分であるが、溶鋼と接している稼動面に有害なアル
ミナ相やスピネル相が生成しており、品質上問題がある
。比較例■はMgOが本発明範囲より少なく、SiO2
,Al2O3が本発明範囲より多い場合であるが、耐溶
損性に問題があり、スラグライン部に溶損が認められた
。■は添加SiO2,Al2O3 が本発明範囲より多
く、ジルコン原料(ZrO2)が少ない例であるが、や
はり耐溶損性に問題があり、スラグライン部の溶損が大
きめであった。■はジルコン原料(ZrO2),Al2
O3が本発明範囲より多くSiO2が少ない例であるが
、使用中に亀裂発生および地金差し、欠落が有り安定し
た鋳造が出来なかった。
【0012】
【表3】
【0013】図2は耐火物改善前後における、53ミク
ロン以上の鋳片スライム電解抽出介在物について、「抽
出介在物中にアルミナ及びスピネルの析出相が認められ
る介在物」の出現率を示した図である。スライム抽出法
においては約1kg程度の鋳片を電解して介在物を抽出
した。ここで比較例1は鍋および鍋注入系ノズル、ロン
グノズル、タンディッシュ内壁、タンディッシュ上ノズ
ル、ストッパー、浸漬ノズル、タンディッシュカバー等
の耐火物をAl2O3含有量10%以下に少なくし、タ
ンディッシュ堰のみを従来の高アルミナ質の物を用いた
場合であるが、アルミナ、スピネル相を含有する実害介
在物が認められる。 特に実害介在物出現指数が8認め
られたキャストでは注入溶鋼流に偏流が生じたために堰
の溶損が生じたものであり、堰の稼動面に生成したアル
ミナ、スピネル相が溶損脱落して鋳片に補足されたこと
を示している。  本発明1は、本発明の堰を従来品に
替えて使用した例である。その他は従来耐火物であるが
若干の改善効果が認められる。本発明2は、本発明の堰
以外に取鍋から連鋳耐火物までの溶鋼に接触する耐火物
、すなわち■取鍋側壁(スラグライン部含む)および底
面、■取鍋上ノズル、SNプレート、下部ノズルの溶鋼
接触部、■取鍋タンディッシュ間ロングノズルの溶鋼接
触部、■タンディッシュの内張り耐火物およびタンディ
ッシュカバー耐火物、■タンディッシュ上ノズル、スト
ッパー、■浸漬ノズルをAl2O3含有量10%以下に
した例である。この場合は鋳片の実害介在物は見つかっ
ていない。この結果は耐火物中のAl2O3含有量を十
分に低減すれば、溶鋼と耐火物との反応でアルミナ、ス
ピネル相が生じないことを示している。
【0014】図3は、耐火物の改善経過と線材の介在物
インデックスの関係を示したものである。介在物インデ
ックス線材の顕微鏡観察における介在物の圧延方向長さ
Lと厚みDの関係がL/D<3の非延性介在物の評点化
したものである。線材介在物インデックスは耐火物を変
更してもほとんど変わらない。介在物インデックスのよ
うに顕微鏡的な介在物評価方法では、存在量が非常に少
ない実害介在物を評価できず、脱酸生成物起因等の多数
存在している代表的介在物を評価しているものと考えら
れる。一方、耐火物を変更しても介在物インデックスが
変わらないということは、耐火物の変更により脱酸生成
物起因等の多数存在している介在物に対しては、影響を
及ぼしていないことを示している。
【0015】図4は、約200ミクロン径まで伸線加工
をしたときの介在物性断線指数と耐火物改善経過との関
連を調査した結果を示す。 比較例1は鍋および鍋注入
系ノズル、ロングノズル、タンディッシュ内壁、タンデ
ィッシュ上ノズル、ストッパー、浸漬ノズル、タンディ
ッシュカバー等の耐火物をAl2O3含有量10%以下
に少なくし、タンディッシュ堰のみを従来の高アルミナ
質の物を用いた場合である。断線指数が23認められた
ものは堰の溶損が生じたものであり、堰の稼動面に生成
したアルミナ、スピネル相が溶損脱落して断線を生じた
実害介在物になったことを示している。本発明1は、本
発明の堰を従来品に替えて使用した例である。その他は
従来耐火物であるが若干の改善効果が認められる。 従
来品に比べて、本発明の考えを発展させた本発明2では
大幅に改善されている。これは溶鋼と耐火物の反応で生
じるアルミナ、スピネルの実害介在物を無くする事が出
来たからである。本発明2でも極僅かに介在物性の断線
が認められるが、これは脱酸生成物系、及びスラグ系の
大型介在物起因によるものである。このレベルになると
表面欠陥起因、及び中心偏析起因の断線の方が圧倒的に
多く、従来問題となっていた介在物性起因の断線トラブ
ルは殆ど生じなくなった。同様に、硬質介在物が大幅に
減少した結果疲労限が向上し、また硬質介在物に起因す
る伸線時のダイスの寿命が延長し、切削時の工具刃先の
傷みが減少した結果、被削性も向上した。なお、図5に
取鍋およびタンディッシュ耐火物の構造例を示す。
【0016】
【発明の効果】本発明によって、タンディッシュ堰稼動
面に実害を及ぼす硬質のアルミナ相やスピネル相が生成
しなくなり、鋳片内の硬質介在物が減少した結果、伸線
加工中の断線トラブルが減少し、また疲労限が向上し、
さらに被削性も向上させることが出来た。
【0017】
【図面の簡単な説明】
【図1】高アルミナ質堰稼動面における断面模式図、

図2】本発明比較例での実害介在物出現率を示す図、

図3】本発明と比較例との線材の介在物インデックスの
関係を示す図、
【図4】本発明と比較例との介在物性の断線指数を示す
図、
【図5】取鍋およびタンディッシュ耐火物の構造を示す
図である。
【符号の説明】
1  取鍋側壁 2  取鍋上ノズル 3  SNプレート 4  取鍋下部ノズル 5  ロングノズル 6  タンディッシュ 7  タンディッシュ堰 8  タンディッシュ・カバー 9  タンディッシュ内張り耐火物 10  タンディッシュ・ストッパー 11  タンディッシュ上ノズル 12  浸漬ノズル 13  連鋳鋳型 14  溶鋼

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  sol.Al.0.002%以下のS
    i脱酸溶鋼を鋳造する連鋳タンディッシュ堰において、
    溶鋼と接触する部分のAl2O3含有量を4重量%以下
    とし、望ましくはMgO:90重量%以上、SiO2:
    3〜7重量%、およびその他の耐火成分:0〜5重量%
    からなることを特徴とする高清浄度鋼鋳造用のタンディ
    ッシュ堰。
  2. 【請求項2】  sol.Al.0.002%以下のS
    i脱酸溶鋼を鋳造する連鋳タンディッシュ堰において、
     溶鋼と接触する部分のAl2O3含有量を4重量%以
    下とし、 望ましくはジルコン原料70重量%(ZrO
    2量として45重量%)以上を含有し、さらにSiO2
    :10〜25重量%含有することを特徴とするセミジル
    コン質の高清浄度鋼鋳造用のタンディッシュ堰。
JP3055555A 1991-02-28 1991-02-28 高清浄度溶鋼鋳造用の連鋳タンディッシュ堰 Pending JPH04274852A (ja)

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Cited By (1)

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