JPH0427423Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、洗面所等に配置する洗面化粧台に関
する。

〔従来の技術〕

従来、洗面化粧台として最も一般的なものは、
キヤビネツトの上にカウンターを固定し、このカ
ウンターに設けた取付用開口又は切欠部分に洗面
器を配置した構造である。カウンターへの洗面器
の固定構造は、カウンター下面に洗面器を支持金
具によつて吊り下げ固定するアンガーカウンター
式や、洗面器の縁部にリムを形成してこれを取付
用開口又は切欠のカウンターの縁部に載せるセル
フリムタイプ等がある。

このような洗面化粧台に代えて、第８図ａに示
すように、カウンター５０より前側に洗面器５１
を突き出したものもある。これは、カウンター５
０の奥行き寸法を小さくして据付け位置のスペー
スを広く利用することを一つの目的としたもので
ある。

このようなタイプでは、洗面器５１を覆い隠す
ための幕板５２をカウンター５０とキヤビネツト
５３との間に配置する必要がある。この幕板５２
は、洗面器５１の外形はカウンター５０の下面か
ら前方及び下方に膨出するような曲面状であるた
め、これに沿うような形状である。したがつて、
幕板５２は合成樹脂等のように型成形によるもの
が使用される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

幕板５２は、その背面にＬ字状の取付具５４を
複数配置し、第８図ｂのようにカウンター５０の
下面に設けた受け具５５にこれを挿入することに
より固定される。そして、この固定状態のときに
は、前側に膨出するカウンター５０の下面に幕板
５２の上端が密着し、正面から見て隙間等が露呈
しないように組み立てられる。

ところが、取付具５４を受け具５５に挿入する
固定構造なので、カウンター５０の前端部に荷重
が負荷されると、このカウンター５０の歪によつ
て取付具５４及び受け具５５は相対的に動いてし
まう。その結果、これらの部材の接触による異音
が発生し、特に取付具５４と受け具５５とが金属
片の場合には、キシミ音が発生して不快である。

また、洗面器５１を含めるようにするため、幕
板５２には湾曲部を設けているので、この湾曲部
分に設ける取付具５４とカウンター５０側の受け
具５５との位置合わせには困難さを伴う。特に、
カウンター５０に歪がある場合には、受け具５５
の位置がずれてしまうので、取付具５４の挿入に
支障を来たし、組立てに手間取るという問題もあ
る。

そこで、本考案は、以上のような従来の問題を
解消し、幕板とカウンター間の異音の発生がなく
且つ組立ても容易に洗面化粧台を提供することを
目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、以上の目的を達成するために、キヤ
ビネツトの上にカウンターを固定すると共に該カ
ウンターに洗面器を設け、これら洗面器及びカウ
ンターの前縁をキヤビネツトよりも前方に突き出
し、更に前記キヤビネツトから突き出た洗面器を
覆う合成樹脂製の幕板を該キヤビネツトに連結し
た洗面化粧台であつて、前記幕板の上端面に弾性
材からなる緩衝材を設けると共に、該緩衝材の背
部側に接着性シール剤を塗布し、前記カウンター
下面に前記幕板の上端面を接合したことを特徴と
する。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例により本考案の特徴を
具体的に説明する。

第１図は本考案実施例の洗面化粧台の要部を分
解して示す斜視図、第２図は据付けたときの正面
図である。

第２図において、床面に間隔をおいて配置した
一対のキヤビネツトＣ及びその間に設けたキヤビ
ネツト１の上面にカウンター２が固定され、該カ
ウンター２のほぼ中央にはアンダーカウンター式
の洗面器３を配置している。また、カウンター２
の上部には化粧鏡４０、サイドキヤビネツト４１
を備えると共に最上端には吊り戸棚４２を設けて
いる。

カウンター２は、洗面器３が前方に突き出る部
分を含めるように、前縁部に緩やかな曲面を持つ
膨出部４を形成している。そして、突き出た洗面
器３の下面側の全体を被覆する合成樹脂製の幕板
５が一体的に取り付けられる。

第３図は、洗面器３及び幕板５の取付構造を示
す縦断面である。図において、キヤビネツト１の
間口方向には、洗面器３の前側部分を支持するた
めの桟木を利用した支持材６が配置される。この
支持材６の両端は、キヤビネツト１の左右の側板
１ａ，１ｂ（第１図参照）に固定され、洗面器３
に形成した下面を平坦にしたリム３ａより下のレ
ベルに水平に配置される。

更に、支持材６には、洗面器３の前側部分を受
圧してこれを支持する支持金具７を設ける。この
支持金具７は、支持材６の背面側に固定したＬ型
のアングル７ａ及びこのアングル７ａを鉛直方向
に挿通して螺合するボルト杆７ｂとから構成され
る。ボルト杆７ｂは、下方からドライバ等の工具
によつて上下に移動し、その上端がリム３ａの下
面に当接して洗面器３を固定支持する。支持金具
７は、洗面器３の左右両端部に一対配置され、洗
面器３を複数の位置で支持する吊り金具（図示せ
ず）と共に洗面器３をカウンター２に連結固定す
る。

幕板５は、合成樹脂を素材として一体形成され
たもので、側板１ａ，１ｂに設ける固定具８にそ
の両端が嵌合することにより支持される。第４図
は幕板５をその背面側から見た斜視図であり、ほ
ぼ中央部分に洗面器３の前側下部全体を含むこと
ができる内容量の袋部１０を前方側に膨出させて
いる。また、この袋部１０の左右を、カウンター
２とキヤビネツト１との間に位置させるために直
線的な平面形状を持つ間口調整部１１としてい
る。これらの袋部１０及び間口調整部１１の上端
には、奥側へ屈曲する段状の上部リム１２を形成
し、一方下端には同様に奥側へ屈曲した下部リム
１３を設けている。

そして更に、袋部１０の先端部の領域には、接
着性のシール剤１２ｂが塗布されており、このシ
ール剤１２ｂによつてカウンター２との間の接合
が行われる。また、袋部１０の間口領域をほぼ含
む上部リム１２の上面には、ゴム等を素材とした
緩衝材１２ａが接着剤等によつて一体化されてい
る。この緩衝材１２ａは、断面が一様な帯状材
で、カウンター２の下面に組み込んだときにはそ
の上面がカウンター２の下面に当接する。なお、
この緩衝材１２ａは必ずしも設ける必要はなく、
シール剤１２ｂによる接合によつても或る程度の
緩衝をカウンター２と幕板５との間に与えること
ができる。

第５図は、幕板５の両端を支持する固定具８の
うち左側に配置するものの斜視図である。

この固定具８は、幕板５と同様に合成樹脂を素
材として形成され、間口調整部１１の端部を嵌め
込むことができる挿入溝１４を備える。この挿入
溝１４は、前面に露出する化粧縁１５と、間口方
向へ大きく伸びた受け部１６との間に設けられ
る。そして、受け部１６の背部には、キヤビネツ
ト１の側板１ａの前端側の角部にフイツトできる
四角形横断面の盗み１７を設けている。また、盗
み１７部分には、固定用のビス１９が挿通するビ
ス孔１８を開け、ビス１９によつて側板１ａに固
定する。なお、右側に配置する固定具８は、左配
置のものに対して左右対称である。

幕板５のキヤビネツト１への組込みは、以下の
要領で行う。

まず、キヤビネツト１の間口寸法及び洗面器３
の位置を確認した後、幕板５の間口調整部１１の
両端を必要な量だけカツトして間口寸法の調整を
行う。幕板５は、合成樹脂を素材とするので、切
断は容易である。次に、幕板５の間口調整部１１
の両端を固定具８の挿入溝１４の嵌め込み、接着
剤又は溶着により連結固定する。

間口調整部１１の両端は、挿入溝１４を形成し
ている化粧縁１５と受け部１６とによつて支持さ
れ、しかも化粧縁１５の間口寸法を或る程度長く
しておくことにより、切断代の許容度を大きくで
きる。

最後に、固定具８をキヤビネツト１の左右の側
板１ａ，１ｂのそれぞれに固定する。これは、受
け部１６の盗み１７を側板１ａ，１ｂの角部に当
て、ビス１９をビス孔１８から側板１ａ，１ｂに
ネジ込むことにより行う。なお、第７図に右側の
固定具８の取付状態の平面図を示す。

以上の幕板５の取付が済むと、洗面器３を下面
に予め固定したカウンター２をキヤビネツト１，
Ｃの上に載せて、適当な金具等を利用して固定す
る。このとき、幕板５の上部リム１２の緩衝材１
２ａがカウンター２の下面に当接すると共にシー
ル剤１２ｂがこれを接合する。下部リム１３は支
持材６の前面部分まで潜り込む。

以上のように、合成樹脂製の幕板５は、その両
端を固定具８の挿入溝１４に嵌め込むか又は接着
もしくは溶着するだけで、必要とする位置に簡単
に取り付けることができる。更に、幕板５を合成
樹脂製とすることにより、洗面器３やキヤビネツ
ト１の形状等に対応して様々なものが簡単に製作
できる。また、幕板５の左右に平面形状が直線状
の間口調整部１１を設けているので、種々の間口
寸法のキヤビネツトに対応でき、製品のバリエー
シヨンが格段に増加する。

更に、第３図及び第６図に示すように、カウタ
ンー２には、袋部１０部分に設けた緩衝材１２ａ
部分のみが当接し、間口調整部１１及び両端部は
カウンター２には接触していない。そして、緩衝
材１２ａの背部に設けた接着性のシール剤１２ｂ
によつてこれらのカウンター２及び幕板５が接合
されている。したがつて、組立て後にカウンター
２の前端に負荷がかかつて歪を生じ、その作用力
が幕板５に及んでも、この作用力は緩衝材１２ａ
によつて吸収される。このため、合成樹脂を素材
としていても幕板５の変形等が防止され、また従
来のように固定具や受け具等が介在しないので、
異音の発生もない。

また、シール剤１２ｂは緩衝材１２ａの背部に
隠れる配置となるのでシール部分が露出せず、カ
ウンター２の下面と幕板５の上端との間に隙間が
あつても、外観を損ねることもない。更に、幕板
５には、前方に膨出する袋部１０を曲面を主体と
した外郭形状としている。このため、カウンター
２に下向きに負荷を与えたとき、最もこの負荷が
大きくなる袋部１０が受ける応力に対しても強度
の向上が可能である。したがつて、幕板５を合成
樹脂で製作していても、その変形や破壊等の恐れ
がなく、良好な耐久性が得られる。

更に、前記したように、幕板５には緩衝材１２
ａを設けない構造とすることもできる。この場
合、シール剤１２ｂを介して幕板５の袋部１０の
上面部分をカウンター２に部分的な接合すること
になる。そして、シール剤１２ｂは、カウンター
２及び幕板５に歪等を生じてもこれに倣うように
弾性変形するので、或る程度の緩衝機能を果たす
ことができる。したがつて、シール剤１２ｂのみ
が介在する構造としても、合成樹脂製の幕板５の
変形や破壊が効果的に防止される。

なお、幕板５の上面に設ける緩衝剤１２ａ及び
シール剤１２ｂは、袋部１０部分のみではなく、
幕板５の間口全長に設けるようにしてもよい。ま
た、幕板５の上部リム１２の断面形状は、図示し
たものに変えて、カウンター２の下面まで立ち上
げて奥側へ屈曲させたほぼＬ字状のものとしても
よい。この場合には、シール剤１２ｂの塗布面積
が図示の場合よりも広くなり、カインター２との
接合度が更に強化される。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案の洗面化粧台に
おいては、キヤビネツトから前側に突き出た洗面
器を覆う合成樹脂製の幕板の上端面に、弾性材か
らなる緩衝材を設け、更に緩衝材の背部側に接着
性のシール剤を塗布し、この緩衝材及びシール剤
を介してカウンターの下面に接合している。この
ため、カウンターとの幕板とが直接当接せず、カ
ウンターの前側に荷重がかかりカウンターが下側
に変形しても、弾性材の緩衝材が収縮することに
よつてその変位量が吸収されるため、合成樹脂製
の幕板の歪みや破壊が防止される。また、カウン
ターと幕板との隙間は緩衝材で埋められるので良
好な外観が得られる。また、従来のように固定具
及び受け具による係合ではないので、幕板が袋部
を持つ湾曲形状であつても位置合わせ等が簡単に
行えると共に、カウンターの歪等に起因する不快
な異音の発生もない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例における洗面化粧台の要部を
分解して示す斜視図、第２図は据付け状態の正面
図、第３図は要部の組立て構造の縦断面図、第４
図は幕板を背部から見た斜視図、第５図は固定具
の斜視図、第６図は固定具による幕板の支持を含
めて示す要部の縦断面図、第７図は固定具の取付
平面図、第８図は従来例を示すものである。 １……キヤビネツト、２……カウンター、３…
…洗面器、３ａ……リム、４……膨出部、５……
幕板、６……支持材、７……支持金具、８……固
定具、１０……袋部、１１……間口調整部、１２
……上部リム、１２ａ……緩衝材、１２ｂ……シ
ール剤、１３……下部リム、１４……挿入溝、１
５……化粧縁、１６……受け部、１７……盗み、
１８……ビス孔、１９……ビス、Ｃ……キヤビネ
ツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キヤビネツト１の上にカウンター２を固定する
   と共に該カウンター２に洗面器３を設け、これら
   洗面器３及びカウンター２の前縁をキヤビネツト
   １よりも前方に突き出し、更に前記キヤビネツト
   １から突き出た洗面器３を覆う合成樹脂製の幕板
   ５を該キヤビネツト１に連結した洗面化粧台であ
   つて、前記幕板５の上端面に弾性材からなる緩衝
   材１２ａを設けると共に、該緩衝材１２ａの背部
   側に接着性シール剤１２ｂを塗布し、前記カウン
   ター２下面に前記幕板５の上端面を接合したこと
   を特徴とする洗面化粧台。